所得税法施行令
所得税法が「政令で定める」とした事項を定める政令です。国内に住所があると推定される場合、非課税となる通勤手当の範囲、事業用の資産の減価償却の方法、給与の源泉徴収や年末調整の細かな計算などを定めています。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 462
- 施行前の改正
- 4
この法令の内容
- 国内に住むことになった人は、国内で引き続き1年以上住むことを通常必要とする職業に就いている場合、または日本の国籍を持ち、国内に生計を一にする配偶者その他の親族がいることや国内での職業・資産の状況から、引き続き1年以上国内に住むと推測できる事実がある場合には、国内に住所がある人と推定されます。所得税法では、国内に住所がある人は居住者です。国外に住むことになった人は、国外で引き続き1年以上住むことを通常必要とする職業に就いている場合、または外国の国籍や外国の永住許可を持ち、国内に生計を一にする配偶者その他の親族がいないことなどから、再び国内に帰って主に国内に住むと推測できる事実がない場合には、国内に住所がない人と推定されます。その人と生計を一にする配偶者や、その人が扶養する親族も、前の場合は国内に住んでいれば国内に住所がある人と、後の場合は国外に住んでいれば国内に住所がない人と推定されます。(第十四条第一項, 第十四条第一項第一号, 第十四条第一項第二号, 第十四条第二項, 第十五条第一項, 第十五条第一項第一号, 第十五条第一項第二号, 第十五条第二項, 所得税法 第二条第一項第三号)(根拠条文)
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- その年の12月31日(年の途中で死亡した場合は死亡の日、出国する場合は出国の時)に居住者である人で、その年に非居住者であった期間がある人の所得税は、居住者であった期間に生じた所得と、非居住者であった期間に生じた課税される国内源泉所得とを合わせて計算します。非居住者であった期間に支払を受ける分離課税の国内源泉所得は、その税額を別に計算して加えます。給与所得控除額や公的年金等控除額などは、両方の期間の所得を合計して計算します。一方、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除は、居住者であった期間に支払った金額(社会保険料などは給与から差し引かれた金額を含みます)だけが対象です。(第二百五十八条第一項, 第二百五十八条第一項第一号, 第二百五十八条第一項第六号, 第二百五十八条第二項, 第二百五十八条第三項第二号, 第二百五十八条第三項第三号, 第二百五十八条第三項第四号, 所得税法 第百二条第一項)(根拠条文)
- 年末調整の結果、給与等から源泉徴収した税額が多すぎたときは、給与等の支払者は、その過納額を、本来国に納付する源泉徴収税額から差し引いて本人に還付します。支払者でなくなったことや、納付する税額がなくなったことで還付できない場合、または還付すべきことになった月の翌月1日から2か月を過ぎても全額を還付できない場合は、支払者がその旨と各人別の未還付額を書いた書面をに出し、税務署長が残りを本人に還付します。(第三百十二条第一項, 第三百十三条第一項, 第三百十三条第一項第一号, 第三百十三条第一項第二号, 第三百十三条第二項, 所得税法 第百九十一条第一項)(根拠条文)
- 給与所得者の扶養控除等申告書に非居住者である親族(国外居住親族)を記載した居住者は、その親族ごとに、配偶者または親族であることを証明する財務省令で定める書類を申告書に添付するか、提出の際に提示しなければなりません。その国外居住親族を年末調整で控除の対象にするには、その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに、給与等の支払者を経由して別の申告書を出し、その人と生計を一にすることを明らかにする書類を添付するか提示します。配偶者控除等申告書や特定親族特別控除申告書に非居住者である配偶者や特定親族を記載する場合も、この書類が必要です。30歳以上70歳未満の親族を留学により国内に住所などがなくなった人として記載する場合は、そのことを証明する書類も必要です。その年に生活費や教育費として38万円以上を送っている人として扶養控除を受ける場合は、生計を一にすることを明らかにする書類に代えて、その支払を明らかにする書類が必要です。(第三百十六条の二第二項, 第三百十六条の二第二項第三号, 第三百十六条の二第三項, 第三百十八条の三第一項, 第三百十八条の四第一項, 所得税法 第百九十四条第五項, 所得税法 第百九十四条第六項, 所得税法 第二条第一項第三十四号の二ロ)(根拠条文)
- 家事上の経費に関連する経費(家事関連費)は、原則として必要経費になりません。ただし、その主な部分が不動産所得、事業所得、山林所得または雑所得を生ずべき業務の遂行上必要で、その必要な部分をはっきり区分できる場合は、その部分は必要経費になります。青色申告の承認を受けている居住者は、取引の記録などから不動産所得、事業所得または山林所得を生ずべき業務に直接必要だったことが明らかな部分も、必要経費にできます。(第九十六条第一項, 第九十六条第一項第一号, 第九十六条第一項第二号, 所得税法 第四十五条第一項第一号)(根拠条文)
- 不動産所得、事業所得、山林所得または雑所得を生ずべき業務を始めた居住者は、減価償却資産の区分ごとに償却の方法(たとえば機械装置、車両、器具備品では定額法か定率法)を選び、業務を始めた日(新しい区分の資産を取得した場合はその取得の日)の属する年分の確定申告期限までに、書面で納税地の所轄税務署長に届け出ます。届出をしなかった場合、平成19年4月1日以後に取得した資産で定額法と定率法を選べたものは定額法で、鉱業用の資産は生産高比例法で償却します。平成19年4月1日以後に取得した資産のうち、鉱業用の資産を除く建物と、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備・構築物は、定額法だけで償却します。(第六条第一項, 第百二十条の二第一項第一号, 第百二十条の二第一項第二号, 第百二十条の二第一項第三号, 第百二十三条第一項, 第百二十三条第二項, 第百二十三条第二項第一号, 第百二十三条第二項第二号, 第百二十五条第一項第二号, 所得税法 第四十九条第一項)(根拠条文)
目次
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- 第一編 総則第一条〜第五十七条(74条)
- 第一章 通則第一条〜第十五条(22条)
- 第一章の二 法人課税信託の受託者等に関する通則第十六条
- 第二章 課税所得の範囲第十七条〜第五十一条の五(45条)
- 第一節 課税所得の範囲第十七条
- 第二節 非課税所得第十八条〜第三十条(14条)
- 第三節 障害者等の少額預金の利子所得等の非課税第三十一条〜第五十条(25条)
- 第四節 公共法人等及び公益信託等に係る非課税第五十一条〜第五十一条の五(5条)
- 第三章 所得の帰属に関する通則第五十二条
- 第四章 納税地第五十三条〜第五十七条(5条)
- 第二編 居住者の納税義務第五十八条〜第二百七十八条(257条)
- 第一章 課税標準の計算第五十八条〜第二百四条の二(176条)
- 第一節 各種所得の金額の計算第五十八条〜第八十二条の四(30条)
- 第一款 利子所得及び配当所得第五十八条〜第六十二条(5条)
- 第二款 事業所得第六十三条
- 第三款 給与所得第六十四条〜第六十六条から第六十八条まで(3条)
- 第四款 退職所得第六十九条〜第七十七条(11条)
- 第五款 山林所得第七十八条〜第七十八条の三(3条)
- 第六款 譲渡所得第七十九条〜第八十二条(4条)
- 第七款 雑所得第八十二条の二〜第八十二条の四(3条)
- 第二節 所得金額の計算の通則第八十三条〜第八十五条(5条)
- 第三節 収入金額の計算第八十六条〜第九十五条(12条)
- 第四節 必要経費等の計算第九十六条〜第百六十七条の五(84条)
- 第一款 必要経費に算入されないもの第九十六条〜第九十八条の二(4条)
- 第二款 棚卸資産の評価第九十九条〜第百四条(7条)
- 第一目 棚卸資産の評価の方法第九十九条〜第百二条(5条)
- 第二目 棚卸資産の取得価額第百三条〜第百四条(2条)
- 第三款 有価証券の評価第百五条〜第百十九条(16条)
- 第一目 有価証券の評価の方法第百五条〜第百八条(4条)
- 第二目 有価証券の取得価額第百九条〜第百十七条(10条)
- 第三目 譲渡所得の基因となる有価証券の取得費等第百十八条〜第百十九条(2条)
- 第三款の二 暗号資産の評価第百十九条の二〜第百十九条の七(6条)
- 第一目 暗号資産の評価の方法第百十九条の二〜第百十九条の五(4条)
- 第二目 暗号資産の取得価額第百十九条の六〜第百十九条の七(2条)
- 第四款 減価償却資産の償却第百二十条〜第百三十六条の二(22条)
- 第一目 減価償却資産の償却の方法第百二十条〜第百二十五条(9条)
- 第二目 減価償却資産の取得価額等第百二十六条〜第百三十条(5条)
- 第三目 減価償却資産の償却費の計算第百三十一条〜第百三十六条(7条)
- 第四目 減価償却資産の償却費の計算の細目第百三十六条の二
- 第五款 繰延資産の償却第百三十七条
- 第六款 少額の減価償却資産等の取得価額の必要経費算入第百三十八条〜第百三十九条の二(3条)
- 第七款 資産損失第百四十条〜第百四十三条(4条)
- 第八款 引当金第百四十四条〜第百六十条から第百六十三条まで(13条)
- 第一目 貸倒引当金第百四十四条〜第百四十八条から第百五十二条まで(5条)
- 第二目 退職給与引当金第百五十三条〜第百六十条から第百六十三条まで(8条)
- 第九款 専従者控除第百六十四条〜第百六十七条(4条)
- 第十款 特定の損失等に充てるための負担金の必要経費算入第百六十七条の二
- 第十一款 給与所得者の特定支出第百六十七条の三〜第百六十七条の五(3条)
- 第四節の二 外貨建取引の換算第百六十七条の六
- 第五節 資産の譲渡に関する総収入金額並びに必要経費及び取得費の計算の特例第百六十七条の七〜第百七十八条(15条)
- 第六節 その他の収入金額及び必要経費の計算の特例等第百七十九条〜第百八十七条から第百九十一条まで(10条)
- 第一款 事業を廃止した場合等の所得計算の特例第百七十九条〜第百八十条(2条)
- 第二款 資本的支出第百八十一条
- 第三款 借地権等の更新料を支払つた場合の必要経費算入第百八十二条
- 第四款 資産に係る控除対象外消費税額等の必要経費算入第百八十二条の二
- 第五款 生命保険契約等に基づく年金等に係る所得の計算第百八十三条〜第百八十七条から第百九十一条まで(5条)
- 第七節 収入及び費用の帰属の時期の特例第百九十二条〜第百九十七条(8条)
- 第一款 工事の請負第百九十二条〜第百九十四条(3条)
- 第二款 小規模事業者等の収入及び費用の帰属時期第百九十五条〜第百九十七条(5条)
- 第七節の二 リース取引第百九十七条の二
- 第七節の三 信託に係る所得の金額の計算第百九十七条の三
- 第八節 損益通算及び損失の繰越控除第百九十八条〜第二百四条の二(9条)
- 第二章 所得控除第二百五条〜第二百二十条(26条)
- 第三章 税額控除第二百二十条の二〜第二百二十六条の二(29条)
- 第四章 税額の計算の特例第二百二十七条から第二百五十七条まで〜第二百五十八条(2条)
- 第五章 申告、納付及び還付第二百五十九条〜第二百七十三条(18条)
- 第一節 予定納税第二百五十九条〜第二百六十一条(3条)
- 第二節 確定申告及びこれに伴う納付第二百六十二条〜第二百六十六条の三(8条)
- 第一款 確定申告第二百六十二条〜第二百六十四条(4条)
- 第二款 延払条件付譲渡に係る所得税額の延納第二百六十五条〜第二百六十六条(2条)
- 第三款 納税の猶予第二百六十六条の二〜第二百六十六条の三(2条)
- 第三節 還付第二百六十七条〜第二百七十三条(7条)
- 第一款 確定申告による還付第二百六十七条〜第二百七十条(4条)
- 第二款 純損失の繰戻しによる還付第二百七十一条〜第二百七十三条(3条)
- 第六章 修正申告の特例第二百七十三条の二
- 第七章 更正の請求の特例第二百七十四条
- 第八章 更正及び決定第二百七十五条〜第二百七十八条(4条)
- 第三編 非居住者及び法人の納税義務第二百七十九条〜第三百六条の二(46条)
- 第一章 国内源泉所得第二百七十九条〜第二百九十一条の二(16条)
- 第二章 非居住者の納税義務第二百九十二条〜第二百九十七条(20条)
- 第一節 非居住者に対する所得税の総合課税第二百九十二条〜第二百九十五条(18条)
- 第一款 課税標準、税額等の計算第二百九十二条〜第二百九十二条の十四(15条)
- 第二款 申告、納付及び還付第二百九十三条
- 第三款 更正の請求の特例第二百九十四条
- 第四款 更正及び決定第二百九十五条
- 第二節 非居住者に対する所得税の分離課税第二百九十六条〜第二百九十七条(2条)
- 第三章 法人の納税義務第二百九十八条〜第三百六条の二(10条)
- 第一節 内国法人の納税義務第二百九十八条〜第三百二条から第三百三条まで(5条)
- 第二節 外国法人の納税義務第三百三条の二〜第三百六条の二(5条)
- 第四編 源泉徴収第三百七条〜第三百三十四条の二(46条)
- 第一章 給与所得に係る源泉徴収第三百七条〜第三百十九条の二(18条)
- 第一節 源泉徴収義務及び徴収税額第三百七条〜第三百十条(4条)
- 第二節 年末調整第三百十一条〜第三百十六条(6条)
- 第三節 給与所得者の源泉徴収に関する申告第三百十六条の二〜第三百十九条の二(8条)
- 第一章の二 退職所得に係る源泉徴収第三百十九条の三〜第三百十九条の四(3条)
- 第二章 公的年金等に係る源泉徴収第三百十九条の五〜第三百十九条の十二(8条)
- 第三章 報酬、料金等に係る源泉徴収第三百二十条〜第三百二十七条(8条)
- 第一節 報酬、料金、契約金又は賞金に係る源泉徴収第三百二十条〜第三百二十五条(6条)
- 第二節 生命保険契約等に基づく年金に係る源泉徴収第三百二十六条
- 第三節 匿名組合契約等の利益の分配に係る源泉徴収第三百二十七条
- 第四章 非居住者又は法人の所得に係る源泉徴収第三百二十八条〜第三百三十四条(8条)
- 第五章 源泉徴収に係る所得税の徴収第三百三十四条の二
- 第五編 雑則第三百三十五条〜第三百五十六条(39条)
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、公布済みでの改正が4件あります。最近の改正は下にあります。改正のページには、e-Govが記録するすべての改正を載せ、変更内容まで収録している改正は条文ごとに日本語と英語で示します。
2026年12月1日
23日後
所得税法施行令の一部を改正する政令
2027年1月1日
2か月後
所得税法施行令の一部を改正する政令
日付未定
施行日は未確定
所得税法施行令の一部を改正する政令
金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和八年法律第六十四号)の施行の日
日付未定
施行日は未確定
所得税法施行令の一部を改正する政令
第三号に掲げる規定の施行の日の属する年の翌年の一月一日
施行済みの改正 59件
2026年5月22日
このサイトの条文
所得税法施行令の一部を改正する政令
2026年4月1日
所得税法施行令の一部を改正する政令
2026年4月1日
所得税法施行令等の一部を改正する政令
2026年4月1日
所得税法施行令の一部を改正する政令
2026年1月1日
所得税法施行令等の一部を改正する政令
2025年12月1日
所得税法施行令等の一部を改正する政令
2025年11月20日
所得税法施行令の一部を改正する政令
2025年4月1日
所得税法施行令等の一部を改正する政令
2025年4月1日
国立健康危機管理研究機構法及び国立健康危機管理研究機構法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令
2025年4月1日
情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令
誰に適用されるか
適用される
- 国内で居住者に給与等を支払い、所得税を源泉徴収する人に向けた規定です(所得税法第183条)。税額表に当てはめる給与等の月割額は、支給額をその計算期間の月数で割った金額です。日割額は、支給額を計算の基礎となった日数で割った金額です。日日雇い入れられる人の給与等は、所得税法の別表第3の丙欄の税額で源泉徴収します。ただし、同じ支払者から引き続き2か月を超えて支払を受ける場合の、2か月を超えた分は除きます。(第三百八条第一項, 第三百八条第二項, 第三百九条第一項, 所得税法 第百八十三条第一項, 所得税法 第百八十五条第一項)(根拠条文)
- 非永住者は、国外源泉所得については、国内で支払われたものと国外から送金されたものだけに課税されます。その年に国外から送金を受けた場合、その金額は、まず国外で支払われた国外源泉所得以外の所得の送金とみなされ、残りがあるときに、その範囲で国外源泉所得の送金とみなされます。(第十七条第四項, 第十七条第四項第一号, 所得税法 第七条第一項第二号, 所得税法 第二条第一項第四号)(根拠条文)
続き
- 国内に恒久的施設を持つ非居住者と外国法人に関する規定です。日本が結んだ租税条約に恒久的施設について異なる定めがある場合、その条約の対象となる非居住者や外国法人には、条約の定めが適用されます。そうでなければ、恒久的施設とは、国内にある事業の管理を行う場所、支店、事務所、工場、作業場、鉱山などの天然資源を採取する場所、その他事業を行う一定の場所です。1年を超えて行われる建設や据付けの工事またはその指揮監督の現場と、その工事も含まれます。国内でその人に代わって反復して契約を結び、または重要な修正なく日常的に結ばれる契約の締結のために反復して主要な役割を果たす人も、恒久的施設になります。(第一条の二第一項, 第一条の二第二項, 第一条の二第七項, 所得税法 第二条第一項第八号の四)(根拠条文)
- 物品の保管、展示、引渡しや購入、情報の収集などのためだけに保有する場所で、その活動が準備的または補助的なものは、恒久的施設になりません。代わりに行う活動が準備的または補助的なものだけの人や、独立して通常の方法で業務を行う代理人も、恒久的施設になりません。ただし、代理人がもっぱら、または主として特殊の関係にある者のために行動する場合は別です。その場所での活動が、国内のほかの場所での活動や特殊の関係にある者の活動と合わせて一体的な業務の一部として補い合い、どちらかの場所がすでに恒久的施設であるか、活動全体が準備的または補助的なものでない場合は、恒久的施設から除かれません。1年を超えないようにすることを主な目的の1つとして建設工事等の契約を分割したときは、分割後のほかの契約の期間を合計して1年を超えるかどうかを判定します。正当な理由に基づいて分割した場合は別です。(第一条の二第三項, 第一条の二第四項, 第一条の二第五項, 第一条の二第七項, 第一条の二第八項)(根拠条文)
- 居住者に対し国内で所得税法の定める報酬・料金を支払う人は、所得税を源泉徴収します(所得税法第204条)。給与等について源泉徴収義務のない個人は、ホステス等の報酬・料金を除き、源泉徴収をしなくてよいとされています。この政令は、その対象として、翻訳、通訳、脚本、校正、速記、印刷物に掲載する写真、技術に関する権利の使用料、投資助言、技芸・スポーツ・知識の教授などの報酬や料金、計理士、測量士補、損害鑑定人などの報酬、プロサッカー選手、プロテニス選手、プロレスラー、プロゴルファー、プロボウラー、自動車のレーサーなどの報酬、印刷物に容姿を掲載させるモデルを含むモデルの報酬、俳優、楽士、歌手などこの政令が挙げる芸能人の報酬、専属契約の契約金や広告宣伝のための賞金などを定めています。(第三百二十条第一項, 第三百二十条第二項, 第三百二十条第三項, 第三百二十条第四項, 第三百二十条第五項, 第三百二十条第六項, 第三百二十条第七項, 所得税法 第二百四条第一項, 所得税法 第二百四条第二項第二号)(根拠条文)
- 内国法人の役員である非居住者が国外で行う役員としての勤務に対する給与は、国内源泉所得になります。ただし、その人が同時にその内国法人の使用人として常に勤務している場合は除きます。また、どの非居住者についても、居住者や内国法人が運航する船舶や航空機の中での勤務に対する給与は、国外の寄航地での一時的な勤務を除き、国内源泉所得になります。(第二百八十五条第一項, 第二百八十五条第一項第一号, 第二百八十五条第一項第二号, 所得税法 第百六十一条第一項第十二号イ)(根拠条文)
特例と適用除外(9)
- 通勤手当は、一定の金額まで所得税が非課税です。交通機関や有料道路を使う人は、最も経済的で合理的な経路と方法による運賃や定期券の額が非課税で、1か月15万円が上限です。自動車などの交通用具を片道2キロメートル以上使う人は、片道の距離に応じて1か月4,200円(10キロメートル未満)から6万6,400円(95キロメートル以上)までの額が非課税です。財務省令の要件を満たす駐車場を使って料金を負担している場合は、1か月5,000円までの駐車場の料金相当額が加わります。両方を組み合わせて通勤する人は合計額が非課税で、1か月15万円が上限です。この規定は、令和8年4月1日以後に受けるべき通勤手当に適用され、それより前に受けるべき通勤手当の差額として後から支払われるものには適用されません。(第二十条の二第一項, 第二十条の二第一項第一号, 第二十条の二第一項第二号, 第二十条の二第一項第三号, 第二十条の二第一項第四号, 第二十条の二第一項第五号, 第二十条の二第一項第六号, 附則第四条第一項, 所得税法 第九条第一項第五号)(根拠条文)
- 職務の性質上制服を着用すべき人が使用者から支給され、または貸与される制服その他の身回品と、職務の遂行上やむを得ない必要から使用者が指定した場所に住むべき人が、そのために家屋の貸与を受ける利益も、所得税が非課税です。(第二十一条第一項第二号, 第二十一条第一項第三号, 第二十一条第一項第四号, 所得税法 第九条第一項第六号)(根拠条文)
- 業務の用に供した減価償却資産で、取得価額が10万円未満のもの、または使用可能期間が1年未満のものは、減価償却をせず、その取得価額の全額を業務の用に供した年分の必要経費に算入します。ただし、リース資産は除きます。また、10万円未満のものについては、主要な業務として行うもの以外の貸付けの用に供したものも除きます。(第百三十八条第一項)(根拠条文)
- 取得価額が20万円未満の減価償却資産(リース資産、10万円未満の特例の対象となるもの、主要な業務として行うもの以外の貸付けの用に供したものを除きます)は、その全部または一部をまとめて一括償却資産とし、その取得価額の合計額の3分の1ずつを、業務の用に供した年から3年間の各年分の必要経費に算入することもできます。そのためには、最初の年分の確定申告書にその合計額を書いた書類を添付し、計算に関する書類を保存しておく必要があります。必要経費に算入した年分の確定申告書には、その計算の明細書も添付します。(第百三十九条第一項, 第百三十九条第二項, 第百三十九条第三項)(根拠条文)
- 青色申告の承認を受けている居住者で、前々年分の不動産所得と事業所得の合計額(事業専従者の特例を適用しないで計算した額)が300万円以下の人は、その年の3月15日まで(1月16日以後に業務を始めた場合は、始めた日から2か月以内)に納税地の所轄税務署長に届け出れば、不動産所得と事業所得(山林の伐採や譲渡によるものを除きます)を、実際に収入した金額と支出した費用の額で計算できます。ただし、業務の全部を譲渡したり廃止したりした年や、死亡した年は除きます。償却費や資産損失は、通常どおり計算します。一度この特例をやめた人がもう一度受けるには、の承認が必要です。(第百九十五条第一項, 第百九十五条第一項第一号, 第百九十五条第一項第二号, 第百九十六条第一項, 第百九十六条第二項, 第百九十七条第一項, 所得税法 第六十七条第一項)(根拠条文)
- 非居住者や外国法人から、自分や親族が住むために土地や家屋を借りている個人は、その賃料から所得税を源泉徴収する必要はありません。(第三百二十八条第一項, 第三百二十八条第一項第二号, 所得税法 第二百十二条第一項)(根拠条文)
- 恒久的施設を持つ非居住者は、要件を満たしていることについて納税地の所轄税務署長の証明書の交付を受け、これを支払者に提示すれば、恒久的施設に帰せられる一定の国内源泉所得(給与を除きます)について、源泉徴収を受けずに支払を受けることができます。要件には、開業等の届出書を提出していること、納税地に住んでいない場合は納税管理人の届出をしていること、前年分の確定申告書を提出していること、偽りその他不正の行為で所得税を免れたことがないことなどがあります。(第三百三十条第一項, 第三百三十条第一項第一号, 第三百三十条第一項第二号, 第三百三十条第一項第三号, 第三百三十条第一項第五号, 第三百三十一条第一項, 所得税法 第二百十四条第一項)(根拠条文)
- 居住者が支払を受ける公的年金等について、その年中に支払を受けるべき額が、その年最初の支払日の前日の現況で118万円未満のときは、源泉徴収は行われません。2026年12月31日までの定めです。(第三百十九条の十二第一項, 所得税法 第二百三条の七第一項)(根拠条文)
- 居住者が支払を受ける公的年金等について、その年中に支払を受けるべき額が、その年最初の支払日の前日の現況で122万円未満のときは、源泉徴収は行われません。どちらの金額によるかは、公的年金等を支払うべき日で決まります(令和8年政令第93号附則第9条第1項)。2027年1月1日からの定めです。(第三百十九条の十二第一項, 附則第九条第一項, 所得税法 第二百三条の七第一項)(根拠条文)
どのように守らせるか(7)
- 罰則は所得税法に定められています。源泉徴収して納付すべき所得税を納付しなかった者は、10年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金に処され、または両方が科されます。納付しなかった税額が200万円を超えるときは、情状により、罰金をその税額以下まで重くすることができます。源泉徴収すべき所得税を徴収しなかった者は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(所得税法第240条、第242条第1項)。(所得税法 第二百四十条第一項, 所得税法 第二百四十条第二項, 所得税法 第二百四十二条第一項, 所得税法 第二百四十二条第一項第三号)(根拠条文)
- 年末調整で不足額が出て、その年最後の月の給与が通常より著しく少ない場合、従業員は、給与等の支払者を経由して、その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までにに申請し、不足額の一部を翌年1月と2月の給与からそれぞれ半分ずつ徴収してもらう承認を受けることができます。最後の月の税引後の給与が、それまでの月の税引後の給与の月割額の10分の7に満たないときは、税務署長は承認しなければなりません。承認したときは、支払者を経由して書面で本人に通知します。(第三百十六条第一項, 第三百十六条第二項, 第三百十六条第三項, 第三百十五条第一項, 所得税法 第百九十二条第二項)(根拠条文)
- 選んだ償却の方法(届出をしなかったために適用される方法を含みます)を変更したい居住者は、新しい方法を採用しようとする年の3月15日までに、変更の理由などを書いた申請書を納税地の所轄税務署長に提出して承認を受けなければなりません。今の方法を採用してから相当の期間がたっていない場合や、新しい方法では所得の計算が適正に行われにくいと認める場合、税務署長は申請を却下できます。承認か却下かは書面で通知され、その年の12月31日(その年の途中で死亡または出国した場合はその時)までに処分がなければ、承認があったものとみなされます。(第百二十四条第一項, 第百二十四条第二項, 第百二十四条第三項, 第百二十四条第四項, 第百二十四条第五項)(根拠条文)
- 青色申告書を提出する居住者は、減価償却資産が、材質や製作方法が通常と著しく違うこと、地盤の隆起や沈下、陳腐化、著しい腐食などの理由で、法定の耐用年数よりも著しく短い期間しか使えない場合、納税地の所轄税務署長を経由してに申請し、まだ使える期間(未経過使用可能期間)を基に償却費を計算する承認を受けることができます。国税局長は申請を審査し、期間を認めたり定めたりして承認するか、却下します。承認の後に特別の事由が生じたときは、承認を取り消したり、期間を伸ばしたりできます。(第百三十条第一項, 第百三十条第二項, 第百三十条第三項, 第百三十条第四項)(根拠条文)
- 納税地が納税者の所得の状況からみて不適当な場合、国税局長は別の納税地を指定できます。指定する納税地がその国税局長の管轄区域の外にある場合は、が指定します。(第五十六条第一項, 所得税法 第十八条第一項)(根拠条文)
- 源泉徴収の免除の証明書を受けている非居住者が、要件に当てはまらなくなったり、恒久的施設を持たなくなったりしたときは、遅滞なく、届出書に証明書を添えて納税地の所轄税務署長に提出し、証明書を提示した支払者にもその旨を知らせなければなりません。税務署長はその旨を公示し、公示があると証明書は効力を失います。税務署長が定めた有効期限を過ぎたときも、効力を失います。(第三百三十三条第一項, 所得税法 第二百十四条第二項, 所得税法 第二百十四条第五項, 所得税法 第二百十四条第六項)(根拠条文)
- 偽りその他不正の行為で源泉徴収されるべき所得税を免れた者は、10年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金に処され、または両方が科されます。免れた所得税の額が100万円を超えるときは、情状により、罰金を免れた額まで重くすることができます(所得税法第239条)。要件に当てはまらないのに偽りの申請をして源泉徴収の免除の証明書の交付を受けた者や、要件に当てはまらなくなったときの届出や支払者への通知をしなかった者は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(所得税法第242条第1項第2号)。法人の代表者や従業者などがその法人や人の業務についてこれらの違反をしたときは、行為者のほか、その法人や人にも罰金刑が科されます(所得税法第243条)。(所得税法 第二百三十九条第一項, 所得税法 第二百三十九条第二項, 所得税法 第二百四十二条第一項, 所得税法 第二百四十二条第一項第二号, 所得税法 第二百四十三条第一項)(根拠条文)
他の法令とのつながり
- 所得税法01309
- 所得税法施行規則5820
- 法人税法070
- 金融商品取引法031
- 租税特別措置法026
- 国税通則法018
- 確定拠出年金法015
- 相続税法013
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令130
- 中小企業退職金共済法011
- 消費税法011
- 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律010
- 小規模企業共済法09
- 会社法09
- 民法08
- 学校教育法06
- 厚生年金保険法06
- 労働基準法05
- 国民年金法03
- 資金決済に関する法律03
- 出入国管理及び難民認定法02
- 厚生年金保険法施行令02
- 建物の区分所有等に関する法律02
- 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法02
- 労働者災害補償保険法01
- 地方税法01
- 宅地建物取引業法01
- 障害者の雇用の促進等に関する法律01
- 児童扶養手当法01
- 銀行法01
ほかに、収録していない法令を171件、名指しで参照しています。