厚生年金保険法施行令
同時に二以上の事業所に使用される人の保険料は、この政令により、各事業主が、自分の支払う報酬や賞与の割合に応じて負担し、そのうちの一つが船舶であれば船舶所有者だけが負担します。この政令は、厚生年金保険法を実施するために、司法書士や税理士などのどの事務所が適用事業所になるか、障害等級3級や障害手当金にあたる障害の状態、老齢厚生年金を繰り上げたときにいくら減り、繰り下げたときにいくら増えるかも定めています。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 118
- 施行前の改正
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この法令の内容
- が当時の厚生年金保険法第4条と第82条第4項に基づいて制定した政令で、それまでの厚生年金保険法施行令(昭和28年政令第239号)の全部を改正したものです。標準報酬月額と保険料、老齢・障害・遺族の年金、離婚時の標準報酬の改定、脱退一時金など、法が政令に委ねている事項を定めています。70歳以上で働いている人や、脱退一時金に関する審査請求など、特定の場合に法の字句を読み替える技術的読替えの規定も多く置かれています。(制定文(一), 第一条の三第一項, 第四条第一項, 第三条の八第一項, 第三条の十二の五第一項, 第十二条の二第一項, 第三条の六の二第一項, 第十三条第一項)(根拠条文)
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- 法第82条により、保険料は被保険者と事業主がそれぞれ半額を負担します。被保険者が同時に二以上の事業所に使用される場合、各事業主が負担する標準報酬月額に係る保険料の額は、その事業所について算定した額を被保険者の報酬月額で割った数を、保険料の半額に掛けた額です。標準賞与額に係る保険料の額は、その月にその事業主が支払った賞与額を、被保険者がその月に受けた賞与額で割った数を、保険料の半額に掛けた額です。各事業主は、自分が負担する保険料と、それに応じた被保険者負担分の保険料を納付します。被保険者が船舶に使用され、同時に事業所にも使用される場合は、船舶所有者以外の事業主は保険料を負担せず、納付する義務も負いません。船舶所有者が保険料の半額を負担し、被保険者負担分も含めて納付する義務を負います。(第四条第一項, 第四条第二項, 第四条第三項, 第四条第四項, 厚生年金保険法 第八十二条第一項, 厚生年金保険法 第八十二条第二項, 厚生年金保険法 第八十二条第三項)(根拠条文)
- 3歳未満の子を養育する被保険者が法第26条により申出をし、子を養育する前の標準報酬月額(従前標準報酬月額)が標準報酬月額とみなされた場合、その従前標準報酬月額は、後に年金の額を改定するときにも計算の基礎になります。第1号厚生年金被保険者と第4号厚生年金被保険者の申出は、事業主が受理した時に、日本年金機構または実施機関である日本私立学校振興・共済事業団に申出があったものとみなされます。育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定(法第23条の2)でいう子には、国会職員、国家公務員、地方公務員、裁判官の育児休業等に関する法律に定める子も含まれます。(第一条の五第一項, 第一条の五第二項, 第一条の四第一項, 厚生年金保険法 第二十六条第一項, 厚生年金保険法 第二十三条の二第一項)(根拠条文)
- 老齢厚生年金を繰り上げて請求できるのは、法附則第7条の3により、60歳以上65歳未満で、性別と種別に応じて法が定める日以後に生まれ、国民年金の任意加入被保険者でなく、法第42条第2号の10年の受給資格期間を満たす人です。その場合、請求日の属する月の前月までの被保険者期間を基礎に計算した額に、請求日の属する月から65歳に達する日の属する月の前月までの月数1か月につき1000分の4を掛けた額が減額されます。受給権を取得してから1年を経過する前に請求せず、他の年金の受給権者でもない人が繰り下げた場合(法第44条の3)、受給権を取得した月の前月までの被保険者期間を基礎に計算した額に平均支給率を掛け、受給権を取得した月から申出をした日の属する月の前月までの月数(120が上限)1か月につき1000分の7を掛けた額が加算されます。平均支給率は、受給権を取得した月の翌月から申出をした月まで(最長で、申出日の10年前の日の属する月の翌月から)の各月の率の平均です。在職による支給停止(法第46条第1項)を受ける月はその停止される割合を1から引いた率、それ以外の月は1です。繰上げの率は2022年3月31日に60歳に達していなかった人に、繰下げの加算の規定は同日に受給権の取得から5年を経過していなかった人に適用されます。(第六条の三第一項, 第三条の五の二第一項, 第三条の五の二第二項, 附則第一条第一項, 附則第四条第一項, 附則第六条第一項, 厚生年金保険法 附則第七条の三第一項, 厚生年金保険法 附則第七条の三第四項, 厚生年金保険法 第四十二条第一項第二号, 厚生年金保険法 第四十四条の三第一項, 厚生年金保険法 第四十四条の三第四項)(根拠条文)
- 障害厚生年金の障害等級のうち、1級と2級の障害の状態は国民年金法施行令の別表に定める1級と2級の障害の状態で、3級の障害の状態はこの政令の別表第1に定められています。3級には、両眼の視力がそれぞれ0.1以下に減じたもの、両耳の聴力が40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの、そしゃくまたは言語の機能に相当程度の障害を残すもの、脊柱の機能に著しい障害を残すもの、身体の機能や精神・神経系統に労働が著しい制限を受ける程度の障害を残すものなどが含まれます。傷病が治らないで、労働が制限を受ける程度の障害を有するもので、厚生労働大臣が定めるものも含まれます。障害手当金(初診日に被保険者であった人の傷病が、初診日から5年以内に治った場合のもの)の障害の状態は別表第2に定められています。両眼の視力がそれぞれ0.6以下に減じたもの、一眼の視力が0.1以下に減じたもの、一上肢のひとさし指を失ったもの、一下肢を3センチメートル以上短縮したもの、労働が制限を受ける程度の障害を残すものなどです。(第三条の八第一項, 別表第一, 第三条の九第一項, 別表第二, 厚生年金保険法 第四十七条第二項, 厚生年金保険法 第五十五条第一項)(根拠条文)
- 脱退一時金の額は、法により、被保険者期間の平均標準報酬額に支給率を掛けた額です。支給率は、最終月の属する年の前年10月の保険料率(最終月が1月から8月までのときは前々年10月の保険料率)に2分の1を掛け、さらに被保険者であった期間に応じてこの政令が定める数を掛けた率です。その数は、6か月以上12か月未満で6、以後6か月ごとに6ずつ増え、60か月以上で60です。二以上の種別の被保険者であった期間を有する人は、それらの期間を合算して計算します。(第十二条の二第一項, 第十六条第一項, 第十六条第二項, 厚生年金保険法 附則第二十九条第三項, 厚生年金保険法 附則第二十九条第四項)(根拠条文)
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、施行を待つ改正はありません。最近の改正は下にあります。改正のページには、e-Govが記録するすべての改正を載せ、変更内容まで収録している改正は条文ごとに日本語と英語で示します。
施行済みの改正 25件
2026年10月1日
このサイトの条文
社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令
2025年6月20日
社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令
2023年9月1日
厚生労働省組織令及び食料・農業・農村政策審議会令の一部を改正する政令
2023年4月1日
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令
2022年10月1日
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令
2022年6月28日
厚生労働省組織令の一部を改正する政令
2022年6月24日
令和九年に開催される国際園芸博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律施行令
2022年4月1日
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令
2022年1月1日
国民年金法施行令等の一部を改正する政令
2021年9月1日
デジタル庁設置法の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令
誰に適用されるか
適用される
- 事業主(法により、使用する被保険者の保険料の半額を負担します)。第2号厚生年金被保険者と第3号厚生年金被保険者については、この政令が定める者が事業主として保険料を負担します。たとえば、職員団体の事務に専ら従事する人については職員団体、国と民間企業との間の人事交流に関する法律による交流派遣職員については派遣先企業、市町村立学校職員給与負担法により都道府県が給与を負担する人については都道府県です。福島復興再生特別措置法による派遣職員や、東京オリンピック・パラリンピックとラグビーワールドカップの組織委員会、2025年と2027年の博覧会の博覧会協会への派遣職員などについては、派遣先の団体と国が負担します。(第四条の二第一項, 第四条の二第二項, 第四条の二第三項, 第四条の二第四項, 厚生年金保険法 第八十二条第一項, 厚生年金保険法 第八十二条第四項, 厚生年金保険法 第八十二条第五項)(根拠条文)
- この政令が定める者の事務所の事業主。法第6条第1項第1号により、弁護士、公認会計士その他政令で定める者が法令の規定に基づき行うこととされている法律または会計に係る業務を行う事業の事業所で、常時5人以上の従業員を使用するものは、適用事業所になります。この政令が定める者は、公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士、税理士、社会保険労務士、沖縄弁護士、外国法事務弁護士、弁理士です。2029年9月30日までの定めです。(第一条の二第一項, 厚生年金保険法 第六条第一項第一号, 厚生年金保険法 第六条第一項第一号レ)(根拠条文)
続き
- 常時5人以上の従業員を使用する事業所の事業主。令和7年法律第74号による改正後の法第6条第1項第1号により、事業の種類にかかわらず、常時5人以上の従業員を使用する事業所が適用事業所になります。当分の間、法第12条第1号から第4号までに該当する人と、1週間の所定労働時間または1か月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満の短時間労働者は、5人に数えません。改正前の法が掲げていなかった事業の個人の事業所で、改正の施行の際に現に存在するものは、当分の間、従前の例によるため、厚生労働大臣の認可を受けなければ適用事業所になりません。この政令が定める司法書士、税理士、社会保険労務士などの事務所は、これまでと同じく含まれます。2029年10月1日からの定めです。(第一条の二第一項, 2029年10月1日からの厚生年金保険法 第六条第一項, 2029年10月1日からの厚生年金保険法 第六条第一項第一号, 2029年10月1日からの厚生年金保険法 附則第十八条第一項, 2029年10月1日からの厚生年金保険法 附則第二十六条第一項)(根拠条文)
- 適用事業所に使用される70歳以上の人で、老齢または退職を支給事由とする年金の受給権を有しない人は、法により、実施機関に申し出て被保険者になることができます(高齢任意加入被保険者)。その年金としてこの政令が定めるのは、老齢厚生年金、国民年金法による老齢基礎年金、旧共済組合の退職共済年金や退職年金、恩給法や地方公務員の退職年金に関するによる退職を支給事由とする年金、国会議員互助年金法の普通退職年金などです。この被保険者の資格の取得と喪失には機構の確認は要りません。ただし、その事業所に使用されなくなったとき、または法第12条の規定に該当するに至ったときの資格の喪失は除きます。実施機関は、必要があると認めるときは、これらの年金の制度の管掌機関に、支給の状況について必要な資料の提供を求めることができます。(第五条第一項, 第五条第一項第一号, 第五条第一項第二号, 第五条第一項第四号, 第五条第一項第八号, 第五条第一項第九号, 第五条第一項第十三号, 第六条第一項, 第六条第二項, 厚生年金保険法 附則第四条の三第一項, 厚生年金保険法 第十四条第一項第二号, 厚生年金保険法 第十四条第一項第四号)(根拠条文)
- 年金の受給権者や被保険者の配偶者、子その他の家族。老齢厚生年金の加給年金額の対象となる配偶者や子、遺族厚生年金を受ける配偶者、子、父母、孫、祖父母は、それぞれ定められた時点でその人と生計を同じくしていた人で、厚生労働大臣の定める金額以上の収入を将来にわたって有すると認められる人以外のもの、またはこれに準ずる人として厚生労働大臣が定める人であれば、その人によって生計を維持していたものとされます。障害厚生年金の加給年金額の対象となる配偶者は、生計を同じくする人で、厚生労働大臣の定める金額以上の収入を有すると認められる人以外のものなどです。未支給の保険給付は、死亡の当時その人と生計を同じくしていた親族が請求でき、その順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、それ以外の3親等内の親族の順です。(第三条の五第一項, 第三条の五第四項, 第三条の十第一項, 第三条の二第一項, 厚生年金保険法 第三十七条第一項, 厚生年金保険法 第三十七条第四項)(根拠条文)
- 離婚などの後に標準報酬改定請求をする当事者。法第78条の2により、請求すべき按分割合について合意しているときか、家庭裁判所が按分割合を定めたときに請求できますが、離婚などから5年を経過したときなど厚生労働省令で定める場合は請求できません。按分割合の基礎になる対象期間標準報酬総額は、各月の額に対象期間の末日に適用される再評価率を掛けて計算し、2003年4月1日前の期間の各月は、標準報酬月額に1.3を掛けた額を使います。当事者の一方が死亡した日から1か月以内に、厚生労働省令で定める方法(請求すべき按分割合が法の要件にあたることを証明できる方法)で他方が標準報酬改定請求をしたときは、死亡した日の前日に請求があったものとみなされます。(第三条の十二の五第一項, 第三条の十二の七第一項, 厚生年金保険法 第七十八条の二第一項, 厚生年金保険法 第七十八条の三第一項)(根拠条文)
- 日本国籍を有しない人で、被保険者期間が6か月以上あり、国民年金の被保険者でなく、法第42条第2号の10年の受給資格期間を満たしていない人は、法附則第29条により脱退一時金を請求できます。ただし、法附則第29条第1項が定める日本国内とのつながりがあるときと、最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(その日にそのつながりがあった人は、その後初めてそれがなくなった日)から2年を経過したときは、請求できません。この政令は、これに準ずる人として、国民年金法等の一部を改正する法律(昭和60年法律第34号)附則第63条第1項に規定する人で、旧厚生年金保険法や旧船員保険法による老齢年金、通算老齢年金、特例老齢年金の受給資格期間を満たしていない人も、請求できる人に加えています。障害厚生年金その他政令で定める保険給付の受給権を有したことがある人は請求できず、この政令はその保険給付として、障害手当金、特例老齢年金、旧厚生年金保険法と旧船員保険法による障害年金と障害手当金を定めています。令和7年法律第74号により、このつながりの内容は、政令で定める日(遅くとも2029年6月19日)から改正されます。(第十一条第一項, 第十二条第一項, 第十二条第一項第一号, 第十二条第一項第二号, 第十二条第一項第三号, 厚生年金保険法 附則第二十九条第一項, 厚生年金保険法 附則第二十九条第一項第一号, 厚生年金保険法 附則第二十九条第一項第二号, 厚生年金保険法 附則第二十九条第一項第三号, 厚生年金保険法 第四十二条第一項第二号, 厚生年金保険法 附則第一条第一項第十二号)(根拠条文)
- 老齢厚生年金を受ける国会議員と地方公共団体の議会の議員。在職による支給停止(法第46条第1項)では、国会議員の歳費月額や地方議会の議員の議員報酬の月額を、被保険者などとしての標準報酬月額と合わせて報酬月額とみなし、標準報酬月額に相当する額に置き換えて計算します。その月以前の1年間の期末手当も、この政令の定めにより、賞与額とみなして標準賞与額に相当する額に置き換えます。(第三条の六第一項, 第三条の六第一項第一号, 第三条の六第一項第二号, 第三条の六第一項第三号, 第三条の六第二項, 厚生年金保険法 第四十六条第一項)(根拠条文)
- 第1号厚生年金被保険者期間が1年以上ある人で、旧陸軍共済組合や、この政令が定める旧海軍共済組合、朝鮮総督府・台湾総督府の共済組合などの組合員であった人。法附則第28条の2により、その組合員であった期間のうち昭和17年6月から昭和20年8月までの期間は、老齢や死亡について支給する保険給付については被保険者であった期間とみなされます。ただし、法第43条第1項による額の計算など、法が定める規定の適用については除かれます。この政令は、その期間を第1号厚生年金被保険者期間とみなし、法律で組織された共済組合が支給する退職を支給理由とする年金の基礎となった期間などを除いています。(第九条第一項, 第十条第一項, 第十条第一項第一号, 第十条の二第一項, 厚生年金保険法 附則第二十八条の二第一項)(根拠条文)
特例と適用除外(7)
- 第2号厚生年金被保険者または第3号厚生年金被保険者の資格を取得した人の報酬が月によって定められているときは、法第22条第1項第1号(報酬の額をその期間の総日数で割って30倍する計算)によらず、その月の初日に資格を取得したとしたならばその月に受けるべき報酬の額を、資格取得時の報酬月額とします。(第一条の三第一項, 厚生年金保険法 第二十二条第一項第一号)(根拠条文)
- 最低賃金法(別の法律)第7条の規定の適用を受ける同条各号の労働者である70歳未満の短時間労働者で、資格取得時の例により算定した報酬の額が8万8千円未満の人(特定減額特例対象者)は、法により、申出をしたときに限り被保険者になります。この政令により、特定減額特例対象者に該当しなくなった日の前から引き続き同じ事業所に使用され、その日に法第12条各号のいずれにも該当しない人は、該当しなくなった日のうち直近の日に被保険者の資格を取得します。申出によってすでに被保険者であった人がこの場合にあたるときは、機構の確認や資格取得時の標準報酬月額の決定などの規定は適用されません。被保険者期間の計算、事業主の届出、厚生年金保険原簿などについては、その日に資格を取得も喪失もしなかったものとみなされます。(第六条の二の三第一項, 第六条の二の五第一項, 第六条の二の五第二項, 厚生年金保険法 附則第四条の六第一項, 厚生年金保険法 附則第四条の六第二項, 厚生年金保険法 第十三条第一項)(根拠条文)
- 老齢厚生年金の加給年金額のうち配偶者について加算する額は、法第46条第6項により、その配偶者がこの政令の定める給付を受けることができる間、支給が停止されます。その給付は、被保険者期間の月数が240以上である老齢厚生年金(経過措置により短い期間で足りるものを含みます)、障害厚生年金、国民年金法による障害基礎年金、旧制度や共済組合の老齢・退職・障害を支給事由とする年金、恩給法や地方公務員の退職年金に関するによる退職・障害を支給事由とする年金、戦傷病者戦没者遺族等援護法による障害年金などです。障害を支給事由とする給付で、その全額が支給停止されているものは除きます。(第三条の七第一項, 第三条の七第一項第一号, 第三条の七第一項第一号の二, 第三条の七第一項第七号, 第三条の七第一項第八号, 第三条の七第一項第十二号, 厚生年金保険法 第四十六条第六項)(根拠条文)
- 繰上げ支給の老齢厚生年金(法附則第7条の3第3項)は、法により、雇用保険法(別の法律)による基本手当の受給資格を有する65歳未満の受給権者が同法による求職の申込みをしたときは、その翌月から、受給期間が経過するか所定給付日数分の基本手当の支給を受け終わる月まで、支給が停止されます。ただし、基本手当の支給を受けた日とみなされる日と、これに準ずる日として政令で定める日がない月と、在職による支給停止(法第46条第1項など)で全部または一部の支給が停止されている月は、この停止の対象になりません。この政令は、その準ずる日を、雇用保険法第21条、第32条第1項・第2項、第33条第1項の規定により基本手当を支給しないこととされる期間に属する日と定めています。法附則第11条の5と第13条の6第3項でこの規定が準用される場合も同じです。(第六条の四第一項, 第六条の四第二項, 厚生年金保険法 附則第七条の四第一項, 厚生年金保険法 附則第七条の四第二項)(根拠条文)
- 二以上の種別の被保険者であった期間を有する人(たとえば会社員と公務員の両方の期間がある人)の老齢厚生年金の加給年金額は、各号の厚生年金被保険者期間の月数を合算して240以上であれば加算され、一の期間に基づく老齢厚生年金のうち最も早い日に受給権を取得したものに加算されます。最も早い日に受給権を取得したものが二以上あるときは、最も長い一の期間に基づくものに加算され、その期間も二以上あるときは、第1号、第2号、第3号、第4号厚生年金被保険者期間の順によります。その老齢厚生年金の加給年金額に相当する部分が、法第46条第6項以外の規定により支給停止されるときは、全額が支給停止されていない他の一の期間に基づく老齢厚生年金に加算されます。(第三条の十三第一項, 第三条の十三第二項, 第三条の十三第三項)(根拠条文)
- 法第56条により、障害の程度を定める日にこの法律や国民年金法による年金の受給権者である人には、障害手当金は支給されません。ただし、障害等級に該当しなくなってから該当しないまま3年を経過した障害厚生年金の受給権者などは除かれます。この政令は、同じ状態にある国民年金法による障害基礎年金と旧国民年金法による障害年金の受給権者も、除かれる人に加えています。(第三条の九の二第一項, 第三条の九の二第一項第一号, 第三条の九の二第一項第二号, 厚生年金保険法 第五十六条第一項第一号, 厚生年金保険法 第五十六条第一項第二号)(根拠条文)
- 法附則第7条の3第1項第4号により、昭和42年4月2日以後に生まれた特定警察職員等は老齢厚生年金を繰り上げて請求できます。この政令により、特定警察職員等の階級は、警察官は警部、皇宮護衛官は皇宮警部、消防吏員は消防司令、常勤の消防団員は副団長で、それ以下の階級で引き続き20年以上在職した人などが対象です。本人の事情によらない異動で途切れた前後の在職期間を合わせて20年以上になる人や、昇任がなければその日まで引き続き20年以上在職していたことになる人も含まれます。(第六条の二の六第一項, 第六条の二の六第二項, 第六条の二の六第二項第一号, 第六条の二の六第二項第二号, 厚生年金保険法 附則第七条の三第一項第四号)(根拠条文)
どのように守らせるか(7)
- 法は被保険者の種別ごとに実施機関を定めており、この政令は、公務員について、どの機関がどの事務を行うかを定めています。第2号厚生年金被保険者(国家公務員共済組合の組合員)については、標準報酬月額と標準賞与額の決定、育児休業等・産前産後休業中の保険料の免除、組合員やその配偶者であった人の離婚時の標準報酬の改定などの事務を国家公務員共済組合が行います。厚生年金保険原簿や保険料などの事務は国家公務員共済組合と国家公務員共済組合連合会が行い、保険給付を含むそれ以外の事務は国家公務員共済組合連合会が行います。第3号厚生年金被保険者(地方公務員共済組合の組合員)については、事務の多くを地方公務員共済組合が行います。ただし、全国市町村職員共済組合連合会を組織する構成組合の組合員については、保険給付などそれ以外の事務を同連合会が行い、原簿や保険料の事務は構成組合と同連合会が行います。この政令が定める規定に係る事務には地方公務員共済組合連合会も加わります。(第一条第一項, 第一条第一項第一号, 第一条第一項第二号, 第一条第一項第三号, 第一条第二項, 第一条第二項第一号, 第一条第二項第二号, 第一条第二項第三号, 第一条第二項第四号, 第一条第二項第五号, 第一条第二項第六号, 第一条第二項第七号, 厚生年金保険法 第二条の五第一項)(根拠条文)
- 法による脱退一時金の請求と同時に国民年金法による脱退一時金を請求する場合、脱退一時金の支給に関する事務は、被保険者の種別にかかわらず、第1号厚生年金被保険者の実施機関である厚生労働大臣が行います。それ以外の場合、二以上の種別の被保険者であった期間を有する人の脱退一時金の支給に関する事務は、最終月に係る被保険者の種別に応じた実施機関が行います。(第十五条第一項, 第十六条第三項, 第十六条第四項, 厚生年金保険法 第二条の五第一項第一号)(根拠条文)
- 厚生労働大臣は、この政令が定める場合に、保険料その他法の規定による徴収金などの収納を日本年金機構に行わせることができ、その旨を公示しなければなりません。その場合とは、督促を受けた納付義務者や、納期を繰り上げて納入の告知を受けた納付義務者が年金事務所での納付を希望したとき、徴収職員を兼ねる収納職員がこれらの納付義務者を訪問した際に、納付義務者がその職員への納付を希望したとき、その職員が国税滞納処分の例による処分で金銭を取得したとき、そのほか厚生労働省令で定める場合です。機構は、年金事務所の名称や所在地など厚生労働省令で定める事項を公表し、納付した人に領収証書を交付しなければなりません。国の各会計年度に属する保険料等を機構が収納できるのは、翌年度の4月30日までです。(第四条の五第一項, 第四条の五第一項第一号, 第四条の五第一項第二号, 第四条の五第一項第三号, 第四条の五第一項第四号, 第四条の五第一項第五号, 第四条の六第一項, 第四条の六第二項, 第四条の七第一項, 第四条の八第一項, 厚生年金保険法 第百条の十一第一項)(根拠条文)
- 納付義務者が、厚生労働省令で定める月数分以上の保険料を滞納し、滞納処分等その他の処分の執行を免れる目的で財産を隠ぺいしているおそれがあり、滞納額(健康保険法による保険料や子ども・子育て支援法による拠出金などの滞納額も合算します)が厚生労働省令で定める金額以上で、処分を受けても納付について誠実な意思があると認められない場合、厚生労働大臣は、効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときは、滞納処分等その他の処分の権限を財務大臣に委任することができます。委任するときは、告知、延長、滞納処分の執行の停止、免除などこの政令が除くものを除いて、その全部を委任します。は、委任された権限の全部を、納付義務者の事業所の所在地を管轄するに委任し、国税局長は、必要があると認めるときは、その全部をに委任します。(第四条の二の十六第一項, 第四条の二の十六第一項第一号, 第四条の二の十六第一項第二号, 第四条の二の十六第一項第三号, 第四条の二の十六第一項第四号, 第四条の三第一項, 第四条の四第一項, 第四条の四第二項, 厚生年金保険法 第百条の五第一項)(根拠条文)
- 第1号厚生年金被保険者または第1号厚生年金被保険者であった人が厚生年金保険原簿の訂正を請求したとき、法が厚生労働大臣に与えている訂正の決定の権限は、請求を受理した日本年金機構の事務所(年金事務所を含みます)の所在地を管轄する地方厚生局長に委任され、さらに地方厚生支局長に委任されます。ただし、厚生労働大臣や地方厚生局長が自ら権限を行うこともできます。(第四条の四の二第一項, 第四条の四の二第二項, 厚生年金保険法 第二十八条の二第一項, 厚生年金保険法 第二十八条の四第一項)(根拠条文)
- 厚生労働大臣による脱退一時金に関する処分に不服がある人は、法により、に審査請求をすることができます。この政令の読替えにより、その処分の取消しの訴えは、審査請求に対する社会保険審査会の裁決を経た後でなければ提起できません。(第十三条第一項, 厚生年金保険法 附則第二十九条第六項, 厚生年金保険法 附則第二十九条第八項, 厚生年金保険法 第九十一条の三第一項)(根拠条文)
- この政令自体には罰則はありません。法により、事業主が、正当な理由がなく、法第27条の届出(被保険者の資格の取得と喪失、報酬月額と賞与額に関する事項の届出)をしない、または虚偽の届出をしたとき、決定などの通知を被保険者にしないとき、督促状に指定する期限までに保険料を納付しないとき、職員が求める文書の提出や質問への答弁、検査を拒んだときは、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処されます。事業主以外の人が職員の質問への答弁や検査を拒んだときは、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処されます。法人や人の従業者などがその業務についてこれらの違反をしたときは、その法人や人にも罰金が科されます。(厚生年金保険法 第百二条第一項, 厚生年金保険法 第百二条第一項第一号, 厚生年金保険法 第百二条第一項第二号, 厚生年金保険法 第百二条第一項第三号, 厚生年金保険法 第百二条第二項, 厚生年金保険法 第百三条第一項, 厚生年金保険法 第百四条第一項, 厚生年金保険法 第二十七条第一項)(根拠条文)