国税通則法
国が課す税(国税)の多くに共通するルールとして、納める税額の確定と納付、申告や納付の遅れ・不足に対する延滞税や加算税、税務調査、税務当局の処分に対する不服申立て、脱税などの犯則事件の調査を定めた法律です。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 194
- 施行前の改正
- 6
この法令の内容
- 税法で納税者が税額を申告することになっている税では、税額は納税者自身の申告で確定します(申告納税方式)。税務署長などが処分で税額を確定させるのは、申告がない場合や、申告の計算が税法に従っていない場合、調査の結果と異なる場合に限られます。それ以外の税では、税額はもっぱら税務署長または税関長の処分で確定します(賦課課税方式)。源泉徴収による税など一部の税は、納税義務が成立すると同時に、特別な手続なしで税額が確定します。(第十六条第一項, 第十六条第二項, 第十五条第三項)(根拠条文)
続きを読む
- 申告納税方式の税の納税者は、法定申告期限までに、納税地を所轄する税務署長に納税申告書を提出しなければなりません。期限を過ぎても、税務署長の決定があるまでは期限後申告書を提出できます。申告した税額が少なすぎた納税者は、税務署長の更正があるまでは修正申告書を提出できます。(第十七条第一項, 第二十一条第一項, 第十八条第一項, 第十九条第一項)(根拠条文)
- 税法に従っていない計算や計算の誤りによって、申告した税額が多すぎたり、純損失や還付金の額が少なすぎたりした納税者は、法定申告期限から5年以内(法人税の純損失等は10年以内)に更正の請求ができます。後の判決で計算の前提となった事実が異なると確定した場合などは、その翌日から2か月以内にも請求できます。更正の請求をしても税の徴収は猶予されませんが、税務署長が相当の理由があると認めれば猶予されることがあります。(第二十三条第一項, 第二十三条第二項, 第二十三条第五項)(根拠条文)
- 期限内申告書で申告した税は、法定納期限までに納めます。期限後申告書や修正申告書で増えた税はその提出の日に、更正や決定で増えた税は通知書が発せられた日の翌日から1か月を経過する日までに納めます。納付が遅れると、法定納期限の翌日から納め終わる日まで延滞税がかかります。割合は年14.6%ですが、納期限までと、その翌日から2か月間は年7.3%です。短期の銀行貸出金利の平均をもとに算出する延滞税特例基準割合が7.3%に満たない年は、租税特別措置法第94条第1項により、どちらの割合もその基準割合をもとにした割合に置き換わります。(第三十五条第一項, 第三十五条第二項, 第六十条第一項, 第六十条第二項, 租税特別措置法 第九十四条第一項)(根拠条文)
- 災害や盗難、本人や生計を一にする親族の病気やけが、事業の廃止や休止、事業の著しい損失によって税を一度に納められない納税者や、法定申告期限などから1年以上たって税額が確定した納税者は、納税の猶予を申請できます。税務署長等は、一度に納められないと認める金額について1年以内の猶予をすることができ、延長しても合わせて2年までです。財産に相当な損失を受ける災害にあった場合は、損失を受けた日から1年以内に納める税について、災害がやんだ日から2か月以内に申請すれば、1年以内の猶予を受けられることもあります。担保が必要なのはそれ以外の猶予だけで、それも猶予額が100万円以下の場合、猶予期間が3か月以内の場合、特別な事情がある場合は不要です。分割納付をやむを得ない理由なく怠った場合や、ほかの税を滞納した場合などには、税務署長等は猶予を取り消したり猶予期間を短縮したりでき、原則として事前に本人の弁明を聞きます。(第四十六条第二項, 第四十六条第三項, 第四十六条第七項, 第四十六条第一項, 第四十六条第五項, 第四十九条第一項, 第四十九条第二項)(根拠条文)
- 還付金や納めすぎた税(過誤納金)は、遅滞なく金銭で還付されます。ただし、その人が納めるべきほかの国税があるときは、先にそちらに充当されます。還付金などには、還付金の生じ方に応じて決まる日の翌日から、年7.3%の割合で還付加算金が加算されます。ほかの国税に関する法律に別段の定めがあるときは、その期間によります。短期の銀行貸出金利の平均をもとに算出する還付加算金特例基準割合が7.3%に満たない年は、租税特別措置法第95条第1項により、7.3%がその基準割合に置き換わります。(第五十六条第一項, 第五十七条第一項, 第五十八条第一項, 租税特別措置法 第九十五条第一項)(根拠条文)
目次
194 859 423 100 215
- 第一章 総則第一条〜第十四条(17条)
- 第一節 通則第一条〜第四条(4条)
- 第二節 国税の納付義務の承継等第五条〜第九条の三(8条)
- 第三節 期間及び期限第十条〜第十一条(2条)
- 第四節 送達第十二条〜第十四条(3条)
- 第二章 国税の納付義務の確定第十五条〜第三十三条(19条)
- 第一節 通則第十五条〜第十六条(2条)
- 第二節 申告納税方式による国税に係る税額等の確定手続第十七条〜第三十条(14条)
- 第一款 納税申告第十七条〜第二十二条(6条)
- 第二款 更正の請求第二十三条
- 第三款 更正又は決定第二十四条〜第三十条(7条)
- 第三節 賦課課税方式による国税に係る税額等の確定手続第三十一条〜第三十三条(3条)
- 第三章 国税の納付及び徴収第三十四条〜第四十五条(18条)
- 第一節 国税の納付第三十四条〜第三十五条(8条)
- 第二節 国税の徴収第三十六条〜第四十条(5条)
- 第一款 納税の請求第三十六条〜第三十九条(4条)
- 第二款 滞納処分第四十条
- 第三節 雑則第四十一条〜第四十五条(5条)
- 第四章 納税の猶予及び担保第四十六条〜第五十五条(11条)
- 第一節 納税の猶予第四十六条〜第四十九条(5条)
- 第二節 担保第五十条〜第五十五条(6条)
- 第五章 国税の還付及び還付加算金第五十六条〜第五十九条(4条)
- 第六章 附帯税第六十条〜第六十九条(10条)
- 第一節 延滞税及び利子税第六十条〜第六十四条(5条)
- 第二節 加算税第六十五条〜第六十九条(5条)
- 第七章 国税の更正、決定、徴収、還付等の期間制限第七十条〜第七十四条(5条)
- 第一節 国税の更正、決定等の期間制限第七十条〜第七十一条(2条)
- 第二節 国税の徴収権の消滅時効第七十二条〜第七十三条(2条)
- 第三節 還付金等の消滅時効第七十四条
- 第七章の二 国税の調査第七十四条の二〜第七十四条の十三の四(16条)
- 第七章の三 行政手続法との関係第七十四条の十四
- 第八章 不服審査及び訴訟第七十五条〜第百十六条(49条)
- 第一節 不服審査第七十五条〜第百十三条の二(46条)
- 第一款 総則第七十五条〜第八十条(7条)
- 第二款 再調査の請求第八十一条〜第八十六条(6条)
- 第三款 審査請求第八十七条〜第百三条(22条)
- 第四款 雑則第百四条〜第百十三条の二(11条)
- 第二節 訴訟第百十四条〜第百十六条(3条)
- 第九章 雑則第百十七条〜第百二十五条(9条)
- 第十章 罰則第百二十六条〜第百三十条(5条)
- 第十一章 犯則事件の調査及び処分第百三十一条〜第百六十条(30条)
- 第一節 犯則事件の調査第百三十一条〜第百五十四条(24条)
- 第二節 犯則事件の処分第百五十五条〜第百六十条(6条)
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、公布済みでまだの改正が6件あります。改正の履歴は下にあります。変更内容まで収録している改正は、改正のページに条文ごとに日本語と英語で示します。
2026年11月1日
40日後
所得税法等の一部を改正する法律
2027年10月1日
12か月後
所得税法等の一部を改正する法律
日付未定
施行日は未確定
譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律(令和七年法律第五十六号)の施行の日
2028年4月1日
2年後
所得税法等の一部を改正する法律
2028年6月13日まで
遅くとも2年後
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日
日付未定
施行日は未確定
民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
民法等の一部を改正する法律(令和八年法律第四十五号)の施行の日
施行済みの改正 47件
2026年6月24日
このサイトの条文
民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
2026年5月25日
事業性融資の推進等に関する法律
2026年5月21日
所得税法等の一部を改正する法律
2026年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2026年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2025年10月1日
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2025年6月6日
譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
2025年6月1日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律 抄
2025年4月1日
情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律
2025年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2025年1月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2024年10月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2024年6月14日
事業性融資の推進等に関する法律
2024年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2024年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2024年1月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2024年1月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2023年10月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2023年6月14日
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2023年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2022年12月31日
所得税法等の一部を改正する法律
2022年11月1日
外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律
2022年6月17日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2022年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2022年4月1日
強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律
2022年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2022年1月4日
所得税法等の一部を改正する法律
2022年1月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2021年7月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2021年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2020年4月1日
民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
2020年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2020年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2020年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2020年1月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2019年10月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2019年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2019年1月7日
国際観光旅客税法
2019年1月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2018年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2018年4月1日
所得税法等の一部を改正する等の法律
2018年4月1日
所得税法等の一部を改正する法律
2018年1月1日
個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律
2018年1月1日
所得税法等の一部を改正する等の法律
2017年10月1日
所得税法等の一部を改正する等の法律
2017年6月2日
民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
2017年4月1日
所得税法等の一部を改正する等の法律
誰に適用されるか
適用される
- 納税者とは、国税に関する法律によって国税を納める義務がある人と、源泉徴収などで税を徴収して国に納めなければならない人をいいます。ただし、別の法律である国税徴収法に定める第二次納税義務者や国税の保証人は、その立場では納税者に含まれません。国税とは、国が課す税のうち、関税、とん税、特別とん税、森林環境税、特別法人事業税以外のものをいいます。(第二条第一項第五号, 第二条第一項第二号, 第二条第一項第一号)(根拠条文)
- 代表者や管理人の定めがある、法人でない社団や財団(人格のない社団等)は、この法律では法人とみなされます。共有物や共同事業、その事業に属する財産にかかる国税は、関係する納税者が連帯して納める義務を負います。(第三条第一項, 第九条第一項)(根拠条文)
続き
- 亡くなった人の国税を納める義務は相続人が引き継ぎ、各相続人は相続分に応じて負担します。限定承認をした相続人は、相続で得た財産の範囲でだけ納めます。相続で得た財産が自分の引き継いだ税額を超える相続人は、その超える額を限度として、ほかの相続人の分も納める責任を負います。合併では、合併後に存続する法人や合併で設立された法人が、合併で消滅した法人の国税を引き継ぎます。(第五条第一項, 第五条第二項, 第五条第三項, 第六条第一項)(根拠条文)
- 国内(この法律の施行地)に住所も居所もない、またはなくなる個人の納税者や、国内に本店も事務所もない法人の納税者は、申告書の提出など税の手続を処理する必要があるときは、国内に住所か居所がある人を納税管理人に定め、税務署長に届け出なければなりません。届け出ないときは、国税局長や税務署長は、60日以内で指定する日までに届け出るよう書面で求めることができます。その日を過ぎたら、納税管理人になるよう求めた国内の人の中から納税管理人を指定できます。個人の場合は、たとえば生計を一にする成年の親族や、本人が取引を行う場を提供する事業者です。税務署などが発する書類は納税管理人に送達されます。住所も居所もわからない場合や外国での送達が難しい場合は公示送達ができ、公示を始めてから7日たつと送達されたものとみなされます。(第百十七条第一項, 第百十七条第二項, 第百十七条第三項, 第百十七条第四項, 第百十七条第五項, 第十二条第一項, 第十四条第一項, 第十四条第三項)(根拠条文)
- 税務調査では、納税者に支払をした人や納税者から支払を受けた人など、納税者以外の人も質問を受けることがあり、事業者や官公署は協力を求められることがあります。調査に必要な場合、国税局長は国税庁長官の承認を受けて、オンラインでの取引など特定の取引の相手方となったり、その場を提供したりする事業者や官公署に、60日以内で定める日までに、取引をした人の氏名、住所、番号(個人番号または法人番号)を報告するよう求めることができます。これができるのは第74条の7の2第2項が定める場合に限られます。過去の調査で、同じ種類の取引による課税標準が1000万円を超える人のうち半数を超える人に更正などが必要だった場合や、その取引によって税法に違反する事実が生じると推測される場合です。(第七十四条の二第一項, 第七十四条の十二第一項, 第七十四条の七の二第一項, 第七十四条の七の二第二項, 第七十四条の七の二第三項, 第七十四条の七の二第四項)(根拠条文)
- 税務署などに申告書、申請書などの税務書類を提出する人は、氏名、住所、番号(行政手続で使う番号についての別の法律による個人番号または法人番号)を書かなければなりません。番号がない人は、氏名と住所を書きます。銀行など預貯金を扱う金融機関は、預貯金者の情報をその番号で検索できる状態で管理しなければなりません。(第百二十四条第一項, 第七十四条の七の二第三項第四号, 第七十四条の十三の二第一項)(根拠条文)
特例と適用除外(8)
- この法律が定める事項について、ほかの国税に関する法律に別段の定めがあるときは、その法律の定めによります。(第四条第一項)(根拠条文)
- 過少申告加算税は、増えた税額のうち、当初の申告で計算に入れなかったことに正当な理由がある事実に基づく部分にはかかりません。無申告加算税と不納付加算税は、期限内に申告や納付をしなかったことに正当な理由がある場合はまったくかかりません。また、期限内に申告や納付をする意思があったと認められる場合として政令が定める場合に当たり、調査の結果を予知したものでなければ、法定申告期限から1か月以内の期限後申告には無申告加算税が、法定納期限から1か月以内に納めた源泉徴収による税には不納付加算税がかかりません。(第六十五条第五項第一号, 第六十六条第一項, 第六十七条第一項, 第六十六条第九項, 第六十七条第三項)(根拠条文)
- 修正申告や更正で増えた税については、法定申告期限から1年を過ぎた日(期限後申告の場合は、その提出から1年を過ぎた日)から、修正申告書を提出した日または更正通知書が発せられた日までの期間は、延滞税の計算に入りません。ただし、偽りその他不正の行為で税を免れたり還付を受けたりした場合は別です。源泉徴収による税を法定納期限から1年を過ぎて納めた場合や、1年を過ぎて納税告知書が発せられた場合も、同じように1年を過ぎた後の期間は除かれます。偽りその他不正の行為がある場合は除かれません。(第六十一条第一項, 第六十一条第三項)(根拠条文)
- 納税の猶予を受けた期間の延滞税は、災害、盗難、病気などを理由とする猶予では全額が免除され、事業の廃止や損失を理由とする猶予では半分が免除されます(納期限の翌日から2か月を過ぎた後の期間の分)。猶予を取り消す原因となる事実が生じた後の期間の分は、免除されないことがあります。短期の銀行貸出金利の平均をもとに算出する猶予特例基準割合が、この法律の低いほうの延滞税の割合(年7.3%)に満たない年は、租税特別措置法第94条第2項により半額免除の扱いが変わります。2か月の制限がなくなり、その基準割合で計算した延滞税だけが残ります。(第六十三条第一項, 租税特別措置法 第九十四条第二項)(根拠条文)
- 税法上の期限が日曜日、国民の祝日、その他一般の休日、または政令で定める日に当たるときは、その翌日が期限になります。災害その他やむを得ない理由で期限までに申告や納付ができないときは、税務当局は、その理由がやんだ日から2か月以内に限り期限を延長でき、延長した期間の延滞税は免除されます。(第十条第二項, 第十一条第一項, 第六十三条第二項)(根拠条文)
- 別の法律である行政手続法のうち、申請に対する処分と不利益処分の章は、国税に関する法律に基づく処分には適用されません。ただし、理由を示すことを求める規定(同法第8条と第14条)は適用されます。酒税法第2章による免許は、この例外に含まれません。(第七十四条の十四第一項)(根拠条文)
- 別の法律である酒税法の第2章による酒類の免許についての処分への不服申立ては、この法律の不服申立ての規定ではなく、行政不服審査法によります。(第八十条第三項)(根拠条文)
- 現在の無申告加算税の規定と、繰り返しの場合に重加算税を重くする規定は、法定申告期限が2024年(令和6年)1月1日以後の税に適用されます。現在の重加算税の規定全体は、法定申告期限が2025年(令和7年)1月1日以後の税に適用されます。それより前に期限が来た税には、改正前の規定が適用されます。(附則第二十三条第三項, 附則第十九条第一項)(根拠条文)
どのように守らせるか(14)
- 税務署長は、申告の計算が税法に従っていない場合や調査の結果と異なる場合に税額を改め(更正)、申告書を提出すべき人が提出しなかった場合には税額を定めます(決定)。どちらも通知書を送達して行います。更正や決定は、法定申告期限から5年(法人税の純損失等は10年、偽りその他不正の行為で税を免れたり還付を受けたりした場合は7年)を過ぎるとできません。ただし、更正の請求の後や不服申立ての裁決の後など、第70条第3項と第71条による延長があります。国が税を徴収する権利(徴収権)は、法定納期限から5年間行使しないと時効で消えます。偽りその他不正の行為で税を免れた場合は、法定納期限から最長2年間、時効が進みません。還付金などを請求する権利も、5年で時効により消えます。(第二十四条第一項, 第二十五条第一項, 第二十八条第一項, 第七十条第一項, 第七十条第二項, 第七十条第三項, 第七十条第五項, 第七十一条第一項, 第七十二条第一項, 第七十三条第三項, 第七十四条第一項)(根拠条文)
- 国税庁、国税局、税務署の職員は、所得税、法人税、地方法人税、消費税の調査に必要なときは、納税者や、納税者に支払をした人・納税者から支払を受けた人に質問し、事業の帳簿書類などを検査し、その提示や提出を求めることができます。相続税、贈与税、酒税などほかの国税にも同様の権限があります。これらの権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはなりません。(第七十四条の二第一項, 第七十四条の三第一項, 第七十四条の四第一項, 第七十四条の五第一項, 第七十四条の八第一項)(根拠条文)
- 税務署長等は、実地の調査を行う前に、納税者(税務代理人がいればその税務代理人にも)に、調査を始める日時、場所、目的、対象となる税目と期間、対象となる帳簿書類などを通知します。ただし、保有する情報から、通知すると調査に支障が出るおそれがあると認める場合は、通知しないことがあります。調査が終わると、更正などをすべきと認められない場合はその旨を書面で通知し、すべきと認める場合は、その額と理由を含めて調査結果を説明します。そのうえで修正申告を勧めることができ、その場合は、修正申告書を提出するとそれについて不服申立てはできないが更正の請求はできることを説明し、その旨を書いた書面を渡さなければなりません。(第七十四条の九第一項, 第七十四条の九第三項, 第七十四条の十第一項, 第七十四条の十一第一項, 第七十四条の十一第二項, 第七十四条の十一第三項)(根拠条文)
- 期限内申告書を提出した後に、修正申告や更正によって税額が増えた場合には、過少申告加算税がかかります(期限後申告の後であれば、代わりに無申告加算税がかかります)。額は増えた税額の10%で、増えた税額のうち、当初の申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分には、さらに5%が加わります。調査による更正を予知して出したものでない修正申告書なら割合は5%となり、さらに調査の通知を受ける前に提出していれば、過少申告加算税はかかりません。(第六十五条第一項, 第六十五条第二項, 第六十五条第六項, 第六十六条第一項第二号)(根拠条文)
- 無申告加算税は、期限後申告や決定、その後の修正申告や更正によって納める税額にかかります。割合は、50万円以下の部分が15%、50万円を超え300万円以下の部分が20%、300万円を超える部分が30%です。調査による決定を予知して出したものでない申告書なら、それぞれ5ポイント低くなり、さらに調査の通知を受ける前に提出していれば、一律5%になります。同じ税目について、過去5年以内に調査を受けて無申告加算税や重加算税を課されたことがある場合や、前年・前々年の分について無申告加算税などを課されたことがある場合は、10ポイント高くなります。(第六十六条第一項, 第六十六条第二項, 第六十六条第三項, 第六十六条第六項, 第六十六条第八項)(根拠条文)
- 修正申告や期限後申告、更正、決定の前に職員から帳簿の提示や提出を求められ、納税者が提示しなかった場合や、重要な事項の記載が著しく不十分だった場合には、過少申告加算税や無申告加算税に、関係する税額の10%(記載が不十分だった程度なら5%)がさらに加わります。これは法定申告期限が2024年(令和6年)1月1日以後の税に適用されます。源泉徴収で納めるべき税を法定納期限までに納めなかった場合の不納付加算税は10%です。納税の告知を受けずに遅れて納め、告知を予知したものでもない場合は5%です。(第六十五条第四項, 第六十六条第五項, 附則第二十条第二項, 第二条第一項第二号, 第六十七条第一項, 第六十七条第二項)(根拠条文)
- 事実を隠したり偽ったりして(隠蔽・仮装)、それに基づいて申告し、申告せず、または納付しなかった場合には、ほかの加算税に代えて重加算税がかかります。割合は関係する税額の35%で、無申告加算税に代わる場合は40%です。調査の結果を予知せず自主的に申告した場合は、過少申告加算税や無申告加算税に代えて課されることはありません。過去5年以内に同じ税目で無申告加算税や重加算税を課されたことがある場合など、繰り返しの場合は10ポイント高くなります。(第六十八条第一項, 第六十八条第二項, 第六十八条第三項, 第六十八条第四項)(根拠条文)
- 税が納期限までに完納されないと、税務署長は督促状を送ります。督促状は原則として納期限から50日以内に発せられます。督促状を発した日から10日を過ぎても完納されないと、別の法律である国税徴収法により、財産の差押えなどを行う滞納処分に進みます。納期限までに完納されないと認められ、かつ第38条が定める事由(納税管理人を定めずに国内に住所も居所もなくなる場合や、偽りその他不正の行為で税を免れたと認められる場合など)が生じたときは、税務署長は納期限を繰り上げて納付を求めることができます(繰上請求)。同じ事由があり、税額が確定してからでは徴収を確保できないと認められるときは、税額が確定する前(法定申告期限の前)でも、徴収の確保に必要な金額をあらかじめ決め、職員がその金額を限度として直ちに財産を差し押さえることができます。(第三十七条第一項, 第三十七条第二項, 第四十条第一項, 第四十八条第二項, 第三十八条第一項, 第三十八条第二項, 第三十八条第三項)(根拠条文)
- 税務署長、国税局長、税関長の処分に不服がある人は、処分をした機関への再調査の請求と、国税不服審判所長への審査請求のどちらかを選べます。再調査の請求についての決定の後も、なお不服があれば審査請求ができます。税務署長の処分でも、通知書に国税局や国税庁の職員が調査したと書かれている場合は、国税局の職員ならその国税局長の処分とみなされて同じ選択ができ、国税庁の職員なら国税庁長官の処分とみなされて、国税庁長官への審査請求だけができます。不服申立ては、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(再調査の請求の後の審査請求は、再調査決定書の謄本が届いた日の翌日から1か月以内)にしなければならず、処分から1年を過ぎるとできません。ただし、正当な理由があるときは別です。(第七十五条第一項, 第七十五条第二項, 第七十五条第三項, 第七十七条第一項, 第七十七条第二項, 第七十七条第三項)(根拠条文)
- 税の処分の取消しを求める訴訟は、原則として審査請求についての裁決を経た後でなければ起こせません。ただし、審査請求から3か月たっても裁決がない場合など、定められた例外があります。不服申立てをしても、処分の効力や執行は止まりません。ただし、税のために差し押さえた財産は、価値が著しく下がるおそれがある場合や申立人から申出がある場合を除き、不服申立てについての決定や裁決があるまで売却(換価)されません。(第百十五条第一項, 第百五条第一項)(根拠条文)
- 2027年9月30日まで:この法律自体が定める犯罪は次のとおりです。納税者に申告しないこと、虚偽の申告をすること、納付しないことをあおったり、そのために暴行や脅迫をしたりすること(3年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金)。税務調査で質問に答えない、偽りの答えをする、検査を拒んだり妨げたりする、求められた物件を正当な理由なく提示・提出しない、更正請求書に偽りを書いて出すこと(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)。審査請求人本人以外の人が国税不服審判所の調査を妨げること(30万円以下の罰金)。税務の職員が職務で知った秘密を漏らしたり盗用したりすること(2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)。法人の代表者や従業者などが業務に関して第128条や第129条の罪を犯したときは、その法人や事業主にも罰金が科されます。(第百二十六条第一項, 第百二十六条第二項, 第百二十八条第一項, 第百二十九条第一項, 第百二十七条第一項, 第百三十条第一項)(根拠条文)
- 2027年10月1日から:この法律自体が定める犯罪は次のとおりです。納税者に申告しないこと、虚偽の申告をすること、納付しないことをあおったり、そのために暴行や脅迫をしたりすること(3年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金)。税務調査で質問に答えない、偽りの答えをする、検査を拒んだり妨げたりする、求められた物件を正当な理由なく提示・提出しない、更正請求書に偽りを書いて出すこと(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)。犯則事件で、電磁的記録提供命令や、それを受けたことなどを漏らさないよう命じる命令に正当な理由なく違反すること(1年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金)。審査請求人本人以外の人が国税不服審判所の調査を妨げること(30万円以下の罰金)。税務の職員が職務で知った秘密を漏らしたり盗用したりすること(2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)。法人の代表者や従業者などが業務に関して第127条の2、第128条、第129条の罪を犯したときは、その法人や事業主にも罰金が科されます。(第百二十六条第一項, 第百二十六条第二項, 第百二十七条の二第一項, 第百二十八条第一項, 第百二十九条第一項, 第百二十七条第一項, 第百三十条第一項)(根拠条文)
- 2027年9月30日まで:脱税などの犯則事件では、国税庁、国税局、税務署の職員は、犯則嫌疑者や参考人に出頭を求めて質問できます。また、裁判官があらかじめ出す許可状によって、臨検、捜索、差押えができます。間接国税の犯則事件で、犯則が行われている最中か行われた直後で、許可状を受ける時間がない場合は、許可状なしでもできます。間接国税以外の税の事件と一部の間接国税の事件では、犯則があると考えるときは検察官に告発しなければなりません。その他の間接国税の事件では、国税局長や税務署長が原則として、罰金に相当する金額などを納めるよう犯則者に通告します(通告処分)。通告どおりに納めればその事件で起訴されることはなく、20日以内に納めなければ検察官に告発されます。(第百三十一条第一項, 第百三十二条第一項, 第百三十五条第一項, 第百三十五条第二項, 第百五十五条第一項, 第百五十七条第一項, 第百五十七条第五項, 第百五十八条第一項)(根拠条文)
- 2027年10月1日から:脱税などの犯則事件では、国税庁、国税局、税務署の職員は、犯則嫌疑者や参考人に出頭を求めて質問できます。また、裁判官があらかじめ出す許可状によって、臨検、捜索、差押えができます。間接国税の犯則事件で、犯則が行われている最中か行われた直後で、許可状を受ける時間がない場合は、許可状なしでもできます。許可状によって、電磁的記録を保管する人や利用する権限がある人に、命令で指定した電磁的記録を提供するよう命じることもできます(電磁的記録提供命令)。間接国税以外の税の事件と一部の間接国税の事件では、犯則があると考えるときは検察官に告発しなければなりません。その他の間接国税の事件では、国税局長や税務署長が原則として、罰金に相当する金額などを納めるよう犯則者に通告します(通告処分)。通告どおりに納めればその事件で起訴されることはなく、20日以内に納めなければ検察官に告発されます。(第百三十一条第一項, 第百三十二条第一項, 第百三十五条第一項, 第百三十五条第二項, 第百五十五条第一項, 第百五十七条第一項, 第百五十七条第五項, 第百五十八条第一項)(根拠条文)
他の法令とのつながり
- 所得税法1219
ほかに、収録していない法令を56件、名指しで参照しています。