労働者災害補償保険法
業務上の事由、複数の事業の業務、または通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡などに対して、政府が保険給付を行い、あわせて被災した労働者の社会復帰の促進や遺族の援護などを行う、労働者災害補償保険について定める法律です。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 98
- 施行前の改正
- 2
この法令の内容
- 保険給付には、業務災害(労働者の業務上の負傷、疾病、障害、死亡)に関するもの、複数業務要因災害(事業主が同一人でない二以上の事業に使用される複数事業労働者の、二以上の事業の業務を要因とする負傷、疾病、障害、死亡で、業務災害に当たらないもの。複数事業労働者には、これに類する者として厚生労働省令で定める者を含みます)に関するもの、通勤災害に関するもの、そして二次健康診断等給付があります。災害の種類ごとに、療養、休業、障害、遺族、葬祭、傷病年金、介護の給付がそれぞれ定められていて、多くは業務災害についての定めが名前を変えて準用されます。ただし、複数業務要因災害と通勤災害の疾病は、厚生労働省令で定めるものに限られます。(第七条第一項, 第十二条の八第一項, 第二十条の二第一項, 第二十一条第一項, 第二十条の三第一項, 第二十条の三第二項, 第二十二条第一項, 第二十二条第二項, 第二十条の四第二項, 第二十二条の二第二項)(根拠条文)
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- 通勤とは、労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間の往復、厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動、または住居と就業の場所との往復に先行し、もしくは後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に当たるものに限ります)を、合理的な経路と方法で行うことをいいます。業務の性質を持つものは除かれます。移動の経路を逸脱したり、移動を中断したりすると、その間とその後の移動は通勤になりません。ただし、その逸脱や中断が、日常生活上必要な行為で厚生労働省令で定めるものを、やむを得ない事由で行うための最小限度のものであるときは、逸脱や中断の間を除いて、通勤になります。(第七条第二項, 第七条第三項)(根拠条文)
- 給付基礎日額は、労働基準法第12条の平均賃金に相当する額で、事故が起きた日、または診断によって疾病の発生が確定した日を基準に算定します。平均賃金に相当する額とすることが適当でないときは、厚生労働省令で定めるところにより政府が算定する額になります。複数事業労働者については、事業ごとに算定した額を合算した額を基礎とします。給付基礎日額は、平均給与額の変動に応じて改定されます。休業補償給付などでは、平均給与額が1割を超えて上下したときに改定されます。年金と、療養開始から1年6か月を過ぎた後の休業補償給付などについては、厚生労働大臣が年齢階層ごとに定める最低限度額と最高限度額の範囲に収められます。(第八条第一項, 第八条第二項, 第八条第三項, 第八条の二第一項, 第八条の二第二項, 第八条の三第一項, 第八条の三第二項, 労働基準法 第十二条第一項)(根拠条文)
- 業務災害の療養補償給付は、療養の給付です。その範囲は、診察、薬剤や治療材料の支給、処置や手術などの治療、居宅での療養上の管理と看護、病院や診療所への入院と看護、移送で、政府が必要と認めるものに限ります。療養の給付が困難な場合などには、政府は代わりに療養の費用を支給することができます。業務上の負傷や疾病の療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から、1日につき給付基礎日額の60%の休業補償給付が支給されます。所定労働時間の一部だけ労働した日や、賃金が支払われる休暇の日は、給付基礎日額からその日に支払われる賃金を差し引いた額の60%になります。年齢階層ごとの最高限度額を給付基礎日額としている場合(療養開始から1年6か月を経過した後)は、最高限度額を当てはめない給付基礎日額から賃金を差し引き、その額が最高限度額を超えるときは最高限度額とします。同じ事由について厚生年金保険法の障害厚生年金や国民年金法の障害基礎年金を受けることができるときは、休業補償給付の額は、政令で定める率を掛けた額に減らされます(政令で定める額を下回ることはありません)。(第十三条第一項, 第十三条第二項, 第十三条第三項, 第十四条第一項, 第八条の二第二項, 第十四条第二項, 第十二条の八第二項, 別表第一)(根拠条文)
- 負傷や疾病が治ったときに身体に障害が残った労働者には、厚生労働省令で定める障害等級に応じて障害補償給付が支給されます。第1級から第7級は給付基礎日額の313日分から131日分の障害補償年金、第8級から第14級は503日分から56日分の障害補償一時金です。同じ事由について、厚生年金保険法や国民年金法の年金も支給されるとき(障害補償年金や傷病補償年金と障害厚生年金・障害基礎年金、遺族補償年金と遺族厚生年金・遺族基礎年金・寡婦年金)は、この保険の年金の額は、政令で定める率を掛けた額に減らされます(政令で定める額を下回ることはありません)。(第十五条第一項, 第十五条第二項, 第十二条の八第二項, 労働基準法 第七十七条第一項, 第二十条の五第一項, 第二十二条の三第一項, 別表第一, 別表第二)(根拠条文)
- 療養を始めてから1年6か月を過ぎても負傷や疾病が治らず、その障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に当たる労働者には、その状態が続く間、給付基礎日額の313日分、277日分または245日分(第1級から第3級)の傷病補償年金が支給され、休業補償給付は行われなくなります。障害補償年金か傷病補償年金を受ける労働者が、厚生労働省令で定める程度の障害のため常時または随時介護を要し、実際に介護を受けているときは、厚生労働大臣が定める月額の介護補償給付が支給されます。ただし、病院や診療所に入院している間、生活介護を受けて障害者支援施設に入所している間、厚生労働大臣が定めるこれに準ずる施設に入所している間は支給されません。(第十二条の八第三項, 第十八条第一項, 第十八条第二項, 第十二条の八第四項, 第十九条の二第一項, 別表第一)(根拠条文)
- 2027年3月31日まで:遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹です。妻(事実上婚姻関係と同様の事情にあった人を含みます)にはほかの要件はありません。それ以外の人は、労働者の死亡の当時、夫、父母、祖父母は60歳以上、子と孫は18歳に達する日以後の最初の3月31日まで、兄弟姉妹はそのどちらかに当たることが必要で、これに当たらない人も厚生労働省令で定める障害の状態にあれば遺族になります。労働者の死亡の当時胎児だった子は、生まれた後、生計を維持されていた子とみなされます。受ける順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順です。額は、遺族1人なら給付基礎日額の153日分(55歳以上の妻と、その障害の状態にある妻は175日分)、4人以上なら245日分で、受給権者と生計を同じくする受給資格者を数に含めます。受給権者が2人以上いるときは、その人数で等分します。(第十六条の二第一項, 第十六条の二第二項, 第十六条の二第三項, 第十六条の三第一項, 第十六条の三第二項, 第十一条第一項, 別表第一)(根拠条文)
- 2027年4月1日から:2027年4月1日以後に支給すべき事由が生じる遺族補償年金では、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた配偶者(夫も妻も、事実上婚姻関係と同様の事情にあった人を含みます)には、ほかの要件はなくなります。それ以外の人は、労働者の死亡の当時、父母と祖父母は60歳以上、子と孫は18歳に達する日以後の最初の3月31日まで、兄弟姉妹はそのどちらかに当たることが必要で、これに当たらない人も厚生労働省令で定める障害の状態にあれば遺族になります。遺族1人の額は給付基礎日額の175日分になり、順位、胎児だった子の扱い、2人以上の場合の201日分から245日分は変わりません。その日より前に支給すべき事由が生じた遺族補償年金は、遺族の範囲や順位などについては従前の例によります。額は、その日より前の期間の分だけが従前の例によるので、その日以後の期間は新しい額になります。(第十六条の二第一項, 第十六条の二第二項, 第十六条の二第三項, 第十六条の三第一項, 第十六条の三第二項, 第十一条第一項, 別表第一, 附則第一条第一項, 附則第二条第一項, 附則第二条第二項)(根拠条文)
- 遺族補償年金を受ける権利は、受給権者が死亡したとき、婚姻(事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含みます)をしたとき、直系血族や直系姻族以外の人の養子になったとき、離縁によって死亡した労働者との親族関係が終わったとき、子・孫・兄弟姉妹が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終わったとき(労働者の死亡の時から引き続き厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除きます)、その障害の状態を理由に遺族になった人がその状態でなくなったとき(年齢の要件に当たるときを除きます)に消滅します。同順位者がいなくて後順位者がいるときは、次の順位の人に遺族補償年金が支給されます。(第十六条の四第一項, 第十六条の四第二項)(根拠条文)
- 労働者の死亡の当時、遺族補償年金を受けることができる遺族がいないときは、給付基礎日額の1,000日分の遺族補償一時金が支給されます。受ける順位は、配偶者、労働者の収入によって生計を維持していた子・父母・孫・祖父母、それ以外の子・父母・孫・祖父母と兄弟姉妹の順です。遺族補償年金の受給権者の権利が消滅し、ほかに受けられる遺族がいないときに、それまでに支給された年金の合計額が1,000日分に満たなければ、その差額が遺族補償一時金として支給されます。葬祭を行う人には、通常葬祭に要する費用を考えて厚生労働大臣が定める額の葬祭料が支給されます。(第十六条の六第一項, 第十六条の七第一項, 第十六条の七第二項, 第十六条の八第一項, 別表第二, 第十七条第一項, 第十二条の八第二項)(根拠条文)
- 保険給付を受ける権利は、労働者が退職しても変わりません。また、譲り渡したり、担保に供したり、差し押さえたりすることはできません。ただし、令和2年の改正で廃止された独立行政法人福祉医療機構の小口の資金の貸付けのために、その改正の施行の時に担保に供していたか担保に供する申込みをしていた年金の権利は、その後も担保に供することができ、それに代わって新たに得た年金の権利も同機構に担保に供することができます。保険給付として受けた金品には、租税その他の公課を課することはできません。(第十二条の五第一項, 第十二条の五第二項, 第十二条の六第一項, 附則第八十条第一項, 附則第八十条第二項, 附則第八十一条第二項)(根拠条文)
- 労働安全衛生法第66条第1項の健康診断、またはその健康診断に係る同条第5項ただし書の健康診断のうち直近のもので、血圧検査や血液検査など、業務上の事由による脳血管疾患と心臓疾患の発生に関わる、厚生労働省令で定める検査のすべての項目に異常の所見があると診断された労働者は、請求により二次健康診断等給付を受けられます。内容は、1年度に1回の医師による二次健康診断と、その結果に基づく医師または保健師の面接による特定保健指導(二次健康診断ごとに1回)です。その健康診断の結果などからすでに脳血管疾患や心臓疾患の症状があると認められる労働者は対象にならず、二次健康診断の結果などから症状があると認められた労働者には特定保健指導は行われません。(第二十六条第一項, 第二十六条第二項, 第二十六条第三項)(根拠条文)
- 政府は、保険給付のほかに、適用事業の労働者とその遺族について、社会復帰促進等事業として、療養やリハビリテーションの施設の設置と運営など被災労働者の円滑な社会復帰を促進する事業、療養生活や介護の援護、遺族の就学の援護、資金の貸付けなど被災労働者とその遺族を援護する事業、業務災害の防止活動への援助、健康診断の施設の設置と運営、賃金の支払の確保などを図る事業を行うことができます。その一部は独立行政法人労働者健康安全機構が行います。(第二条の二第一項, 第二十九条第一項, 第二十九条第三項)(根拠条文)
目次
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- 第一章 総則第一条〜第五条(6条)
- 第二章 保険関係の成立及び消滅第六条
- 第三章 保険給付第七条〜第二十八条(59条)
- 第一節 通則第七条〜第十二条の七(17条)
- 第二節 業務災害に関する保険給付第十二条の八〜第二十条(21条)
- 第二節の二 複数業務要因災害に関する保険給付第二十条の二〜第二十条の十(9条)
- 第三節 通勤災害に関する保険給付第二十一条〜第二十五条(9条)
- 第四節 二次健康診断等給付第二十六条〜第二十八条(3条)
- 第三章の二 社会復帰促進等事業第二十九条
- 第四章 費用の負担第三十条〜第三十二条(3条)
- 第四章の二 特別加入第三十三条〜第三十七条(5条)
- 第五章 不服申立て及び訴訟第三十八条〜第四十一条(4条)
- 第六章 雑則第四十二条〜第五十条(15条)
- 第七章 罰則第五十一条〜第五十四条(4条)
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、公布済みでまだの改正が2件あります。改正の履歴は下にあります。変更内容まで収録している改正は、改正のページに条文ごとに日本語と英語で示します。
2027年4月1日
6か月後
労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律
2031年7月16日まで
遅くとも5年後
労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律
公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日
施行済みの改正 16件
2026年7月17日
このサイトの条文
労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律
2026年5月13日
船員法等の一部を改正する法律
2025年6月1日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2022年6月17日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2022年4月1日
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律
2020年9月1日
雇用保険法等の一部を改正する法律
2020年6月5日
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律
2020年4月1日
雇用保険法等の一部を改正する法律
2020年4月1日
厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律
2020年4月1日
民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
2020年3月31日
雇用保険法等の一部を改正する法律
2018年5月25日
厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律
2017年6月2日
民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
2016年4月1日
独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律
2016年4月1日
行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
2016年4月1日
地方自治法の一部を改正する法律
誰に適用されるか
適用される
- 労働者を使用する事業は、適用事業です(次の適用除外を除きます)。保険関係の成立と消滅、そして保険料については、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(徴収法)の定めるところによります。(第三条第一項, 第三条第二項, 第六条第一項, 第三十条第一項)(根拠条文)
- 事業主が同一人でない二以上の事業に使用される複数事業労働者と、これに類する者として厚生労働省令で定める人。二以上の事業の業務を要因とする負傷、障害、死亡と、厚生労働省令で定める疾病が保険給付の対象になり、給付基礎日額はそれぞれの事業の額を合算した額を基礎にします。(第一条第一項, 第七条第一項第二号, 第二十条の三第一項, 第八条第三項)(根拠条文)
続き
- 特別加入として、事業主が自分と次の人たちをまとめて申請し、政府の承認を受けることにより、厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業(厚生労働省令で定める事業を除きます)の事業主で、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している人(事業主が法人などのときはその代表者)と、その事業に従事する労働者以外の人。これらの人はその事業に使用される労働者とみなされ、給付基礎日額は厚生労働大臣が定める額になります。(第三十三条第一項第一号, 第三十三条第一項第二号, 第三十四条第一項)(根拠条文)
- 同じく特別加入として、厚生労働省令で定める種類の事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする人とその事業に従事する人、厚生労働省令で定める種類の作業に従事する人は、その団体が政府の承認を受けることにより、保険の対象になります(厚生労働省令で定める人は、通勤災害は対象外です)。また、開発途上にある地域での技術協力の事業に団体から派遣される人と、日本国内の事業主から海外の事業に派遣される人も、その団体や事業主が政府の承認を受けることにより、保険の対象になります。ただし、厚生労働省令で定める国の地域への派遣と、事業の期間が予定される事業を行う団体や事業主からの派遣は除かれ、派遣先の事業が中小規模の特定事業に当たらないときは、その事業に使用される労働者として派遣される人に限られます。(第三十三条第一項第三号, 第三十三条第一項第四号, 第三十三条第一項第五号, 第三十三条第一項第六号, 第三十三条第一項第七号, 第三十五条第一項, 第三十六条第一項)(根拠条文)
適用されない
- 国の直営事業と官公署の事業。ただし、労働基準法別表第1に掲げる事業は除きます。(第三条第二項)(根拠条文)
- 施行日(遅くとも2031年7月16日)の前日まで:当分の間、政令で定める事業は適用事業になりません。ただし、昭和44年法律第83号による改正前の法律で適用事業だった事業と、同法附則第12条が掲げるほかの事業は除きます。これらの政令で定める事業は、任意適用事業です。(附則第十二条第一項, 附則第十二条第二項)(根拠条文)
続き
- 施行日(遅くとも2031年7月16日)から:政令で定める日(遅くとも2031年7月16日)から、令和8年法律第60号によってこの暫定措置はなくなり、これらの事業も、労働者を使用するほかの事業と同じく適用事業になります。(第三条第一項, 附則第一条第一項第二号, 附則第十条第一項)(根拠条文)
特例と適用除外(9)
- 労働者が故意に負傷、疾病、障害、死亡やその直接の原因となった事故を生じさせたときは、保険給付は行われません。労働者が故意の犯罪行為、重大な過失、または正当な理由なく療養に関する指示に従わないことにより、これらや事故を生じさせ、または負傷などの程度を増進させ、回復を妨げたときは、政府は保険給付の全部または一部を行わないことができます。(第十二条の二の二第一項, 第十二条の二の二第二項)(根拠条文)
- 保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合、政府は、保険給付をしたときは、その価額の限度で、受けた人が第三者に対して持つの請求権を取得します。受けるべき人が同じ事由について第三者から損害賠償を受けたときは、政府はその価額の限度で保険給付をしないことができます。(第十二条の四第一項, 第十二条の四第二項)(根拠条文)
- 労働者が刑事施設、労役場などに拘禁されている場合や、少年院などに収容されている場合(厚生労働省令で定める場合に限ります)は、休業補償給付(複数事業労働者休業給付と休業給付も同じです)は行われません。(第十四条の二第一項, 第二十条の四第二項, 第二十二条の二第二項)(根拠条文)
- 労働者を故意に死亡させた人は、遺族補償給付を受けることができる遺族になりません。先順位または同順位の遺族(となるはずの人)を故意に死亡させた人も、遺族補償年金を受けることができる遺族になりません。(第十六条の九第一項, 第十六条の九第二項, 第十六条の九第四項)(根拠条文)
- 通勤災害で療養給付を受ける労働者(厚生労働省令で定める人を除きます)からは、200円を超えない範囲で厚生労働省令で定める額が一部負担金として徴収されます。休業給付を受ける場合は、その代わりに最初の休業給付がその額だけ減額されます。一部負担金は、支払うべき保険給付の額から差し引かれることがあります。(第三十一条第二項, 第三十一条第三項, 第二十二条の二第三項)(根拠条文)
- 特別加入者については、特別加入保険料が滞納されている期間中に生じた事故について、政府は保険給付の全部または一部を行わないことができます。中小事業主とその事業に従事する人については、事業主の故意または重大な過失で生じた業務災害の事故の場合も同じです。(第三十四条第一項第四号, 第三十五条第一項第七号, 第三十六条第一項第三号)(根拠条文)
- 業務上負傷し、または疾病にかかった労働者が、療養の開始後3年を経過した日に傷病補償年金を受けているか、その後に受けることになったときは、労働基準法第19条第1項の規定の適用についてだけ、使用者はその日に同法第81条の打切補償を支払ったものとみなされます。そのため、業務上の傷病の療養のために休業する期間とその後30日間の解雇制限は、その労働者には適用されなくなります。(第十九条第一項, 労働基準法 第十九条第一項, 労働基準法 第八十一条第一項)(根拠条文)
- 2027年3月31日まで:昭和40年法律第130号附則第43条などにより、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持し、55歳以上60歳未満だった夫、父母、祖父母、兄弟姉妹も、ほかの遺族の次の順位で遺族補償年金などを受けることができる遺族になります。その年金は、60歳に達する月までは支給が停止されますが、その間も遺族補償年金前払一時金などは支給されます。(附則第四十三条第一項, 附則第四十三条第二項, 附則第四十三条第三項, 附則第五条第一項, 附則第七条第一項, 附則第六十条第一項, 附則第六十条の四第一項, 附則第六十三条第一項, 附則第五条第二項, 附則第七条第二項)(根拠条文)
- 2027年4月1日から:昭和40年法律第130号附則第43条などにより、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持し、55歳以上60歳未満だった父母、祖父母、兄弟姉妹も、ほかの遺族の次の順位で遺族補償年金などを受けることができる遺族になります。その年金は、60歳に達する月までは支給が停止されますが、その間も遺族補償年金前払一時金などは支給されます。夫は配偶者として遺族になるので、ここからは外れます。ただし、2027年4月1日より前に支給すべき事由が生じた年金は従前の例によります。(附則第四十三条第一項, 附則第四十三条第二項, 附則第四十三条第三項, 附則第五条第一項, 附則第七条第一項, 第十六条の二第一項, 附則第二条第一項, 附則第六十条第一項, 附則第六十条の四第一項, 附則第六十三条第一項, 附則第五条第二項, 附則第七条第二項)(根拠条文)
どのように守らせるか(10)
- 労働者災害補償保険は政府が管掌し、保険給付は、傷病補償年金などを除き、労働者、遺族または葬祭を行う人の請求に基づいて行われます。保険給付を受ける権利のある人は、厚生労働省令で定める事項を届け出、書類などを提出しなければなりません。正当な理由なくこれをしないとき、または報告の命令や、行政庁の指定する医師の診断を受けるようにとの命令に従わないときは、保険給付の支払が一時差し止められることがあります。(第二条第一項, 第十二条の八第二項, 第十二条の八第三項, 第十二条の八第四項, 第二十条の三第一項, 第二十二条第一項, 第十二条の七第一項, 第四十七条第一項, 第四十七条の二第一項, 第四十七条の三第一項)(根拠条文)
- 保険給付を受ける権利のある人が死亡し、まだ支給されていない保険給付があるときは、その人の死亡の当時その人と生計を同じくしていた配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にあった人を含みます)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹(遺族補償年金については、それを受けることができるほかの遺族)が、この順序で、自分の名前で未支給の保険給付を請求することができます。死亡した人が請求していなかったときも同じです。同順位者が2人以上いるときは、1人がした請求は全員のためにしたものとみなされます。(第十一条第一項, 第十一条第二項, 第十一条第三項, 第十一条第四項)(根拠条文)
- 2027年3月31日まで:療養、休業、葬祭、介護の給付と二次健康診断等給付を受ける権利は、行使することができる時から2年、障害と遺族の給付を受ける権利は5年を経過すると、時効によって消滅します。複数業務要因災害と通勤災害の同じ種類の給付も同じです。(第四十二条第一項)(根拠条文)
- 2027年4月1日から:2027年4月1日から、療養、休業、葬祭、介護の給付を受ける権利の2年の時効は、その原因となった疾病が、業務や通勤によるものかどうかを容易に判断できない疾病として政令で定めるものである場合には、5年になります。二次健康診断等給付は2年、障害と遺族の給付は5年のままです。その日より前に生じたこうした疾病による事故が原因の保険給付の時効は、従前の例によります。(第四十二条第一項, 第四十二条第二項, 附則第一条第一項, 附則第五条第一項)(根拠条文)
- 2027年3月31日まで:保険給付に関する決定に不服がある人は、に審査請求をし、その決定に不服があれば労働保険審査会に再審査請求をすることができます。審査請求をした日から3か月を過ぎても決定がないときは、審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができます。審査請求と再審査請求は、時効の完成猶予と更新については、裁判上の請求とみなされます。(第三十八条第一項, 第三十八条第二項, 第三十八条第三項)(根拠条文)
- 2027年4月1日から:2027年4月1日から、保険給付に関する決定か、社会復帰促進等事業のうち政令で定める事業の実施に関する決定に不服がある人は、労働者災害補償保険審査官に審査請求をし、その決定に不服があれば労働保険審査会に再審査請求をすることができます。その日より前にされたこうした事業の処分やその不作為についての審査請求は、従前の例によります。審査請求をした日から3か月を過ぎても決定がないときは、審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができます。審査請求と再審査請求は、時効の完成猶予と更新については、裁判上の請求とみなされます。(第三十八条第一項, 第三十八条第二項, 第三十八条第三項, 附則第一条第一項, 附則第四条第一項)(根拠条文)
- 保険給付に関する処分の取消しの訴えは、その処分についての審査請求に対する労働者災害補償保険審査官の決定を経た後でなければ、起こすことができません。第40条は、労働保険審査会の裁決を経ることまでは求めていません。(第四十条第一項, 第三十八条第一項)(根拠条文)
- 偽りその他不正の手段で保険給付を受けた人がいるときは、政府は、その給付に要した費用の全部または一部をその人から徴収することができます。事業主の虚偽の報告や証明のために支給されたときは、事業主にも、受けた人と連帯して納付するよう命ずることができます。また、事業主が故意または重大な過失で保険関係の成立の届出をしていない期間中の事故、督促状の指定期限を過ぎても一般保険料を納付しない期間中の事故、事業主が故意または重大な過失で生じさせた業務災害の事故について保険給付をしたときは、政府は、労働基準法の災害補償の価額の限度で、その費用の全部または一部を事業主から徴収することができます。(第十二条の三第一項, 第十二条の三第二項, 第三十一条第一項)(根拠条文)
- 行政庁は、労働者を使用する者、労働保険事務組合、第35条第1項の団体、派遣先の事業主などに報告、文書の提出、出頭を命じ、労働者や保険給付を受け、または受けようとする人に報告、届出、文書の提出、出頭を命じ、行政庁の指定する医師の診断を受けるよう命じ、保険給付の原因となった事故を起こした第三者に報告などを命じ、診療を担当した医師などに報告や診療録などの提示を命ずることができます。また、職員に、適用事業の事業場やそれらの団体の事務所に立ち入らせ、関係者に質問させ、帳簿書類などを検査させることができます。職員は身分証明書を携帯して示さなければならず、この立入検査の権限は犯罪捜査のためのものではありません。(第四十六条第一項, 第四十七条第一項, 第四十七条の二第一項, 第四十八条第一項, 第四十八条第二項, 第四十八条第三項, 第四十九条第一項)(根拠条文)
- 罰則は第7章(第51条から第54条)にあります。事業主、派遣先の事業主などが、報告や文書の提出の命令に違反し、虚偽の報告をし、または職員の質問に答えず、検査を拒むなどしたときは、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。労働保険事務組合や第35条第1項の団体でその違反行為をした代表者や従業者も同じです。それ以外の人(事故を起こした第三者を除きます)が、報告などの命令に違反し、質問に答えず、検査を拒むなどしたときは、6月以下の拘禁刑または20万円以下の罰金です。法人や人の業務に関して違反行為をしたときは、行為者のほか、その法人や人にも罰金刑が科されます。(第五十一条第一項, 第五十三条第一項, 第五十四条第一項)(根拠条文)
他の法令とのつながり
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