刑法
刑法は、どこで適用されるか、刑の種類、犯罪が成立する条件と誰が責任を負うかについての一般的なルール、そして個々の罪とその刑を定めた法律です。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 301
- 施行前の改正
- 0
この法令の内容
- 罪を犯す意思がない行為は、法律に特別の規定がある場合を除き、罰せられません。この法律自体も、過失により人を傷害し、または死亡させた行為を罰しています(第209条から第211条)。法律を知らなかったとしても、罪を犯す意思がなかったことにはなりませんが、情状により刑が減軽されることがあります。行為の時に重い罪に当たる事実を知らなかった人は、その重い罪で処断されません。(第三十八条第一項, 第三十八条第二項, 第三十八条第三項, 第二百九条第一項, 第二百十条第一項, 第二百十一条第一項)(根拠条文)
続きを読む
- 法令または正当な業務による行為は罰せられません。急迫不正の侵害に対して、自分または他人の権利を守るためにやむを得ずにした行為(正当防衛)も罰せられず、防衛の程度を超えた行為は、情状により刑が減軽または免除されることがあります。自分または他人の生命、身体、自由または財産に対する現在の危難を避けるためにやむを得ずにした行為(緊急避難)は、それによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り罰せられず、その程度を超えた行為は、情状により刑が減軽または免除されることがあります。緊急避難の規定は、業務上特別の義務がある人には適用されません。(第三十五条第一項, 第三十六条第一項, 第三十六条第二項, 第三十七条第一項, 第三十七条第二項)(根拠条文)
- 犯罪の実行に着手したものの遂げなかった人(未遂)は、刑が減軽されることがあり、自分の意思で犯罪をやめたときは、刑が減軽または免除されます。未遂が罰せられるのは、その罪の条文が定めている場合だけで、殺人、不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつと監護者性交等、窃盗と強盗、詐欺と恐喝の各条はそう定めています。殺人や強盗など、一部の罪は予備をしただけでも罪になります(第201条、第237条)。(第四十三条第一項, 第四十四条第一項, 第二百三条第一項, 第百八十条第一項, 第二百四十三条第一項, 第二百五十条第一項, 第二百一条第一項, 第二百三十七条第一項)(根拠条文)
- 2人以上が共同して犯罪を実行したときは、全員が正犯になります(共同正犯)。人を教唆して犯罪を実行させた人には正犯の刑が科され、正犯を幇助した人は従犯として、正犯の刑を減軽した刑が科されます。ただし、またはだけに当たる罪の教唆者と従犯は、特別の規定がなければ罰せられません。公務員による収賄のように、犯人の身分によって成り立つ犯罪に加わった人は、その身分がなくても共犯になります。身分によって刑の重さが違う罪では、身分のない人には通常の刑が科されます。(第六十条第一項, 第六十一条第一項, 第六十二条第一項, 第六十三条第一項, 第六十四条第一項, 第六十五条第一項, 第六十五条第二項, 第百九十七条第一項)(根拠条文)
- 第2編は、章ごとに個々の罪とその刑を定めています。内乱、外患誘致、国交に関する罪、公務執行妨害、逃走、犯人蔵匿と証拠隠滅の罪から始まり、騒乱、放火、出水、往来妨害、あへん煙、飲料水の汚染の罪が続きます。さらに、通貨、文書、有価証券、印章の偽造の罪、支払用カード電磁的記録の不正作出の罪や、正当な理由なく、人の電子計算機で実行させる目的で、電子計算機を使用する人の意図に沿う動作をさせず、またはその意図に反する動作をさせる不正指令電磁的記録を作成し、提供し、実行させ、取得し、または保管する罪、偽証、虚偽告訴、公然わいせつ、わいせつ物頒布の罪があります。そのほか、賭博(第185条の賭博は、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは罰せられませんが、常習賭博と賭博場の開張などは第186条で罰せられます)、富くじ、礼拝所と墳墓に関する罪、公務員職権濫用、収賄と贈賄の罪などがあります。(第二編, 第七十七条第一項, 第八十一条第一項, 第九十五条第一項, 第九十七条第一項, 第百三条第一項, 第百四条第一項, 第百六十九条第一項, 第百七十二条第一項, 第百九十三条第一項, 第百九十七条第一項, 第百九十八条第一項, 第百六条第一項, 第百八条第一項, 第百十九条第一項, 第百二十四条第一項, 第百四十二条第一項, 第百四十八条第一項, 第百五十五条第一項, 第百五十九条第一項, 第百六十二条第一項, 第百六十三条の二第一項, 第百六十五条第一項, 第百六十八条の二第一項, 第百七十四条第一項, 第百七十五条第一項, 第百八十五条第一項, 第百八十七条第一項, 第百八十八条第一項, 第九十二条第一項, 第九十四条第一項, 第百三十六条第一項, 第百三十九条第一項, 第百六十八条の二第二項, 第百六十八条の三第一項, 第百八十六条第一項, 第百八十六条第二項)(根拠条文)
- 不同意わいせつ罪と不同意性交等罪は、暴行や脅迫、心身の障害、アルコールや薬物、睡眠その他意識が明瞭でない状態、同意しない意思を形成し表明し全うするいとまがないこと、予想と異なる事態に直面させての恐怖や驚愕、虐待に起因する心理的反応、経済的または社会的な地位に基づく影響力による不利益の憂慮、これらに類する行為や事由により、同意しない意思を形成し、表明し、または全うすることが困難な状態にさせ、またはその状態に乗じて、わいせつな行為や性交等をすることです。性交等には、性交、肛門性交、口腔性交と、膣や肛門に陰茎以外の身体の一部や物を挿入するわいせつな行為が含まれます。わいせつな行為ではないと誤信させ、または人違いをさせ、もしくはその誤信や人違いに乗じた場合と、16歳未満の人に対する場合(相手が13歳以上なら、相手が生まれた日より5年以上前に生まれた人に限ります)も同じです。婚姻関係の有無にかかわらず、不同意わいせつ罪は6か月以上10年以下の拘禁刑、不同意性交等罪は5年以上の有期拘禁刑に処せられます。18歳未満の人を現に監護する人がその影響力に乗じた場合も同じように罰せられ、わいせつの目的で16歳未満の人に、威迫し、偽計を用い、または誘惑して、拒まれたにもかかわらず反復して、または金銭その他の利益を供与し、もしくはその申込みや約束をして面会を要求することや、性的な姿態の映像の送信を要求することも、同じ年齢の条件で罪になります(第182条)。(第百七十六条第一項, 第百七十六条第二項, 第百七十六条第三項, 第百七十七条第一項, 第百七十七条第二項, 第百七十七条第三項, 第百七十九条第一項, 第百七十九条第二項, 第百八十二条第一項, 第百八十二条第三項)(根拠条文)
- ほかの章では、殺人(死刑、無期または5年以上の)、傷害(15年以下の拘禁刑または50万円以下の)、暴行、過失致死傷、堕胎、遺棄、逮捕と監禁、脅迫と強要、略取、誘拐と人身売買、住居侵入、名誉毀損と侮辱、業務妨害などの罪を定めています。財産に対する罪として、窃盗(10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)、強盗(5年以上の有期拘禁刑)、詐欺と恐喝(10年以下の拘禁刑)、背任、横領、盗品等に関する罪、建造物や文書その他の物の損壊などがあります。(第百九十九条第一項, 第二百四条第一項, 第二百八条第一項, 第二百九条第一項, 第二百十条第一項, 第二百十一条第一項, 第二百十二条第一項, 第二百十三条第一項, 第二百十四条第一項, 第二百十五条第一項, 第二百十六条第一項, 第二百十七条第一項, 第二百十八条第一項, 第二百二十条第一項, 第二百二十二条第一項, 第二百二十三条第一項, 第二百二十四条第一項, 第二百二十五条第一項, 第二百二十六条の二第一項, 第百三十条第一項, 第二百三十条第一項, 第二百三十一条第一項, 第二百三十三条第一項, 第二百三十四条第一項, 第二百三十五条第一項, 第二百三十六条第一項, 第二百四十六条第一項, 第二百四十九条第一項, 第二百四十七条第一項, 第二百五十二条第一項, 第二百五十六条第一項, 第二百五十八条第一項, 第二百五十九条第一項, 第二百六十条第一項, 第二百六十一条第一項)(根拠条文)
目次
301 546 123 36 29
- 第一編 総則第一条〜第七十二条(86条)
- 第一章 通則第一条〜第八条(11条)
- 第二章 刑第九条〜第二十一条(14条)
- 第三章 期間計算第二十二条〜第二十四条(3条)
- 第四章 刑の執行猶予第二十五条〜第二十七条の七(12条)
- 第五章 仮釈放第二十八条〜第三十条(3条)
- 第六章 刑の時効及び刑の消滅第三十一条〜第三十四条の二(5条)
- 第七章 犯罪の不成立及び刑の減免第三十五条〜第四十二条(8条)
- 第八章 未遂罪第四十三条〜第四十四条(2条)
- 第九章 併合罪第四十五条〜第五十五条(11条)
- 第十章 累犯第五十六条〜第五十九条(4条)
- 第十一章 共犯第六十条〜第六十五条(6条)
- 第十二章 酌量減軽第六十六条〜第六十七条(2条)
- 第十三章 加重減軽の方法第六十八条〜第七十二条(5条)
- 第二編 罪第七十三条から第七十六条まで〜第二百六十四条(215条)
- 第一章 削除第七十三条から第七十六条まで
- 第二章 内乱に関する罪第七十七条〜第八十条(4条)
- 第三章 外患に関する罪第八十一条〜第八十九条(6条)
- 第四章 国交に関する罪第九十条から第九十一条まで〜第九十四条(4条)
- 第五章 公務の執行を妨害する罪第九十五条〜第九十六条の六(8条)
- 第六章 逃走の罪第九十七条〜第百二条(6条)
- 第七章 犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪第百三条〜第百五条の二(4条)
- 第八章 騒乱の罪第百六条〜第百七条(2条)
- 第九章 放火及び失火の罪第百八条〜第百十八条(12条)
- 第十章 出水及び水利に関する罪第百十九条〜第百二十三条(5条)
- 第十一章 往来を妨害する罪第百二十四条〜第百二十九条(6条)
- 第十二章 住居を侵す罪第百三十条〜第百三十二条(3条)
- 第十三章 秘密を侵す罪第百三十三条〜第百三十五条(3条)
- 第十四章 あへん煙に関する罪第百三十六条〜第百四十一条(6条)
- 第十五章 飲料水に関する罪第百四十二条〜第百四十七条(6条)
- 第十六章 通貨偽造の罪第百四十八条〜第百五十三条(6条)
- 第十七章 文書偽造の罪第百五十四条〜第百六十一条の二(9条)
- 第十八章 有価証券偽造の罪第百六十二条〜第百六十三条(2条)
- 第十八章の二 支払用カード電磁的記録に関する罪第百六十三条の二〜第百六十三条の五(4条)
- 第十九章 印章偽造の罪第百六十四条〜第百六十八条(5条)
- 第十九章の二 不正指令電磁的記録に関する罪第百六十八条の二〜第百六十八条の三(2条)
- 第二十章 偽証の罪第百六十九条〜第百七十一条(3条)
- 第二十一章 虚偽告訴の罪第百七十二条〜第百七十三条(2条)
- 第二十二章 わいせつ、不同意性交等及び重婚の罪第百七十四条〜第百八十四条(11条)
- 第二十三章 賭博及び富くじに関する罪第百八十五条〜第百八十七条(3条)
- 第二十四章 礼拝所及び墳墓に関する罪第百八十八条〜第百九十二条(5条)
- 第二十五章 汚職の罪第百九十三条〜第百九十八条(10条)
- 第二十六章 殺人の罪第百九十九条〜第二百三条(5条)
- 第二十七章 傷害の罪第二百四条〜第二百八条の二(6条)
- 第二十八章 過失傷害の罪第二百九条〜第二百十一条(3条)
- 第二十九章 堕胎の罪第二百十二条〜第二百十六条(5条)
- 第三十章 遺棄の罪第二百十七条〜第二百十九条(3条)
- 第三十一章 逮捕及び監禁の罪第二百二十条〜第二百二十一条(2条)
- 第三十二章 脅迫の罪第二百二十二条〜第二百二十三条(2条)
- 第三十三章 略取、誘拐及び人身売買の罪第二百二十四条〜第二百二十九条(11条)
- 第三十四章 名誉に対する罪第二百三十条〜第二百三十二条(4条)
- 第三十五章 信用及び業務に対する罪第二百三十三条〜第二百三十四条の二(3条)
- 第三十六章 窃盗及び強盗の罪第二百三十五条〜第二百四十五条(12条)
- 第三十七章 詐欺及び恐喝の罪第二百四十六条〜第二百五十一条(7条)
- 第三十八章 横領の罪第二百五十二条〜第二百五十五条(4条)
- 第三十九章 盗品等に関する罪第二百五十六条〜第二百五十七条(2条)
- 第四十章 毀棄及び隠匿の罪第二百五十八条〜第二百六十四条(8条)
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、施行を待つ改正はありません。改正の履歴は下にあります。変更内容まで収録している改正は、改正のページに条文ごとに日本語と英語で示します。
施行済みの改正 16件
2026年5月21日
このサイトの条文
情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律
2025年7月22日
日本国の自衛隊と我が国以外の締約国の軍隊との間における相互のアクセス及び協力の円滑化に関する日本国と我が国以外の締約国との間の協定の実施に関する法律
2025年6月12日
情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律
2025年6月1日
刑法等の一部を改正する法律
2025年6月1日
刑事訴訟法等の一部を改正する法律
2025年5月23日
情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律
2023年7月13日
刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律
2023年6月6日
刑事訴訟法等の一部を改正する法律
2023年5月17日
刑事訴訟法等の一部を改正する法律
2022年7月7日
刑法等の一部を改正する法律
2020年4月1日
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律
2018年7月13日
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律
2017年7月13日
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律
2017年7月13日
刑法の一部を改正する法律
2017年7月11日
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律
2016年6月23日
刑事訴訟法等の一部を改正する法律
誰に適用されるか
適用される
- 日本国内で罪を犯したすべての人と、日本国外にある日本船舶または日本航空機内で罪を犯した人。国籍は問いません。(第一条第一項, 第一条第二項)(根拠条文)
- 日本国外で一定の罪を犯したすべての人。内乱や外患に関する罪、第148条の通貨偽造(外国通貨偽造は含みません)、公文書偽造、有価証券偽造、支払用カード電磁的記録に関する罪、御璽や公印などの偽造の罪です。また、第2編の罪のうち、条約により日本国外で犯したときでも罰すべきものとされている罪を国外で犯したすべての人にも適用されます。(第二条第一項, 第四条の二第一項)(根拠条文)
続き
- 日本国外で一定の罪を犯した日本国民。現住建造物等放火と非現住建造物等放火、不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつと監護者性交等、重婚、贈賄、殺人、傷害、保護責任者遺棄、逮捕と監禁、略取、誘拐と人身売買、名誉毀損、窃盗、強盗、詐欺、恐喝、業務上横領、盗品の運搬や有償譲受けなどです。(第三条第一項)(根拠条文)
- 日本国外で、日本国民に対して、不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつと監護者性交等、殺人、傷害、逮捕と監禁、略取、誘拐と人身売買、強盗の罪を犯した、日本国民以外の人。(第三条の二第一項)(根拠条文)
- 日本国外で一定の罪を犯した日本国の公務員(国または地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員)。看守者等による逃走援助、虚偽公文書作成、公務員職権濫用、看守や護送をする人による特別公務員暴行陵虐、収賄の罪などです。(第四条第一項, 第七条第一項)(根拠条文)
- ほかの法令に定められた罪。第1編の総則(刑の種類、故意、未遂、共犯など)は、その法令に特別の規定がない限り、ほかの法令の罪にも適用されます。(第八条第一項)(根拠条文)
特例と適用除外(8)
- 14歳に満たない人の行為は罰せられません。(第四十一条第一項)(根拠条文)
- 心神喪失者の行為は罰せられず、心神耗弱者の行為は刑が減軽されます。(第三十九条第一項, 第三十九条第二項)(根拠条文)
- 罪を犯した人が捜査機関に発覚する前に自首したときは、刑が減軽されることがあります。がなければ公訴を提起できない罪について、告訴をすることができる人に自分の犯罪事実を告げ、その措置に委ねたときも同じです。また、犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、刑が減軽されることがあります(酌量減軽)。(第四十二条第一項, 第四十二条第二項, 第六十六条第一項)(根拠条文)
- 配偶者、直系血族または同居の親族との間で犯した窃盗、不動産侵奪、詐欺、恐喝、背任、横領などの罪は、刑が免除されます。配偶者との間、または直系血族、同居の親族もしくはこれらの人の配偶者との間で犯した盗品等に関する罪も、刑が免除されます。これらの免除は、親族でない共犯には適用されません。また、犯人の親族が犯人の利益のために犯人蔵匿や証拠隠滅をしたときは、刑が免除されることがあります。(第二百四十四条第一項, 第二百四十四条第三項, 第二百五十一条第一項, 第二百五十五条第一項, 第二百五十七条第一項, 第二百五十七条第二項, 第百五条第一項)(根拠条文)
- 名誉毀損の行為が公共の利害に関する事実に係り、その目的が専ら公益を図ることにあったと認められる場合、事実が真実であることの証明があれば罰せられません。公訴が提起されていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなされます。公務員または公選による公務員の候補者に関する事実の場合は、真実であることの証明があれば罰せられません。死者の名誉の毀損は、虚偽の事実を摘示した場合でなければ罰せられません。(第二百三十条の二第一項, 第二百三十条の二第二項, 第二百三十条の二第三項, 第二百三十条第二項)(根拠条文)
- 犯罪の後の法律によって刑が変更されたときは、軽いほうの刑によります。(第六条第一項)(根拠条文)
- 2017年7月13日から2023年7月12日までにした行為の処罰には、令和5年法律第66号による改正前の規定が適用されます。同法の附則第2条が、施行前の行為について従前の例によるとしているためです。改正前の第176条から第178条では、13歳以上の人に対し暴行または脅迫を用いてわいせつな行為や性交、肛門性交、口腔性交をすること、または13歳未満の人に対してそれらをすることが強制わいせつ罪(6か月以上10年以下の)や強制性交等罪(5年以上の有期懲役)とされ、人の心神喪失や抗拒不能に乗じ、またはそうした状態にさせてした場合も、同じように罰せられました。懲役の扱いについての経過措置は、別の法律で定められています。(附則第一条第一項, 附則第二条第一項, 附則第一条第一項, 附則第二項, 2023年7月12日までの第百七十六条第一項, 2023年7月12日までの第百七十七条第一項, 2023年7月12日までの第百七十八条第一項, 2023年7月12日までの第百七十八条第二項)(根拠条文)
- 2017年7月13日より前にした行為の処罰には、平成29年法律第72号による改正前の規定(従前の例)が適用されます。同法の附則第2条が、施行前の行為について従前の例によるとしているためです。懲役の扱いについての経過措置は、別の法律で定められています。施行の直前の規定では、13歳以上の人に対し暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をすること、または13歳未満の人にわいせつな行為をすることが強制わいせつ罪(6か月以上10年以下の懲役)、暴行または脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫すること、または13歳未満の女子を姦淫することが強姦罪(3年以上の有期懲役)とされていました。人の心神喪失や抗拒不能に乗じ、またはそうした状態にさせてわいせつな行為をした場合は強制わいせつ罪と、女子の心神喪失や抗拒不能に乗じ、またはそうした状態にさせて姦淫した場合は強姦罪と同じように罰せられ、2人以上が現場で共同して強姦をした場合は4年以上の有期懲役でした(改正前の第178条の2)。改正前の第176条から第178条の罪は、2人以上が現場で共同して犯した強制わいせつなどを除き、改正前の第180条により告訴がなければ公訴を提起できませんでしたが、同法の施行後は、その時点で既に告訴ができなくなっていたものを除き、告訴がなくても公訴を提起できます。(附則第一条第一項, 附則第二条第一項, 附則第二条第二項, 附則第二項, 2017年7月12日までの第百七十六条第一項, 2017年7月12日までの第百七十七条第一項, 2017年7月12日までの第百七十八条第一項, 2017年7月12日までの第百七十八条第二項, 2017年7月12日までの第百八十条第一項, 2017年7月12日までの第百七十八条の二第一項, 2017年7月12日までの第百八十条第二項)(根拠条文)
どのように守らせるか(12)
- 主刑は、重い順に、死刑、、(1万円以上。減軽するときは1万円未満に下げることができます)、(1日以上30日未満)、(1000円以上1万円未満)で、これに付加刑としてを科すことがあります。死刑は、刑事施設内で絞首して執行します。(第九条第一項, 第十条第一項, 第十一条第一項, 第十五条第一項, 第十六条第一項, 第十七条第一項)(根拠条文)
- 拘禁刑には無期と有期があり、有期拘禁刑は1か月以上20年以下で、加重する場合は30年まで上げ、減軽する場合は1か月未満に下げることができます。拘禁刑は刑事施設に拘置して執行し、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、または必要な指導を行うことができます。拘禁刑は、令和4年法律第67号により、改正前の第12条のと第13条のに代わるものとして設けられ、同法は2022年6月17日の公布から3年を超えない範囲内で政令で定めた日に施行されました。それより前の行為や刑についての経過措置は別の法律で定められています。また、2023年7月13日以後その施行日の前日までにした不同意わいせつ、不同意性交等と16歳未満の人に対する面会要求等については、第176条、第177条と第182条の「拘禁刑」は「懲役」と読み替えられます。(第十二条第一項, 第十二条第二項, 第十二条第三項, 第十四条第二項, 第十三条, 附則第十条第二項, 附則第一項, 附則第二項, 附則第一条第一項, 附則第三条第一項)(根拠条文)
- 罰金を完納できない人は1日以上2年以下、科料を完納できない人は1日以上30日以下の期間、労役場に留置されます。その期間は、罰金や科料の言渡しと同時に定めて言い渡されます。本人の承諾がなければ、罰金は裁判が確定してから30日以内、科料は10日以内には、留置を執行できません。(第十八条第一項, 第十八条第二項, 第十八条第四項, 第十八条第五項)(根拠条文)
- 犯罪行為を組成した物、犯罪行為に使った物や使おうとした物、犯罪行為によって生じ、もしくは得た物や報酬として得た物、そしてその対価として得た物は、犯人以外の人に属しない物であるか、犯罪の後に事情を知って取得された物であれば、没収することができます。犯罪によって得た物やその対価を没収できないときは、その価額を追徴することができます。犯人または事情を知った第三者が収受した賄賂は必ず没収され、没収できないときはその価額が追徴されます。(第十九条第一項, 第十九条第二項, 第十九条の二第一項, 第百九十七条の五第一項)(根拠条文)
- 以前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない人、または拘禁刑以上の刑の執行を終わり、もしくは免除を得た日から5年以内に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない人が、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、刑の全部の執行を猶予することができ、猶予の期間中、保護観察に付することができます。以前の拘禁刑の全部の執行を猶予された人も、2年以下の拘禁刑の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときは、再び全部の執行を猶予されることがあり、この場合は必ず保護観察に付されます。ただし、この再度の猶予で保護観察に付され、その期間内に更に罪を犯した人は除かれます。猶予の期間内に更に罪を犯して拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部についてがないときなどは、執行猶予は必ず取り消され、猶予の期間内に更に罪を犯して罰金に処せられたときや、保護観察の遵守事項を守らず情状が重いときなどは、取り消されることがあります。取り消されることなく猶予の期間を経過すると、刑の言渡しは効力を失います。ただし、猶予の期間内に更に犯した罰金以上の刑に当たる罪について公訴が提起されているときは、引き続き効力を持ちます。(第二十五条第一項, 第二十五条第二項, 第二十五条の二第一項, 第二十六条第一項, 第二十六条の二第一項, 第二十七条第一項, 第二十七条第二項)(根拠条文)
- 以前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない人、以前の拘禁刑の全部の執行を猶予された人、または拘禁刑以上の刑の執行を終わり、もしくは免除を得た日から5年以内に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない人が、3年以下の拘禁刑の言渡しを受けた場合、再び犯罪をすることを防ぐために必要かつ相当と認められるときは、1年以上5年以下の期間、刑の一部の執行を猶予することができ、保護観察に付することもできます。猶予の期間は、執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わった日などから数えます。猶予の言渡し後に更に罪を犯して拘禁刑以上の刑に処せられたときなどは必ず取り消され、罰金に処せられたときや保護観察の遵守事項を守らなかったときは取り消されることがあります。取り消されることなく猶予の期間を経過すると、その刑は、執行が猶予されなかった部分の期間を刑期とする拘禁刑に減軽されます。ただし、猶予の言渡し後その猶予の期間を経過するまでに更に犯した罰金以上の刑に当たる罪について公訴が提起されているときは、減軽されません。(第二十七条の二第一項, 第二十七条の二第二項, 第二十七条の三第一項, 第二十七条の四第一項, 第二十七条の五第一項, 第二十七条の七第一項, 第二十七条の七第二項)(根拠条文)
- 未決勾留の日数は、その全部または一部を刑に算入することができます。拘禁刑に処せられた人に改悛の状があるときは、有期刑は刑期の3分の1、無期刑は10年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放することができます。仮釈放中に更に罪を犯して罰金以上の刑に処せられたときや、遵守すべき事項を守らなかったときなどは、仮釈放の処分を取り消すことができ、その場合、釈放中の日数は刑期に算入されません。(第二十一条第一項, 第二十八条第一項, 第二十九条第一項, 第二十九条第三項)(根拠条文)
- 死刑以外の刑の言渡しを受けた人は、刑の言渡しが確定した後、無期拘禁刑は30年、10年以上の有期拘禁刑は20年、3年以上10年未満の拘禁刑は10年、3年未満の拘禁刑は5年、罰金は3年、拘留、科料と没収は1年、その執行を受けないことで時効が完成し、執行の免除を得ます。時効は、法令により執行を猶予し、または停止した期間は進行せず、拘禁刑、罰金、拘留と科料の時効は、刑の言渡しを受けた人が国外にいる期間も進行しません(2023年5月17日以後に国外にいる期間に適用されます)。拘禁刑と拘留の時効は、執行のために本人を拘束することで、罰金、科料と没収の時効は、執行行為をすることで中断します。(第三十一条第一項, 第三十二条第一項, 第三十三条第一項, 第三十三条第二項, 第三十四条第一項, 第三十四条第二項, 附則第九条第一項, 附則第一条第一項第一号)(根拠条文)
- 拘禁刑以上の刑の執行を終わり、または執行の免除を得た人が、罰金以上の刑に処せられないで10年を経過したときは、刑の言渡しは効力を失います。罰金以下の刑の場合は、5年です。(第三十四条の二第一項)(根拠条文)
- がなければ公訴を提起できない罪(親告罪)があります。信書開封や秘密漏示、過失傷害(第209条。第211条の業務上過失傷害と重過失傷害は除きます)、未成年者略取と誘拐、名誉毀損と侮辱、権利または義務に関する他人の文書等の毀棄(私用文書等毀棄)や器物損壊、信書隠匿などです。配偶者、直系血族、同居の親族以外の親族との間で犯した窃盗と不動産侵奪、第37章の詐欺、背任、恐喝などの罪、第38章の横領の罪とそれらの未遂の罪も、告訴が必要です。(第百三十五条第一項, 第二百九条第二項, 第二百二十九条第一項, 第二百三十二条第一項, 第二百六十四条第一項, 第二百四十四条第二項, 第二百五十一条第一項, 第二百五十五条第一項, 第二百十一条第一項, 第二百五十九条第一項)(根拠条文)
- 外国で確定裁判を受けた人でも、同じ行為について日本で更に処罰されることがあります。ただし、外国で言い渡された刑の全部または一部の執行を既に受けたときは、日本の刑の執行が減軽または免除されます。(第五条第一項)(根拠条文)
- 拘禁刑の執行を終わり、または執行の免除を得た日から5年以内に更に罪を犯し、有期拘禁刑に処せられるときは再犯となり、その罪について定めた拘禁刑の長期の2倍まで重くすることができます。確定裁判を経ていない2個以上の罪(併合罪)について有期拘禁刑に処するときは、最も重い罪の刑の長期にその2分の1を加えたものが長期になりますが、それぞれの罪の刑の長期の合計を超えることはできません。ただし、ある罪について拘禁刑以上の刑の確定裁判があったときは、その罪とその裁判の確定前に犯した罪だけが併合罪になります。どちらの場合も、加重した有期拘禁刑の上限は30年です。(第五十六条第一項, 第五十七条第一項, 第四十五条第一項, 第四十七条第一項, 第十四条第二項)(根拠条文)
他の法令とのつながり
ほかに、収録していない法令を12件、名指しで参照しています。