破産法
支払不能や債務超過にある債務者の財産や、相続財産、信託財産を裁判所の手続で清算して債権者に公平に分け、個人である債務者には残った債務の責任を免れて経済生活を立て直す機会を確保するための法律です。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 297
- 施行前の改正
- 1
この法令の内容
- 債権者または債務者は、破産手続開始の申立てをすることができます。債権者が申し立てるときは、債権の存在と破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければなりません。申立ては破産手続開始の決定前に限り取り下げることができ、中止の命令、包括的禁止命令、保全処分、保全管理命令などがされた後は裁判所の許可が必要です。裁判所は、債務者が支払不能(支払能力を欠くために、弁済期にある債務を一般的かつ継続的に弁済することができない状態)にあるとき、決定で破産手続を開始します。債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定されます。法人の場合は、債務超過(財産で債務を完済することができない状態)も開始の原因になります。ただし、存立中の合名会社と合資会社は除きます。破産手続の費用として裁判所が定める金額の予納がないとき(国庫から仮に支弁する場合を除きます)や、不当な目的で申立てがされたときなど申立てが誠実にされたものでないときは、破産手続は開始されません。(第十八条第一項, 第十八条第二項, 第二十九条第一項, 第十五条第一項, 第十五条第二項, 第二条第十一項, 第十六条第一項, 第十六条第二項, 第三十条第一項, 第二十二条第一項, 第二十三条第一項)(根拠条文)
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- 裁判所は、破産手続開始の決定と同時に破産管財人を選任します。破産者が破産手続開始の時に持っている一切の財産は、日本国内にあるかどうかを問わず破産財団となり、その管理と処分をする権利は破産管財人だけが持ちます。ただし、民事執行法(別の法律です)第131条第3号に定める額に2分の3を掛けた額の金銭と、差し押さえることができない財産(一部の例外があります)は、破産財団に属しません。裁判所は、破産手続開始の決定が確定した日から1か月を経過する日までの間、破産者の申立てによりまたは職権で、破産者の生活の状況や収入を得る見込みなどを考えて、破産財団に属しない財産の範囲を広げることができます。(第三十一条第一項, 第三十四条第一項, 第三十四条第三項, 第三十四条第四項, 第七十八条第一項)(根拠条文)
- 破産手続開始前の原因に基づいて生じた破産者に対する財産上の請求権のうち、財団債権に当たらないものは、破産債権です。破産債権は、この法律に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ行使できません。破産手続に参加するには債権届出期間内に裁判所に届け出なければなりません。責めに帰することができない事由で一般調査期間の経過(または一般調査期日の終了)までに届け出られなかった人は、その事由が消えた後1か月以内に限り届け出ることができます。破産債権は破産財団から配当を受け、その順位は、優先的破産債権、通常の破産債権、劣後的破産債権(破産手続開始後の利息など)、約定劣後破産債権の順で、同じ順位の中では債権の額の割合に応じて配当されます。破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用、破産財団の管理・換価・配当の費用、破産手続開始前の原因に基づく租税等の請求権で開始当時に納期限が来ていないか納期限から1年を経過していないもの、破産管財人の行為によって生じた請求権などは、財団債権です。財団債権は、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受け、破産債権に先立って弁済されます。破産財団で財団債権の総額を弁済できないことが明らかになったときは、債権額の割合に応じて弁済され、その中でも裁判上の費用と破産財団の管理・換価・配当の費用が先に弁済されます。(第二条第五項, 第百条第一項, 第百十一条第一項, 第百十二条第一項, 第百九十三条第一項, 第百九十四条第一項, 第百九十四条第二項, 第九十七条第一項, 第九十九条第一項, 第九十九条第二項, 第二条第七項, 第百四十八条第一項, 第百五十一条第一項, 第百五十二条第一項, 第百五十二条第二項)(根拠条文)
- 破産手続開始前3か月間の破産者の使用人の給料の請求権は、財団債権です。破産手続の終了前に退職した使用人の退職手当の請求権も、退職前3か月間の給料の総額(破産手続開始前3か月間の給料の総額の方が多いときはその額)に相当する額が財団債権になります。それ以外の、給料その他使用人との雇用関係に基づいて生じた債権には、民法により債務者の総財産について一般のがあるため、優先的破産債権として他の破産債権に優先します。(第百四十九条第一項, 第百四十九条第二項, 第九十八条第一項, 民法 第三百六条第一項, 民法 第三百八条第一項)(根拠条文)
- 別の法律である賃金の支払の確保等に関する法律により、労働者災害補償保険の適用事業の事業主(厚生労働省令で定める期間以上その事業を行っていた事業主に限ります)が破産手続開始の決定を受けた場合、政府は、政令で定める期間内にその事業を退職した労働者の請求に基づき、未払賃金に係る債務のうち政令で定める範囲のものを、事業主に代わって弁済します。厚生労働省令で定める労働者は、未払賃金の額などについて、あらかじめの確認を受けなければなりません。(賃金の支払の確保等に関する法律 第七条第一項)(根拠条文)
- 個人である債務者は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後1か月を経過する日までの間に、破産裁判所に免責許可の申立てをすることができます。責めに帰することができない事由でこの期間内に申し立てられなかったときは、その事由が消えた後1か月以内に限り申し立てることができます。債務者が自分で破産手続開始の申立てをした場合は、反対の意思を表示していない限り、同時に免責許可の申立てをしたものとみなされます。免責許可の申立てをした債務者は、破産債権者の同意による破産手続廃止の申立てや再生手続開始の申立てをすることができません。裁判所は、第252条第1項各号の事由のいずれにも当たらない場合には、免責許可の決定をします。その事由には、債権者を害する目的で財産を隠したり壊したり債権者に不利益な処分をしたこと、浪費や賭博などで著しく財産を減らしたり過大な債務を負ったこと、虚偽の債権者名簿を提出したこと、裁判所の調査で説明を拒んだり虚偽の説明をしたこと、不正の手段で破産管財人などの職務を妨害したこと、説明義務、重要財産の書面の提出義務、免責についての調査に協力する義務などこの法律に定める義務に違反したこと、前の免責許可の決定の確定の日など(民事再生法(別の法律です)による一定の再生計画に係る日を含みます)から7年以内に申し立てたことなどがあります。これらに当たる場合でも、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考えて相当と認めるときは、免責許可の決定をすることができます。(第二百四十八条第一項, 第二百四十八条第二項, 第二百四十八条第四項, 第二百四十八条第六項, 第二百五十二条第一項, 第二百五十二条第二項)(根拠条文)
- 免責許可の決定が確定すると、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について責任を免れます。ただし、租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除きます)、悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権、故意または重大な過失により人の生命や身体を害した不法行為に基づく損害賠償請求権、夫婦間の協力と扶助・婚姻費用の分担・子の監護・扶養の義務とこれらに類する契約上の義務に係る請求権、雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権と使用人の預り金の返還請求権、破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(破産手続開始の決定があったことを知っていた人の請求権を除きます)、等の請求権は、免責されません。免責許可の決定は、破産債権者が保証人など破産者と共に債務を負担する人に対して持つ権利や、破産者以外の人が破産債権者のために提供した担保には影響しません。破産者は、免責許可の決定の確定、破産債権者の同意による破産手続廃止の決定の確定、民事再生法(別の法律です)による再生計画認可の決定の確定、破産手続開始の決定後に詐欺破産罪で有罪の確定判決を受けずに10年が経過したことによって復権します。弁済などで破産債権者に対する債務の全部について責任を免れたときも、破産者の申立てにより破産裁判所が復権の決定をしなければならず、その決定が確定すると復権します。免責取消しの決定や再生計画取消しの決定が確定すると、それによる復権は将来に向かって効力を失います。復権の効果は、人の資格に関する法令の定めによります。(第二百五十三条第一項, 第二百五十三条第二項, 第二百五十五条第一項, 第二百五十五条第二項, 第二百五十五条第三項, 第二百五十六条第一項)(根拠条文)
破産手続開始破産管財人破産財団使用人の給料配当の順位否認権免責詐欺破産罪と罰則
目次
297 930 276 27 108
- 第一章 総則第一条〜第十四条(18条)
- 第二章 破産手続の開始第十五条〜第七十三条(59条)
- 第一節 破産手続開始の申立て第十五条〜第二十九条(15条)
- 第二節 破産手続開始の決定第三十条〜第三十三条(4条)
- 第三節 破産手続開始の効果第三十四条〜第七十三条(40条)
- 第一款 通則第三十四条〜第四十六条(13条)
- 第二款 破産手続開始の効果第四十七条〜第六十一条(15条)
- 第三款 取戻権第六十二条〜第六十四条(3条)
- 第四款 別除権第六十五条〜第六十六条(2条)
- 第五款 相殺権第六十七条〜第七十三条(7条)
- 第三章 破産手続の機関第七十四条〜第九十六条(23条)
- 第一節 破産管財人第七十四条〜第九十条(17条)
- 第一款 破産管財人の選任及び監督第七十四条〜第七十七条(4条)
- 第二款 破産管財人の権限等第七十八条〜第九十条(13条)
- 第二節 保全管理人第九十一条〜第九十六条(6条)
- 第四章 破産債権第九十七条〜第百四十七条(53条)
- 第一節 破産債権者の権利第九十七条〜第百十条(14条)
- 第二節 破産債権の届出第百十一条〜第百十四条(4条)
- 第三節 破産債権の調査及び確定第百十五条〜第百三十四条(21条)
- 第一款 通則第百十五条〜第百十六条(2条)
- 第二款 書面による破産債権の調査第百十七条〜第百二十条(4条)
- 第三款 期日における破産債権の調査第百二十一条〜第百二十三条(4条)
- 第四款 破産債権の確定第百二十四条〜第百三十三条(10条)
- 第五款 租税等の請求権等についての特例第百三十四条
- 第四節 債権者集会及び債権者委員会第百三十五条〜第百四十七条(14条)
- 第一款 債権者集会第百三十五条〜第百四十三条(10条)
- 第二款 債権者委員会第百四十四条〜第百四十七条(4条)
- 第五章 財団債権第百四十八条〜第百五十二条(5条)
- 第六章 破産財団の管理第百五十三条〜第百八十三条(33条)
- 第一節 破産者の財産状況の調査第百五十三条〜第百五十九条(7条)
- 第二節 否認権第百六十条〜第百七十六条(19条)
- 第三節 法人の役員の責任の追及等第百七十七条〜第百八十三条(7条)
- 第七章 破産財団の換価第百八十四条〜第百九十二条(9条)
- 第一節 通則第百八十四条〜第百八十五条(2条)
- 第二節 担保権の消滅第百八十六条〜第百九十一条(6条)
- 第三節 商事留置権の消滅第百九十二条
- 第八章 配当第百九十三条〜第二百十五条(23条)
- 第一節 通則第百九十三条〜第百九十四条(2条)
- 第二節 最後配当第百九十五条〜第二百三条(9条)
- 第三節 簡易配当第二百四条〜第二百七条(4条)
- 第四節 同意配当第二百八条
- 第五節 中間配当第二百九条〜第二百十四条(6条)
- 第六節 追加配当第二百十五条
- 第九章 破産手続の終了第二百十六条〜第二百二十一条(6条)
- 第十章 相続財産の破産等に関する特則第二百二十二条〜第二百四十四条(23条)
- 第一節 相続財産の破産第二百二十二条〜第二百三十七条(16条)
- 第二節 相続人の破産第二百三十八条〜第二百四十二条(5条)
- 第三節 受遺者の破産第二百四十三条〜第二百四十四条(2条)
- 第十章の二 信託財産の破産に関する特則第二百四十四条の二〜第二百四十四条の十三(12条)
- 第十一章 外国倒産処理手続がある場合の特則第二百四十五条〜第二百四十七条(3条)
- 第十二章 免責手続及び復権第二百四十八条〜第二百五十六条(9条)
- 第一節 免責手続第二百四十八条〜第二百五十四条(7条)
- 第二節 復権第二百五十五条〜第二百五十六条(2条)
- 第十三章 雑則第二百五十七条〜第二百六十四条(8条)
- 第十四章 罰則第二百六十五条〜第二百七十七条(13条)
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、公布済みでまだの改正が1件あります。最近の改正は下にあります。改正のページには、e-Govが記録するすべての改正を載せ、変更内容まで収録している改正は条文ごとに日本語と英語で示します。
2028年6月13日まで
遅くとも2年後
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日
施行済みの改正 24件
2026年5月21日
民事訴訟法等の一部を改正する法律
2026年5月21日
このサイトの条文
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2026年4月1日
民法等の一部を改正する法律
2025年10月1日
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2025年6月1日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2024年11月18日
二酸化炭素の貯留事業に関する法律
2024年5月24日
民法等の一部を改正する法律
2024年5月24日
二酸化炭素の貯留事業に関する法律
2024年4月1日
漁港漁場整備法及び水産業協同組合法の一部を改正する法律
2024年3月1日
民事訴訟法等の一部を改正する法律
誰に適用されるか
適用される
- 債務者。破産手続開始の申立ては、債務者が個人であれば日本国内に営業所、住所、居所または財産を持つとき、法人その他の社団または財団であれば日本国内に営業所、事務所または財産を持つときに限り、することができます。外国人と外国法人は、破産手続、免責手続、復権の手続について、日本人や日本法人と同じ地位を持ちます。(第四条第一項, 第三条第一項, 第二条第一項)(根拠条文)
- 相続財産と信託財産も破産の対象になります。相続財産は、被相続人の相続開始の時の住所または相続財産に属する財産が日本国内にあり、相続財産で相続債権者と受遺者に対する債務を完済できないときに、相続債権者、受遺者、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人または相続財産の管理に必要な行為をする権利を持つ遺言執行者の申立てによって破産手続が開始されます。この申立ては、民法第941条第1項により財産分離を請求できる間に限ってすることができ、限定承認や財産分離があったときは、相続債権者と受遺者への弁済が終わるまでの間もすることができます。信託財産は、信託財産に属する財産または受託者の住所が日本国内にあるときに、信託債権を持つ人、受益者、受託者や信託財産管理者などの受託者等の申立てによって破産手続の対象になります。(第二百二十二条第一項, 第二百二十三条第一項, 第二百二十四条第一項, 第二百二十五条第一項, 民法 第九百四十一条第一項, 第二百四十四条の二第一項, 第二百四十四条の四第一項)(根拠条文)
続き
- 法人については、債権者や法人自身のほか、一般社団法人・一般財団法人の理事、株式会社・相互会社の、合名会社・合資会社・合同会社の業務を執行する社員、清算人も、破産手続開始の申立てをすることができます。それ以外の法人についても、同じように理事などの役員や清算人が申立てをすることができます。これらの人の全員が申し立てる場合を除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければなりません。法人は、解散した後も、残余財産の引渡しや分配が終わるまでは破産手続開始の申立てをすることができます。外国倒産処理手続の外国管財人も申立てをすることができ、その場合は破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければなりません。(第十八条第一項, 第十九条第一項, 第十九条第二項, 第十九条第三項, 第十九条第四項, 第十九条第五項, 第二百四十六条第一項, 第二百四十六条第二項)(根拠条文)
- 破産者、破産者の代理人、法人である破産者の理事・取締役・執行役・監事・・清算人やこれらに準ずる人、破産者の従業者(裁判所の許可がある場合に限ります)は、破産管財人、債権者委員会の請求または債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければなりません。破産者以外のこれらの人で、以前にその立場にあった人も同じです。破産者は、一般調査期日に出頭しなければなりません。正当な事由があるときは代理人を出頭させることができ、出頭した破産者は必要な事項について意見を述べなければなりません。(第四十条第一項, 第四十条第二項, 第百二十一条第三項, 第百二十一条第五項)(根拠条文)
- 破産債権者は、債権を裁判所に届け出て破産手続に参加します。財団債権に当たらない租税等の請求権や等の請求権を持つ人も、遅滞なく届け出なければなりません。破産債権者(第253条第1項各号の請求権を持つ人を除きます)は、裁判所が定める期間内に、免責許可の決定をすることの当否について意見を述べることができ、この期間は公告が効力を生じた日から1か月以上です。破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合、それがないときは過半数を代表する人(労働組合等)には、破産手続開始の公告事項と各債権者集会の期日が通知され、裁判所は事業の譲渡を許可するときに労働組合等の意見を聴かなければなりません。(第百三条第一項, 第百十一条第一項, 第百十四条第一項, 第三十二条第三項第四号, 第百三十六条第三項, 第七十八条第四項, 第二百五十一条第一項, 第二百五十一条第三項)(根拠条文)
- 破産財団に属する財産を持っている人や破産者に対して債務を負っている人。破産手続開始の公告では、これらの人は破産者に財産を交付したり弁済したりしてはならない旨が示されます。破産手続開始後に、その事実を知らないで破産者にした弁済は、破産手続の関係でも効力を主張できます。知ってした弁済は、破産財団が受けた利益の限度でしか効力を主張できません。公告の前は知らなかったものと、公告の後は知っていたものと推定されます。破産者が破産手続開始後に破産財団に属する財産に関してしたや、開始後に破産者の法律行為によらないで破産財団に属する財産について取得した権利は、破産手続の関係では効力を主張できず、開始の日にしたものは開始後にしたものと推定されます。(第三十二条第一項第四号, 第五十条第一項, 第五十条第二項, 第五十一条第一項, 第四十七条第一項, 第四十七条第二項, 第四十八条第一項, 第四十八条第二項)(根拠条文)
特例と適用除外(7)
- 破産財団に属する財産に特別の、質権または抵当権を持つ人は、別除権を持ち、破産手続によらないでこれを行使することができます。破産債権者として権利を行使できるのは、別除権の行使によって弁済を受けられない債権の額についてだけです。破産手続開始の時に破産財団に属する財産にある商法(別の法律です)または会社法(別の法律です)による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなされて他の特別の先取特権に後れ、それ以外の留置権は破産財団に対して効力を失います。破産管財人は、破産債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その財産を任意に売却し、売得金(破産財団に組み入れようとする金銭があればそれを差し引いた額。その額はあらかじめ担保権者と協議します)を裁判所に納付させることで、その財産のすべての担保権を消滅させることができます。ただし、担保権者の利益を不当に害する場合は別です。これに異議のある担保権者は、1か月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を裁判所に提出することができ、その場合は許可されません。また、自分または他の人が売得金の額に20分の1を加えた額以上で買い受ける旨の申出をすることもでき、その場合は最高額の申出をした人に売却されます。(第二条第九項, 第六十五条第一項, 第百八条第一項, 第六十六条第一項, 第六十六条第二項, 第六十六条第三項, 第百八十六条第一項, 第百八十六条第二項, 第百八十七条第一項, 第百八十八条第一項, 第百八十八条第三項, 第百八十八条第八項, 第百八十九条第一項)(根拠条文)
- 破産手続の開始は、破産者に属しない財産を破産財団から取り戻す権利(取戻権)に影響しません。売主が買主に物品を発送した後、買主が代金の全額を支払わず、到達地で物品を受け取らない間に買主について破産手続開始の決定があったときは、売主はその物品を取り戻すことができます。ただし、破産管財人が代金の全額を支払って物品の引渡しを請求することはできます。(第六十二条第一項, 第六十三条第一項)(根拠条文)
- 破産債権者は、破産手続開始の時に破産者に対して債務を負っているときは、破産手続によらないで相殺をすることができます。ただし、破産手続開始後に破産財団に対して債務を負担したときは相殺できません。支払不能になった後に、そのことを知りながら、専ら相殺に充てる目的で破産者と契約するなどして債務を負担したとき、支払の停止や破産手続開始の申立てがあった後にそれを知りながら債務を負担したときも、第71条第1項第2号から第4号までにより相殺できません(支払の停止の時に支払不能でなかったときは別です)。ただし、その債務の負担が法定の原因、それを知った時より前に生じた原因、破産手続開始の申立てより1年以上前に生じた原因に基づくときは別です。破産者に対して債務を負う人が破産債権を取得した場合にも、同じような制限があります。(第六十七条第一項, 第七十一条第一項, 第七十一条第二項, 第七十二条第一項, 第七十二条第二項)(根拠条文)
- 破産債権である租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除きます)は、破産手続開始の時に破産財団に属する財産に対して既にされている国税滞納処分や、徴収の権限を持つ人による還付金・過誤納金の充当によって行使することができます。租税等の請求権と等の請求権には、通常の破産債権の調査と確定の規定は適用されません。届出があった請求権の原因がや訴訟などの不服申立てができる処分であるときは、破産管財人は、その不服申立ての方法で異議を主張することができます。(第四十三条第二項, 第百条第二項, 第百三十四条第一項, 第百三十四条第二項)(根拠条文)
- 優先的破産債権である給料や退職手当の請求権を届け出た破産債権者が、その弁済を受けなければ生活の維持が困難になるおそれがあるときは、裁判所は、最初の配当の許可があるまでの間、破産管財人の申立てによりまたは職権で、その全部または一部の弁済を許可することができます。ただし、財団債権や、先順位または同順位の優先的破産債権を持つ人の利益を害するおそれがないときに限ります。破産管財人は、その申立てをするよう求められたときは、直ちに裁判所に報告しなければなりません。また、破産管財人は、破産債権である給料や退職手当の請求権を持つ人に、破産手続に参加するために必要な情報を提供するよう努めなければなりません。(第百一条第一項, 第百一条第二項, 第八十六条第一項)(根拠条文)
- 破産者と相手方が破産手続開始の時にまだ双務契約の履行を完了していないときは、破産管財人は、契約をするか、破産者の債務を履行して相手方に履行を請求するかを選ぶことができます。相手方は、相当の期間を定めて確答するよう催告することができ、その期間内に確答がないときは解除したものとみなされます。解除による損害の賠償は、破産債権者として請求します。賃借権その他の使用・収益を目的とする権利について、相手方がなど第三者にできる要件を備えているときは、破産管財人はこの規定で契約を解除できず、相手方の請求権は財団債権になります。(第五十三条第一項, 第五十三条第二項, 第五十四条第一項, 第五十六条第一項, 第五十六条第二項)(根拠条文)
- 使用者が破産手続開始の決定を受けた場合、民法により、雇用に期間の定めがあるときでも、労働者または破産管財人は、期間の定めのない雇用と同じように解約の申入れをすることができ、どちらも解約によって生じた損害の賠償を相手方に請求することはできません。雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過すると終了します。この場合、労働者は、破産管財人に相当の期間を定めて解約の申入れをするかどうか確答するよう催告することができ、期間内に確答がないときは解約の申入れをしたものとみなされます。継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、申立て前の給付の代金が払われていないことを理由に給付を拒むことができないという規定は、労働契約には適用されません。(第五十三条第三項, 第五十三条第二項, 民法 第六百三十一条第一項, 民法 第六百二十七条第一項, 第五十五条第一項, 第五十五条第三項)(根拠条文)
どのように守らせるか(14)
- 破産事件は地方裁判所が扱います。原則として、債務者の主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所、営業所がない債務者ではその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所です。この法律に定める裁判所の管轄は専属です。破産手続等に関する裁判はを経ないですることができ、裁判所は職権で必要な調査をすることができます。裁判に不服がある利害関係人は、この法律に特別の定めがある場合に限り、即時抗告をすることができます。裁判の公告があったときは、その期間は公告が効力を生じた日から2週間です。この法律による公告は官報に掲載して行います。(第二条第三項, 第五条第一項, 第六条第一項, 第八条第一項, 第八条第二項, 第九条第一項, 第十条第一項)(根拠条文)
- 破産手続等には、特別の定めがある場合を除き、その性質に反しない限り、民事訴訟法第1編から第4編までの規定が準用されます。ただし、第13条が掲げる規定は除かれ、一部の規定は別表のとおり読み替えられます。読替えの多くは、電磁的記録ではなく書面や調書によるようにするものです。この規定は、政令で定める日(遅くとも2028年6月13日)の前日まで適用され、その日からは、除外する規定も別表もない規定に代わります。施行日(遅くとも2028年6月13日)の前日までの定めです。(第十三条第一項, 別表第一, 附則第一項)(根拠条文)
- 政令で定める日(遅くとも2028年6月13日)から、破産手続等には、特別の定めがある場合を除き、その性質に反しない限り、民事訴訟法第1編から第4編までの規定が、除外なく準用されます。電子情報処理組織を使った申立て等を義務づける民事訴訟法第132条の11第1項第1号は、委任を受けた訴訟代理人のうち弁護士であるものと、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理、保全管理人代理として選任を受けた人に当てはまるように読み替えられます。施行日(遅くとも2028年6月13日)からの定めです。(第十三条第一項, 附則第一項, 民事訴訟法 第百三十二条の十一第一項)(根拠条文)
- 破産手続開始の申立てがあったときは、裁判所は、申立てについて決定があるまでの間、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てによりまたは職権で、債務者の財産に対して既にされている強制執行などの手続の中止を命じることができます。強制執行などや外国租税滞納処分の中止は、それを申し立てた債権者や処分を行う人に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限ります。また、財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命じることができます。中止の命令では破産手続の目的を十分に達成できないおそれがある特別の事情があるときは、すべての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等と国税滞納処分を禁止する包括的禁止命令を出すことができます。ただし、事前にまたは同時に、債務者の主要な財産について保全処分をするか、保全管理命令を出している場合に限ります。保全管理命令は、債務者が法人である場合に限り、その財産の管理や処分が失当であるときなど債務者の財産の確保のために特に必要があるときに、債務者の財産を保全管理人に管理させるものです。(第二十四条第一項, 第二十八条第一項, 第二十五条第一項, 第九十一条第一項)(根拠条文)
- 破産手続開始の決定があると、破産財団に属する財産に対し、破産債権や財団債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分などをすることはできなくなります。既にされているものは破産財団に対して効力を失いますが、強制執行と一般のの実行の手続は、破産管財人が破産財団のために続けることができます。破産財団に属する財産に対する国税滞納処分も新たにはできなくなりますが、既にされている国税滞納処分は続けることができます。破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は中断し、破産債権に関しないものは破産管財人が受け継ぐことができます。(第四十二条第一項, 第四十二条第二項, 第四十三条第一項, 第四十三条第二項, 第四十四条第一項, 第四十四条第二項)(根拠条文)
- 破産者は、申立てをして裁判所の許可を得なければ、居住地を離れることができません。裁判所は、必要と認めるときは破産者の引致を命ずることができ、破産手続開始の申立てがあれば開始の決定前でも債務者の引致を命ずることができます。この2つの規定は、破産者の法定代理人と支配人、破産者の理事、、執行役やこれらに準ずる人にも準用されます。破産者は、破産手続開始の決定後遅滞なく、所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を書いた書面を裁判所に提出しなければなりません。裁判所は、破産者にあてた郵便物等を破産管財人に配達するよう嘱託することができ、破産管財人はそれを開いて見ることができます。破産者は、その閲覧や、破産財団に関しない郵便物等の交付を求めることができます。(第三十七条第一項, 第三十八条第一項, 第三十八条第二項, 第三十八条第三項, 第三十九条第一項, 第四十一条第一項, 第八十一条第一項, 第八十二条第一項, 第八十二条第二項)(根拠条文)
- 破産管財人は裁判所が選任し、裁判所が監督します。法人も破産管財人になることができます。裁判所は、破産管財人が破産財団の管理や処分を適切に行っていないときなど重要な事由があるときは、破産管財人を解任することができます。また、破産管財人の申立てにより、破産者を審尋したうえで、破産財団に属する財産を破産管財人に引き渡すよう破産者に命ずることができます(この決定は確定しなければ効力を生じません)。破産管財人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、裁判所の許可を得て警察上の援助を求めることができます。破産管財人は、不動産や知的財産権などの任意売却、事業の譲渡、借財、訴えの提起、和解など第78条第2項に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければなりません。ただし、その一部は、最高裁判所規則で定める額以下の価額のものなどについては許可がいりません。許可を得ないでした行為はですが、善意の第三者には無効を主張できません。破産管財人は、善良な管理者の注意をもって職務を行わなければならず、これを怠ったときは利害関係人に対して損害を賠償する義務を負います。(第七十四条第一項, 第七十四条第二項, 第七十五条第一項, 第七十五条第二項, 第七十八条第二項, 第七十八条第三項, 第七十八条第五項, 第八十五条第一項, 第八十五条第二項, 第百五十六条第一項, 第百五十六条第二項, 第百五十六条第五項, 第八十四条第一項)(根拠条文)
- 破産管財人は、破産債権者を害する行為を、破産財団のために否認することができます。たとえば、破産者が破産債権者を害することを知ってした行為(利益を受けた人が知らなかったときを除きます)、支払の停止等があった後またはその前6か月以内にした無償行為とこれと同視すべき有償行為、支払不能になった後または破産手続開始の申立てがあった後に既存の債務についてした担保の供与や債務の消滅に関する行為(債権者がそのことを知っていた場合に限ります)です。第170条の要件があるときは、転得者に対しても否認権を行使できます。否認権は、破産裁判所への訴えや否認の請求、または抗弁によって行使します。破産手続開始の日から2年、否認しようとする行為の日から10年を経過すると行使できません。法人である債務者については、裁判所は、破産管財人の申立てによりまたは職権で、理事や取締役などの役員の財産に対する保全処分をし、役員の責任に基づく損害賠償請求権を決定で査定することができます。(第百六十条第一項, 第百六十条第三項, 第百六十二条第一項, 第百七十条第一項, 第百七十三条第一項, 第百七十三条第二項, 第百七十六条第一項, 第百七十七条第一項, 第百七十八条第一項)(根拠条文)
- 届け出られた破産債権は調査されます。破産管財人は各破産債権の額や優先・劣後の別などについての認否を示し、届出をした破産債権者は一般調査期間内に書面で、または一般調査期日に出頭して、異議を述べることができます。破産者も破産債権の額について異議を述べることができます。破産管財人が認め、届出をした破産債権者が異議を述べなかった事項は確定します。破産管財人が認めなかったり、届出をした破産債権者が異議を述べたりした破産債権を持つ人は、調査期間の末日または調査期日から1か月の不変期間内に、破産裁判所に破産債権査定申立てをすることができます。査定の決定に不服がある人は、を受けた日から1か月の不変期間内に、破産債権査定異議の訴えを起こすことができます。執行力ある債務名義や終局判決のある破産債権については、認めなかった破産管財人や異議を述べた破産債権者の側が、破産者がすることのできる訴訟手続によって異議を主張しなければなりません。破産手続開始当時に訴訟が係属している破産債権については、債権者は、同じ1か月の不変期間内に、認めなかった破産管財人と異議を述べた破産債権者の全員を相手方として、その訴訟手続の受継を申し立てなければなりません。(第百十七条第一項, 第百十八条第一項, 第百十八条第二項, 第百二十一条第二項, 第百二十一条第四項, 第百二十四条第一項, 第百二十五条第一項, 第百二十五条第二項, 第百二十六条第一項, 第百二十七条第一項, 第百二十七条第二項, 第百二十九条第一項)(根拠条文)
- 最後配当、簡易配当または同意配当が終わり、破産管財人の計算の報告のための債権者集会が終結するか、書面による計算の報告に対する異議の期間が経過すると、裁判所は破産手続終結の決定をします。破産財団で破産手続の費用を支払うのに足りないと認めるときは、裁判所は、破産手続開始の決定と同時に破産手続廃止の決定をします。開始の決定の後に足りないとわかったときも、破産管財人の申立てによりまたは職権で、破産債権者の意見を聴いたうえで破産手続廃止の決定をします。どちらも、費用を支払うのに足りる金額の予納があった場合は別です。また、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているか、同意しない破産債権者に裁判所が相当と認める担保を提供している破産者の申立てがあったときも、破産手続廃止の決定をします。法人である破産者がこの申立てをするには、あらかじめ法人を継続する手続をしなければなりません。(第二百二十条第一項, 第二百十六条第一項, 第二百十六条第二項, 第二百十七条第一項, 第二百十七条第三項, 第二百十八条第一項, 第二百十九条第一項)(根拠条文)
- 破産手続廃止の決定(費用不足による開始後の廃止、または破産債権者の同意による廃止)が確定したとき、または破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権についての破産債権者表の記載は、破産者に対して確定判決と同一の効力を持ち、破産債権者はその記載によって破産者に強制執行をすることができます。ただし、破産者が債権調査で異議を述べた場合は別です。また、個人の免責許可の申立てについての裁判が確定するまでの間は、破産者の財産に対して破産債権に基づく強制執行等をすることはできず、免責許可の決定が確定すれば、破産者は、租税等の請求権、悪意で加えた不法行為や故意・重大な過失で人の生命・身体を害した不法行為に基づく損害賠償請求権、扶養などの家族の義務に係る請求権、雇用関係に基づく使用人の請求権、知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(破産手続開始の決定があったことを知っていた人の請求権を除きます)、等の請求権など第253条第1項の請求権を除き、その破産債権について責任を免れます。この規定は、政令で定める日(遅くとも2028年6月13日)の前日まで適用され、その日からは、電子破産債権者表の記録による規定に代わります。施行日(遅くとも2028年6月13日)の前日までの定めです。(第二百二十一条第一項, 第二百二十一条第二項, 第二百四十九条第一項, 第二百五十三条第一項, 附則第一項)(根拠条文)
- 政令で定める日(遅くとも2028年6月13日)から、破産手続廃止の決定(費用不足による開始後の廃止、または破産債権者の同意による廃止)が確定したとき、または破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権についての電子破産債権者表(裁判所書記官が作成してファイルに記録する電磁的記録)の記録は、破産者に対して確定判決と同一の効力を持ち、破産債権者はその記録によって破産者に強制執行をすることができます。ただし、破産者が債権調査で異議を述べた場合は別です。また、個人の免責許可の申立てについての裁判が確定するまでの間は、破産者の財産に対して破産債権に基づく強制執行等をすることはできず、免責許可の決定が確定すれば、破産者は、租税等の請求権、悪意で加えた不法行為や故意・重大な過失で人の生命・身体を害した不法行為に基づく損害賠償請求権、扶養などの家族の義務に係る請求権、雇用関係に基づく使用人の請求権、知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(破産手続開始の決定があったことを知っていた人の請求権を除きます)、罰金等の請求権など第253条第1項の請求権を除き、その破産債権について責任を免れます。施行日(遅くとも2028年6月13日)からの定めです。(第二百二十一条第一項, 第二百二十一条第二項, 第百十五条第一項, 第百十五条第三項, 第二百四十九条第一項, 第二百五十三条第一項, 附則第一項)(根拠条文)
- 第14章(第265条から第277条まで)は、債権者を害する目的でする行為などを罰します。債権者を害する目的で、債務者の財産を隠したり壊したり、財産の譲渡や債務の負担を仮装したり、財産の現状を変えて価格を下げたり、債権者に不利益な処分や債務の負担をしたりすること(詐欺破産罪)は、破産手続開始の決定が確定したとき、10年以下のもしくは1000万円以下の罰金、またはその両方です。債務者が、他の債権者を害する目的で、特定の債権者に義務のない担保の供与や債務の消滅に関する行為(方法や時期が義務に属しないものを含みます)をすることは、破産手続開始の決定が確定したとき、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその両方です。債権者を害する目的で業務や財産の状況に関する帳簿などを隠したり偽造したりすることは、破産手続開始の決定が確定したとき、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方です。この法律で義務づけられた説明を拒んだり虚偽の説明をしたりすること、債務者が自分でした破産手続開始の申立てや免責許可の申立てについての審尋で説明を拒んだり虚偽の説明をしたりすること、重要財産の書面の提出を拒んだり虚偽の書面を提出したりすることも、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方です。詐欺破産罪で破産者の有罪判決が確定したとき、また不正の方法で免責許可の決定がされた場合に破産債権者が1年以内に申し立てたときは、裁判所は免責取消しの決定をすることができます。(第二百六十五条第一項, 第二百六十六条第一項, 第二百七十条第一項, 第二百六十八条第一項, 第二百七十一条第一項, 第二百六十九条第一項, 第二百五十四条第一項)(根拠条文)
- 個人である破産者やその親族などに破産債権(免責手続の終了後は、免責されたものに限ります)を弁済させたり、親族などに保証をさせたりする目的で、面会を強請したり強談威迫の行為をしたりすることは、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方です。偽計や威力を用いて破産管財人などの職務を妨害することも同じです。情を知って、債権者に不利益な財産の処分や債務の負担の相手方となった人も、破産手続開始の決定が確定したときは詐欺破産罪と同じく罰せられます。破産手続開始の決定や保全管理命令があったことを知りながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由なく債務者の財産を取得したり第三者に取得させたりした人も同じです。破産管財人や保全管理人などが、自分や第三者の利益を図るなどの目的で任務に背き、債権者に財産上の損害を加えたときは、10年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方です。破産管財人などの収賄や、債権者集会での議決権の行使に関する破産債権者などの収賄、それらへの贈賄も罰せられます。法人の代表者や従業者などが、その法人や人の業務や財産に関してこの章の多くの罪を犯したときは、その法人や人にも罰金刑が科されます。詐欺破産罪、特定の債権者に対する担保の供与等の罪、帳簿などの隠滅等の罪、職務妨害の罪、贈賄罪は、刑法第2条の例によるので、日本国外で犯した人にも適用されます。(第二百七十五条第一項, 第二百七十二条第一項, 第二百六十五条第一項, 第二百六十五条第二項, 第二百六十七条第一項, 第二百七十三条第一項, 第二百七十三条第五項, 第二百七十四条第一項, 第二百七十七条第一項, 第二百七十六条第一項, 刑法 第二条第一項)(根拠条文)