旅館業法
宿泊料を受けて人を宿泊させる営業(旅館・ホテル、簡易宿所、下宿)を営むために必要な許可と、営業者が守る衛生、宿泊者名簿、感染症への対応、宿泊の拒否についてのルールを定める法律です。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 22
- 施行前の改正
- 0
この法令の内容
- 旅館業を営もうとする人は、都道府県知事(を設置する市またはでは、市長または区長)の許可を受けなければなりません。旅館業とは、施設を設け、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業で、旅館・ホテル営業、宿泊する場所を多数人で共用する構造と設備を主とする簡易宿所営業、1か月以上の期間を単位とする宿泊料を受ける下宿営業があります。宿泊とは、寝具を使用して施設を利用することです。(第三条第一項, 第二条第一項, 第二条第二項, 第二条第三項, 第二条第四項, 第二条第五項)(根拠条文)
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- 営業者は、旅館業の施設について、換気、採光、照明、防湿、清潔など宿泊者の衛生に必要な措置を講じなければなりません。その措置の基準は条例で定められます。このほか、施設を利用させるときは、政令で定める基準に従わなければなりません。また営業者は、施設と宿泊サービスの安全と衛生の水準を保ち、高め、施設の整備とサービスの向上に努めなければなりません。特定感染症のまん延の防止に必要な対策と、高齢者、障害者など特に配慮を要する宿泊者への適切なサービスのため、従業者に必要な研修の機会を与えるよう努めなければなりません。(第四条第一項, 第四条第二項, 第四条第三項, 第三条の五第一項, 第三条の五第二項)(根拠条文)
- 営業者は宿泊者名簿を備え、宿泊者の氏名、住所、連絡先など厚生労働省令で定める事項を記載し、都道府県知事から求められたときは提出しなければなりません。宿泊者は、営業者から求められたときは、これらの事項を告げなければなりません。(第六条第一項, 第六条第二項)(根拠条文)
- 営業者は、次の場合を除いて、宿泊を拒んではなりません。宿泊しようとする人が特定感染症の患者等であるとき。賭博などの違法行為や風紀を乱す行為をするおそれがあると認められるとき。実施の負担が過重で、ほかの宿泊者へのサービスを著しく妨げるおそれのある要求として厚生労働省令で定めるものを繰り返したとき。宿泊施設に余裕がないときや、条例で定める事由があるとき。特定感染症とは、感染症法の一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症、新感染症と、一部の指定感染症です。特定感染症の患者等とは、特定感染症(新感染症を除く)の患者、感染症法で患者とみなされる人、新感染症の所見がある人のことです。ただし、宿泊しても施設で感染を広げるおそれがほとんどないとして厚生労働省令で定める人は含まれません。(第五条第一項, 第二条第六項, 第四条の二第一項第二号)(根拠条文)
- 営業者は、旅館業の公共性を踏まえ、宿泊しようとする人の状況などに配慮して、みだりに宿泊を拒まないようにします。宿泊を拒む場合は、拒める場合にあたるかどうかを客観的な事実に基づいて判断し、求められたときは理由を丁寧に説明できるようにします。当分の間、特定感染症の患者等であることや過重な要求の繰り返しを理由に宿泊を拒んだ営業者は、厚生労働省令で定める方法でその理由などを記録しておきます。(第五条第二項, 附則第三条第二項)(根拠条文)
- 特定感染症が国内で発生している期間(感染症法による公表などで決まる期間。国内に常在する感染症として政令で定めるものは政令で定める期間)に限り、営業者は、宿泊しようとする人に、施設で感染が広がるのを防ぐのに必要な限度で協力を求めることができます。症状がある人など政令で定める人には、特定感染症の患者等にあたるかどうか明らかでないとき、医師の診断の結果など厚生労働省令で定める事項の報告を求めることができます。この人と患者等には、みだりに客室など営業者が指定する場所から出ないことなど、政令で定める協力を求めることができます。それ以外の人には、体温などの健康状態の確認に応じることなど、政令で定める協力を求めることができます。求められた人は、正当な理由がない限り、応じなければなりません。(第四条の二第一項, 第四条の二第二項, 第四条の二第四項)(根拠条文)
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、施行を待つ改正はありません。改正の履歴は下にあります。変更内容まで収録している改正は、改正のページに条文ごとに日本語と英語で示します。
施行済みの改正 12件
2025年6月1日
このサイトの条文
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2023年12月13日
生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律
2023年7月13日
性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律
2023年7月13日
刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律
2023年6月14日
新型コロナウイルス感染症等の影響による情勢の変化に対応して生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律
2022年6月17日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2019年12月14日
成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律
2019年9月14日
成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律
2019年6月14日
成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律
2018年6月15日
旅館業法の一部を改正する法律
2017年12月15日
旅館業法の一部を改正する法律
2017年4月1日
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
誰に適用されるか
適用される
適用されない
- 住宅宿泊事業法(この法律とは別の法律です)により都道府県知事に届出をした人は、この許可を受けずに、同法の定める日数の範囲で住宅に人を宿泊させる事業(住宅宿泊事業)を営むことができます。(第三条第一項, 住宅宿泊事業法 第三条第一項)(根拠条文)
- 国家戦略特別区域で外国人旅客を滞在させる事業で、国家戦略特別区域法(この法律とは別の法律です)による都道府県知事の認定を受けたものには、この法律の許可は必要ありません。(第三条第一項, 国家戦略特別区域法 第十三条第五項)(根拠条文)
特例と適用除外(3)
どのように守らせるか(9)
- 都道府県知事は、施設の構造設備が政令で定める基準に適合しないとき、設置場所が公衆衛生上不適当なとき、申請者が欠格事由にあたるときは、許可を与えないことができます。欠格事由には、破産して復権を得ていないこと、拘禁刑以上の刑やこの法律違反による罰金以下の刑の執行を終えるなどしてから3年たっていないこと、許可を取り消されてから3年たっていないこと、暴力団員であることや暴力団員でなくなってから5年たっていないことなどがあり、法人は役員がこれにあたるときに該当します。許可しないときは理由を付けた書面で通知しなければならず、許可には公衆衛生上や善良の風俗の保持上必要な条件を付けることができます。(第三条第二項, 第三条第五項, 第三条第六項)(根拠条文)
- 施設の設置場所が、学校(大学を除く)、幼保連携型認定こども園、児童福祉施設、条例で定めるこれらに類する施設の敷地の周囲おおむね100メートルの区域内にあり、その施設の清純な施設環境が著しく害されるおそれがあるときも、都道府県知事は許可を与えないことができます。この区域内で許可を与える場合は、あらかじめその施設を所管する者などの意見を求めなければなりません。許可の後、構造設備が基準に適合しなくなったり、営業者が政令で定める基準に違反したりして、施設環境が著しく害されているときは、これらの者は、命令や許可の取消しなどについて都道府県知事に意見を述べることができます。(第三条第三項, 第三条第四項, 第八条の二第一項)(根拠条文)
- 旅館業を譲渡するときは、譲渡人と譲受人がその譲渡と譲受けについて都道府県知事の承認を受けたときに、譲受人が営業者の地位を承継します。法人の合併(営業者である法人が営業者でない法人と合併して存続する場合を除く)や分割も同じく承認が必要です。営業者が死亡し、相続人(相続人が2人以上いるときは、全員の同意で選んだ人)がその旅館業を引き続き営もうとするときは、死亡後60日以内に申請して承認を受けなければなりません。承認は、承継する人が許可の申請者と同じ欠格事由にあたるときや、学校などの周囲の施設環境を理由に、与えないことができます。承認しないときは理由を付けた書面で通知し、承認には公衆衛生上や善良の風俗の保持上必要な条件を付けることができます。当分の間、都道府県知事は、譲渡によって営業者の地位を承継した人の業務の状況を、承継の日から6か月以内に少なくとも1回調査しなければなりません。(第三条の二第一項, 第三条の二第二項, 第三条の三第一項, 第三条の三第二項, 第三条の四第一項, 第三条の四第三項, 第三条第五項, 第三条第六項, 附則第三条第一項)(根拠条文)
- 都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度で、営業者などに報告を求め、職員に施設へ立ち入らせて構造設備や書類を検査させ、関係者に質問させることができます。営業者でない人が旅館業を営んでいる施設でも、停止などの命令をすべきかを調べる必要があるときは、同じことができます。立入検査をする職員は身分を示す証票を携帯し、求められたら提示しなければなりません。立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものではありません。(第七条第一項, 第七条第二項, 第七条第三項, 第七条第四項)(根拠条文)
- 都道府県知事は、施設の構造設備が政令で定める基準に適合しなくなったときは、営業者に相当の期間を定めて必要な措置を命じることができます。公衆衛生上の危害や善良の風俗を害する行為の助長を防ぐため必要なときも、営業者に必要な措置を命じることができます。この法律に違反して旅館業が営まれ、重大な危害などを防ぐため緊急の必要があるときは、営業者でないその営業をする人に、旅館業の停止などの措置を命じることができます。(第七条の二第一項, 第七条の二第二項, 第七条の二第三項)(根拠条文)
- 都道府県知事は、営業者がこの法律、この法律に基づく命令の規定、この法律に基づく処分に違反したとき、欠格事由(以前に許可を取り消されたことを除きます)にあたるようになったとき、または営業者や従業者がその旅館業に関して第8条に掲げる罪(刑法の一部の罪、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部の罪、売春防止法の罪、児童買春・児童ポルノに関する法律の罪、性的な姿態の撮影に関する法律の罪)を犯したときは、許可を取り消し、または1年以内の期間を定めて営業の全部か一部の停止を命じることができます。聴聞や弁明の機会の通知は、その1週間前までにしなければならず、許可の取消しの聴聞は公開で行います。(第八条第一項, 第九条第一項, 第九条第二項)(根拠条文)
- 許可を受けずに旅館業を営んだ人や、第8条による命令に違反した人は、6か月以下の拘禁刑か100万円以下の罰金、またはその両方に処されます。第5条第1項に違反して宿泊を拒んだ人、第6条第1項の宿泊者名簿の義務に違反した人、報告をしなかったり虚偽の報告をしたりした人、検査を拒んだり妨げたり忌避したりした人、質問に答えなかったり虚偽の答弁をしたりした人、第7条の2第2項・第3項の命令に違反した人は、50万円以下の罰金に処されます。法人や個人の業務に関して従業者などが違反したときは、その法人や個人も罰金刑を科されます。(第十条第一項, 第十一条第一項, 第十三条第一項)(根拠条文)
- 営業者から求められて宿泊者名簿の事項を偽って告げた宿泊者は、拘留または科料に処されます。罰則を定める第10条から第13条までには、第4条の2の協力の求めに応じなかった人への罰則はありません。2023年の改正法の附則は、この協力の求め(症状のある人や患者等以外の人については、体温などの健康状態の確認の求めに限ります)を受けた人が正当な理由なく応じないときの対応の在り方について、政府が検討することを定めています。(第十二条第一項, 第十条第一項, 第十一条第一項, 第十三条第一項, 第四条の二第四項, 附則第二条第一項)(根拠条文)
- 厚生労働大臣は、感染症の協力の求めと宿泊の拒否について、営業者が適切に対処するための指針を定め、公表します。指針を定めるときは、あらかじめ感染症の専門家、旅館業の業務の専門家、旅館業の施設の利用者の意見を聴かなければなりません。(第五条の二第一項, 第五条の二第二項, 第五条の二第三項)(根拠条文)