次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。
会社の設立の無効の訴え 設立する会社
株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。) 株式の発行をした株式会社
自己株式の処分の無効の訴え 自己株式の処分をした株式会社
新株予約権の発行の無効の訴え 新株予約権の発行をした株式会社
株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え 当該株式会社
株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社及び株式移転により設立する株式会社
株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え 株式の発行をした株式会社
自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え 自己株式の処分をした株式会社
新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え 新株予約権の発行をした株式会社
株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該株式会社
株主総会等の決議の取消しの訴え 当該株式会社
第八百三十二条第一号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社
第八百三十二条第二号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社及び同号の社員
株式会社の解散の訴え 当該株式会社
持分会社の解散の訴え 当該持分会社
会社の組織に関する訴えは、被告となる会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
前条第九号から第十二号までの規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、当該各号に掲げる訴えは、先に訴えの提起があった地方裁判所が管轄する。
前項の場合には、裁判所は、当該訴えに係る訴訟がその管轄に属する場合においても、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟を他の管轄裁判所に移送することができる。
会社の組織に関する訴えであって、株主又は設立時株主が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該会社の組織に関する訴えを提起した株主又は設立時株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。ただし、当該株主が取締役、監査役、執行役若しくは清算人であるとき、又は当該設立時株主が設立時取締役若しくは設立時監査役であるときは、この限りでない。
同一の請求を目的とする会社の組織に関する訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。
会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。
会社の組織に関する訴え(第八百三十四条第一号から第十二号の二まで、第十八号及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって会社が設立された場合にあっては当該設立を含み、当該行為に際して株式又は新株予約権が交付された場合にあっては当該株式又は新株予約権を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。
新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該株式に係る旧株券(前条の規定により効力を失った株式に係る株券をいう。以下この節において同じ。)を返還することを請求することができる。
新株予約権の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該新株予約権に係る新株予約権者に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。この場合において、当該新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この項において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該新株予約権者に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、第八百三十九条の規定により効力を失った新株予約権に係る新株予約権証券を返還することを請求することができる。
第八百四十条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「株主」とあるのは「新株予約権者」と、同条第四項中「株式」とあるのは「新株予約権」と、同条第五項及び第六項中「登録株式質権者」とあるのは「登録新株予約権質権者」と読み替えるものとする。
次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした会社は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。