協定債権を有する債権者(以下この節において「協定債権者」という。)は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。
特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したとき。
特別清算開始の申立てがあった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。
前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。
法定の原因
特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因
第二款 裁判所による監督及び調査
裁判所は、いつでも、清算株式会社に対し、清算事務及び財産の状況の報告を命じ、その他清算の監督上必要な調査をすることができる。
特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、第四百九十二条第三項の承認があった後遅滞なく、財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出しなければならない。ただし、財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。
裁判所は、特別清算開始後において、清算株式会社の財産の状況を考慮して必要があると認めるときは、清算人、監査役、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者の債権の総額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者若しくは総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主若しくは発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項について、調査委員による調査を命ずる処分(第五百三十三条において「調査命令」という。)をすることができる。
特別清算開始に至った事情
清算株式会社の業務及び財産の状況
第五百四十条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。
第五百四十二条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。
第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をする必要があるかどうか。
その他特別清算に必要な事項で裁判所の指定するもの
第三款 清算人
特別清算が開始された場合には、清算人は、債権者、清算株式会社及び株主に対し、公平かつ誠実に清算事務を行う義務を負う。
裁判所は、清算人が清算事務を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算人を解任することができる。
清算人が欠けたときは、裁判所は、清算人を選任する。
清算人がある場合においても、裁判所は、必要があると認めるときは、更に清算人を選任することができる。
清算人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は二人以上の清算人代理を選任することができる。
前項の清算人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。
清算人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。
前項の規定は、清算人代理について準用する。
第四款 監督委員
裁判所は、一人又は二人以上の監督委員を選任し、当該監督委員に対し、第五百三十五条第一項の許可に代わる同意をする権限を付与することができる。
法人は、監督委員となることができる。
監督委員は、裁判所が監督する。
裁判所は、監督委員が清算株式会社の業務及び財産の管理の監督を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員を解任することができる。
監督委員が二人以上あるときは、共同してその職務を行う。ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。