民事執行法
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強制執行、担保権の実行としての競売及び民法(明治二十九年法律第八十九号)、商法(明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の規定による換価のための競売並びに債務者の財産状況の調査(以下「民事執行」と総称する。)については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。
裁判所が行う民事執行に関してはこの法律の規定により執行処分を行うべき裁判所をもつて、執行官が行う執行処分に関してはその執行官の所属する地方裁判所をもつて執行裁判所とする。
執行裁判所のする裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
執行裁判所は、執行処分をするに際し、必要があると認めるときは、利害関係を有する者その他参考人を審尋することができる。
執行官は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、威力を用い、又は警察上の援助を求めることができる。ただし、第六十四条の二第五項(第百八十八条において準用する場合を含む。)の規定に基づく職務の執行については、この限りでない。
執行官以外の者で執行裁判所の命令により民事執行に関する職務を行うものは、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、執行官に対し、援助を求めることができる。
執行官等は、職務を執行する場合には、その身分又は資格を証する文書を携帯し、利害関係を有する者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
民事執行の手続に関する裁判に対しては、特別の定めがある場合に限り、執行抗告をすることができる。
執行抗告は、裁判の告知を受けた日から一週間の不変期間内に、抗告状を原裁判所に提出してしなければならない。
抗告状に執行抗告の理由の記載がないときは、抗告人は、抗告状を提出した日から一週間以内に、執行抗告の理由書を原裁判所に提出しなければならない。
執行抗告の理由は、最高裁判所規則で定めるところにより記載しなければならない。
次の各号に該当するときは、原裁判所は、執行抗告を却下しなければならない。
抗告人が第三項の規定による執行抗告の理由書の提出をしなかつたとき。
執行抗告の理由の記載が明らかに前項の規定に違反しているとき。
執行抗告が不適法であつてその不備を補正することができないことが明らかであるとき。
執行抗告が民事執行の手続を不当に遅延させることを目的としてされたものであるとき。
抗告裁判所は、執行抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間、担保を立てさせ、若しくは立てさせないで原裁判の執行の停止若しくは民事執行の手続の全部若しくは一部の停止を命じ、又は担保を立てさせてこれらの続行を命ずることができる。事件の記録が原裁判所に存する間は、原裁判所も、これらの処分を命ずることができる。
抗告裁判所は、抗告状又は執行抗告の理由書に記載された理由に限り、調査する。ただし、原裁判に影響を及ぼすべき法令の違反又は事実の誤認の有無については、職権で調査することができる。
第五項の規定による決定に対しては、執行抗告をすることができる。
第六項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第三百四十九条の規定は、執行抗告をすることができる裁判が確定した場合について準用する。
民事訴訟法第五十四条第一項の規定により訴訟代理人となることができる者以外の者は、執行裁判所でする手続については、訴え又は執行抗告に係る手続を除き、執行裁判所の許可を受けて代理人となることができる。
執行裁判所は、いつでも前項の許可を取り消すことができる。
執行裁判所に対し民事執行の申立てをするときは、申立人は、民事執行の手続に必要な費用として裁判所書記官の定める金額を予納しなければならない。予納した費用が不足する場合において、裁判所書記官が相当の期間を定めてその不足する費用の予納を命じたときも、同様とする。
前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
第一項の規定による裁判所書記官の処分は、確定しなければその効力を生じない。
申立人が費用を予納しないときは、執行裁判所は、民事執行の申立てを却下し、又は民事執行の手続を取り消すことができる。
前項の規定により申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。
この法律の規定により担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所(以下この項において「発令裁判所」という。)又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は発令裁判所が相当と認める有価証券(社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二百七十八条第一項に規定する振替債を含む。)を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によらなければならない。ただし、当事者が特別の契約をしたときは、その契約による。
民事訴訟法第七十七条、第七十九条及び第八十条の規定は、前項の担保について準用する。
民事執行の手続における期日の呼出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によつてする。
呼出状の送達及び当該事件について出頭した者に対する期日の告知以外の方法による期日の呼出しをしたときは、期日に出頭しない者に対し、法律上の制裁その他期日の不遵守による不利益を帰することができない。ただし、その者が期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。
民事執行の手続について、執行裁判所に対し申立て、申出若しくは届出をし、又は執行裁判所から文書の送達を受けた者は、送達を受けるべき場所(日本国内に限る。)を執行裁判所に届け出なければならない。この場合においては、送達受取人をも届け出ることができる。
民事訴訟法第百四条第二項及び第三項並びに第百七条の規定は、前項前段の場合について準用する。
第一項前段の規定による届出をしない者(前項において準用する民事訴訟法第百四条第三項に規定する者を除く。)に対する送達は、事件の記録に表れたその者の住所、居所、営業所又は事務所においてする。
民事執行の手続における公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。
執行裁判所の行う民事執行について、利害関係を有する者は、裁判所書記官に対し、事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
民事執行の手続においてこの法律の規定に基づき裁判所、裁判所書記官又は執行官に次の各号に掲げるものに係る記録事項証明書(裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイル(以下単に「ファイル」という。)に記録されている事項を記載した書面であつて裁判所書記官が当該書面の内容が当該ファイルに記録されている事項と同一であることを証明したものをいう。以下同じ。)を提出し、又は提示すべき者は、その提出又は提示に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該各号に掲げるものに係る事件を特定するために必要な情報として最高裁判所規則で定めるものを提供することができる。この場合において、当該者は、当該記録事項証明書を提出し、又は提示したものとみなす。
裁判
裁判所書記官の処分
裁判上の和解又は調停
前三号に掲げるもののほか、確定判決と同一の効力を有するもの
第二十二条第二号から第四号の二までに掲げる債務名義が訴えの取下げその他の事由により効力を失つたことを証する電子調書(期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をするために民事訴訟法第百六十条第一項(他の法令において準用する場合を含む。)その他の法令の規定により裁判所書記官が作成する電磁的記録をいう。第三十九条第一項第四号及び第四号の二並びに第百六十七条の二第一項第四号において同じ。)
この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。
民事執行の手続における申立てその他の申述(以下この条において「申立て等」という。)のうち、当該申立て等に関するこの法律その他の法令の規定により書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によつて認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。次項及び第四項において同じ。)をもつてするものとされているものであつて、最高裁判所の定める裁判所に対してするもの(当該裁判所の裁判長、受命裁判官、受託裁判官又は裁判所書記官に対してするものを含む。)については、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)と申立て等をする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いてすることができる。
特別の定めがある場合を除き、民事執行の手続に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編から第四編までの規定(同法第七十一条第二項、第九十一条の二、第九十二条第九項及び第十項、第九十二条の二第二項、第九十四条、第百条第二項、第一編第五章第四節第三款、第百十一条、第一編第七章、第百三十三条の二第五項及び第六項、第百三十三条の三第二項、第百五十一条第三項、第百六十条第二項、第百八十五条第三項、第二百五条第二項、第二百十五条第二項、第二百二十七条第二項並びに第二百三十二条の二の規定を除く。)を準用する。この場合において、別表第一の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
この法律に定めるもののほか、民事執行の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第二十四条又は第三十三条から第三十五条までの訴えに係る事件であつて、家庭裁判所の管轄に属するものに関する手続(以下この条において「家庭裁判所における執行関係訴訟手続」という。)については、民事訴訟法第七十一条第二項、第九十一条の二、第九十二条第九項及び第十項、第九十二条の二第二項、第九十四条、第百条第二項、第一編第五章第四節第三款、第百十一条、第百三十二条の六第三項、第一編第七章、第百三十三条の二第五項及び第六項、第百三十三条の三第二項、第百五十一条第三項、第百六十条第二項、第百六十一条第三項第三号、第百八十五条第三項、第二百五条第二項、第二百十五条第二項、第二百二十七条第二項、第二百三十二条の二、第二百五十三条第二項、第二百六十七条第二項並びに第七編の規定は、適用しない。
家庭裁判所における執行関係訴訟手続における民事訴訟法の規定の適用については、別表第二の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第十五条の二、第十六条第五項及び第十九条の二の規定は、家庭裁判所における執行関係訴訟手続について準用する。
強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。
確定判決
仮執行の宣言を付した判決
抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)
仮執行の宣言を付した損害賠償命令
仮執行の宣言を付した届出債権支払命令
仮執行の宣言を付した支払督促
訴訟費用、和解の費用若しくは非訟事件(他の法令の規定により非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)の規定を準用することとされる事件を含む。)、家事事件若しくは国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成二十五年法律第四十八号)第二十九条に規定する子の返還に関する事件の手続の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は第四十二条第四項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)
金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載され、又は記録されているもの(以下「執行証書」という。)
確定した執行判決のある外国裁判所の判決(家事事件における裁判を含む。第二十四条において同じ。)
確定した執行決定のある仲裁判断
確定した執行等認可決定のある仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第四十八条に規定する暫定保全措置命令
確定した執行決定のある国際和解合意
確定した執行決定のある特定和解
確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)
外国裁判所の判決についての執行判決を求める訴えは、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所(家事事件における裁判に係るものにあつては、家庭裁判所。以下この項において同じ。)が管轄し、この普通裁判籍がないときは、請求の目的又は差し押さえることができる債務者の財産の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
執行判決は、裁判の当否を調査しないでしなければならない。
第一項の訴えは、外国裁判所の判決が、確定したことが証明されないとき、又は民事訴訟法第百十八条各号(家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第七十九条の二において準用する場合を含む。)に掲げる要件を具備しないときは、却下しなければならない。
執行判決においては、外国裁判所の判決による強制執行を許す旨を宣言しなければならない。
請求が債権者の証明すべき事実の到来に係る場合においては、執行文は、債権者がその事実の到来したことを証する文書又は電磁的記録を提出したときに限り、付与することができる。
債務名義に表示された当事者以外の者を債権者又は債務者とする執行文は、その者に対し、又はその者のために強制執行をすることができることが裁判所書記官若しくは公証人に明白であるとき、又は債権者がそのことを証する文書若しくは電磁的記録を提出したときに限り、付与することができる。
執行文は、債務名義について次に掲げる事由のいずれかがあり、かつ、当該債務名義に基づく不動産の引渡し又は明渡しの強制執行をする前に当該不動産を占有する者を特定することを困難とする特別の事情がある場合において、債権者がこれらを証する文書又は電磁的記録を提出したときに限り、債務者を特定しないで、付与することができる。
債務名義が不動産の引渡し又は明渡しの請求権を表示したものであり、これを本案とする占有移転禁止の仮処分命令(民事保全法(平成元年法律第九十一号)第二十五条の二第一項に規定する占有移転禁止の仮処分命令をいう。)が執行され、かつ、同法第六十二条第一項の規定により当該不動産を占有する者に対して当該債務名義に基づく引渡し又は明渡しの強制執行をすることができるものであること。
債務名義が強制競売の手続(担保権の実行としての競売の手続を含む。以下この号において同じ。)における第八十三条第一項本文(第百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による命令(以下「引渡命令」という。)であり、当該強制競売の手続において当該引渡命令の引渡義務者に対し次のイからハまでのいずれかの保全処分及び公示保全処分(第五十五条第一項に規定する公示保全処分をいう。以下この項において同じ。)が執行され、かつ、第八十三条の二第一項(第百八十七条第五項又は第百八十八条において準用する場合を含む。)の規定により当該不動産を占有する者に対して当該引渡命令に基づく引渡しの強制執行をすることができるものであること。
第五十五条第一項第三号(第百八十八条において準用する場合を含む。)に掲げる保全処分及び公示保全処分
第七十七条第一項第三号(第百八十八条において準用する場合を含む。)に掲げる保全処分及び公示保全処分
第百八十七条第一項に規定する保全処分又は公示保全処分(第五十五条第一項第三号に掲げるものに限る。)
請求が確定期限の到来に係る場合においては、強制執行は、その期限の到来後に限り、開始することができる。
担保を立てることを強制執行の実施の条件とする債務名義による強制執行は、債権者が担保を立てたことを証する文書を提出したときに限り、開始することができる。
債務者の給付が反対給付と引換えにすべきものである場合においては、強制執行は、債権者が反対給付又はその提供のあつたことを証明したときに限り、開始することができる。
債務者の給付が、他の給付について強制執行の目的を達することができない場合に、他の給付に代えてすべきものであるときは、強制執行は、債権者が他の給付について強制執行の目的を達することができなかつたことを証明したときに限り、開始することができる。
執行文の付与の申立てに関する処分に対しては、裁判所書記官の処分にあつてはその裁判所書記官の所属する裁判所に、公証人の処分にあつてはその公証人の役場の所在地を管轄する地方裁判所に異議を申し立てることができる。
執行文の付与に対し、異議の申立てがあつたときは、裁判所は、異議についての裁判をするまでの間、担保を立てさせ、若しくは立てさせないで強制執行の停止を命じ、又は担保を立てさせてその続行を命ずることができる。急迫の事情があるときは、裁判長も、これらの処分を命ずることができる。
前項に規定する裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
第二十二条第一号から第三号まで又は第六号から第六号の五までに掲げる債務名義並びに同条第七号に掲げる債務名義のうち次号、第一号の三及び第六号に掲げるもの以外のもの 第一審裁判所
第二十二条第三号の二に掲げる債務名義並びに同条第七号に掲げる債務名義のうち損害賠償命令並びに損害賠償命令事件に関する手続における和解及び請求の認諾に係るもの 損害賠償命令事件が係属していた地方裁判所
第二十二条第三号の三に掲げる債務名義並びに同条第七号に掲げる債務名義のうち届出債権支払命令並びに簡易確定手続における届出債権の認否及び和解に係るもの 簡易確定手続が係属していた地方裁判所
第二十二条第四号に掲げる債務名義のうち民事訴訟法第三百九十七条に規定する指定簡易裁判所の裁判所書記官に対してされた支払督促の申立てによるもの 当該支払督促の申立てについて同法第三百九十八条の規定により訴えの提起があつたものとみなされる裁判所
第二十二条第四号の二に掲げる債務名義 同号の処分をした裁判所書記官の所属する裁判所
強制執行は、次に掲げる文書の提出があつたときは、停止しなければならない。
第二十二条第二号から第四号の二までに掲げる債務名義が訴えの取下げその他の事由により効力を失つたことを証する調書の正本その他の裁判所書記官の作成した文書
強制執行をしない旨又はその申立てを取り下げる旨を記載した裁判上の和解の調書の正本又は電子調書(民事訴訟法第百六十条第一項に規定する電子調書をいう。第百六十七条の二第一項第四号において同じ。)の記録事項証明書
強制執行をしない旨又はその申立てを取り下げる旨を記載した調停の調書又は労働審判法(平成十六年法律第四十五号)第二十一条第四項の規定により裁判上の和解と同一の効力を有する労働審判の審判書若しくは同法第二十条第七項の調書の正本
強制執行を免れるための担保を立てたことを証する文書
強制執行の停止及び執行処分の取消しを命ずる旨を記載した裁判の正本又は記録事項証明書
強制執行の一時の停止を命ずる旨を記載した裁判の正本又は記録事項証明書
債権者が、債務名義の成立後に、弁済を受け、又は弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書
前項第八号に掲げる文書のうち弁済を受けた旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、四週間に限るものとする。
第一項第八号に掲げる文書のうち弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、二回に限り、かつ、通じて六月を超えることができない。
前条第一項第一号から第六号までに掲げる文書が提出されたときは、執行裁判所又は執行官は、既にした執行処分をも取り消さなければならない。
強制執行は、その開始後に債務者が死亡した場合においても、続行することができる。
前項の場合において、債務者の相続人の存在又はその所在が明らかでないときは、執行裁判所は、申立てにより、相続財産又は相続人のために、特別代理人を選任することができる。
民事訴訟法第三十五条第二項及び第三項の規定は、前項の特別代理人について準用する。
第一款 不動産に対する強制執行
第一目 通則
不動産(登記することができない土地の定着物を除く。以下この節において同じ。)に対する強制執行(以下「不動産執行」という。)は、強制競売又は強制管理の方法により行う。これらの方法は、併用することができる。
金銭の支払を目的とする債権についての強制執行については、不動産の共有持分、登記された地上権及び永小作権並びにこれらの権利の共有持分は、不動産とみなす。
第二目 強制競売
執行裁判所は、強制競売の手続を開始するには、強制競売の開始決定をし、その開始決定において、債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言しなければならない。
前項の開始決定は、債務者に送達しなければならない。
強制競売の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
差押えの効力は、強制競売の開始決定が債務者に送達された時に生ずる。ただし、差押えの登記がその開始決定の送達前にされたときは、登記がされた時に生ずる。
差押えは、債務者が通常の用法に従つて不動産を使用し、又は収益することを妨げない。
強制競売又は担保権の実行としての競売(以下この節において「競売」という。)の開始決定がされた不動産について強制競売の申立てがあつたときは、執行裁判所は、更に強制競売の開始決定をするものとする。
先の開始決定に係る強制競売若しくは競売の申立てが取り下げられたとき、又は先の開始決定に係る強制競売若しくは競売の手続が取り消されたときは、執行裁判所は、後の強制競売の開始決定に基づいて手続を続行しなければならない。
前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
先の開始決定に係る強制競売又は競売の手続が停止されたときは、執行裁判所は、申立てにより、後の強制競売の開始決定(配当要求の終期までにされた申立てに係るものに限る。)に基づいて手続を続行する旨の裁判をすることができる。ただし、先の開始決定に係る強制競売又は競売の手続が取り消されたとすれば、第六十二条第一項第二号に掲げる事項について変更が生ずるときは、この限りでない。
前項の申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。
強制競売の開始決定がされたときは、裁判所書記官は、直ちに、その開始決定に係る差押えの登記を嘱託しなければならない。
登記官は、前項の規定による嘱託に基づいて差押えの登記をしたときは、その登記事項証明書を執行裁判所に送付しなければならない。
強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。)においては、裁判所書記官は、物件明細書の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。
裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げるものに対し、債権(利息その他の附帯の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。
第八十七条第一項第三号に掲げる債権者
第八十七条第一項第四号に掲げる債権者(抵当証券の所持人にあつては、知れている所持人に限る。)
租税その他の公課を所管する官庁又は公署
裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、配当要求の終期を延期することができる。
裁判所書記官は、前項の規定により配当要求の終期を延期したときは、延期後の終期を公告しなければならない。
配当要求の終期から、三月以内に売却許可決定がされないとき、又は三月以内にされた売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたときは、配当要求の終期は、その終期から三月を経過した日に変更されたものとみなす。ただし、配当要求の終期から三月以内にされた売却許可決定が効力を失つた場合において、第六十七条の規定による次順位買受けの申出について売却許可決定がされたとき(その決定が取り消され、又は効力を失つたときを除く。)は、この限りでない。
不動産の滅失その他売却による不動産の移転を妨げる事情が明らかとなつたときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消さなければならない。
強制競売の申立てが取り下げられたとき、又は強制競売の手続を取り消す決定が効力を生じたときは、裁判所書記官は、その開始決定に係る差押えの登記の抹消を嘱託しなければならない。
前項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、その取下げ又は取消決定に係る差押債権者の負担とする。
執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が価格減少行為(不動産の価格を減少させ、又は減少させるおそれがある行為をいう。以下この項において同じ。)をするときは、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、次に掲げる保全処分又は公示保全処分(執行官に、当該保全処分の内容を、不動産の所在する場所に公示書その他の標識を掲示する方法により公示させることを内容とする保全処分をいう。以下同じ。)を命ずることができる。ただし、当該価格減少行為による不動産の価格の減少又はそのおそれの程度が軽微であるときは、この限りでない。
次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)
当該価格減少行為をする者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官に引き渡すことを命ずること。
執行官に不動産の保管をさせること。
次に掲げる事項を内容とする保全処分及び公示保全処分
前号イ及びロに掲げる事項
前号イに規定する者に対し、不動産の占有の移転を禁止することを命じ、及び当該不動産の使用を許すこと。
前項の債務者が不動産を占有する場合
執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第一項の規定による決定をする場合において、必要があると認めるときは、その者を審尋しなければならない。
事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、第一項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
第五項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
前項に規定する決定は、相手方に送達される前であつても、執行することができる。
執行裁判所は、執行官に対し、不動産の形状、占有関係その他の現況について調査を命じなければならない。
執行官は、前項の調査をするに際し、不動産に立ち入り、又は債務者若しくはその不動産を占有する第三者に対し、質問をし、若しくは文書の提示を求めることができる。
執行官は、前項の規定により不動産に立ち入る場合において、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすることができる。
執行官は、第一項の調査のため必要がある場合には、市町村(特別区の存する区域にあつては、都)に対し、不動産(不動産が土地である場合にはその上にある建物を、不動産が建物である場合にはその敷地を含む。)に対して課される固定資産税に関して保有する図面その他の資料の写しの交付を請求することができる。
執行官は、前項に規定する場合には、電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付を行う公益事業を営む法人に対し、必要な事項の報告を求めることができる。
執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を差押債権者(最初の強制競売の開始決定に係る差押債権者をいう。ただし、第四十七条第六項の規定により手続を続行する旨の裁判があつたときは、その裁判を受けた差押債権者をいう。以下この条において同じ。)に通知しなければならない。
差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から一週間以内に、優先債権がない場合にあつては手続費用の見込額を超える額、優先債権がある場合にあつては手続費用及び優先債権の見込額の合計額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める申出及び保証の提供をしないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。ただし、差押債権者が、その期間内に、前項各号のいずれにも該当しないことを証明したとき、又は同項第二号に該当する場合であつて不動産の買受可能価額が手続費用の見込額を超える場合において、不動産の売却について優先債権を有する者(買受可能価額で自己の優先債権の全部の弁済を受けることができる見込みがある者を除く。)の同意を得たことを証明したときは、この限りでない。
第二項の保証の提供は、執行裁判所に対し、最高裁判所規則で定める方法により行わなければならない。
不動産の売却は、裁判所書記官の定める売却の方法により行う。
不動産の売却の方法は、入札又は競り売りのほか、最高裁判所規則で定める。
裁判所書記官は、入札又は競り売りの方法により売却をするときは、売却の日時及び場所を定め、執行官に売却を実施させなければならない。
前項の場合においては、第二十条において準用する民事訴訟法第九十三条第一項の規定にかかわらず、売却決定期日は、裁判所書記官が、売却を実施させる旨の処分と同時に指定する。
執行官は、次に掲げる者に対し、売却の場所に入ることを制限し、若しくはその場所から退場させ、又は買受けの申出をさせないことができる。
他の者の買受けの申出を妨げ、若しくは不当に価額を引き下げる目的をもつて連合する等売却の適正な実施を妨げる行為をし、又はその行為をさせた者
民事執行の手続における売却に関し刑法(明治四十年法律第四十五号)第九十五条から第九十六条の五まで、第百九十七条から第百九十七条の四まで若しくは第百九十八条、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)第三条第一項第一号から第四号まで若しくは第二項(同条第一項第一号から第四号までに係る部分に限る。)又は公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成十二年法律第百三十号)第一条第一項、第二条第一項若しくは第四条の規定により刑に処せられ、その裁判の確定の日から二年を経過しない者
不動産の買受けの申出は、次の各号のいずれにも該当しない旨を買受けの申出をしようとする者(その者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、その者が法人である場合にあつてはその代表者)が最高裁判所規則で定めるところにより陳述しなければ、することができない。
買受けの申出をしようとする者(その者が法人である場合にあつては、その役員)が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(以下この目において「暴力団員等」という。)であること。
自己の計算において当該買受けの申出をさせようとする者(その者が法人である場合にあつては、その役員)が暴力団員等であること。
不動産の買受けの申出をしようとする者は、最高裁判所規則で定めるところにより、執行裁判所が定める額及び方法による保証を提供しなければならない。
債務者は、買受けの申出をすることができない。
債務者又は不動産の占有者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官又は申立人に引き渡すことを命ずること。
執行官又は申立人に不動産の保管をさせること。
事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法による売却を三回実施させても買受けの申出がなかつた場合において、不動産の形状、用途、法令による利用の規制その他の事情を考慮して、更に売却を実施させても売却の見込みがないと認めるときは、強制競売の手続を停止することができる。この場合においては、差押債権者に対し、その旨を通知しなければならない。
執行裁判所は、最高価買受申出人(その者が法人である場合にあつては、その役員。以下この項において同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査を執行裁判所の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。ただし、最高価買受申出人が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして最高裁判所規則で定める場合は、この限りでない。
執行裁判所は、自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者があると認める場合には、当該買受けの申出をさせた者(その者が法人である場合にあつては、その役員。以下この項において同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査を執行裁判所の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。ただし、買受けの申出をさせた者が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして最高裁判所規則で定める場合は、この限りでない。
執行裁判所は、売却決定期日を開き、売却の許可又は不許可を言い渡さなければならない。
不動産の売却の許可又は不許可に関し利害関係を有する者は、次条各号に掲げる事由で自己の権利に影響のあるものについて、売却決定期日において意見を陳述することができる。
執行裁判所は、次に掲げる事由があると認めるときは、売却不許可決定をしなければならない。
強制競売の手続の開始又は続行をすべきでないこと。
最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格若しくは能力を有しないこと又はその代理人がその権限を有しないこと。
最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格を有しない者の計算において買受けの申出をした者であること。
最高価買受申出人、その代理人又は自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者が次のいずれかに該当すること。
その強制競売の手続において第六十五条第一号に規定する行為をした者
その強制競売の手続において、代金の納付をしなかつた者又は自己の計算においてその者に買受けの申出をさせたことがある者
最高価買受申出人又は自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者が次のいずれかに該当すること。
暴力団員等(買受けの申出がされた時に暴力団員等であつた者を含む。)
法人でその役員のうちに暴力団員等に該当する者があるもの(買受けの申出がされた時にその役員のうちに暴力団員等に該当する者があつたものを含む。)
第七十五条第一項の規定による売却の不許可の申出があること。
売却基準価額若しくは一括売却の決定、物件明細書の作成又はこれらの手続に重大な誤りがあること。
売却の手続に重大な誤りがあること。
売却の実施の終了から売却決定期日の終了までの間に第三十九条第一項第七号に掲げる文書の提出があつた場合には、執行裁判所は、他の事由により売却不許可決定をするときを除き、売却決定期日を開くことができない。この場合においては、最高価買受申出人又は次順位買受申出人は、執行裁判所に対し、買受けの申出を取り消すことができる。
売却の実施の終了後に第三十九条第一項第八号に掲げる文書の提出があつた場合には、その売却に係る売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたとき、又はその売却に係る売却不許可決定が確定したときに限り、同条の規定を適用する。
売却の許可又は不許可の決定に対しては、その決定により自己の権利が害されることを主張するときに限り、執行抗告をすることができる。
売却許可決定に対する執行抗告は、第七十一条各号に掲げる事由があること又は売却許可決定の手続に重大な誤りがあることを理由としなければならない。
民事訴訟法第三百三十八条第一項各号に掲げる事由は、前二項の規定にかかわらず、売却の許可又は不許可の決定に対する執行抗告の理由とすることができる。
抗告裁判所は、必要があると認めるときは、抗告人の相手方を定めることができる。
売却の許可又は不許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。
買受けの申出があつた後に強制競売の申立てを取り下げるには、最高価買受申出人又は買受人及び次順位買受申出人の同意を得なければならない。ただし、他に差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)がある場合において、取下げにより第六十二条第一項第二号に掲げる事項について変更が生じないときは、この限りでない。
前項の規定は、買受けの申出があつた後に第三十九条第一項第四号から第五号までに掲げる文書を提出する場合について準用する。
売却許可決定が確定したときは、買受人は、裁判所書記官の定める期限までに代金を執行裁判所に納付しなければならない。
買受人が買受けの申出の保証として提供した金銭及び前条第一項の規定により納付した金銭は、代金に充てる。
買受人が第六十三条第二項第一号又は第六十八条の二第二項の保証を金銭の納付以外の方法で提供しているときは、執行裁判所は、最高裁判所規則で定めるところによりこれを換価し、その換価代金から換価に要した費用を控除したものを代金に充てる。この場合において、換価に要した費用は、買受人の負担とする。
買受人は、売却代金から配当又は弁済を受けるべき債権者であるときは、売却許可決定が確定するまでに執行裁判所に申し出て、配当又は弁済を受けるべき額を差し引いて代金を配当期日又は弁済金の交付の日に納付することができる。ただし、配当期日において、買受人の受けるべき配当の額について異議の申出があつたときは、買受人は、当該配当期日から一週間以内に、異議に係る部分に相当する金銭を納付しなければならない。
裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、第一項の期限を変更することができる。
買受人は、代金を納付した時に不動産を取得する。
土地及びその上にある建物が債務者の所有に属する場合において、その土地又は建物の差押えがあり、その売却により所有者を異にするに至つたときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合においては、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。
買受人が代金を納付したときは、裁判所書記官は、次に掲げる登記及び登記の抹消を嘱託しなければならない。
買受人の取得した権利の移転の登記
売却により消滅した権利又は売却により効力を失つた権利の取得若しくは仮処分に係る登記の抹消
差押え又は仮差押えの登記の抹消
買受人及び買受人から不動産の上に抵当権の設定を受けようとする者が、最高裁判所規則で定めるところにより、代金の納付の時までに申出をしたときは、前項の規定による嘱託は、登記の申請の代理を業とすることができる者で申出人の指定するものに嘱託情報を提供して登記所に提供させる方法によつてしなければならない。この場合において、申出人の指定する者は、遅滞なく、その嘱託情報を登記所に提供しなければならない。
第一項の規定による嘱託をするには、その嘱託情報と併せて売却許可決定があつたことを証する情報を提供しなければならない。
第一項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、買受人の負担とする。
執行裁判所は、代金を納付した買受人の申立てにより、債務者又は不動産の占有者に対し、不動産を買受人に引き渡すべき旨を命ずることができる。ただし、事件の記録上買受人に対抗することができる権原により占有していると認められる者に対しては、この限りでない。
買受人は、代金を納付した日から六月(買受けの時に民法第三百九十五条第一項に規定する抵当建物使用者が占有していた建物の買受人にあつては、九月)を経過したときは、前項の申立てをすることができない。
執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第一項の規定による決定をする場合には、その者を審尋しなければならない。ただし、事件の記録上その者が買受人に対抗することができる権原により占有しているものでないことが明らかであるとき、又は既にその者を審尋しているときは、この限りでない。
第一項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
第一項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
強制競売の手続において、第五十五条第一項第三号又は第七十七条第一項第三号に掲げる保全処分及び公示保全処分を命ずる決定の執行がされ、かつ、買受人の申立てにより当該決定の被申立人に対して引渡命令が発せられたときは、買受人は、当該引渡命令に基づき、次に掲げる者に対し、不動産の引渡しの強制執行をすることができる。
当該決定の執行がされたことを知つて当該不動産を占有した者
当該決定の執行後に当該執行がされたことを知らないで当該決定の被申立人の占有を承継した者
執行裁判所は、代金の納付があつた場合には、次項に規定する場合を除き、配当表に基づいて配当を実施しなければならない。
債権者が一人である場合又は債権者が二人以上であつて売却代金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる場合には、執行裁判所は、売却代金の交付計算書を作成して、債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。
代金の納付後に第三十九条第一項第一号から第六号までに掲げる文書の提出があつた場合において、他に売却代金の配当又は弁済金の交付(以下「配当等」という。)を受けるべき債権者があるときは、執行裁判所は、その債権者のために配当等を実施しなければならない。
代金の納付後に第三十九条第一項第七号又は第八号に掲げる文書の提出があつた場合においても、執行裁判所は、配当等を実施しなければならない。
配当表に記載された各債権者の債権又は配当の額について不服のある債権者及び債務者は、配当期日において、異議の申出(以下「配当異議の申出」という。)をすることができる。
執行裁判所は、配当異議の申出のない部分に限り、配当を実施しなければならない。
配当異議の申出をした債権者及び執行力のある債務名義の正本を有しない債権者に対し配当異議の申出をした債務者は、配当異議の訴えを提起しなければならない。
前項の訴えは、執行裁判所が管轄する。
第一項の訴えは、原告が最初の口頭弁論期日に出頭しない場合には、その責めに帰することができない事由により出頭しないときを除き、却下しなければならない。
第一項の訴えの判決においては、配当表を変更し、又は新たな配当表の調製のために、配当表を取り消さなければならない。
執行力のある債務名義の正本を有する債権者に対し配当異議の申出をした債務者は、請求異議の訴え又は民事訴訟法第百十七条第一項の訴えを提起しなければならない。
配当等を受けるべき債権者の債権について次に掲げる事由があるときは、裁判所書記官は、その配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。
停止条件付又は不確定期限付であるとき。
仮差押債権者の債権であるとき。
第三十九条第一項第七号又は第百八十三条第一項第二号ホに掲げる文書が提出されているとき。
その債権に係る先取特権、質権又は抵当権(以下この項において「先取特権等」という。)の実行を一時禁止する裁判の正本が提出されているとき。
その債権に係る先取特権等につき仮登記又は民事保全法第五十三条第二項に規定する仮処分による仮登記がされたものであるとき。
仮差押え又は執行停止に係る差押えの登記後に登記された先取特権等があるため配当額が定まらないとき。
配当異議の訴えが提起されたとき。
裁判所書記官は、配当等の受領のために執行裁判所に出頭しなかつた債権者(知れていない抵当証券の所持人を含む。)に対する配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。
前項の規定により配当を実施すべき場合において、前条第一項第一号から第五号までに掲げる事由による供託に係る債権者若しくは同項第六号に掲げる事由による供託に係る仮差押債権者若しくは執行を停止された差押債権者に対して配当を実施することができなくなつたとき、又は同項第七号に掲げる事由による供託に係る債権者が債務者の提起した配当異議の訴えにおいて敗訴したときは、執行裁判所は、配当異議の申出をしなかつた債権者のためにも配当表を変更しなければならない。
第三目 強制管理
執行裁判所は、強制管理の手続を開始するには、強制管理の開始決定をし、その開始決定において、債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言し、かつ、債務者に対し収益の処分を禁止し、及び債務者が賃貸料の請求権その他の当該不動産の収益に係る給付を求める権利(以下「給付請求権」という。)を有するときは、債務者に対して当該給付をする義務を負う者(以下「給付義務者」という。)に対しその給付の目的物を管理人に交付すべき旨を命じなければならない。
前項の収益は、後に収穫すべき天然果実及び既に弁済期が到来し、又は後に弁済期が到来すべき法定果実とする。
強制管理の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
執行裁判所は、強制管理の開始決定と同時に、管理人を選任しなければならない。
信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第三条又は第五十三条第一項の免許を受けた者をいう。)、銀行その他の法人は、管理人となることができる。
管理人は、強制管理の開始決定がされた不動産について、管理並びに収益の収取及び換価をすることができる。
管理人は、民法第六百二条に定める期間を超えて不動産を賃貸するには、債務者の同意を得なければならない。
管理人が数人あるときは、共同してその職務を行う。ただし、執行裁判所の許可を受けて、職務を分掌することができる。
管理人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。
債務者の居住する建物について強制管理の開始決定がされた場合において、債務者が他に居住すべき場所を得ることができないときは、執行裁判所は、申立てにより、債務者及びその者と生計を一にする同居の親族(婚姻又は縁組の届出をしていないが債務者と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にある者を含む。以下「債務者等」という。)の居住に必要な限度において、期間を定めて、その建物の使用を許可することができる。
債務者が管理人の管理を妨げたとき、又は事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
前二項の申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。
管理人は、執行裁判所が監督する。
管理人は、善良な管理者の注意をもつてその職務を行わなければならない。
管理人が前項の注意を怠つたときは、その管理人は、利害関係を有する者に対し、連帯して損害を賠償する責めに任ずる。
管理人は、強制管理のため必要な費用の前払及び執行裁判所の定める報酬を受けることができる。
前項の規定による決定に対しては、執行抗告をすることができる。
重要な事由があるときは、執行裁判所は、利害関係を有する者の申立てにより、又は職権で、管理人を解任することができる。この場合においては、その管理人を審尋しなければならない。
管理人の任務が終了した場合においては、管理人又はその承継人は、遅滞なく、執行裁判所に計算の報告をしなければならない。
執行力のある債務名義の正本を有する債権者及び第百八十一条第一項各号に掲げる文書により一般の先取特権を有することを証明した債権者は、執行裁判所に対し、配当要求をすることができる。
配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
第二款 船舶に対する強制執行
総トン数二十トン以上の船舶(端舟その他ろかい又は主としてろかいをもつて運転する舟を除く。以下この節及び次章において「船舶」という。)に対する強制執行(以下「船舶執行」という。)は、強制競売の方法により行う。
執行裁判所は、強制競売の手続を開始するには、強制競売の開始決定をし、かつ、執行官に対し、船舶の国籍を証する文書その他の船舶の航行のために必要な文書(以下「船舶国籍証書等」という。)を取り上げて執行裁判所に提出すべきことを命じなければならない。ただし、その開始決定前にされた開始決定により船舶国籍証書等が取り上げられているときは、執行官に対する命令を要しない。
強制競売の開始決定においては、債権者のために船舶を差し押さえる旨を宣言し、かつ、債務者に対し船舶の出航を禁止しなければならない。
強制競売の開始決定の送達又は差押えの登記前に執行官が船舶国籍証書等を取り上げたときは、差押えの効力は、その取上げの時に生ずる。
前項の規定による裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
第一項の申立てをするには、執行力のある債務名義の正本を提示し、かつ、同項に規定する事由を疎明しなければならない。
第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第五十五条第八項から第十項までの規定は、第一項の規定による決定について準用する。
差押債権者の債権について、第三十九条第一項第七号又は第八号に掲げる文書が提出されている場合において、債務者が差押債権者及び保証の提供の時(配当要求の終期後にあつては、その終期)までに配当要求をした債権者の債権及び執行費用の総額に相当する保証を買受けの申出前に提供したときは、執行裁判所は、申立てにより、配当等の手続を除き、強制競売の手続を取り消さなければならない。
第一項の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
執行官が強制競売の開始決定の発せられた日から二週間以内に船舶国籍証書等を取り上げることができないときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消さなければならない。
第三款 動産に対する強制執行
債務者の占有する動産の差押えは、執行官がその動産を占有して行う。
執行官は、前項の差押えをするに際し、債務者の住居その他債務者の占有する場所に立ち入り、その場所において、又は債務者の占有する金庫その他の容器について目的物を捜索することができる。この場合において、必要があるときは、閉鎖した戸及び金庫その他の容器を開くため必要な処分をすることができる。
執行官は、相当であると認めるときは、債務者に差し押さえた動産(以下「差押物」という。)を保管させることができる。この場合においては、差押えは、差押物について封印その他の方法で差押えの表示をしたときに限り、その効力を有する。
前条第一項及び第三項から第五項までの規定は、債権者又は提出を拒まない第三者の占有する動産の差押えについて準用する。
差押えの効力は、差押物から生ずる天然の産出物に及ぶ。
差押物について相当な方法による売却の実施をしてもなお売却の見込みがないときは、執行官は、その差押物の差押えを取り消すことができる。
次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。
債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具
債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料
標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭
主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物
主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物
技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)
実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの
仏像、位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物
債務者に必要な系譜、日記、商業帳簿及びこれらに類する書類
債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物
債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具
発明又は著作に係る物で、まだ公表していないもの
債務者等に必要な義手、義足その他の身体の補足に供する物
建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品
先取特権又は質権を有する者は、その権利を証する文書を提出して、配当要求をすることができる。
執行官は、差押物を売却するには、入札又は競り売りのほか、最高裁判所規則で定める方法によらなければならない。
執行官は、手形、小切手その他の金銭の支払を目的とする有価証券でその権利の行使のため定められた期間内に引受け若しくは支払のための提示又は支払の請求(以下「提示等」という。)を要するもの(以下「手形等」という。)を差し押さえた場合において、その期間の始期が到来したときは、債務者に代わつて手形等の提示等をしなければならない。
第三十九条第一項第七号又は第八号に掲げる文書の提出があつた場合において、差押物について著しい価額の減少を生ずるおそれがあるとき、又はその保管のために不相応な費用を要するときは、執行官は、その差押物を売却することができる。
執行官は、有価証券を売却したときは、買受人のために、債務者に代わつて裏書又は名義書換えに必要な行為をすることができる。
停止条件付又は不確定期限付であるとき。
仮差押債権者の債権であるとき。
第三十九条第一項第七号又は第百九十二条において準用する第百八十三条第一項第二号ホに掲げる文書が提出されているとき。
その債権に係る先取特権又は質権の実行を一時禁止する裁判の正本が提出されているとき。
執行官は、配当等の受領のために出頭しなかつた債権者に対する配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。
第八十四条から第八十六条まで及び第八十八条から第九十二条までの規定は、前項の規定により執行裁判所が実施する配当等の手続について準用する。
第四款 債権及びその他の財産権に対する強制執行
第一目 債権執行等
金銭の支払又は船舶若しくは動産の引渡しを目的とする債権(動産執行の目的となる有価証券が発行されている債権を除く。以下この節において「債権」という。)に対する強制執行(第百六十七条の二第二項に規定する少額訴訟債権執行を除く。以下この節において「債権執行」という。)は、執行裁判所の差押命令により開始する。
債権の一部が差し押さえられ、又は仮差押えの執行を受けた場合において、その残余の部分を超えて差押命令が発せられたときは、各差押え又は仮差押えの執行の効力は、その債権の全部に及ぶ。債権の全部が差し押さえられ、又は仮差押えの執行を受けた場合において、その債権の一部について差押命令が発せられたときのその差押えの効力も、同様とする。
登記又は登録(以下「登記等」という。)のされた先取特権、質権又は抵当権によつて担保される債権に対する差押命令が効力を生じたときは、裁判所書記官は、申立てにより、その債権について差押えがされた旨の登記等を嘱託しなければならない。
第三項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。
執行力のある債務名義の正本を有する債権者及び文書により先取特権を有することを証明した債権者は、配当要求をすることができる。
配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
第三債務者は、第百六十一条の二第一項に規定する供託命令の送達を受けたときは、差押えに係る金銭債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託しなければならない。
差押債権者は、債務者に対し、差し押さえた債権の行使を怠つたことによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。
差し押さえられた債権が、条件付若しくは期限付であるとき、又は反対給付に係ることその他の事由によりその取立てが困難であるときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、その債権を執行裁判所が定めた価額で支払に代えて差押債権者に譲渡する命令(以下「譲渡命令」という。)、取立てに代えて、執行裁判所の定める方法によりその債権の売却を執行官に命ずる命令(以下「売却命令」という。)又は管理人を選任してその債権の管理を命ずる命令(以下「管理命令」という。)その他相当な方法による換価を命ずる命令(第百六十七条の十第一項において「譲渡命令等」と総称する。)を発することができる。
執行裁判所は、前項の規定による決定をする場合には、債務者を審尋しなければならない。ただし、債務者が外国にあるとき、又はその住所が知れないときは、この限りでない。
第一項の申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。
第一項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
第百五十九条第二項及び第三項並びに前条の規定は譲渡命令について、第百五十九条第七項の規定は譲渡命令に対する執行抗告について、第六十五条及び第六十八条の規定は売却命令に基づく執行官の売却について、第百五十九条第二項の規定は管理命令について、第八十四条第三項及び第四項、第八十八条、第九十四条第二項、第九十五条第一項、第三項及び第四項、第九十八条から第百四条まで並びに第百六条から第百十条までの規定は管理命令に基づく管理について、それぞれ準用する。この場合において、第八十四条第三項及び第四項中「代金の納付後」とあるのは、「第百六十一条第七項において準用する第百七条第一項の期間の経過後」と読み替えるものとする。
差押債権者又はその法定代理人の住所又は氏名について第二十条において準用する民事訴訟法第百三十三条第一項の決定がされたとき。
債務名義に民事訴訟法第百三十三条第五項(他の法律において準用する場合を含む。)の規定により定められた差押債権者又はその法定代理人の住所又は氏名に代わる事項が表示されているとき。
第一項の申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。
供託命令に対しては、不服を申し立てることができない。
第百五十六条第一項から第三項まで又は第百五十七条第五項の規定による供託がされた場合
売却命令による売却がされた場合
第百六十三条第二項の規定により売得金が提出された場合
第八十四条から第八十六条まで及び第八十八条から第九十二条までの規定は、前項の規定により執行裁判所が実施する配当等の手続について準用する。
第二目 少額訴訟債権執行
少額訴訟における確定判決
仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決
少額訴訟における訴訟費用又は和解の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分
少額訴訟における和解又は認諾の調書又は電子調書
少額訴訟における民事訴訟法第二百七十五条の二第一項の規定による和解に代わる決定
少額訴訟債権執行の手続において裁判所書記官が行う執行処分に関しては、その裁判所書記官の所属する簡易裁判所をもつて執行裁判所とする。
差押処分の申立てについての裁判所書記官の処分に対する執行異議の申立ては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。
前項の執行異議の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
民事訴訟法第七十四条第一項の規定は、差押処分の申立てについての裁判所書記官の処分について準用する。この場合においては、前二項及び同条第三項の規定を準用する。
前項の執行異議の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
前項の執行異議の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
執行裁判所は、申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押処分の全部若しくは一部を取り消し、又は第百六十七条の十四第一項において準用する第百五十二条の規定により差し押さえてはならない金銭債権の部分について差押処分をすべき旨を命ずることができる。
第百五十三条第三項から第五項までの規定は、前二項の申立てがあつた場合について準用する。この場合において、同条第四項中「差押命令」とあるのは、「差押処分」と読み替えるものとする。
執行力のある債務名義の正本を有する債権者及び文書により先取特権を有することを証明した債権者は、裁判所書記官に対し、配当要求をすることができる。
第一項の配当要求を却下する旨の裁判所書記官の処分に対する執行異議の申立ては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。
前項の執行異議の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
少額訴訟債権執行についての第一章及び第二章第一節の規定の適用については、第十三条第一項中「執行裁判所でする手続」とあるのは「第百六十七条の二第二項に規定する少額訴訟債権執行の手続」と、第十六条第一項中「執行裁判所」とあるのは「裁判所書記官」と、第十七条中「執行裁判所の行う民事執行」とあるのは「第百六十七条の二第二項に規定する少額訴訟債権執行」と、第四十条第一項中「執行裁判所又は執行官」とあるのは「裁判所書記官」と、第四十二条第四項中「執行裁判所の裁判所書記官」とあるのは「裁判所書記官」とする。
第百四十六条から第百五十二条まで、第百五十五条、第百五十六条(第三項を除く。)、第百五十七条、第百五十八条、第百六十四条第五項及び第六項並びに第百六十五条(第三号及び第四号を除く。)の規定は、少額訴訟債権執行について準用する。この場合において、第百四十六条、第百五十五条第四項から第六項まで及び第八項並びに第百五十六条第四項中「執行裁判所」とあるのは「裁判所書記官」と、第百四十六条第一項中「差押命令を発する」とあるのは「差押処分をする」と、第百四十七条第一項、第百四十八条第二項、第百五十条、第百五十五条第一項、第六項及び第七項並びに第百五十六条第一項中「差押命令」とあるのは「差押処分」と、第百四十七条第一項及び第百四十八条第一項中「差押えに係る債権」とあるのは「差押えに係る金銭債権」と、第百四十九条中「差押命令が発せられたとき」とあるのは「差押処分がされたとき」と、第百五十五条第七項中「決定」とあるのは「裁判所書記官の処分」と、第百六十四条第五項中「差押命令の取消決定」とあるのは「差押処分の取消決定若しくは差押処分を取り消す旨の裁判所書記官の処分」と、第百六十五条(見出しを含む。)中「配当等」とあるのは「弁済金の交付」と読み替えるものとする。
第百六十七条の五第六項から第八項までの規定は、前項において読み替えて準用する第百五十五条第六項の規定による裁判所書記官の処分がされた場合について準用する。
第五款 扶養義務等に係る金銭債権についての強制執行の特例
第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る金銭債権についての強制執行は、前各款の規定により行うほか、債権者の申立てがあるときは、執行裁判所が第百七十二条第一項に規定する方法により行う。ただし、債務者が、支払能力を欠くためにその金銭債権に係る債務を弁済することができないとき、又はその債務を弁済することによつてその生活が著しく窮迫するときは、この限りでない。
事情の変更があつたときは、執行裁判所は、債務者の申立てにより、その申立てがあつた時(その申立てがあつた後に事情の変更があつたときは、その事情の変更があつた時)までさかのぼつて、第一項の規定による決定を取り消すことができる。
前項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。
債権者が第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第三十条第一項の規定にかかわらず、当該定期金債権のうち六月以内に確定期限が到来するものについても、前条第一項に規定する方法による強制執行を開始することができる。
第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者が次の各号に掲げる申立てをした場合には、当該申立てと同時に、当該各号に定める申立てをしたものとみなす。ただし、当該債権者が当該各号に掲げる申立ての際に反対の意思を表示したときは、この限りでない。
前項に規定する場合(同項第一号に掲げる申立てをした場合に限る。)において、執行裁判所の呼出しを受けた債務者(債務者に法定代理人がある場合にあつては、当該法定代理人)がその財産を開示しなかつたときは、債権者が別段の意思を表示した場合を除き、執行裁判所は、債務者の住所のある市町村(特別区を含む。第二百六条第一項第一号において同じ。)に対し、同号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。
第二百五条第三項から第五項までの規定は前項の規定による裁判について、第二百八条の規定は当該裁判により命じられた情報の提供について、それぞれ準用する。
申立人
債務者に対する第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る請求権又は人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者
債務者の財産について一般の先取特権(民法第三百六条第三号に係るものに限る。)を有することを証する文書を提出した債権者
債務者
当該情報の提供をした者
不動産等(不動産又は人の居住する船舶等をいう。以下この条及び次条において同じ。)の引渡し又は明渡しの強制執行は、執行官が債務者の不動産等に対する占有を解いて債権者にその占有を取得させる方法により行う。
第一項の強制執行は、債権者又はその代理人が執行の場所に出頭したときに限り、することができる。
執行官は、第一項の強制執行においては、その目的物でない動産を取り除いて、債務者、その代理人又は同居の親族若しくは使用人その他の従業者で相当のわきまえのあるものに引き渡さなければならない。この場合において、その動産をこれらの者に引き渡すことができないときは、執行官は、最高裁判所規則で定めるところにより、これを売却することができる。
第百六十八条第一項に規定する動産以外の動産(有価証券を含む。)の引渡しの強制執行は、執行官が債務者からこれを取り上げて債権者に引き渡す方法により行う。
第百二十二条第二項、第百二十三条第二項及び第百六十八条第五項から第八項までの規定は、前項の強制執行について準用する。
次の各号に掲げる強制執行は、執行裁判所がそれぞれ当該各号に定める旨を命ずる方法により行う。
作為を目的とする債務についての強制執行 債務者の費用で第三者に当該作為をさせること。
不作為を目的とする債務についての強制執行 債務者の費用で、債務者がした行為の結果を除去し、又は将来のため適当な処分をすべきこと。
前項の執行裁判所は、第三十三条第二項第一号又は第六号に掲げる債務名義の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める裁判所とする。
執行裁判所は、第一項の規定による決定をする場合には、債務者を審尋しなければならない。
執行裁判所は、第一項の規定による決定をする場合には、申立てにより、債務者に対し、その決定に掲げる行為をするために必要な費用をあらかじめ債権者に支払うべき旨を命ずることができる。
作為又は不作為を目的とする債務で前条第一項の強制執行ができないものについての強制執行は、執行裁判所が、債務者に対し、遅延の期間に応じ、又は相当と認める一定の期間内に履行しないときは直ちに、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額の金銭を債権者に支払うべき旨を命ずる方法により行う。
事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定による決定を変更することができる。
執行裁判所は、前二項の規定による決定をする場合には、申立ての相手方を審尋しなければならない。
第一項の規定により命じられた金銭の支払があつた場合において、債務不履行により生じた損害の額が支払額を超えるときは、債権者は、その超える額について損害賠償の請求をすることを妨げられない。
子の引渡しの強制執行は、次の各号に掲げる方法のいずれかにより行う。
執行裁判所が決定により執行官に子の引渡しを実施させる方法
第百七十二条第一項に規定する方法
前項第一号に掲げる方法による強制執行の申立ては、次の各号のいずれかに該当するときでなければすることができない。
第百七十二条第一項の規定による決定が確定した日から二週間を経過したとき(当該決定において定められた債務を履行すべき一定の期間の経過がこれより後である場合にあつては、その期間を経過したとき)。
前項第二号に掲げる方法による強制執行を実施しても、債務者が子の監護を解く見込みがあるとは認められないとき。
子の急迫の危険を防止するため直ちに強制執行をする必要があるとき。
執行裁判所は、第一項第一号の規定による決定をする場合には、債務者を審尋しなければならない。ただし、子に急迫した危険があるときその他の審尋をすることにより強制執行の目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。
執行裁判所は、第一項第一号の規定による決定において、執行官に対し、債務者による子の監護を解くために必要な行為をすべきことを命じなければならない。
執行官は、債務者による子の監護を解くために必要な行為として、債務者に対し説得を行うほか、債務者の住居その他債務者の占有する場所において、次に掲げる行為をすることができる。
その場所に立ち入り、子を捜索すること。この場合において、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすること。
債権者若しくはその代理人と子を面会させ、又は債権者若しくはその代理人と債務者を面会させること。
その場所に債権者又はその代理人を立ち入らせること。
執行裁判所は、子の住居が第一項に規定する場所以外の場所である場合において、債務者と当該場所の占有者との関係、当該占有者の私生活又は業務に与える影響その他の事情を考慮して相当と認めるときは、債権者の申立てにより、当該占有者の同意に代わる許可をすることができる。
執行裁判所は、いつでも前項の決定を取り消すことができる。
執行官は、第六条第一項の規定にかかわらず、子に対して威力を用いることはできない。子以外の者に対して威力を用いることが子の心身に有害な影響を及ぼすおそれがある場合においては、当該子以外の者についても、同様とする。
執行裁判所及び執行官は、第百七十四条第一項第一号に掲げる方法による子の引渡しの強制執行の手続において子の引渡しを実現するに当たつては、子の年齢及び発達の程度その他の事情を踏まえ、できる限り、当該強制執行が子の心身に有害な影響を及ぼさないように配慮しなければならない。
債務者の意思表示が反対給付との引換えに係る場合においては、執行文は、債権者が反対給付又はその提供のあつたことを証する文書を提出したときに限り、付与することができる。
債務者の意思表示が債務者の証明すべき事実のないことに係る場合において、執行文の付与の申立てがあつたときは、裁判所書記官は、債務者に対し一定の期間を定めてその事実を証明する文書を提出すべき旨を催告し、債務者がその期間内にその文書を提出しないときに限り、執行文を付与することができる。
削除
担保権の登記(仮登記を除く。)がされた不動産についての不動産担保権の実行の申立て
次に掲げるいずれかの文書又は電磁的記録
担保権の存在を証する確定判決若しくは家事事件手続法第七十五条の審判又はこれらと同一の効力を有するものの謄本又は記録事項証明書
担保権の存在を証する公証人が作成した公証人法第四十三条第一項第一号の公正証書の謄本、同項第二号の書面(公正証書に記録されている事項の全部を出力したものに限る。)又は同項第三号の電磁的記録(公正証書に記録されている事項の全部を記録したものに限る。)
一般の先取特権にあつては、その存在を証する文書又は電磁的記録
抵当証券の所持人が不動産担保権の実行の申立てをするには、抵当証券を提出しなければならない。
担保権について承継があつた後不動産担保権の実行の申立てをする場合には、相続その他の一般承継にあつてはその承継を証する文書を、その他の承継にあつてはその承継を証する裁判の謄本その他の公文書を提出しなければならない。
不動産担保権の実行の開始決定に対する執行抗告又は執行異議の申立てにおいては、債務者又は不動産の所有者(不動産とみなされるものにあつては、その権利者。以下同じ。)は、担保権の不存在又は消滅を理由とすることができる。
担保権の登記の抹消がされた不動産についての不動産担保権の実行の手続の停止の申立て
次に掲げるいずれかの文書(ハにあつては、文書又は電磁的記録)
担保権のないことを証する確定判決(確定判決と同一の効力を有するものを含む。ロにおいて同じ。)の謄本又は記録事項証明書
第百八十一条第一項第一号の登記を抹消すべき旨を命じ、又は同項第二号イに掲げる裁判若しくはこれと同一の効力を有するものを取り消し、若しくはその効力がないことを宣言する確定判決の謄本又は記録事項証明書
担保権の実行をしない旨、その実行の申立てを取り下げる旨又は債権者が担保権によつて担保される債権の弁済を受け、若しくはその債権の弁済の猶予をした旨を記載した裁判上の和解の調書その他の公文書の謄本(公文書が電磁的記録をもつて作成されている場合にあつては、当該電磁的記録に記録されている事項の全部を記録した電磁的記録)
担保権の実行を一時禁止する裁判の謄本又は記録事項証明書
担保不動産競売における代金の納付による買受人の不動産の取得は、担保権の不存在又は消滅により妨げられない。
削除
前項の場合において、第五十五条第一項第二号又は第三号に掲げる保全処分は、次に掲げる場合のいずれかに該当するときでなければ、命ずることができない。
第一項の規定による申立てをするには、担保不動産競売の申立てをする場合において第百八十一条第一項から第三項までの規定により提出すべき文書を提示しなければならない。
第五十五条第三項から第五項までの規定は第一項の規定による決定について、同条第六項の規定は第一項又はこの項において準用する同条第五項の申立てについての裁判について、同条第七項の規定はこの項において準用する同条第五項の規定による決定について、同条第八項及び第九項並びに第五十五条の二の規定は第一項の規定による決定(第五十五条第一項第一号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずるものを除く。)について、第五十五条第十項の規定は第一項の申立て又は同項の規定による決定(同条第一項第一号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずるものを除く。)の執行に要した費用について、第八十三条の二の規定は第一項の規定による決定(第五十五条第一項第三号に掲げる保全処分及び公示保全処分を命ずるものに限る。)の執行がされた場合について準用する。この場合において、第五十五条第三項中「債務者以外の占有者」とあるのは、「債務者及び不動産の所有者以外の占有者」と読み替えるものとする。
前章第二節第二款及び第百八十一条から第百八十四条までの規定は、船舶を目的とする担保権の実行としての競売について準用する。この場合において、第百十五条第三項中「執行力のある債務名義の正本を提示し、かつ、同項に規定する事由を疎明しなければ」とあるのは「同項に規定する事由を疎明し、かつ、担保権の登記(仮登記を除く。)がされている場合を除き、第百八十九条において準用する第百八十一条第一項(第一号を除く。)、第二項若しくは第三項の規定により提出すべき文書を提示し、又はこれらの規定により提出すべき電磁的記録を提出しなければ」と、第百八十一条第一項第二号ハ中「一般の先取特権」とあるのは「先取特権」と読み替えるものとする。
動産競売に係る差押えに対する執行異議の申立てにおいては、債務者又は動産の所有者は、担保権の不存在若しくは消滅又は担保権によつて担保される債権の一部の消滅を理由とすることができる。
第百四十三条に規定する債権及び第百六十七条第一項に規定する財産権(以下この項において「その他の財産権」という。)を目的とする担保権の実行は、担保権の存在を証する文書又は電磁的記録が提出されたとき(権利の移転について登記等を要するその他の財産権を目的とする担保権で一般の先取特権以外のものについては、担保権の登記等(仮登記又は仮登録を除く。)がされている場合においてその担保権の実行の申立てがあつたとき又は第百八十一条第一項第二号イ若しくはロ、第二項若しくは第三項に規定する文書若しくは電磁的記録が提出されたとき)に限り、開始する。担保権を有する者が目的物の売却、賃貸、滅失若しくは損傷又は目的物に対する物権の設定若しくは土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)による収用その他の行政処分により債務者が受けるべき金銭その他の物に対して民法その他の法律の規定によつてするその権利の行使についても、同様とする。
前項において準用する第百四十五条第二項の規定にかかわらず、債権者が民法第七百六十六条の三(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務に係る金銭債権を請求する場合には、執行裁判所は、一般の先取特権(同法第三百六条第三号に係るものに限る。)の実行としての差押命令を発するに際し、必要があると認めるときは、債務者を審尋することができる。
留置権による競売及び民法、商法その他の法律の規定による換価のための競売については、担保権の実行としての競売の例による。
第一節 財産開示手続
この節の規定による債務者の財産の開示に関する手続(以下「財産開示手続」という。)については、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより、債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。
執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当するときは、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者の申立てにより、当該債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。
強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より六月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該先取特権の被担保債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。
知れている財産に対する担保権の実行を実施しても、申立人が前号の被担保債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。
債務者が当該財産開示期日において一部の財産を開示しなかつたとき。
債務者が当該財産開示期日の後に新たに財産を取得したとき。
当該財産開示期日の後に債務者と使用者との雇用関係が終了したとき。
前項の陳述においては、陳述の対象となる財産について、第二章第二節の規定による強制執行又は前章の規定による担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項その他申立人に開示する必要があるものとして最高裁判所規則で定める事項を明示しなければならない。
執行裁判所は、申立人が出頭しないときであつても、財産開示期日における手続を実施することができる。
財産開示期日における手続は、公開しない。
民事訴訟法第百九十五条及び第二百六条の規定は前各項の規定による手続について、同法第二百一条第一項及び第二項の規定は開示義務者について準用する。
財産開示事件の記録中財産開示期日に関する部分についての第十七条の規定による請求は、次に掲げる者に限り、することができる。
申立人
債務者に対する金銭債権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者
債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者
債務者又は開示義務者
第二節 第三者からの情報取得手続
この節の規定による債務者の財産に係る情報の取得に関する手続(以下「第三者からの情報取得手続」という。)については、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、この普通裁判籍がないときはこの節の規定により情報の提供を命じられるべき者の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当するときは、それぞれ当該各号に定める者の申立てにより、法務省令で定める登記所に対し、債務者が所有権の登記名義人である土地又は建物その他これらに準ずるものとして法務省令で定めるものに対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるものについて情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、第一号に掲げる場合において、同号に規定する執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
第百九十七条第一項各号のいずれかに該当する場合 執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者
第百九十七条第二項各号のいずれかに該当する場合 債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者
第一項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
第一項の申立てを認容する決定は、確定しなければその効力を生じない。
執行裁判所は、第百九十七条第一項各号のいずれかに該当するときは、第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る請求権又は人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者の申立てにより、次の各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
市町村 債務者が支払を受ける地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百十七条の二第一項ただし書に規定する給与に係る債権に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの(当該市町村が債務者の市町村民税(特別区民税を含む。)に係る事務に関して知り得たものに限る。)
日本年金機構、国家公務員共済組合、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団 債務者(厚生年金保険の被保険者であるものに限る。以下この号において同じ。)が支払を受ける厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第三条第一項第三号に規定する報酬又は同項第四号に規定する賞与に係る債権に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの(情報の提供を命じられた者が債務者の厚生年金保険に係る事務に関して知り得たものに限る。)
執行裁判所は、第百九十七条第二項各号のいずれかに該当するときは、債務者の財産について一般の先取特権(民法第三百六条第三号に係るものに限る。)を有することを証する文書を提出した債権者の申立てにより、前項各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。
前条第二項から第五項までの規定は、前二項の申立て及び当該申立てについての裁判について準用する。
執行裁判所は、第百九十七条第一項各号のいずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより、次の各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
銀行等(銀行、信用金庫、信用金庫連合会、労働金庫、労働金庫連合会、信用協同組合、信用協同組合連合会、農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、農林中央金庫、株式会社商工組合中央金庫又は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構をいう。以下この号において同じ。) 債務者の当該銀行等に対する預貯金債権(民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権をいう。)に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの
振替機関等(社債、株式等の振替に関する法律第二条第五項に規定する振替機関等をいう。以下この号において同じ。) 債務者の有する振替社債等(同法第二百七十九条に規定する振替社債等であつて、当該振替機関等の備える振替口座簿における債務者の口座に記載され、又は記録されたものに限る。)に関する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの
前二項の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
第二百五条又は第二百七条の規定による第三者からの情報取得手続に係る事件の記録中前条第一項の情報の提供に関する部分についての第十七条の規定による請求は、次に掲げる者に限り、することができる。
申立人
債務者に対する金銭債権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者
債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者
債務者
当該情報の提供をした者
第二百六条の規定による第三者からの情報取得手続に係る事件の記録中前条第一項の情報の提供に関する部分についての第十七条の規定による請求は、次に掲げる者に限り、することができる。
申立人
債務者に対する第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る請求権又は人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者
債務者の財産について一般の先取特権(民法第三百六条第三号に係るものに限る。)を有することを証する文書を提出した債権者
債務者
当該情報の提供をした者
申立人は、第三者からの情報取得手続において得られた債務者の財産に関する情報を、当該債務者に対する債権をその本旨に従つて行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
第三十九条及び第四十条の規定は執行力のある債務名義の正本に基づく第三者からの情報取得手続について、第四十二条(第二項を除く。)の規定は第三者からの情報取得手続について、第百八十二条及び第百八十三条の規定は一般の先取特権に基づく第三者からの情報取得手続について、それぞれ準用する。
第五章 罰則
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
売却基準価額の決定に関し、執行裁判所の呼出しを受けた審尋の期日において、正当な理由なく、出頭せず、若しくは陳述を拒み、又は虚偽の陳述をした者
第百九十九条第七項において準用する民事訴訟法第二百一条第一項の規定により財産開示期日において宣誓した開示義務者であつて、正当な理由なく第百九十九条第一項から第四項までの規定により陳述すべき事項について陳述をせず、又は虚偽の陳述をしたもの
前条に規定する過料の事件は、執行裁判所の管轄とする。