第六章 訴えの提起前における証拠収集の処分等
訴えを提起しようとする者が訴えの被告となるべき者に対し訴えの提起を予告する通知(以下この章において「予告通知」という。)を書面でした場合には、その予告通知をした者(以下この章において「予告通知者」という。)は、その予告通知を受けた者(以下この章において「被予告通知者」という。)に対し、その予告通知をした日から四月以内に限り、訴えの提起前に、訴えを提起した場合の主張又は立証を準備するために必要であることが明らかな事項について、相当の期間を定めて、書面により、又は被予告通知者の選択により書面若しくは電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって最高裁判所規則で定めるものをいう。以下同じ。)のいずれかにより回答するよう、書面により照会をすることができる。ただし、その照会が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
第百六十三条第一項各号のいずれかに該当する照会
相手方又は第三者の私生活についての秘密に関する事項についての照会であって、これに回答することにより、その相手方又は第三者が社会生活を営むのに支障を生ずるおそれがあるもの
相手方又は第三者の営業秘密に関する事項についての照会
予告通知の書面には、提起しようとする訴えに係る請求の要旨及び紛争の要点を記載しなければならない。
必要な調査を官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は学校、商工会議所、取引所その他の団体(次条第一項第二号において「官公署等」という。)に嘱託すること。
専門的な知識経験を有する者にその専門的な知識経験に基づく意見の陳述を嘱託すること。
執行官に対し、物の形状、占有関係その他の現況について調査を命ずること。
次の各号に掲げる処分の申立ては、それぞれ当該各号に定める地を管轄する地方裁判所にしなければならない。
前条第一項第四号の処分の申立て 調査に係る物の所在地
裁判所は、第百三十二条の四第一項第一号から第三号までの処分をする場合には、嘱託を受けた者が文書若しくは電磁的記録の送付、調査結果の報告又は意見の陳述をすべき期間を定めなければならない。
第百三十二条の四第一項第二号の嘱託若しくは同項第四号の命令に係る調査結果の報告又は同項第三号の嘱託に係る意見の陳述は、書面でしなければならない。
裁判所は、第百三十二条の四第一項の処分に基づいて文書若しくは電磁的記録の送付、調査結果の報告又は意見の陳述がされたときは、申立人及び相手方にその旨を通知しなければならない。この場合において、送付に係る文書若しくは電磁的記録を記録した記録媒体又は調査結果の報告若しくは意見の陳述に係る書面若しくは電磁的記録を記録した記録媒体については、第百三十二条の十三の規定は、適用しない。
第百八十条第一項の規定は第百三十二条の四第一項の処分について、第百八十四条第一項の規定は第百三十二条の四第一項第一号から第三号までの処分について、第二百十三条の規定は同号の処分について、第二百三十一条の三第二項の規定は第百三十二条の四第一項第一号の処分について、それぞれ準用する。
第九十一条(第二項を除く。)の規定は非電磁的証拠収集処分記録の閲覧等(第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録(ファイル記録事項に係る部分を除く。)の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製をいう。第百三十三条第三項において同じ。)の請求について、第九十一条の二の規定は電磁的証拠収集処分記録の閲覧等(第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録中ファイル記録事項に係る部分の閲覧若しくは複写又はファイル記録事項の全部若しくは一部を証明した書面の交付若しくはファイル記録事項の全部若しくは一部を証明した電磁的記録の提供をいう。第百三十三条第三項において同じ。)の請求について、第九十一条の三の規定は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件に関する事項を証明した書面の交付又は当該事項を証明した電磁的記録の提供の請求について、それぞれ準用する。この場合において、第九十一条第一項及び第九十一条の二第一項中「何人も」とあるのは「申立人及び相手方は」と、第九十一条第三項、第九十一条の二第二項及び第三項並びに第九十一条の三中「当事者及び利害関係を疎明した第三者」とあるのは「申立人及び相手方」と、第九十一条第四項中「当事者又は利害関係を疎明した第三者」とあるのは「申立人又は相手方」と読み替えるものとする。
第百三十二条の四第一項の処分の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
第百三十二条の四第一項の処分の申立てについての裁判に関する費用は、申立人の負担とする。