債務者の居住する建物について強制管理の開始決定がされた場合において、債務者が他に居住すべき場所を得ることができないときは、執行裁判所は、申立てにより、債務者及びその者と生計を一にする同居の親族(婚姻又は縁組の届出をしていないが債務者と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にある者を含む。以下「債務者等」という。)の居住に必要な限度において、期間を定めて、その建物の使用を許可することができる。
債務者が管理人の管理を妨げたとき、又は事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
前二項の申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。
管理人は、執行裁判所が監督する。
管理人は、善良な管理者の注意をもつてその職務を行わなければならない。
管理人が前項の注意を怠つたときは、その管理人は、利害関係を有する者に対し、連帯して損害を賠償する責めに任ずる。
管理人は、強制管理のため必要な費用の前払及び執行裁判所の定める報酬を受けることができる。
前項の規定による決定に対しては、執行抗告をすることができる。
重要な事由があるときは、執行裁判所は、利害関係を有する者の申立てにより、又は職権で、管理人を解任することができる。この場合においては、その管理人を審尋しなければならない。
管理人の任務が終了した場合においては、管理人又はその承継人は、遅滞なく、執行裁判所に計算の報告をしなければならない。
執行力のある債務名義の正本を有する債権者及び第百八十一条第一項各号に掲げる文書により一般の先取特権を有することを証明した債権者は、執行裁判所に対し、配当要求をすることができる。
配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
第二款 船舶に対する強制執行
総トン数二十トン以上の船舶(端舟その他ろかい又は主としてろかいをもつて運転する舟を除く。以下この節及び次章において「船舶」という。)に対する強制執行(以下「船舶執行」という。)は、強制競売の方法により行う。
執行裁判所は、強制競売の手続を開始するには、強制競売の開始決定をし、かつ、執行官に対し、船舶の国籍を証する文書その他の船舶の航行のために必要な文書(以下「船舶国籍証書等」という。)を取り上げて執行裁判所に提出すべきことを命じなければならない。ただし、その開始決定前にされた開始決定により船舶国籍証書等が取り上げられているときは、執行官に対する命令を要しない。
強制競売の開始決定においては、債権者のために船舶を差し押さえる旨を宣言し、かつ、債務者に対し船舶の出航を禁止しなければならない。
強制競売の開始決定の送達又は差押えの登記前に執行官が船舶国籍証書等を取り上げたときは、差押えの効力は、その取上げの時に生ずる。
前項の規定による裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
第一項の申立てをするには、執行力のある債務名義の正本を提示し、かつ、同項に規定する事由を疎明しなければならない。
第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第五十五条第八項から第十項までの規定は、第一項の規定による決定について準用する。