生活保護法
国が、生活に困窮するすべての国民に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長するための法律です。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 126
- 施行前の改正
- 5
この法令の内容
- 保護は、生活に困窮する人が、利用できる資産、能力その他あらゆるものを、最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われます。民法に定める扶養義務者の扶養と、他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護より優先して行われます。ただし、急迫した事由がある場合に必要な保護を行うことは、これらの規定によって妨げられません。(第四条第一項, 第四条第二項, 第四条第三項)(根拠条文)
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- 保護は、厚生労働大臣の定める基準で測った要保護者の需要のうち、その人の金銭や物品で満たすことのできない不足分を補う程度で行われます。この基準は、年齢、性別、世帯構成、所在地域その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した、最低限度の生活の需要を満たすのに十分なもので、かつ、それを超えないものでなければなりません。この法律で保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持できるものでなければなりません。保護が必要かどうかとその程度は、世帯を単位として決められます。これによりがたいときは、個人を単位として決めることができます。(第三条第一項, 第八条第一項, 第八条第二項, 第十条第一項)(根拠条文)
- 保護の種類は、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8つです。これらは、要保護者の必要に応じて、単独で、または組み合わせて行われます。医療扶助と介護扶助は現物給付で行われ、医療の給付は、医療保護施設や指定医療機関を通じて行われます。そのほかの6つの扶助は金銭給付で行われます。いずれも、その方法によることができないとき、適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、もう一方の方法で行うことができます。(第十一条第一項, 第十一条第二項, 第三十一条第一項, 第三十二条第一項, 第三十三条第一項, 第三十四条第一項, 第三十四条第二項, 第三十四条の二第一項, 第三十五条第一項, 第三十六条第一項, 第三十七条第一項)(根拠条文)
- 保護は、要保護者、その扶養義務者、またはその他の同居の親族の申請に基づいて始まります。保護の開始を申請する人は、要保護者の氏名と住所、申請者が要保護者と異なるときは申請者の氏名と住所と要保護者との関係、保護を受けようとする理由、要保護者の資産と収入の状況、その他厚生労働省令で定める事項を書いた申請書を、厚生労働省令で定める書類を添えて、保護の実施機関に提出します。申請書を作成できない特別の事情があるとき、また書類を添付できない特別の事情があるときは、この限りではありません。申請は、福祉事務所を設置しない町村の長を経由してすることもでき、その町村長は5日以内に申請を保護の実施機関に送付しなければなりません。保護の変更の申請にも、同じ規定が準用されます。(第七条第一項, 第二十四条第一項, 第二十四条第二項, 第二十四条第九項, 第二十四条第十項, 第十九条第六項)(根拠条文)
- 保護の実施機関は、保護の開始の申請があったときは、保護の要否、種類、程度、方法を決定し、決定の理由を付けた書面で申請者に通知しなければなりません。この通知は、申請のあった日から14日以内にしなければなりません。扶養義務者の資産と収入の状況の調査に日時がかかる場合など特別な理由がある場合は30日まで延ばすことができ、そのときは通知の書面にその理由を明示しなければなりません。申請してから30日以内に通知がないときは、申請者は、保護の実施機関が申請を却下したものとみなすことができます。(第二十四条第三項, 第二十四条第四項, 第二十四条第五項, 第二十四条第六項, 第二十四条第七項)(根拠条文)
- 被保護者は、正当な理由がなければ、すでに決定された保護を不利益に変更されることはありません。保護金品と進学・就職準備給付金を標準として租税その他の公課を課せられることはなく、すでに給与を受けた保護金品と進学・就職準備給付金や、これらを受ける権利を差し押さえられることもありません。保護や、就労自立給付金、進学・就職準備給付金の支給を受ける権利は、譲り渡すことができません。(第五十六条第一項, 第五十七条第一項, 第五十八条第一項, 第五十九条第一項)(根拠条文)
- 被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、自ら健康の保持と増進に努め、収入、支出その他の生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持と向上に努めなければなりません。収入、支出その他の生計の状況に変動があったとき、または居住地や世帯の構成に異動があったときは、すみやかに、保護の実施機関または福祉事務所長に届け出なければなりません。(第六十条第一項, 第六十一条第一項)(根拠条文)
- 都道府県知事、市長、福祉事務所を管理する町村長は、厚生労働省令で定める安定した職業に就いたことその他厚生労働省令で定める事由により保護を必要としなくなったと認めた被保護者に、就労自立給付金を支給します。また、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある被保護者や、そのほか厚生労働省令で定める被保護者で、厚生労働省令で定める教育訓練施設に確実に入学すると見込まれる人、厚生労働省令で定める安定した職業に確実に就くと見込まれる人、またはこれに準ずる人として厚生労働省令で定める人に、進学・就職準備給付金を支給します。これらの給付金の支給を受ける権利は、これを行うことができる時から2年を経過すると、時効によって消滅します。(第五十五条の四第一項, 第五十五条の五第一項, 第五十五条の五第一項第一号, 第五十五条の五第一項第二号, 第七十六条の三第一項)(根拠条文)
目次
126 549 233 81 113
- 第一章 総則第一条〜第六条(6条)
- 第二章 保護の原則第七条〜第十条(4条)
- 第三章 保護の種類及び範囲第十一条〜第十八条(9条)
- 第四章 保護の機関及び実施第十九条〜第二十九条の二(14条)
- 第五章 保護の方法第三十条〜第三十七条の二(10条)
- 第六章 保護施設第三十八条〜第四十八条(11条)
- 第七章 医療機関、介護機関及び助産機関第四十九条〜第五十五条の三(13条)
- 第八章 就労自立給付金及び進学・就職準備給付金第五十五条の四〜第五十五条の六(3条)
- 第九章 被保護者就労支援事業等第五十五条の七〜第五十五条の十一(5条)
- 第十章 被保護者の権利及び義務第五十六条〜第六十三条(8条)
- 第十一章 不服申立て第六十四条〜第六十九条(5条)
- 第十二章 費用第七十条〜第八十条(16条)
- 第十三章 雑則第八十条の二〜第八十七条(22条)
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、公布済みでまだの改正が5件あります。最近の改正は下にあります。改正のページには、e-Govが記録するすべての改正を載せ、変更内容まで収録している改正は条文ごとに日本語と英語で示します。
2027年4月1日
5か月後
社会福祉法等の一部を改正する法律
2027年4月1日
5か月後
医療法等の一部を改正する法律
2028年6月24日まで
遅くとも2年後
社会福祉法等の一部を改正する法律
公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
日付未定
施行日は未確定
民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
民法等の一部を改正する法律(令和八年法律第四十五号)の施行の日
2029年6月24日まで
遅くとも3年後
社会福祉法等の一部を改正する法律
公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日
施行済みの改正 38件
2026年10月1日
このサイトの条文
医療法等の一部を改正する法律
2026年6月25日
社会福祉法等の一部を改正する法律
2026年6月24日
民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
2026年4月1日
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2026年4月1日
全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律
2025年10月1日
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律
2025年6月1日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律 抄
2025年4月1日
生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律
2024年10月1日
子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律
2024年10月1日
生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律
誰に適用されるか
適用される
- 生活に困窮する国民。この法律は、現に保護を受けているかどうかにかかわらず保護を必要とする状態にある人を「要保護者」、現に保護を受けている人を「被保護者」と呼びます。第1条と第2条は、この法律による保障と、この法律の定める要件を満たす限り保護を無差別平等に受けることができることを、国民について定めています。第19条は、都道府県知事、市長、福祉事務所を管理する町村長が、その福祉事務所の所管区域内に居住地がある要保護者や、居住地がないか明らかでなく区域内に現在地がある要保護者について、保護を決定し実施すると定めています。(第一条第一項, 第二条第一項, 第六条第一項, 第六条第二項, 第十九条第一項)(根拠条文)
- 民法に定める扶養義務者。扶養義務者の扶養は保護より優先して行われます。知れている扶養義務者が民法の扶養義務を果たしていないと認められる場合、保護の実施機関は、保護の開始を決定する前に、その扶養義務者に書面で通知しなければなりません。ただし、あらかじめ通知することが適当でない場合として厚生労働省令で定める場合は除かれます。扶養義務者は申請書の内容について報告を求められることがあり、保護費を支弁した都道府県または市町村の長は、扶養の義務の範囲内で、その費用の全部または一部を扶養義務者から徴収することができます。負担額について協議が調わないときや協議ができないときは、保護の実施機関の申立てにより家庭裁判所が定めます。(第四条第二項, 第二十四条第八項, 第二十八条第二項, 第七十七条第一項, 第七十七条第二項)(根拠条文)
続き
- 保護施設。救護施設、更生施設、医療保護施設、授産施設、宿所提供施設の5種類で、都道府県、市町村、地方独立行政法人のほかは、社会福祉法人と日本赤十字社でなければ設置できません。社会福祉法人と日本赤十字社が設置するには、都道府県知事の認可が必要です。保護施設は、保護の実施機関から保護のための委託を受けたとき、正当な理由なく拒んではなりません。また、入所や処遇に当たって、人種、信条、社会的身分、門地により差別的または優先的な取扱いをしてはならず、利用者に宗教上の行為、祝典、儀式、行事への参加を強制してはなりません。(第三十八条第一項, 第四十条第一項, 第四十条第二項, 第四十一条第一項, 第四十一条第二項, 第四十七条第一項, 第四十七条第二項, 第四十七条第三項)(根拠条文)
- この法律による医療扶助などを担当するよう指定された機関。国が開設した病院、診療所、薬局は厚生労働大臣が、それ以外の病院、診療所、薬局は都道府県知事が指定します。介護機関、助産師、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師も指定を受けます。指定医療機関は、厚生労働大臣の定めるところにより懇切丁寧に被保護者の医療を担当し、厚生労働大臣や都道府県知事の指導に従わなければなりません。診療方針と診療報酬は国民健康保険の例によります。指定は6年ごとに更新を受けなければ、効力を失います。(第四十九条第一項, 第四十九条の三第一項, 第五十条第一項, 第五十条第二項, 第五十二条第一項, 第五十四条の二第一項, 第五十五条第一項)(根拠条文)
- すべての人、業として行為をする人。受給者番号や公費負担者番号(受給者番号等)を利用する者として厚生労働省令で定める人以外は、厚生労働省令で定める場合を除き、誰に対しても受給者番号等を告げるよう求めてはなりません。何人も、法律や厚生労働省令で認められた場合を除き、業として行う行為に関し、売買、貸借、雇用その他の契約の申込みをしようとする人、申込みをする人、契約を結んだ人に対して、その人やほかの人の受給者番号等を告げるよう求めてはなりません。また、業として、受給者番号等が記録された、ほかに提供することが予定されているデータベースを構成してはなりません。(第八十条の二第一項, 第八十条の二第二項, 第八十条の二第三項, 第八十条の二第四項)(根拠条文)
- 国、都道府県、市町村。第19条第1項により保護を行う長の属する市町村や都道府県がその費用を支弁し、ほかの長が急迫した状況で行った保護の費用は、その人の居住地の市町村や都道府県が支弁します。国は、市町村と都道府県が支弁した保護費、保護施設事務費、委託事務費と、就労自立給付金費、進学・就職準備給付金費の4分の3を負担します。被保護者が医療扶助や介護扶助を受けた原因が第三者の行為によって生じたときは、保護費を支弁した都道府県や市町村は、その支弁した額の限度で、被保護者がその第三者に対して持つ損害賠償の請求権を取得します。(第七十条第一項第一号, 第七十条第一項第二号, 第七十条第一項第三号, 第七十一条第一項第一号, 第七十一条第一項第二号, 第七十一条第一項第三号, 第七十五条第一項第一号, 第七十五条第一項第二号, 第七十六条の二第一項)(根拠条文)
特例と適用除外(4)
- 要保護者が急迫した状況にあるときは、申請がなくても必要な保護を行うことができ、保護の実施機関は、すみやかに職権で保護を開始しなければなりません。居住地が明らかな要保護者でも、急迫した状況にあるときは、その急迫した事由がやむまで、その人の現在地を所管する福祉事務所を管理する都道府県知事または市町村長が保護を行います。(第七条第一項, 第二十五条第一項, 第十九条第二項)(根拠条文)
- 急迫した事情その他やむを得ない事情がある場合は、被保護者は、指定を受けていない医療機関で医療の給付を受け、または指定を受けていない施術者から施術の給付を受けることができます。介護扶助と出産扶助についても同じです。(第三十四条第七項, 第三十四条の二第三項, 第三十五条第三項)(根拠条文)
- この法律の第4章の規定による処分(保護の開始、変更、停止、廃止など)と、被保護者が指示などに従う義務に違反したことによる保護の変更、停止、廃止の処分には、行政手続法第3章(不利益処分)の規定は適用されません。ただし、同章の第12条(処分の基準)と第14条(不利益処分の理由の提示)は適用されます。(第二十九条の二第一項, 第六十二条第五項, 行政手続法 第三章, 行政手続法 第十二条, 行政手続法 第十四条)(根拠条文)
- 被保護者が死亡し、その葬祭を行う扶養義務者がないとき、または死者の葬祭を行う扶養義務者がなく、その遺留した金品で葬祭に必要な費用を満たせないときは、その葬祭を行う人に葬祭扶助を行うことができます。この場合、保護の実施機関は、死者の遺留の金銭や有価証券を保護費に充て、足りないときは遺留の物品を売却してその代金を充てることができます。都道府県や市町村は、この費用について、その遺留の物品の上に他の債権者の先取特権に対して優先権を持ちます。(第十八条第二項, 第十八条第二項第一号, 第十八条第二項第二号, 第七十六条第一項, 第七十六条第二項)(根拠条文)
どのように守らせるか(13)
- 保護は、都道府県知事、市長、福祉事務所を管理する町村長が、その管理する福祉事務所の所管区域内に居住地がある要保護者や、居住地がないか明らかでなく、その区域内に現在地がある要保護者について、決定し実施します。福祉事務所を設置しない町村の長は、特に急迫した事由により放置できない状況にある区域内の要保護者に、職権で、応急的処置として必要な保護を行わなければなりません。また、要保護者や被保護者の生計の状況の変動を発見したときは保護の実施機関などに通報し、受け取った申請を保護の実施機関に送付し、求められたときは保護金品の交付や要保護者の調査を行います。社会福祉主事は都道府県知事や市町村長の事務を補助し、民生委員は市町村長、福祉事務所長、社会福祉主事の事務に協力します。(第十九条第一項, 第十九条第六項, 第十九条第七項, 第十九条第七項第一号, 第十九条第七項第二号, 第十九条第七項第三号, 第十九条第七項第四号, 第二十五条第三項, 第二十一条第一項, 第二十二条第一項)(根拠条文)
- 保護の実施機関は、保護の決定や実施のため、または扶養義務者や不正受給者からの費用の徴収(第77条、第78条)のために必要があるときは、要保護者の資産と収入の状況、健康状態などを調査するため、要保護者に報告を求め、職員に要保護者の居住の場所に立ち入って調査させ、または保護の実施機関の指定する医師や歯科医師の検診を受けるよう命じることができます。立入調査をする職員は身分を示す証票を携帯し、求められたら提示しなければなりません。この立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものではありません。保護の実施機関は、扶養義務者や同居の親族(申請の当時、要保護者やこれらの人であった人を含みます)に、申請書とその添付書類の内容について報告を求めることができます。要保護者が報告をしない、虚偽の報告をする、立入調査を拒み、妨げ、または忌避する、検診の命令に従わないときは、保護の実施機関は、申請を却下し、または保護の変更、停止、廃止をすることができます。(第二十八条第一項, 第二十八条第二項, 第二十八条第三項, 第二十八条第四項, 第二十八条第五項)(根拠条文)
- 保護の実施機関と福祉事務所長は、保護の決定や実施、または第77条、第78条の規定の施行のために必要があるときは、官公署、日本年金機構、共済組合等に必要な書類の閲覧や資料の提供を求め、銀行、信託会社、雇主その他の関係人に報告を求めることができます。対象は、要保護者の氏名、住所、資産と収入の状況、健康状態など、被保護者であった人の保護を受けていた期間の資産と収入の状況など、その扶養義務者の氏名、住所、資産と収入の状況などです。別表第1に掲げる官公署の長、日本年金機構、共済組合等は、求めがあったときは、速やかに、年金や雇用保険その他の給付、、税、登録自動車など同表に掲げる情報を記載した書類を閲覧させ、または資料を提供します。(第二十九条第一項, 第二十九条第一項第一号, 第二十九条第一項第二号, 第二十九条第二項, 別表第一)(根拠条文)
- 保護の実施機関は、被保護者に、生活の維持と向上その他保護の目的達成に必要な指導や指示をすることができます。また、居宅での生活扶助ができないとき、それでは保護の目的を達しがたいとき、または被保護者が希望したときは、被保護者を施設に入所させ、または私人の家庭に養護を委託して生活扶助を行うことを決定できます。指導や指示は被保護者の自由を尊重し、必要最少限度にとどめなければならず、指導や指示も入所や養護も、被保護者の意に反して強制できるものではありません。一方で、被保護者はこれらの決定や指導、指示と、利用する保護施設の管理規程に従わなければなりません。違反したときは保護の変更、停止、廃止をされることがありますが、その前に、理由と弁明をすべき日時と場所を通知され、弁明の機会を与えられます。(第二十七条第一項, 第二十七条第二項, 第二十七条第三項, 第三十条第一項, 第三十条第二項, 第六十二条第一項, 第六十二条第二項, 第六十二条第三項, 第六十二条第四項)(根拠条文)
- 被保護者の親権者や後見人がその権利を適切に行わない場合は、保護の実施機関は、その異議があっても、家庭裁判所の許可を得て、被保護者を施設に入所させ、または私人の家庭に養護を委託することができます。民法等の一部を改正する法律(令和八年法律第四十五号)の施行の日の前日までの定めです。(第三十条第三項, 第三十条第一項)(根拠条文)
- 民法等の一部を改正する法律(令和8年法律第45号)の施行の日から、被保護者の親権者、未成年後見人、特定補助人がその権利を適切に行わない場合は、保護の実施機関は、その異議があっても、家庭裁判所の許可を得て、被保護者を施設に入所させ、または私人の家庭に養護を委託することができます。同法の附則によりなお従前の例によることとされる成年被後見人と成年後見人については、後見人について定めた従前の規定がなお適用されます。民法等の一部を改正する法律(令和八年法律第四十五号)の施行の日からの定めです。(第三十条第三項, 第三十条第一項, 附則第一条第一項, 附則第二条第一項, 民法 附則第一条第一項)(根拠条文)
- 保護の実施機関は、常に被保護者の生活状態を調査し、保護の変更が必要なときは、速やかに職権で決定し、理由を付けた書面で被保護者に通知しなければなりません。被保護者が保護を必要としなくなったときは、速やかに保護の停止または廃止を決定し、書面で通知しなければなりません。保護を廃止する人が生活困窮者自立支援法に定める生活困窮者に当たるときは、その法律に基づく事業や給付金についての情報の提供、助言その他適切な措置をとるよう努めます。(第二十五条第二項, 第二十四条第四項, 第二十六条第一項, 第八十一条の四第一項)(根拠条文)
- 被保護者が、急迫の場合などに資力があるにもかかわらず保護を受けたときは、受けた保護金品に相当する金額の範囲内で保護の実施機関の定める額を、すみやかに返還しなければなりません。保護の費用を支弁した都道府県または市町村の長は、その額の全部または一部を徴収することができ、国税徴収の例により徴収できます。ただし、徴収することが適当でないときとして厚生労働省令で定めるときは除かれます。保護の変更、廃止、停止に伴って前渡しの保護金品を返還させるべき場合でも、被保護者がそれを消費または喪失したことにやむを得ない事由があると認めるときは、保護の実施機関は返還させないことができます。(第六十三条第一項, 第七十七条の二第一項, 第七十七条の二第二項, 第八十条第一項)(根拠条文)
- 不実の申請その他不正な手段により保護を受け、または他人に受けさせた人がいるときは、保護費を支弁した都道府県または市町村の長は、その費用の全部または一部を徴収するほか、徴収する額に100分の40を掛けた額以下の金額を徴収することができます。偽りその他不正の行為で費用の支払を受けた指定医療機関、指定を受けた介護機関、助産師、施術者からも同じように徴収でき、就労自立給付金と進学・就職準備給付金を不正に受けた場合も同じです。これらの徴収金は、国税徴収の例により徴収できます。また、不正な手段で保護や給付金を受け、または他人に受けさせることは犯罪で、3年以下のまたは100万円以下のに処せられます。ただし、刑法に正条があるときは、刑法によります。被保護者は、保護金品(金銭給付に限ります)や就労自立給付金を受ける前に、その一部を、資力があるのに受けた保護や不正に受けた保護の徴収金の納入に充てるよう申し出ることができます。その場合、交付や支給の際にその徴収金が徴収されますが、保護金品については、保護の実施機関が生活の維持に支障がないと認めたときに限ります。(第七十八条第一項, 第七十八条第二項, 第七十八条第三項, 第七十八条第四項, 第七十七条の二第二項, 第八十五条第一項, 第八十五条第二項, 第七十八条の二第一項, 第七十八条の二第二項, 第七十八条の二第三項)(根拠条文)
- 調整会議の事務に関して知り得た秘密を正当な理由なく漏らした人や、この法律により委託された支援事業や調査分析の事務に関して知り得た秘密を漏らした人は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられます。受給者番号等の告知を求めることや提供データベースを構成することをやめるよう厚生労働大臣が出した命令に違反した人は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処せられます。保護施設、指定医療機関など、就労自立給付金と進学・就職準備給付金、受給者番号等に関する規定による報告や物件の提出を正当な理由なく怠り、虚偽の報告をし、職員の質問に答弁せず、または虚偽の答弁をし、検査を拒み、妨げ、または忌避した人は、30万円以下の罰金に処せられます。給付金について報告を求められた被保護者や被保護者であった人も対象です。第28条第1項の職員の調査を拒むことなども同じですが、要保護者自身が拒んだ場合は除かれます。これらの違反と命令違反については、行為者のほか、その業務の主体である法人や人にも罰金刑が科されます。(第八十五条の二第一項, 第二十七条の三第六項, 第五十五条の七第三項, 第五十五条の九第四項, 第八十五条の三第一項, 第八十条の二第三項, 第八十条の二第四項, 第八十条の二第五項, 第八十条の二第六項, 第八十六条第一項, 第四十四条第一項, 第五十四条第一項, 第五十五条の六第一項, 第七十四条第二項第一号, 第八十条の三第一項, 第二十八条第一項, 第八十七条第一項)(根拠条文)
- 保護の決定と実施に関する処分や、就労自立給付金、進学・就職準備給付金の支給に関する処分についてがあったときは、厚生労働大臣または都道府県知事は、行政不服審査法第43条第1項の諮問をする場合は70日以内に、それ以外の場合は50日以内に、裁決をしなければなりません。この期間は審査請求のあった日から数えますが、同法第23条により不備の補正を命じられた場合は、補正した日から数えます。審査請求人は、その期間内に裁決がないときは、審査請求が棄却されたものとみなすことができます。その期間は、50日以内に諮問をした旨の通知を受けた場合は70日、それ以外の場合は50日です。市町村長がその管理する行政庁に事務を委任した場合の処分についての審査請求は、都道府県知事に対してします。(第六十四条第一項, 第六十五条第一項, 第六十五条第二項, 行政不服審査法 第四十三条第一項, 行政不服審査法 第四十三条第三項)(根拠条文)
- 市町村長がした処分や、市町村長から事務の委任を受けた行政庁がした処分についての審査請求に対する都道府県知事の裁決に不服がある人は、厚生労働大臣にをすることができ、厚生労働大臣は70日以内に裁決をしなければなりません。保護の実施機関や支給機関がこの法律に基づいてした処分の取消しの訴えは、その処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ起こすことができません。指定都市と中核市では、この法律で都道府県が処理するとされている事務のうち政令で定めるものをその市が処理し、その市長がした処分についての審査請求の裁決にも、厚生労働大臣への再審査請求の規定が準用されます。(第六十六条第一項, 第六十六条第二項, 第六十九条第一項, 第八十四条の二第一項, 第八十四条の二第二項)(根拠条文)
- 保護施設の運営は都道府県知事が指導し、都道府県知事は管理者に報告を命じ、施設に立ち入って検査させることができます。保護施設が基準に適合しなくなったとき、存立の目的を失ったとき、この法律などに違反したときは、都道府県の施設には厚生労働大臣が、市町村と地方独立行政法人の施設には都道府県知事が、設備や運営の改善、事業の停止、施設の廃止を命じることができます。社会福祉法人と日本赤十字社の施設には、都道府県知事が、これらの場合のほか、認可の基準に適合しなくなったとき、経営につき営利を図る行為があったとき、正当な理由なく予定年月日までに事業を開始しないとき、認可を受けずに認可事項を変更したときにも、改善や事業の停止を命じ、設置の認可を取り消すことができます。厚生労働大臣や都道府県知事は、指定医療機関やその開設者、従業者などに報告や診療録などの提出を命じ、質問し、実地に検査させることができます。義務に違反したときや診療報酬の請求に不正があったときなどは、指定を取り消し、または期間を定めて指定の効力を停止することができます。(第四十三条第一項, 第四十四条第一項, 第四十五条第一項, 第四十五条第二項, 第五十四条第一項, 第五十一条第二項)(根拠条文)