高齢者の医療の確保に関する法律
都道府県ごとに、その区域内のすべての市町村が加入する後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療について定める法律です。広域連合の区域内に住所を有する75歳以上の人と、65歳以上75歳未満で一定の障害の状態にあると広域連合の認定を受けた人が加入します。ただし、生活保護を受けている世帯に属する人や、厚生労働省令で定める人は除かれます。あわせて、医療保険の保険者が40歳以上の加入者に行う特定健康診査、医療費適正化計画、そして高齢者の医療に要する費用を保険者の間で分かち合う仕組みも定めています。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 202
- 施行前の改正
- 10
この法令の内容
- 被保険者は、病気やけがをしたとき、自分で選んだ保険医療機関等で、電子資格確認その他の厚生労働省令で定める方法により被保険者であることの確認を受けて、療養の給付(診察、薬剤や治療材料の支給、処置・手術その他の治療、居宅での療養上の管理とそれに伴う看護、病院や診療所への入院とそれに伴う看護)を受けます。厚生労働省令で定める場合は、この確認は要りません。ただし、保険料の滞納により療養の給付に代えて特別療養費が支給されている間は、療養の給付は受けられません。窓口では、費用の1割を一部負担金として保険医療機関等に支払います。本人やその世帯に属する他の被保険者など(政令で定める人を含みます。)について政令で定めるところにより計算した所得の額が政令で定める額以上なら2割、それより高い政令で定める額以上なら3割です。後期高齢者医療給付を受ける権利は、譲り渡したり、担保にしたり、差し押さえたりすることができません。給付として受けた金品には、税金その他の公課を課すことができません。(第六十四条第一項, 第六十四条第一項第一号, 第六十四条第一項第二号, 第六十四条第一項第三号, 第六十四条第一項第四号, 第六十四条第一項第五号, 第六十四条第三項, 第六十七条第一項, 第六十七条第一項第一号, 第六十七条第一項第二号, 第六十七条第一項第三号, 第八十二条第一項, 第六十二条第一項, 第六十三条第一項)(根拠条文)
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- 入院中の食事は、厚生労働大臣が定める基準で算定した費用から、厚生労働大臣が定める食事療養標準負担額を差し引いた額が、入院時食事療養費として支給されます。療養病床に入院している人には、入院時生活療養費が支給されます。一部負担金などの額が著しく高額なときは、政令で定める要件と額により、高額療養費が支給されます。それと介護保険の利用者負担額との合計が著しく高額なときは、高額介護合算療養費が支給されます。被保険者が死亡したときは、後期高齢者医療広域連合がの定めるところにより葬祭費の支給か葬祭の給付を行います。ただし、特別の理由があるときは、その全部または一部を行わないことができます。広域連合は、条例により、傷病手当金の支給などの給付を行うこともできます。(第五十六条第一項, 第六十四条第二項第一号, 第六十四条第二項第二号, 第七十四条第一項, 第七十四条第二項, 第七十五条第一項, 第七十五条第二項, 第八十四条第一項, 第八十四条第二項, 第八十五条第一項, 第八十六条第一項, 第八十六条第二項)(根拠条文)
- 後期高齢者医療に要する費用に充てるため、市町村は保険料を徴収しなければなりません。保険料は、後期高齢者医療広域連合が、政令で定める基準に従い条例で定める、広域連合の全区域で均一の保険料率によって、被保険者に課します。ただし、離島など医療の確保が著しく困難な地域では、別の保険料率によることができます。市町村は、政令で定める老齢等年金給付を受ける被保険者については、年金を支払う年金保険者に保険料を徴収させます(特別徴収。政令で定める人を除きます。)。それ以外は、納入の通知によって徴収します(普通徴収)。普通徴収では被保険者が保険料を納付し、世帯主と配偶者(事実上婚姻関係にある人を含みます。)も連帯して納付する義務を負います。(第百四条第一項, 第百四条第二項, 第百七条第一項, 第百七条第二項, 第百八条第一項, 第百八条第二項, 第百八条第三項)(根拠条文)
- 医療保険の保険者(国民健康保険では市町村)は、6年ごとに特定健康診査等実施計画を定め、それに基づいて、40歳以上の加入者に、糖尿病その他の政令で定める生活習慣病に関する特定健康診査を行います。結果は本人に通知しなければなりません。特定健康診査の結果により健康の保持に努める必要がある人として厚生労働省令で定める人には、特定保健指導を行います。加入者が特定健康診査に相当する診査を受け、その結果の記録の写しが厚生労働省令の定めるところにより提供されたときは、保険者は特定健康診査を行う必要がありません。労働安全衛生法その他の法令に基づく相当する健康診断を受けた場合や受けられる場合は、特定健康診査の全部または一部を行ったものとされます。後期高齢者医療広域連合は、自らの被保険者に、高齢者の心身の特性に応じた健康教育、健康相談、健康診査、保健指導などの高齢者保健事業を行うよう努めなければなりません。(第七条第二項, 第十八条第一項, 第十九条第一項, 第二十条第一項, 第二十一条第一項, 第二十三条第一項, 第二十四条第一項, 第百二十五条第一項)(根拠条文)
- 国は、後期高齢者医療広域連合の給付などに要する費用と一定の拠出金の額の合計(3割負担の人に係る分を除きます。)の12分の3を負担し、都道府県と市町村はそれぞれ12分の1を負担します。国は、このほか調整交付金も交付します。費用のさらに一部には、医療情報基盤・診療報酬審査支払機構がすべての保険者から毎年度徴収する後期高齢者支援金を財源に、機構が各広域連合に交付する後期高齢者交付金が充てられます。また、機構は、加入者に占める前期高齢者(65歳に達する日の属する月の翌月(その日が月の初日のときはその月)から75歳に達する日の属する月までの加入者と、厚生労働省令で定める人)の割合による保険者間の負担の不均衡を調整するため、すべての保険者から前期高齢者納付金を徴収し、保険者に前期高齢者交付金を交付します。その額は、この法律の算定方法と政令によって決まります。(第九十三条第一項, 第九十五条第一項, 第九十六条第一項, 第九十八条第一項, 第百条第一項, 第百条第三項, 第百十八条第一項, 第百十八条第二項, 第三十二条第一項, 第三十二条第二項, 第三十六条第一項, 第三十六条第二項)(根拠条文)
- 厚生労働大臣は、医療費適正化基本方針を定め、6年ごとに全国医療費適正化計画を定めます。都道府県は、基本方針に即して、6年ごとに都道府県医療費適正化計画を定めます。どちらの計画にも、健康の保持の推進と医療の効率的な提供の推進に関する目標、そして計画期間の医療に要する費用の見込みを定めます。厚生労働大臣は全国計画の進捗状況を公表し、都道府県は自らの計画の進捗状況を公表するよう努めます。計画期間が終わった翌年度には、実績の評価を行います。厚生労働大臣は、評価の結果、目標の達成のため必要があると認めるときは、合理的な範囲内で、関係都道府県知事に協議したうえ、一つの都道府県の診療報酬を他の都道府県と異なるものとすることができます。(第八条第一項, 第八条第四項第一号, 第八条第四項第二号, 第八条第四項第六号, 第九条第一項, 第九条第二項第一号, 第九条第二項第二号, 第九条第二項第四号, 第十一条第一項, 第十一条第五項, 第十二条第一項, 第十二条第三項, 第十四条第一項, 第十四条第二項)(根拠条文)
目次
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- 第一章 総則第一条〜第七条(7条)
- 第二章 医療費適正化の推進第八条〜第三十一条(33条)
- 第一節 医療費適正化計画等第八条〜第十七条の二(18条)
- 第二節 特定健康診査等基本指針等第十八条〜第三十一条(15条)
- 第三章 前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整第三十二条〜第四十六条(15条)
- 第四章 後期高齢者医療制度第四十七条〜第百三十八条(104条)
- 第一節 総則第四十七条〜第四十九条(3条)
- 第二節 被保険者第五十条〜第五十五条の二(7条)
- 第三節 後期高齢者医療給付第五十六条〜第九十二条(37条)
- 第一款 通則第五十六条〜第六十三条(8条)
- 第二款 療養の給付及び入院時食事療養費等の支給第六十四条〜第八十三条(20条)
- 第一目 療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費及び療養費の支給第六十四条〜第七十七条(14条)
- 第二目 訪問看護療養費の支給第七十八条〜第八十一条(4条)
- 第三目 特別療養費の支給第八十二条
- 第四目 移送費の支給第八十三条
- 第三款 高額療養費及び高額介護合算療養費の支給第八十四条〜第八十五条(2条)
- 第四款 その他の後期高齢者医療給付第八十六条
- 第五款 後期高齢者医療給付の制限第八十七条〜第九十二条(6条)
- 第四節 費用等第九十三条〜第百二十四条の九(40条)
- 第一款 費用の負担第九十三条〜第百十五条(23条)
- 第二款 財政安定化基金第百十六条
- 第三款 特別高額医療費共同事業第百十七条
- 第四款 保険者の後期高齢者支援金等第百十八条〜第百二十四条(7条)
- 第五款 後期高齢者医療広域連合の出産育児支援金等第百二十四条の二〜第百二十四条の八(7条)
- 第六款 雑則第百二十四条の九
- 第五節 高齢者保健事業第百二十五条〜第百二十五条の四(4条)
- 第六節 後期高齢者医療診療報酬審査委員会第百二十六条〜第百二十七条(2条)
- 第七節 審査請求第百二十八条〜第百三十条(3条)
- 第八節 高齢者保健事業等に関する援助等第百三十一条〜第百三十二条(2条)
- 第九節 雑則第百三十三条〜第百三十八条(6条)
- 第五章 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構の高齢者医療制度関係業務第百三十九条〜第百五十四条(16条)
- 第六章 国民健康保険団体連合会の高齢者医療関係業務第百五十五条〜第百五十七条(3条)
- 第七章 雑則第百五十七条の二〜第百六十六条(15条)
- 第八章 罰則第百六十七条〜第百七十一条(9条)
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、公布済みでまだの改正が10件あります。最近の改正は下にあります。改正のページには、e-Govが記録するすべての改正を載せ、変更内容まで収録している改正は条文ごとに日本語と英語で示します。
2027年3月1日
4か月後
健康保険法等の一部を改正する法律
2027年4月1日
5か月後
医療法等の一部を改正する法律
2027年4月1日
5か月後
健康保険法等の一部を改正する法律
2027年4月1日
5か月後
社会福祉法等の一部を改正する法律
2027年5月20日
7か月後
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律
2028年6月4日まで
遅くとも2年後
健康保険法等の一部を改正する法律
公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
2028年6月24日まで
遅くとも2年後
社会福祉法等の一部を改正する法律
公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
2028年12月11日まで
遅くとも2年後
医療法等の一部を改正する法律
公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日
2029年6月24日まで
遅くとも3年後
社会福祉法等の一部を改正する法律
公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日
2031年6月4日まで
遅くとも5年後
健康保険法等の一部を改正する法律
公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日
施行済みの改正 42件
2026年10月1日
このサイトの条文
医療法等の一部を改正する法律
2026年8月1日
健康保険法等の一部を改正する法律
2026年6月5日
健康保険法等の一部を改正する法律
2026年4月1日
全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律
2026年4月1日
子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律
2025年12月12日
医療法等の一部を改正する法律
2025年6月1日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2025年4月1日
全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律
2024年12月2日
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律
2024年10月1日
子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律
誰に適用されるか
適用される
- 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する75歳以上の人は、その広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者です。区域内に住所を有する65歳以上75歳未満の人で、政令で定める程度の障害の状態にあると、厚生労働省令の定めるところにより広域連合の認定を受けた人も、被保険者です。ただし、第51条の適用除外に当たる人は除きます。資格は、75歳に達したとき、75歳以上の人が区域内に住所を有するに至ったとき、障害の認定を受けたとき、または適用除外に当たらなくなった日から取得します。区域内に住所を有しなくなった日、障害の状態に当たらなくなった日、または厚生労働省令で定める適用除外に当たるに至った日の翌日に資格を失います。ただし、住所を有しなくなった日に他の広域連合の区域内に住所を有するに至ったときは、その日に失います。生活保護を受けている世帯に属するに至ったときは、その日に資格を失います。(第五十条第一項, 第五十条第一項第一号, 第五十条第一項第二号, 第五十一条第一項, 第五十二条第一項, 第五十三条第一項, 第五十三条第二項)(根拠条文)
- 市町村(を含みます。)は、後期高齢者医療の事務を処理するため、都道府県の区域ごとに、その区域内のすべての市町村が加入する後期高齢者医療広域連合を設けます。ただし、保険料の徴収の事務と、被保険者の便益の増進に役立つものとして政令で定める事務は、広域連合が処理する事務から除かれています。保険料は市町村が徴収します。広域連合と市町村は、それぞれ後期高齢者医療に関する特別会計を設けなければなりません。(第四条第二項, 第四十八条第一項, 第四十九条第一項, 第百四条第一項)(根拠条文)
続き
- 被保険者は、厚生労働省令の定めるところにより、資格の取得と喪失その他必要な事項を後期高齢者医療広域連合に届け出なければなりません。世帯主は、世帯に属する被保険者に代わって届け出ることができます。住民基本台帳法による転入などの届出があったときは、その書面に同法の付記がされていれば、同じ事由による届出があったものとみなされます。(第五十四条第一項, 第五十四条第二項, 第五十四条第六項)(根拠条文)
- 医療保険各法(健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法)により医療に関する給付を行う保険者、つまり全国健康保険協会、、都道府県と市町村、国民健康保険組合、共済組合、日本私立学校振興・共済事業団は、加入者に特定健康診査と特定保健指導を行います(国民健康保険では市町村が行います。)。また、前期高齢者納付金と後期高齢者支援金を納付する義務を負います(国民健康保険では都道府県が納付します。)。保険者と後期高齢者医療広域連合は、都道府県ごとに共同して保険者協議会を組織し、特定健康診査等や高齢者医療制度の運営についての連絡調整や、保険者への助言・援助などを行います。(第七条第一項, 第七条第二項, 第十九条第一項, 第二十条第一項, 第二十四条第一項, 第三十二条第一項, 第三十六条第一項, 第三十六条第二項, 第百十八条第一項, 第百十八条第二項, 第百五十七条の二第一項, 第百五十七条の二第二項)(根拠条文)
- 保険医療機関等と保険医・保険薬剤師は、厚生労働大臣が中央社会保険医療協議会の意見を聴いて定める療養の給付の取扱い及び担当に関する基準に従って、後期高齢者医療の療養の給付を取り扱い、担当しなければなりません。また、厚生労働大臣や都道府県知事の指導を受けなければならず、一部負担金の支払を受けます。厚生労働大臣や都道府県知事は、報告や診療録などの提出を命じ、職員に質問させ、設備や帳簿書類を検査させることができます。保険医療機関等が善良な管理者と同一の注意をもって一部負担金の支払を受けるよう努めたのに患者が支払わないときは、後期高齢者医療広域連合は、保険医療機関等の請求に基づき、この法律による徴収金の例によって処分することができます。(第六十五条第一項, 第七十一条第一項, 第六十六条第一項, 第六十七条第二項, 第七十二条第一項)(根拠条文)
- 労働安全衛生法に規定する事業者など、法令に基づき特定健康診査に相当する健康診断を実施する責務がある人は、その実施を保険者に委託することができます。その場合は、必要な費用を保険者に支払わなければなりません。また、使用している、または使用していた加入者について保存している健康診断の記録の写しを、保険者から求められたときは提供しなければなりません。(第二十一条第二項, 第二十七条第三項, 第二十七条第四項)(根拠条文)
- 厚生労働大臣は、本人を識別できないよう加工した匿名医療保険等関連情報を、国の他の行政機関や地方公共団体、大学その他の研究機関、民間事業者その他の厚生労働省令で定める人に、相当の公益性がある業務(特定の商品や役務の広告・宣伝のためのものを除きます。)のために提供することができます。提供を受けた人は、本人を識別するために他の情報と照合するなどしてはならず、必要がなくなったら遅滞なく消去し、安全管理のための措置を講じ、内容をみだりに他人に知らせたり不当な目的に利用したりしてはなりません。厚生労働大臣は、報告を求め、立入検査をし、違反を是正するよう命ずることができます。内容をみだりに知らせたり不当に利用したりしたとき、またはこの命令に違反したときは、1年以下のもしくは50万円以下の、またはその両方に処せられます。日本国外での違反にも適用され、法人や雇い主にも罰金が科されます。(第十六条の二第一項, 第十六条の二第一項第一号, 第十六条の二第一項第二号, 第十六条の二第一項第三号, 第十六条の三第一項, 第十六条の四第一項, 第十六条の五第一項, 第十六条の六第一項, 第十六条の七第一項, 第十六条の八第一項, 第百六十七条の二第一項, 第百六十九条の二第一項, 第百六十九条の三第一項)(根拠条文)
適用されない
- 生活保護法による保護を受けている世帯(保護を停止されている世帯を除きます。)に属する人。(第五十一条第一項, 第五十一条第一項第一号)(根拠条文)
- そのほか、後期高齢者医療の適用除外とすべき特別の理由がある人で、厚生労働省令で定める人。(第五十一条第一項, 第五十一条第一項第二号)(根拠条文)
特例と適用除外(7)
- 病院や診療所への入院、第55条に掲げる施設への入所や入居によってその所在地に住所を変更したと認められる被保険者で、入院などの際に他の後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有していた人は、病院などがある広域連合ではなく、その他の広域連合の被保険者になります。二つ以上の病院などに続けて入院などをしている人には、別の定めがあります。病院などは、関係する広域連合に必要な協力をしなければなりません。国民健康保険法第116条の2の規定により以前の市町村に住所を有するものとみなされている人が、75歳に達したり障害の認定を受けたりしたときも、その市町村が加入する広域連合の被保険者になります。(第五十五条第一項, 第五十五条第二項, 第五十五条第三項, 第五十五条の二第一項)(根拠条文)
- 後期高齢者医療広域連合は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情があって一部負担金を支払うことが困難と認められる被保険者について、一部負担金を減額し、支払を免除し、または広域連合が直接徴収することにしてその徴収を猶予することができます。(第六十九条第一項, 第六十九条第二項)(根拠条文)
- 後期高齢者医療広域連合は、の定めるところにより、特別の理由がある人について、保険料を減免し、またはその徴収を猶予することができます。(第百十一条第一項)(根拠条文)
- その病気やけがについて、労働者災害補償保険法、国家公務員災害補償法、地方公務員災害補償法その他政令で定める法令による医療に関する給付を受けられるとき、介護保険法による相当する給付を受けられるとき、またはほかの法令により国や地方公共団体の負担で医療に関する給付が行われたときは、療養の給付などは行われません。ただし、ほかの法令による医療の現物給付の一部負担金などがこの法律の一部負担金より高いときや、介護保険法以外の法令による医療費の支給額がこの法律による支給額に満たないときは、後期高齢者医療広域連合がその差額を被保険者に支給します。第三者の行為によって病気やけがをしたときは、給付を行った後期高齢者医療広域連合が、給付の価額の限度で、被保険者がその第三者に対して持つの請求権を取得します。被保険者がすでに第三者から同じ事由で損害賠償を受けたときは、広域連合はその価額の限度で給付を行う責任を免れます。(第五十七条第一項, 第五十七条第二項, 第五十八条第一項, 第五十八条第二項)(根拠条文)
- 自分の故意の犯罪行為によって、または故意に病気やけがをしたときは、その病気やけがについての療養の給付などは行われません。刑事施設、労役場などに拘禁された期間についても、行われません。闘争、泥酔、著しい不行跡によって病気やけがをしたときは、その全部または一部を行わないことができます。正当な理由なく療養に関する指示に従わない人には、その一部を行わないことができます。(第八十七条第一項, 第八十八条第一項, 第八十九条第一項, 第九十条第一項)(根拠条文)
- 被保険者が、電子資格確認等による確認を受けないで保険医療機関等で診療などを受けた場合に、確認を受けなかったことが緊急その他やむを得ない理由によると後期高齢者医療広域連合が認めるときは、療養の給付などに代えて療養費が支給されます。療養の給付などを行うことが困難と認めるときや、保険医療機関等以外で診療などを受けたことがやむを得ないと認めるときも、療養費を支給することができます。(第七十七条第一項, 第七十七条第二項)(根拠条文)
- 電子資格確認を受けることができない状況にある被保険者は、後期高齢者医療広域連合に、資格に関する事項を記載した書面の交付や、電磁的方法による提供を求めることができます。広域連合は、速やかに交付または提供します。被保険者は、それを提示することで、被保険者であることの確認を受けることができます。(第五十四条第三項, 第五十四条第四項)(根拠条文)
どのように守らせるか(9)
- 被保険者が保険料を滞納し、納期限から厚生労働省令で定める期間が過ぎるまでに、市町村が納付の勧奨や相談の機会の確保などを行ってもなお納付しないときは、災害その他の政令で定める特別の事情がある場合を除き、療養の給付などに代えて特別療養費が支給されます。特別療養費の額は、費用から一部負担金に当たる額を差し引いた額です。このことは、あらかじめ本人に通知されます。その期間が過ぎる前でも、同じ扱いにすることができます。原子爆弾被爆者に対する一般疾病医療費の支給などを受けられる人は対象になりません。滞納している保険料を完納したとき、滞納額の著しい減少その他の政令で定める特別の事情があるとき、または原子爆弾被爆者に対する一般疾病医療費の支給などを受けられるようになったときは、通常の療養の給付などに戻ります。2027年2月28日までの定めです。(第八十二条第一項, 第八十二条第二項, 第八十二条第三項, 第八十二条第四項, 第八十二条第六項)(根拠条文)
- 被保険者が保険料を滞納し、納期限から厚生労働省令で定める期間が過ぎるまでに、市町村が納付の勧奨や相談の機会の確保などを行ってもなお納付しないときは、災害その他の政令で定める特別の事情がある場合を除き、療養の給付などに代えて特別療養費が支給されます。特別療養費の額は、療養の給付に要する費用の額の算定に関する基準などで算定した費用の額から、その人の負担割合に当たる額を差し引いた額です。このことは、あらかじめ本人に通知されます。その期間が過ぎる前でも、同じ扱いにすることができます。原子爆弾被爆者に対する一般疾病医療費の支給などを受けられる人は対象になりません。滞納している保険料を完納したとき、滞納額の著しい減少その他の政令で定める特別の事情があるとき、または原子爆弾被爆者に対する一般疾病医療費の支給などを受けられるようになったときは、通常の療養の給付などに戻ります。この規定が施行される前に行われた療養(施行前に処方箋の交付を受けた薬剤の支給を含みます。)に係る給付には、従前の例によります。2027年3月1日からの定めです。(第八十二条第一項, 第八十二条第二項, 第八十二条第三項, 第八十二条第四項, 第八十二条第四項第一号, 第八十二条第四項第一号イ, 第八十二条第五項, 附則第二十五条第一項)(根拠条文)
- 同じ条件のもとで(原子爆弾被爆者についての除外はありません。)、後期高齢者医療広域連合は、保険料を滞納している被保険者への後期高齢者医療給付の支払の全部または一部を一時差し止めます。その期間が過ぎる前でも、差し止めることができます。特別療養費の対象となり、支払を差し止められている人がなお保険料を納付しないときは、あらかじめ本人に通知したうえで、差し止めている給付の額から滞納している保険料額を控除することができます。(第九十二条第一項, 第九十二条第二項, 第九十二条第三項)(根拠条文)
- 第113条(見出しは「滞納処分」)により、市町村が徴収する保険料や、後期高齢者医療広域連合が徴収する徴収猶予した一部負担金その他第4章の規定による徴収金は、地方自治法第231条の3第3項に規定する「法律で定める歳入」に当たります。その徴収の手続は、別の法律である地方自治法の定めによります。保険料などを徴収する権利やその還付を受ける権利と、後期高齢者医療給付を受ける権利は、行使できる時から2年を経過すると時効で消えます。ただし、保険料などの徴収の告知や督促があると、時効は更新されます。保険料の賦課決定は、その年度の最初の納期の翌日から2年を経過した日以後はできません。(第百十三条第一項, 第百六十条第一項, 第百六十条第二項, 第百六十条の二第一項)(根拠条文)
- 後期高齢者医療広域連合は、偽りその他不正の行為によって給付を受けた人から、その価額の全部または一部を徴収することができます。保険医などが診断書に虚偽の記載をしたためにその給付が行われたときは、その医師にも連帯して納付するよう命ずることができます。保険医療機関等や指定訪問看護事業者が不正に支払を受けたときは、その額を返還させるほか、その40%の額を支払わせることができます。広域連合はで、被保険者が届出をしないとき(世帯主が届け出た場合を除きます。)や虚偽の届出をしたとき、被保険者、その配偶者、世帯主その他世帯に属する人(以前そうだった人を含みます。)が正当な理由なく文書の提出命令に従わず、質問に答えず、または虚偽の答弁をしたときに、10万円以下の過料を科すことができます。不正に徴収金の徴収を免れた人には、免れた額の5倍以下の過料を科すことができます。市町村も、保険料の徴収に関する調査と保険料の徴収について、条例で同じような過料を定めることができます。(第五十九条第一項, 第五十九条第二項, 第五十九条第三項, 第百七十一条第一項, 第百七十一条第二項, 第百七十一条第三項, 第百七十一条第四項, 第百七十一条第五項)(根拠条文)
- 罰則(第8章)により、後期高齢者医療広域連合の職員、後期高齢者医療診療報酬審査委員会や後期高齢者医療審査会の委員、国民健康保険団体連合会の役員や職員、診療報酬請求書の審査を行う指定法人の役員や職員とその審査を行う人(いずれも、以前その職にあった人を含みます。)が、職務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らしたときは、1年以下のまたは100万円以下のに処せられます。特定健康診査等や高齢者保健事業の委託を受けた人が個人の秘密を漏らしたときも、同じです。被保険者(以前そうだった人を含みます。)が、厚生労働大臣や都道府県知事から受けた療養の内容についての報告命令に正当な理由なく従わず、質問に正当な理由なく答えず、または虚偽の答弁をしたときは、30万円以下の罰金です。審査請求人や通知を受けた利害関係人以外の関係者や医師、歯科医師が、正当な理由なく後期高齢者医療審査会の出頭、陳述、報告、診断などの命令に違反し、または虚偽の陳述や報告をしたときも、30万円以下の罰金です。(第八章, 第百六十七条第一項, 第百六十七条第二項, 第百六十七条第二項第一号, 第百六十七条第二項第二号, 第百六十七条第二項第三号, 第百六十七条第二項第四号, 第三十条第一項, 第百二十五条の二第二項, 第百二十五条の四第三項, 第百六十九条第一項第一号, 第百六十九条第一項第二号, 第六十一条第二項)(根拠条文)
- 後期高齢者医療給付に関する処分(資格情報の書面の交付などの求めに対する処分を含みます。)や、市町村または後期高齢者医療広域連合が徴収する保険料その他の徴収金に関する処分に不服がある人は、各都道府県に置かれる後期高齢者医療審査会にをすることができます。審査会には、国民健康保険法第93条から第103条までの規定が、政令で定める技術的読替えをして準用されます。審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に、文書または口頭でします。ただし、正当な理由でこの期間内にできなかったことを疎明したときは、この限りではありません。処分の取消しの訴えは、審査請求に対する裁決を経た後でなければ起こせません。審査請求は、時効の完成猶予と更新については、裁判上の請求とみなされます。(第百二十八条第一項, 第百二十八条第二項, 第百二十九条第一項, 第百三十条第一項, 国民健康保険法 第九十九条第一項, 国民健康保険法 第百三条第一項)(根拠条文)
- 後期高齢者医療広域連合は、資格、給付、保険料に関して必要があるときは、被保険者、その配偶者、世帯主その他その世帯に属する人(以前そうだった人を含みます。)に、文書などの提出や提示を命じ、職員に質問させることができます。市町村も、保険料の徴収に関して同じことができます。広域連合は、給付に関して必要があるときは、給付を受ける人などに文書などの提出を命じ、職員に質問や診断をさせることができます。正当な理由なく命令に従わず、答弁や受診を拒んだ人には、療養の給付などの全部または一部を行わないことができます。同じ事項について必要があるときは、広域連合が、保険料の徴収については市町村が、被保険者や世帯の人の資産や収入、年金の支給状況について、官公署や年金保険者に文書の閲覧や資料の提供を求め、銀行、信託会社、被保険者の雇用主などに報告を求めることができます。厚生労働大臣や都道府県知事は、給付に関して必要があるときは、医師、歯科医師、薬剤師や手当を行った人、またはその使用者に、診療などについての報告や診療録などの提示を命じ、職員に質問させることができます。正当な理由なく従わず、質問に正当な理由なく答えず、または虚偽の答弁をしたときは、10万円以下の過料に処せられます。(第百三十七条第一項, 第百三十七条第二項, 第六十条第一項, 第九十一条第一項, 第百三十八条第一項, 第百三十八条第三項, 第六十一条第一項, 第百七十条)(根拠条文)
- 何人も、業として行う行為に関して、売買、貸借、雇用その他の契約の申込みをしようとする人や契約を結んだ人などに、本人やほかの人の被保険者番号等を告げるよう求めてはなりません。また、ほかに提供することが予定された、被保険者番号等を記録したデータベースを業として作ってはなりません。後期高齢者医療の事業などのために被保険者番号等を利用する人が必要な場合や、厚生労働省令で定める場合は例外です。厚生労働大臣は、違反を繰り返すおそれのある人に中止を勧告し、従わないときは期限を定めて勧告に従うよう命ずることができます。この命令に違反すると、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処せられ、法人や雇い主にも罰金が科されます。(第百六十一条の二第三項, 第百六十一条の二第四項, 第百六十一条の二第五項, 第百六十一条の二第六項, 第百六十七条の三第一項, 第百六十九条の三第一項)(根拠条文)