第十章の二 信託財産の破産に関する特則
信託財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、信託財産に属する財産又は受託者の住所が日本国内にあるときに限り、することができる。
信託財産に関する破産事件は、受託者の住所地(受託者が数人ある場合にあっては、そのいずれかの住所地)を管轄する地方裁判所が管轄する。
信託財産に対する第十五条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(受託者が、信託財産責任負担債務につき、信託財産に属する財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。
信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、破産手続開始の時において信託財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。
会計監査人(信託法第二百四十八条第一項又は第二項の会計監査人をいう。以下この章において同じ。)
信託法第四十九条第一項(同法第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、信託財産についての破産手続との関係においては、金銭債権とみなす。
信託財産について破産手続開始の決定があったときは、固有財産等責任負担債務(信託法第二十二条第一項に規定する固有財産等責任負担債務をいう。)に係る債権を有する者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。
信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げるものは、破産管財人がする。
信託法第二十七条第一項又は第二項の規定による取消権の行使
信託法第三十一条第五項の規定による追認
信託法第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権の行使
信託法第三十二条第四項の規定による権利の行使
信託法第四十条又は第四十一条の規定による責任の追及
信託法第四十二条(同法第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による責任の免除
信託法第二百二十六条第一項、第二百二十八条第一項又は第二百五十四条第一項の規定による責任の追及
第百七十七条の規定は信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等又は会計監査人の財産に対する保全処分について、第百七十八条から第百八十一条までの規定は信託財産についての破産手続における受託者等又は会計監査人の責任に基づく損失のてん補又は原状の回復の請求権の査定について、それぞれ準用する。