相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。
相続財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。
相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為が否認されたときは、破産管財人は、相続債権者に弁済をした後、否認された行為の相手方にその権利の価額に応じて残余財産を分配しなければならない。
第二節 相続人の破産
相続人についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。ただし、当該相続人のみが相続財産につき債務の弁済に必要な行為をする権限を有するときは、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。
相続人について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、財産分離があったとき、又は相続財産について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。
相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者の債権は、相続人の破産財団については、相続債権者及び受遺者の債権に優先する。
第二百二十五条に規定する期間内にされた破産手続開始の申立てにより相続人について破産手続開始の決定があったときは、相続人の固有財産については相続人の債権者の債権が相続債権者及び受遺者の債権に優先し、相続財産については相続債権者及び受遺者の債権が相続人の債権者の債権に優先する。
相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、当該相続人が限定承認をしたときは、相続債権者及び受遺者は、相続人の固有財産について、破産債権者としてその権利を行使することができない。第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有するときも、同様とする。
相続人について破産手続開始の決定があった後、当該相続人が限定承認をしたとき、又は当該相続人について財産分離があったときは、破産管財人は、当該相続人の固有財産と分別して相続財産の管理及び処分をしなければならない。限定承認又は財産分離があった後に相続人について破産手続開始の決定があったときも、同様とする。
第一項前段及び前項の規定は、第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有する場合及び第二百四十条第三項の場合について準用する。
第三節 受遺者の破産
前節の規定は、包括受遺者について破産手続開始の決定があった場合について準用する。