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人事訴訟法(じんじそしょうほう)

この法令について
56条2026年11月3日にe-Govと照合
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56 条

第一節 通則

この法律は、人事訴訟に関する手続について、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の特例等を定めるものとする。

この法律において「人事訴訟」とは、次に掲げる訴えその他の身分関係の形成又は存否の確認を目的とする訴え(以下「人事に関する訴え」という。)に係る訴訟をいう。

婚姻の無効及び取消しの訴え、離婚の訴え、協議上の離婚の無効及び取消しの訴え並びに婚姻関係の存否の確認の訴え

嫡出否認の訴え、認知の訴え、認知の無効及び取消しの訴え、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百七十三条の規定により父を定めることを目的とする訴え並びに実親子関係の存否の確認の訴え

養子縁組の無効及び取消しの訴え、離縁の訴え、協議上の離縁の無効及び取消しの訴え並びに養親子関係の存否の確認の訴え

この法律に定めるもののほか、人事訴訟に関する手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

第二節 裁判所

第一款 日本の裁判所の管轄権

人事に関する訴えは、次の各号のいずれかに該当するときは、日本の裁判所に提起することができる。

身分関係の当事者の一方に対する訴えであって、当該当事者の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。

身分関係の当事者の双方に対する訴えであって、その一方又は双方の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。

身分関係の当事者の一方からの訴えであって、他の一方がその死亡の時に日本国内に住所を有していたとき。

身分関係の当事者の双方が死亡し、その一方又は双方がその死亡の時に日本国内に住所を有していたとき。

身分関係の当事者の双方が日本の国籍を有するとき(その一方又は双方がその死亡の時に日本の国籍を有していたときを含む。)。

日本国内に住所がある身分関係の当事者の一方からの訴えであって、当該身分関係の当事者が最後の共通の住所を日本国内に有していたとき。

日本国内に住所がある身分関係の当事者の一方からの訴えであって、他の一方が行方不明であるとき、他の一方の住所がある国においてされた当該訴えに係る身分関係と同一の身分関係についての訴えに係る確定した判決が日本国で効力を有しないときその他の日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を図り、又は適正かつ迅速な審理の実現を確保することとなる特別の事情があると認められるとき。

一の訴えで人事訴訟に係る請求と当該請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求(当該人事訴訟における当事者の一方から他の一方に対するものに限る。)とをする場合においては、日本の裁判所が当該人事訴訟に係る請求について管轄権を有するときに限り、日本の裁判所にその訴えを提起することができる。

裁判所は、日本の裁判所が婚姻の取消し又は離婚の訴えについて管轄権を有するときは、第三十二条第一項の子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分についての裁判、同項の親権行使者の指定についての裁判及び同条第三項の親権者の指定についての裁判に係る事件について、管轄権を有する。

施行日未定の改正で改正(令和八年法律第四十六号)

裁判所は、日本の裁判所が婚姻の取消し又は離婚の訴えについて管轄権を有する場合において、各号のいずれかに該当するときは、第三十二条第一項の財産の分与に関する処分についての裁判に係る事件について、管轄権を有する。

裁判所は、訴えについて日本の裁判所が管轄権を有することとなる場合においても、事案の性質、応訴による被告の負担の程度、証拠の所在地、当該訴えに係る身分関係の当事者間の成年に達しない子の利益その他の事情を考慮して、日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を害し、又は適正かつ迅速な審理の実現を妨げることとなる特別の事情があると認めるときは、その訴えの全部又は一部を却下することができる。

第二款 管轄

人事に関する訴えは、当該訴えに係る身分関係の当事者が普通裁判籍を有する地又はその死亡の時にこれを有した地を管轄する家庭裁判所の管轄に専属する。

前項の規定による管轄裁判所が定まらないときは、人事に関する訴えは、最高裁判所規則で定める地を管轄する家庭裁判所の管轄に専属する。

数人からの又は数人に対する一の人事に関する訴えで数個の身分関係の形成又は存否の確認を目的とする数個の請求をする場合には、前条の規定にかかわらず、同条の規定により一の請求について管轄権を有する家庭裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、民事訴訟法第三十八条前段に定める場合に限る。

家庭裁判所は、人事訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認める場合においても、当該人事訴訟に係る事件についての規定により申し立てられた調停に係る事件がその家庭裁判所に係属していたときであって、調停の経過、当事者の意見その他の事情を考慮して特に必要があると認めるときは、民事訴訟法第十六条第一項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、当該人事訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。

家庭裁判所は、人事訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者及び尋問を受けるべき証人の住所その他の事情を考慮して、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当該人事訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。

家庭裁判所に係属する人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求に係る訴訟の係属する第一審裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより、当該訴訟をその家庭裁判所に移送することができる。この場合においては、その移送を受けた家庭裁判所は、当該損害の賠償に関する請求に係る訴訟について自ら審理及び裁判をすることができる。

前項の規定により移送を受けた家庭裁判所は、同項の人事訴訟に係る事件及びその移送に係る損害の賠償に関する請求に係る事件について口頭弁論の併合を命じなければならない。

第三款 参与員

家庭裁判所は、必要があると認めるときは、参与員を審理又は和解の試みに立ち会わせて事件につきその意見を聴くことができる。

参与員の員数は、各事件について一人以上とする。

参与員は、毎年あらかじめ家庭裁判所の選任した者の中から、事件ごとに家庭裁判所が指定する。

前項の規定により選任される者の資格、員数その他同項の選任に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

参与員には、最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。

家庭裁判所は、第一項の規定により参与員を審理又は和解の試みに立ち会わせる場合において、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が参与員との間で音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、参与員に審理又は和解の試みに立ち会わせ、当該期日における行為をさせることができる。

民事訴訟法第二十三条から第二十五条までの規定は、参与員について準用する。

参与員について除斥又は忌避の申立てがあったときは、参与員は、その申立てについての決定が確定するまでその申立てがあった事件に関与することができない。

参与員又は参与員であった者が正当な理由なくその職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

第三節 当事者

人事に関する訴えであって当該訴えに係る身分関係の当事者の一方が提起するものにおいては、特別の定めがある場合を除き、他の一方を被告とする。

人事に関する訴えであって当該訴えに係る身分関係の当事者以外の者が提起するものにおいては、特別の定めがある場合を除き、当該身分関係の当事者の双方を被告とし、その一方が死亡した後は、他の一方を被告とする。

前二項の規定により当該訴えの被告とすべき者が死亡し、被告とすべき者がないときは、検察官を被告とする。

施行日未定の改正で改正(令和八年法律第四十六号)

人事訴訟の訴訟手続における訴訟行為については、民法第五条第一項及び第二項、第九条、第十三条並びに第十七条並びに民事訴訟法第三十一条並びに第三十二条第一項(同法第四十条第四項において準用する場合を含む。)及び第二項の規定は、適用しない。

訴訟行為につき行為能力の制限を受けた者が前項の訴訟行為をしようとする場合において、必要があると認めるときは、裁判長は、申立てにより、弁護士を訴訟代理人に選任することができる。

訴訟行為につき行為能力の制限を受けた者が前項の申立てをしない場合においても、裁判長は、弁護士を訴訟代理人に選任すべき旨を命じ、又は職権で弁護士を訴訟代理人に選任することができる。

前二項の規定により裁判長が訴訟代理人に選任した弁護士に対し当該訴訟行為につき行為能力の制限を受けた者が支払うべき報酬の額は、裁判所が相当と認める額とする。

施行日未定の改正で改正(令和八年法律第四十六号)

人事に関する訴えの原告又は被告となるべき者が成年被後見人であるときは、その成年後見人は、成年被後見人のために訴え、又は訴えられることができる。ただし、その成年後見人が当該訴えに係る訴訟の相手方となるときは、この限りでない。

施行日未定の改正で改正(令和八年法律第四十六号)

前項ただし書の場合には、成年後見監督人が、成年被後見人のために訴え、又は訴えられることができる。

検察官を被告とする人事訴訟において、訴訟の結果により相続権を害される第三者(以下「利害関係人」という。)を当該人事訴訟に参加させることが必要であると認めるときは、裁判所は、被告を補助させるため、決定で、その利害関係人を当該人事訴訟に参加させることができる。

裁判所は、前項の決定をするに当たっては、あらかじめ、当事者及び利害関係人の意見を聴かなければならない。

民事訴訟法第四十三条第一項の申出又は第一項の決定により検察官を被告とする人事訴訟に参加した利害関係人については、同法第四十五条第二項の規定は、適用しない。

前項の利害関係人については、民事訴訟法第四十条第一項から第三項まで(同項については、訴訟手続の中止に関する部分に限る。)の規定を準用する。

裁判所は、第一項の決定を取り消すことができる。

第四節 訴訟費用

検察官を当事者とする人事訴訟において、民事訴訟法第六十一条から第六十六条までの規定によれば検察官が負担すべき訴訟費用は、国庫の負担とする。

利害関係人が民事訴訟法第四十三条第一項の申出又は前条第一項の決定により検察官を被告とする人事訴訟に参加した場合における訴訟費用の負担については、同法第六十一条から第六十六条までの規定を準用する。

第五節 訴訟手続

までに削除(令和五年法律第五十三号)

人事訴訟に関する手続における期日の呼出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。

までに削除(令和五年法律第五十三号)

呼出状の送達及び当該事件について出頭した者に対する期日の告知以外の方法による期日の呼出しをしたときは、期日に出頭しない者に対し、法律上の制裁その他期日の不遵守による不利益を帰することができない。ただし、その者が期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。

までに削除(令和五年法律第五十三号)

人事訴訟に関する手続における公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。

までに削除(令和五年法律第五十三号)

人事訴訟に関する手続における申立てその他の申述(以下この条において「申立て等」という。)のうち、当該申立て等に関するこの法律その他の法令の規定により書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。次項及び第四項において同じ。)をもってするものとされているものであって、最高裁判所の定める裁判所に対してするもの(当該裁判所の裁判長、受命裁判官、受託裁判官又は裁判所書記官に対してするものを含む。)については、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この項及び第三項において同じ。)と申立て等をする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いてすることができる。

までに削除(令和五年法律第五十三号)

前項の規定によりされた申立て等については、当該申立て等を書面等をもってするものとして規定した申立て等に関する法令の規定に規定する書面等をもってされたものとみなして、当該申立て等に関する法令の規定を適用する。

までに削除(令和五年法律第五十三号)

第一項の規定によりされた申立て等は、同項の裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に、当該裁判所に到達したものとみなす。

までに削除(令和五年法律第五十三号)

第一項の場合において、当該申立て等に関する他の法令の規定により署名等(署名、記名、押印その他氏名又は名称を書面等に記載することをいう。以下この項において同じ。)をすることとされているものについては、当該申立て等をする者は、当該法令の規定にかかわらず、当該署名等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、氏名又は名称を明らかにする措置を講じなければならない。

までに削除(令和五年法律第五十三号)

第一項の規定によりされた申立て等が第三項に規定するファイルに記録されたときは、第一項の裁判所は、当該ファイルに記録された情報の内容を書面に出力しなければならない。

までに削除(令和五年法律第五十三号)

第一項の規定によりされた申立て等に係る民事訴訟法第九十一条第一項又は第三項の規定による事件の記録の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付は、前項の書面をもってするものとする。当該申立て等に係る書類の送達又は送付も、同様とする。

人事訴訟に係る請求と当該請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求とは、民事訴訟法第百三十六条の規定にかかわらず、一の訴えですることができる。この場合においては、当該人事訴訟に係る請求について管轄権を有する家庭裁判所は、当該損害の賠償に関する請求に係る訴訟について自ら審理及び裁判をすることができる。

人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求を目的とする訴えは、前項に規定する場合のほか、既に当該人事訴訟の係属する家庭裁判所にも提起することができる。この場合においては、同項後段の規定を準用する。

第八条第二項の規定は、前項の場合における同項の人事訴訟に係る事件及び同項の損害の賠償に関する請求に係る事件について準用する。

人事訴訟に関する手続においては、民事訴訟法第百四十三条第一項及び第四項、第百四十六条第一項並びに第三百条の規定にかかわらず、第一審又は控訴審の口頭弁論の終結に至るまで、原告は、請求又は請求の原因を変更することができ、被告は、反訴を提起することができる。

日本の裁判所が請求の変更による変更後の人事訴訟に係る請求について管轄権を有しない場合には、原告は、変更後の人事訴訟に係る請求が変更前の人事訴訟に係る請求と同一の身分関係についての形成又は存否の確認を目的とするときに限り、前項の規定により、請求を変更することができる。

日本の裁判所が反訴の目的である次の各号に掲げる請求について管轄権を有しない場合には、被告は、それぞれ当該各号に定める場合に限り、第一項の規定による反訴を提起することができる。

人事訴訟に係る請求 本訴の目的である人事訴訟に係る請求と同一の身分関係についての形成又は存否の確認を目的とする請求を目的とする場合

人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求 既に日本の裁判所に当該人事訴訟が係属する場合

人事訴訟の訴訟手続においては、民事訴訟法第百五十七条、第百五十七条の二、第百五十九条第一項、第二百七条第二項、第二百八条、第二百二十四条、第二百二十九条第四項及び第二百四十四条の規定並びに同法第百七十九条の規定中裁判所において当事者が自白した事実に関する部分は、適用しない。

人事訴訟における訴訟の目的については、民事訴訟法第二百六十六条から第二百六十七条の二までの規定は、適用しない。

人事訴訟においては、裁判所は、当事者が主張しない事実をしん酌し、かつ、職権で証拠調べをすることができる。この場合においては、裁判所は、その事実及び証拠調べの結果について当事者の意見を聴かなければならない。

人事訴訟においては、裁判所は、当事者本人を尋問する場合には、その当事者に対し、期日に出頭することを命ずることができる。

民事訴訟法第百九十二条から第百九十四条までの規定は、前項の規定により出頭を命じられた当事者が正当な理由なく出頭しない場合について準用する。

人事訴訟における当事者本人若しくは法定代理人(以下この項及び次項において「当事者等」という。)又は証人が当該人事訴訟の目的である身分関係の形成又は存否の確認の基礎となる事項であって自己の私生活上の重大な秘密に係るものについて尋問を受ける場合においては、裁判所は、裁判官の全員一致により、その当事者等又は証人が公開の法廷で当該事項について陳述をすることにより社会生活を営むのに著しい支障を生ずることが明らかであることから当該事項について十分な陳述をすることができず、かつ、当該陳述を欠くことにより他の証拠のみによっては当該身分関係の形成又は存否の確認のための適正な裁判をすることができないと認めるときは、決定で、当該事項の尋問を公開しないで行うことができる。

裁判所は、前項の決定をするに当たっては、あらかじめ、当事者等及び証人の意見を聴かなければならない。

裁判所は、第一項の規定により当該事項の尋問を公開しないで行うときは、公衆を退廷させる前に、その旨を理由とともに言い渡さなければならない。当該事項の尋問が終了したときは、再び公衆を入廷させなければならない。

人事訴訟においては、裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官は、必要があると認めるときは、検察官を期日に立ち会わせて事件につき意見を述べさせることができる。

検察官は、前項の規定により期日に立ち会う場合には、事実を主張し、又は証拠の申出をすることができる。

人事訴訟の確定判決は、民事訴訟法第百十五条第一項の規定にかかわらず、第三者に対してもその効力を有する。

民法第七百三十二条の規定に違反したことを理由として婚姻の取消しの請求がされた場合におけるその請求を棄却した確定判決は、前婚の配偶者に対しては、前項の規定にかかわらず、その前婚の配偶者がその請求に係る訴訟に参加したときに限り、その効力を有する。

人事訴訟の判決(訴えを不適法として却下した判決を除く。次項において同じ。)が確定した後は、原告は、当該人事訴訟において請求又は請求の原因を変更することにより主張することができた事実に基づいて同一の身分関係についての人事に関する訴えを提起することができない。

人事訴訟の判決が確定した後は、被告は、当該人事訴訟において反訴を提起することにより主張することができた事実に基づいて同一の身分関係についての人事に関する訴えを提起することができない。

第十二条第二項の規定により人事に関する訴えに係る身分関係の当事者の双方を被告とする場合において、その一方が死亡したときは、他の一方を被告として訴訟を追行する。この場合においては、民事訴訟法第百二十四条第一項第一号の規定は、適用しない。

第十二条第一項又は第二項の場合において、被告がいずれも死亡したときは、検察官を被告として訴訟を追行する。

人事訴訟の係属中に原告が死亡した場合には、特別の定めがある場合を除き、当該人事訴訟は、当然に終了する。

離婚、嫡出否認(父を被告とする場合を除く。)又は離縁を目的とする人事訴訟の係属中に被告が死亡した場合には、当該人事訴訟は、前条第二項の規定にかかわらず、当然に終了する。

第六節 補則

裁判所は、人事に関する訴えが提起された場合における利害関係人であって、父が死亡した後に認知の訴えが提起された場合におけるその子その他の相当と認められるものとして最高裁判所規則で定めるものに対し、訴訟が係属したことを通知するものとする。ただし、訴訟記録上その利害関係人の氏名及び住所又は居所が判明している場合に限る。

人事訴訟を本案とする保全命令事件は、の規定にかかわらず、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物若しくは係争物の所在地を管轄する家庭裁判所が管轄する。

人事訴訟に係る請求と当該請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求とを一の訴えですることができる場合には、当該損害の賠償に関する請求に係る保全命令の申立ては、仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する家庭裁判所にもすることができる。

第一節 管轄

家庭裁判所は、婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る婚姻の当事者間に成年に達しない子がある場合には、当該訴えに係る訴訟についての第六条及び第七条の規定の適用に当たっては、その子の住所又は居所を考慮しなければならない。

第二節 附帯処分等

裁判所は、申立てにより、夫婦の一方が他の一方に対して提起した婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る請求を認容する判決において、子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分、財産の分与に関する処分、親権行使者(民法第八百二十四条の二第三項の規定により単独で親権を行使する者をいう。第四項において同じ。)の指定(婚姻の取消し又は離婚に伴って親権を行う必要がある事項に係るものに限る。同項において同じ。)又は厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第七十八条の二第二項の規定による処分(以下「附帯処分」と総称する。)についての裁判をしなければならない。

前項の場合においては、裁判所は、同項の判決において、当事者に対し、子の引渡し又は金銭の支払その他の財産上の給付その他の給付を命ずることができる。

前項の規定は、裁判所が婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る請求を認容する判決において親権者の指定についての裁判をする場合について準用する。

裁判所は、第一項の子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分についての裁判若しくは親権行使者の指定についての裁判又は前項の親権者の指定についての裁判をするに当たっては、子が十五歳以上であるときは、その子の陳述を聴かなければならない。

裁判所は、前条第一項の附帯処分についての裁判又は同条第三項の親権者の指定についての裁判をするに当たっては、事実の調査をすることができる。

裁判所は、相当と認めるときは、合議体の構成員に命じ、又は家庭裁判所若しくは簡易裁判所に嘱託して前項の事実の調査(以下単に「事実の調査」という。)をさせることができる。

前項の規定により受命裁判官又は受託裁判官が事実の調査をする場合には、裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。

裁判所が審問期日を開いて当事者の陳述を聴くことにより事実の調査をするときは、他の当事者は、当該期日に立ち会うことができる。ただし、当該他の当事者が当該期日に立ち会うことにより事実の調査に支障を生ずるおそれがあると認められるときは、この限りでない。

事実の調査の手続は、公開しない。ただし、裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。

裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、第四項の審問期日における手続を行うことができる。

前項の審問期日に出頭しないでその手続に関与した当事者は、その審問期日に出頭したものとみなす。

裁判所は、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。

急迫の事情があるときは、裁判長が、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。

家庭裁判所調査官は、事実の調査の結果を書面又は口頭で裁判所に報告するものとする。

家庭裁判所調査官は、前項の規定による報告に意見を付することができる。

民事訴訟法第二十三条及び第二十五条(忌避に関する部分を除く。)の規定は、家庭裁判所調査官について準用する。

家庭裁判所調査官について除斥の申立てがあったときは、その家庭裁判所調査官は、その申立てについての裁判が確定するまでその申立てがあった事件に関与することができない。

裁判所は、第三十二条第一項の子の監護に関する処分(子の監護に要する費用の分担に関する処分に限る。)の申立てがされている場合において、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当事者に対し、その収入及び資産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる。

裁判所は、第三十二条第一項の財産の分与に関する処分の申立てがされている場合において、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当事者に対し、その財産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる。

前二項の規定により情報の開示を命じられた当事者が、正当な理由なくその情報を開示せず、又は虚偽の情報を開示したときは、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。

裁判所は、第三十二条第一項の子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分(子の監護に要する費用の分担に関する処分を除く。)の申立てがされている場合において、子の心身の状態に照らして相当でないと認める事情がなく、かつ、事実の調査のため必要があると認めるときは、当事者に対し、子との交流の試行的実施を促すことができる。

裁判所は、前項の試行的実施を促すに当たっては、交流の方法、交流をする日時及び場所並びに家庭裁判所調査官その他の者の立会いその他の関与の有無を定めるとともに、当事者に対して子の心身に有害な影響を及ぼす言動を禁止することその他適当と認める条件を付することができる。

裁判所は、第一項の試行的実施を促したときは、当事者に対してその結果の報告(当該試行的実施をしなかったときは、その理由の説明)を求めることができる。

までに改正(令和五年法律第五十三号)

訴訟記録中事実の調査に係る部分(以下この条において「事実調査部分」という。)についての民事訴訟法第九十一条第一項、第三項又は第四項の規定による閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)の請求は、裁判所が次項又は第三項の規定により許可したときに限り、することができる。

までに改正、第三項へ(令和五年法律第五十三号)

裁判所は、当事者から事実調査部分の閲覧等の許可の申立てがあった場合においては、その閲覧等を許可しなければならない。ただし、当該事実調査部分中閲覧等を行うことにより次に掲げるおそれがあると認められる部分については、相当と認めるときに限り、その閲覧等を許可することができる。

までに第三項第一号へ移動(令和五年法律第五十三号)

当事者間に成年に達しない子がある場合におけるその子の利益を害するおそれ

までに第三項第二号へ移動(令和五年法律第五十三号)

当事者又は第三者の私生活又は業務の平穏を害するおそれ

までに第三項第三号へ移動(令和五年法律第五十三号)

当事者又は第三者の私生活についての重大な秘密が明らかにされることにより、その者が社会生活を営むのに著しい支障を生じ、又はその者の名誉を著しく害するおそれ

までに改正、第四項へ(令和五年法律第五十三号)

裁判所は、利害関係を疎明した第三者から事実調査部分の閲覧等の許可の申立てがあった場合においては、相当と認めるときは、その閲覧等を許可することができる。

までに改正、第五項へ(令和五年法律第五十三号)

第二項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

までに第六項へ移動(令和五年法律第五十三号)

前項の規定による即時抗告が人事訴訟に関する手続を不当に遅延させることを目的としてされたものであると認められるときは、原裁判所は、その即時抗告を却下しなければならない。

までに第七項へ移動(令和五年法律第五十三号)

前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

までに改正、第八項へ(令和五年法律第五十三号)

第三項の申立てを却下した裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る訴訟において判決によらないで当該訴えに係る婚姻が終了した場合において、既に附帯処分の申立てがされているときであって、その附帯処分に係る事項がその婚姻の終了に際し定められていないときは、受訴裁判所は、その附帯処分についての審理及び裁判をしなければならない。

第三節 和解並びに請求の放棄及び認諾

までに改正(令和五年法律第五十三号)

離婚の訴えに係る訴訟における和解(これにより離婚がされるものに限る。以下この条において同じ。)並びに請求の放棄及び認諾については、第十九条第二項の規定にかかわらず、民事訴訟法第二百六十六条(第二項中請求の認諾に関する部分を除く。)、第二百六十七条第一項及び第二百六十七条の二の規定を適用する。ただし、請求の認諾については、第三十二条第一項の附帯処分についての裁判又は同条第三項の親権者の指定についての裁判をすることを要しない場合に限る。

までに削除(令和五年法律第五十三号)

前項の場合における民事訴訟法第二百六十七条第一項及び第二百六十七条の二第一項の規定の適用については、同法第二百六十七条第一項中「について電子調書を作成し、これをファイルに記録した」とあるのは「を調書に記載した」と、「その記録」とあるのは「その記載」と、同法第二百六十七条の二第一項中「規定によりファイルに記録された電子調書」とあるのは「調書」とする。

までに第二項へ移動(令和五年法律第五十三号)

離婚の訴えに係る訴訟においては、民事訴訟法第二百六十四条及び第二百六十五条の規定による和解をすることができない。

までに第三項へ移動(令和五年法律第五十三号)

離婚の訴えに係る訴訟における民事訴訟法第八十九条第二項及び第百七十条第三項の期日においては、同法第八十九条第三項及び第百七十条第四項の当事者は、和解及び請求の認諾をすることができない。ただし、当該期日における手続が裁判所及び当事者双方が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって行われた場合には、この限りでない。

第四節 履行の確保

第三十二条第一項又は第二項(同条第三項において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定による裁判で定められた義務については、当該裁判をした家庭裁判所(上訴裁判所が当該裁判をした場合にあっては、第一審裁判所である家庭裁判所)は、権利者の申出があるときは、その義務の履行状況を調査し、義務者に対し、その義務の履行を勧告することができる。

前項の家庭裁判所は、他の家庭裁判所に同項の規定による調査及び勧告を嘱託することができる。

第一項の家庭裁判所及び前項の嘱託を受けた家庭裁判所は、家庭裁判所調査官に第一項の規定による調査及び勧告をさせることができる。

前三項の規定は、第三十二条第一項又は第二項の規定による裁判で定めることができる義務であって、婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る訴訟における和解で定められたものの履行について準用する。

第三十二条第二項の規定による裁判で定められた金銭の支払その他の財産上の給付を目的とする義務の履行を怠った者がある場合において、相当と認めるときは、当該裁判をした家庭裁判所(上訴裁判所が当該裁判をした場合にあっては、第一審裁判所である家庭裁判所)は、権利者の申立てにより、義務者に対し、相当の期限を定めてその義務の履行をすべきことを命ずることができる。この場合において、その命令は、その命令をする時までに義務者が履行を怠った義務の全部又は一部についてするものとする。

前項の家庭裁判所は、同項の規定により義務の履行を命ずるには、義務者の陳述を聴かなければならない。

前二項の規定は、第三十二条第二項の規定による裁判で定めることができる金銭の支払その他の財産上の給付を目的とする義務であって、婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る訴訟における和解で定められたものの履行について準用する。

第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定により義務の履行を命じられた者が正当な理由なくその命令に従わないときは、その義務の履行を命じた家庭裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。

前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

民事訴訟法第百八十九条の規定は、第四項の決定について準用する。

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第三章 実親子関係訴訟の特例

父が子の出生前に死亡したとき又は民法第七百七十七条(第一号に係る部分に限る。)若しくは第七百七十八条(第一号に係る部分に限る。)に定める期間内に嫡出否認の訴えを提起しないで死亡したときは、その子のために相続権を害される者その他父の三親等内の血族は、父の死亡の日から一年以内に限り、嫡出否認の訴えを提起することができる。

父が嫡出否認の訴えを提起した後に死亡した場合には、前項の規定により嫡出否認の訴えを提起することができる者は、父の死亡の日から六月以内に訴訟手続を受け継ぐことができる。この場合においては、民事訴訟法第百二十四条第一項後段の規定は、適用しない。

民法第七百七十四条第四項に規定する前夫は、同法第七百七十五条第一項(第四号に係る部分に限る。)の規定により嫡出否認の訴えを提起する場合において、子の懐胎の時から出生の時までの間に、当該前夫との婚姻の解消又は取消しの後に母と婚姻していた者(父を除く。)がいるときは、その嫡出否認の訴えに併合してそれらの者を被告とする嫡出否認の訴えを提起しなければならない。

前項の規定により併合して提起された嫡出否認の訴えの弁論及び裁判は、それぞれ分離しないでしなければならない。

裁判所は、民法第七百七十二条第三項の規定により父が定められる子について嫡出否認の判決が確定したときは、同法第七百七十四条第四項に規定する前夫(訴訟記録上その氏名及び住所又は居所が判明しているものに限る。)に対し、当該判決の内容を通知するものとする。

第四十一条第一項及び第二項の規定は、民法第七百八十六条に規定する認知の無効の訴えについて準用する。この場合において、第四十一条第一項及び第二項中「父」とあるのは「認知をした者」と、同条第一項中「第七百七十七条(に係る部分に限る。)若しくは(」とあるのは「(」と読み替えるものとする。

子が民法第七百八十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)に定める期間内に認知の無効の訴えを提起しないで死亡したときは、子の直系卑属又はその法定代理人は、認知の無効の訴えを提起することができる。この場合においては、子の死亡の日から一年以内にその訴えを提起しなければならない。

子が民法第七百八十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)に定める期間内に認知の無効の訴えを提起した後に死亡した場合には、前項の規定により認知の無効の訴えを提起することができる者は、子の死亡の日から六月以内に訴訟手続を受け継ぐことができる。この場合においては、民事訴訟法第百二十四条第一項後段の規定は、適用しない。

認知の訴えにおいては、父又は母を被告とし、その者が死亡した後は、検察官を被告とする。

第二十六条第二項の規定は、前項の規定により父又は母を当該訴えの被告とする場合においてその者が死亡したときについて準用する。

子が認知の訴えを提起した後に死亡した場合には、その直系卑属又はその法定代理人は、民法第七百八十七条ただし書に定める期間が経過した後、子の死亡の日から六月以内に訴訟手続を受け継ぐことができる。この場合においては、民事訴訟法第百二十四条第一項後段の規定は、適用しない。

子、母、母の前婚の配偶者又はその後婚の配偶者は、民法第七百七十三条の規定により父を定めることを目的とする訴えを提起することができる。

次の各号に掲げる者が提起する前項の訴えにおいては、それぞれ当該各号に定める者を被告とし、これらの者が死亡した後は、検察官を被告とする。

子又は母 母の前婚の配偶者及びその後婚の配偶者(その一方が死亡した後は、他の一方)

母の前婚の配偶者 母の後婚の配偶者

母の後婚の配偶者 母の前婚の配偶者

第二十六条の規定は、前項の規定により同項各号に定める者を当該訴えの被告とする場合においてこれらの者が死亡したときについて準用する。

第四章 養子縁組関係訴訟の特例

第三十七条(第一項ただし書を除く。)の規定は、離縁の訴えに係る訴訟における和解(これにより離縁がされるものに限る。)並びに請求の放棄及び認諾について準用する。