裁判所は、鑑定人に口頭で意見を述べさせる場合において、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、意見を述べさせることができる。
受命裁判官又は受託裁判官が鑑定人に意見を述べさせる場合には、裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。ただし、第二百十五条の二第四項の規定による異議についての裁判は、受訴裁判所がする。
第百九十一条の規定は公務員又は公務員であった者に鑑定人として職務上の秘密について意見を述べさせる場合について、第百九十七条から第百九十九条までの規定は鑑定人が鑑定を拒む場合について、第二百一条第一項の規定は鑑定人に宣誓をさせる場合について、第百九十二条及び第百九十三条の規定は鑑定人が正当な理由なく出頭しない場合、鑑定人が宣誓を拒む場合及び鑑定拒絶を理由がないとする裁判が確定した後に鑑定人が正当な理由なく鑑定を拒む場合について準用する。
特別の学識経験により知り得た事実に関する尋問については、証人尋問に関する規定による。
第五節 書証
書証の申出は、文書を提出し、又は文書の所持者にその提出を命ずることを申し立ててしなければならない。
次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。
当事者が訴訟において引用した文書を自ら所持するとき。
挙証者が文書の所持者に対しその引渡し又は閲覧を求めることができるとき。
文書が挙証者の利益のために作成され、又は挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成されたとき。
前三号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。
公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの
第百九十七条第一項第二号に規定する事実又は同項第三号に規定する事項で、黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書
専ら文書の所持者の利用に供するための文書(国又は地方公共団体が所持する文書にあっては、公務員が組織的に用いるものを除く。)
刑事事件に係る訴訟に関する書類若しくは少年の保護事件の記録又はこれらの事件において押収されている文書
文書提出命令の申立ては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
文書の表示
文書の趣旨
文書の所持者
証明すべき事実
文書の提出義務の原因
前条第四号に掲げる場合であることを文書の提出義務の原因とする文書提出命令の申立ては、書証の申出を文書提出命令の申立てによってする必要がある場合でなければ、することができない。
裁判所は、文書提出命令の申立てを理由があると認めるときは、決定で、文書の所持者に対し、その提出を命ずる。この場合において、文書に取り調べる必要がないと認める部分又は提出の義務があると認めることができない部分があるときは、その部分を除いて、提出を命ずることができる。
裁判所は、第三者に対して文書の提出を命じようとする場合には、その第三者を審尋しなければならない。
国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ
犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれ
裁判所は、文書提出命令の申立てに係る文書が第二百二十条第四号イからニまでに掲げる文書のいずれかに該当するかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、文書の所持者にその提示をさせることができる。この場合においては、何人も、その提示された文書の開示を求めることができない。
文書提出命令の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第三者が文書提出命令に従わないときは、裁判所は、決定で、二十万円以下の過料に処する。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。