私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
事業者の間の公正かつ自由な競争を守るため、私的独占、他の事業者と共同して対価を決定するなど相互に事業活動を拘束して競争を実質的に制限すること(不当な取引制限)、不公正な取引方法を禁止し、競争を実質的に制限することとなる合併や株式の取得などを規制する法律で、が運用します。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 178
- 施行前の改正
- 1
この法令の内容
- この法律は、私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止します。また、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる株式の取得・所有、合併、共同新設分割・吸収分割、共同株式移転、他の会社の事業の全部又は重要部分の譲受けなどと、不公正な取引方法によるこれらの行為を禁止しています。どのような名目であっても、第9条から第16条までの株式の保有、役員の兼任、合併、分割、株式移転、事業の譲受けについての禁止や制限を免れる行為をしてはなりません。(第一条第一項, 第三条第一項, 第十九条第一項, 第九条第一項, 第十条第一項, 第十五条第一項, 第十五条の二第一項, 第十五条の三第一項, 第十六条第一項, 第十七条第一項)(根拠条文)
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- 事業者は、私的独占(他の事業者の事業活動を排除し、又は支配すること)や、不当な取引制限(契約、協定その他どのような名目であれ、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、引き上げ、又は数量、技術、製品、設備、取引の相手方を制限するなどして、相互に事業活動を拘束すること)をしてはなりません。どちらも、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限するものが対象です。また、事業者は、不当な取引制限や不公正な取引方法に当たる事項を内容とする国際的協定や国際的契約をしてはなりません。(第二条第五項, 第二条第六項, 第三条第一項, 第六条第一項)(根拠条文)
- 事業者は、不公正な取引方法を用いてはなりません。法律が挙げるのは、正当な理由がないのに競争者と共同して供給を拒絶すること、不当に地域や相手方によって差別的な対価で継続して供給することと、正当な理由がないのに供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給すること(どちらも、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるものに限ります)、正当な理由がないのに相手方の販売価格を拘束すること、そして自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、継続して取引する相手方に他の商品を購入させたり金銭や役務を提供させたりし、受領を拒み、返品し、支払を遅らせ、又は減額することなどです。このほか、不当な差別的取扱い、不当な対価での取引、顧客の不当な誘引、相手方の事業活動を不当に拘束する条件での取引など法律が挙げる6種類の行為で、公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、が告示で指定するものも、不公正な取引方法に当たります。(第十九条第一項, 第二条第九項, 第七十二条第一項)(根拠条文)
- 事業者団体は、一定の取引分野における競争を実質的に制限すること、第6条に規定する国際的協定や国際的契約をすること、一定の事業分野における現在又は将来の事業者の数を制限すること、構成事業者の機能や活動を不当に制限すること、事業者に不公正な取引方法に当たる行為をさせるようにすることをしてはなりません。(第八条第一項)(根拠条文)
- 国内売上高合計額が、200億円を下回らない範囲で政令が定める金額を超える会社は、子会社と合わせた国内売上高が50億円を下回らない範囲で政令が定める金額を超える他の会社の株式を取得し、その結果、自己の企業結合集団が持つ議決権の割合が、20%を下回らない範囲で政令が定める数値を超えることとなるときは、あらかじめ届け出ることが困難な場合として公正取引委員会規則で定める場合を除き、あらかじめ株式の取得に関する計画を公正取引委員会に届け出なければなりません。合併、共同新設分割、吸収分割、共同株式移転、事業等の譲受けも、同じような基準を超えるときは、すべての会社が同じ企業結合集団に属する場合を除き、あらかじめ届け出る必要があります。届出をした会社は、届出受理の日から30日を経過するまで、その取引をしてはなりません。公正取引委員会は、この期間を短縮することができます。公正取引委員会が必要な措置を命じようとするときは、この期間内(報告などを求めた場合は、届出受理の日から120日を経過した日と、すべての報告などを受理した日から90日を経過した日のいずれか遅い日まで)に、その会社に通知しなければなりません。ただし、計画の重要な事項が期限までに行われなかった場合や、計画の重要な事項に虚偽の記載があった場合などは、この期間を過ぎても通知されることがあり、期限までに行われなかった場合はその期限から1年以内です。(第十条第二項, 第十条第八項, 第十条第九項, 第十条第十項, 第十五条第二項, 第十五条第三項, 第十五条の二第二項, 第十五条の二第三項, 第十五条の二第四項, 第十五条の三第二項, 第十五条の三第三項, 第十六条第二項, 第十六条第三項)(根拠条文)
- 他の国内の会社の株式を所有することにより事業支配力が過度に集中することとなる会社は、設立してはならず、会社(外国会社を含みます)は、そのような会社になってはなりません。事業支配力が過度に集中するとは、会社とその子会社などの総合的事業規模が相当数の事業分野にわたって著しく大きいこと、資金に係る取引を通じた他の事業者への影響力が著しく大きいこと、又は相互に関連性のある相当数の事業分野でそれぞれ有力な地位を占めていることにより、国民経済に大きな影響を及ぼし、公正かつ自由な競争の促進の妨げとなることをいいます。会社とその子会社の総資産の額(国内の会社に係るもの)が、政令で定める金額(持株会社は6000億円、銀行業、保険業、第一種金融商品取引業を営む会社は8兆円、その他の会社は2兆円を下回らない範囲)を超えるときは、その会社は、他の会社の子会社である場合を除き、毎事業年度終了の日から3か月以内に、事業に関する報告書を公正取引委員会に提出しなければなりません。新たに設立された会社が設立の時にこの基準を超えているときは、設立の日から30日以内に公正取引委員会に届け出なければなりません。銀行業を営む会社は他の国内の会社(銀行業や保険業を営む会社などを除きます)の議決権の5%を、保険業を営む会社は10%を超えて取得・保有してはなりません。ただし、あらかじめ公正取引委員会の認可を受けた場合や、担保権の行使による場合など法律が挙げる場合は例外です。担保権の行使などによってこの割合を超えることとなった議決権を1年を超えて保有しようとするときは、あらかじめ公正取引委員会の認可を受けなければならず、その認可には、信託財産の場合を除き、議決権を速やかに処分することが条件として付けられます。(第九条第一項, 第九条第二項, 第九条第三項, 第九条第四項, 第九条第七項, 第十条第三項, 第十一条第一項, 第十一条第二項)(根拠条文)
目次
178 813 279 102 179
- 第一章 総則第一条〜第二条(2条)
- 第二章 私的独占及び不当な取引制限第二条の二〜第七条の九(13条)
- 第三章 事業者団体第八条〜第八条の三(3条)
- 第三章の二 独占的状態第八条の四
- 第四章 株式の保有、役員の兼任、合併、分割、株式移転及び事業の譲受け第九条〜第十八条(13条)
- 第五章 不公正な取引方法第十八条の二〜第二十条の七(9条)
- 第六章 適用除外第二十一条〜第二十三条(3条)
- 第七章 差止請求及び損害賠償第二十四条〜第二十六条(3条)
- 第八章 公正取引委員会第二十七条〜第七十六条(72条)
- 第一節 設置、任務及び所掌事務並びに組織等第二十七条〜第四十四条(21条)
- 第二節 手続第四十五条〜第七十条の十二(45条)
- 第三節 雑則第七十一条〜第七十六条(6条)
- 第九章 訴訟第七十七条〜第八十八条(17条)
- 第十章 雑則第八十八条の二
- 第十一章 罰則第八十九条〜第百条(18条)
- 第十二章 犯則事件の調査等第百一条〜第百十八条(23条)
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、公布済みでの改正が1件あります。最近の改正は下にあります。改正のページには、e-Govが記録するすべての改正を載せ、変更内容まで収録している改正は条文ごとに日本語と英語で示します。
2027年3月31日まで
遅くとも5か月後
情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律
令和九年三月三十一日までの間において政令で定める日
施行済みの改正 21件
2026年5月21日
このサイトの条文
デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律
2026年5月21日
民事訴訟法等の一部を改正する法律
2025年12月18日
スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律
2025年6月1日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2025年5月23日
情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律
2024年6月19日
スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律
2024年4月1日
デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律
2023年6月16日
デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律
2022年6月17日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2022年5月25日
民事訴訟法等の一部を改正する法律
誰に適用されるか
適用される
- 事業者(商業、工業、金融業その他の事業を行う者)。事業者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人などは、事業者団体に関する規定の適用については、事業者とみなされます。(第二条第一項, 第三条第一項, 第十九条第一項)(根拠条文)
- 事業者団体(事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする2以上の事業者の結合体やその連合体で、2以上の事業者が社員である社団、2以上の事業者が理事などの任免、業務の執行又は存立を支配している財団、2以上の事業者を組合員とする組合なども含みます)。ただし、資本や構成事業者の出資を持ち、営利を目的として事業を営むことを主たる目的とし、現にその事業を営んでいるものは含まれません。が事業者団体に排除措置を命ずる場合に特に必要があると認めるときは、その役員、管理人、構成事業者も、必要な措置を命じられます。事業者団体が第89条第1項第2号や第90条の罪に当たる違反をしたときに、その計画や違反行為を知りながら防止や是正に必要な措置を講じなかった役員、管理人、構成事業者には、罰金刑が科されます。(第二条第二項, 第八条第一項, 第八条の二第三項, 第九十五条の三第一項)(根拠条文)
適用されない
- 著作権法、特許法、実用新案法、意匠法、商標法による権利の行使と認められる行為。(第二十一条第一項)(根拠条文)
- 小規模の事業者や消費者の相互扶助を目的とし、任意に設立され、組合員が任意に加入し脱退することができ、各組合員が平等の議決権を持ち、組合員に利益分配を行う場合はその限度が法令やに定められている、法律の規定に基づいて設立された組合(組合の連合会を含みます)の行為。ただし、不公正な取引方法を用いる場合や、一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなる場合は除きます。(第二十二条第一項)(根拠条文)
続き
- が告示で指定する商品(品質が一様であることを容易に識別でき、一般消費者が日常使用し、自由な競争が行われているもの)を生産し、又は販売する事業者が、販売の相手方の事業者とその商品の再販売価格を決定し、維持するためにする正当な行為。ただし、一般消費者の利益を不当に害することとなる場合や、販売する事業者が生産する事業者の意に反してする場合は除きます。再販売価格を維持するための契約をしたときは、公正取引委員会規則で定める場合を除き、30日以内に公正取引委員会に届け出なければなりません。(第二十三条第一項, 第二十三条第二項, 第二十三条第三項, 第二十三条第六項)(根拠条文)
- 著作物を発行する事業者や、その発行する物を販売する事業者が、販売の相手方の事業者とその物の再販売価格を決定し、維持するためにする正当な行為も、同じように扱われます。どちらの再販売価格の例外も、消費生活協同組合法、農業協同組合法、労働組合法など、この法律が挙げる法律に基づいて設立された団体を販売の相手方とする場合は対象になりません。ただし、中小企業等協同組合法と中小企業団体の組織に関する法律に基づく事業協同組合や商工組合などについては、その組合を直接又は間接に構成する者が消費するために買い受ける場合に限ります。(第二十三条第四項, 第二十三条第五項)(根拠条文)
特例と適用除外(3)
- 課徴金の対象となる不当な取引制限をした事業者のうち、調査開始日より前に、単独で最初にに違反行為に係る事実の報告と資料の提出を行い、調査開始日以後に違反行為をしていない事業者には、課徴金の納付は命じられません。調査開始日より前に報告した2番目の事業者は100分の20、3番目から5番目は100分の10、6番目以降は100分の5が減額されます(4番目以降は、公正取引委員会が既に把握している事実に係るものを除きます)。いずれも、調査開始日以後に違反行為をしていないことが条件です。調査開始日以後、公正取引委員会規則で定める期日までに、公正取引委員会がまだ把握していない事実を報告した事業者は、報告者の数が全体で5以下、調査開始日以後で3以下の範囲で100分の10、それ以外は100分の5が減額されます。この場合は、報告した日以後に違反行為をしていないことが条件です。最初の報告者以外の報告者は、公正取引委員会と協議して、さらに事実の報告や資料の提出などに協力する合意をすれば、100分の40以下(調査開始日以後の報告者は100分の20以下)の割合で、さらに減額を受けられます。ただし、命令の前に、報告や資料に虚偽の内容があったこと、他の事業者に違反行為を強要したりやめることを妨害したりしていたこと、合意に違反したことなどが認められると、これらの減免は受けられません。(第七条の四第一項, 第七条の四第二項, 第七条の四第三項, 第七条の五第一項, 第七条の五第三項, 第七条の六第一項)(根拠条文)
- 同じ事件について事業者を罰金刑に処する確定裁判があるときは、不当な取引制限や私的独占の課徴金の額から、罰金額の2分の1が控除されます。課徴金の額が罰金額の2分の1を超えないときや、控除後の額が100万円未満になるときは、課徴金の納付は命じられません。既に納付命令がされている場合も、同じように額が変更され、又は納付命令が取り消されます。(第七条の七第一項, 第七条の七第二項, 第七条の九第三項, 第七条の九第四項, 第六十三条第一項, 第六十三条第二項)(根拠条文)
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第45号)の主な部分が施行された日より前に行われた課徴金の対象となる違反行為にも、課徴金の納付を命ずる手続には改正後の規定が適用されます。ただし、同法の附則は、次の点で従前の例によることを定めています。施行日より前に既になくなっていた違反行為の課徴金の額は、なお従前の例により計算します。施行日より前に始まり施行日以後になくなった違反行為も、施行日より前の部分の額は、附則による読替えのうえ、なお従前の例により計算します。施行日より前に行われた事実の報告と資料の提出による課徴金の減額や免除も、なお従前の例によります。施行の際に、違反行為がなくなってから既に5年を経過していたものについては、課徴金の納付を命ずることはできません。(附則第四条第一項, 附則第五条第一項, 附則第五条第二項, 附則第五条第三項, 附則第六条第一項, 附則第六条第二項, 附則第六条第三項, 附則第六条第四項, 附則第六条第五項)(根拠条文)
どのように守らせるか(12)
- この法律はが運用します。公正取引委員会は委員長と委員4人で組織され、委員長と委員は独立して職権を行います。この法律に違反する事実があると考える人は誰でも、公正取引委員会に報告して適当な措置をとるよう求めることができ、報告を受けた公正取引委員会は必要な調査をしなければなりません。公正取引委員会は、職権で措置をとることもできます。事件の調査のため、公正取引委員会や公正取引委員会が指定した審査官は、事件関係人や参考人に出頭を命じて審尋し、帳簿書類などの提出を命じ、営業所などに立ち入って検査することができます。この権限は、犯罪捜査のために認められたものではありません。事件の調査とは別に、職務に必要なときは、公務所、事業者、事業者団体やその職員に出頭を命じ、報告、情報、資料の提出を求めることもできます。事件の調査で出頭や物件の提出をしなかったり、虚偽の陳述や報告をしたり、検査を拒んだり妨げたりすると、1年以下の又は300万円以下のに処せられ、法人にも2億円以下の罰金が科されます。事件の調査とは別の求めに応じなかったり虚偽の報告などをしたりすると、300万円以下の罰金です。(第二十七条第一項, 第二十八条第一項, 第二十九条第一項, 第四十五条第一項, 第四十五条第二項, 第四十五条第四項, 第四十七条第一項, 第四十七条第二項, 第四十七条第四項, 第九十四条第一項, 第四十条第一項, 第九十四条の二第一項, 第九十五条第一項)(根拠条文)
- 違反行為があるときは、公正取引委員会は、行為の差止め、事業の一部の譲渡、契約条項の削除、株式の処分、事業者団体の解散など、違反行為を排除するために必要な措置を命ずることができます(排除措置命令)。第3条、第6条、第8条、第19条に違反する行為が既になくなっている場合でも、特に必要があると認めるときは、行為がなくなった日から7年を経過するまでは、排除されたことを確保するために必要な措置を命ずることができます。排除措置命令や課徴金の納付命令をしようとするときは、公正取引委員会は、名宛人となるべき者に、予定される命令の内容や公正取引委員会の認定した事実などを書面で通知し、意見聴取を行わなければなりません。名宛人となるべき者は、意見を述べ、証拠を提出し、認定した事実を立証する証拠の閲覧(一部は謄写)を求めることができます。命令は、命令書の謄本の送達によって効力を生じます。これらの命令に対してをすることはできません。命令に対する抗告訴訟は公正取引委員会を被告とし、東京地方裁判所の管轄に専属します。(第七条第一項, 第七条第二項, 第八条の二第一項, 第八条の二第二項, 第十七条の二第一項, 第十七条の二第二項, 第二十条第一項, 第二十条第二項, 第四十九条第一項, 第五十条第一項, 第五十二条第一項, 第五十四条第二項, 第六十一条第二項, 第六十二条第四項, 第七十条の十二第一項, 第七十七条第一項, 第八十五条第一項)(根拠条文)
- 不当な取引制限(それに当たる事項を内容とする国際的協定や国際的契約を含みます)のうち、商品や役務の対価に係るもの、又は供給量、購入量、市場占有率、取引の相手方を実質的に制限することで対価に影響するものについては、公正取引委員会は、その事業者に課徴金を国庫に納付するよう命じなければなりません。額は、実行期間(調査開始日から遡って10年を限度とします)における違反行為に係る商品や役務の売上額や購入額(一定の子会社等の分を含みます)と、その事業者と違反行為をしていない完全子会社等が行った密接に関連する業務の対価の額との合計に100分の10を掛けた額に、違反行為に係る商品や役務を他の者に供給しないことなどに関して得た金銭その他の利益の額を加えた額です。法律が定める規模以下の中小企業は、子会社等にその規模を超えるものがある場合を除き、100分の10が100分の4になり、額が100万円未満のときは命じられません。事業者団体がこうした行為をしたときも、第8条の3により、その構成事業者に課徴金が課されます。調査開始日から遡って10年以内に納付命令など(確定したものに限ります)を受け、その日以後も違反行為をしていた事業者(完全子会社が受けていた場合や、合併した相手方や事業を譲り受けた相手方が受けていた場合なども含みます)や、違反行為を企てて他の事業者にさせたり、違反行為を容易にする重要な行為をしたりした事業者は額が1.5倍になり、その両方に当たる事業者は2倍になります。この割増しは、事業者団体の構成事業者に課される課徴金には適用されません。(第七条の二第一項, 第七条の二第二項, 第二条の二第十三項, 第七条の三第一項, 第七条の三第二項, 第七条の三第三項, 第八条の三第一項)(根拠条文)
- 私的独占にも課徴金があります。他の事業者の事業活動を支配することによるもので、対価に係るものや対価に影響するものは100分の10、他の事業者の事業活動を排除することによるものは売上額の100分の6です。不公正な取引方法のうち、共同の供給拒絶、差別対価、不当廉売、再販売価格の拘束は、調査開始日から遡って10年以内に自己又は完全子会社が同じ種類の行為で命令(確定したものに限ります)を受けていた事業者に限り、売上額の100分の3の課徴金が課されます。ただし、その行為で不当な取引制限や私的独占の課徴金の納付命令などを受けたときは課されません。自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用した行為を継続して行った場合は、相手方との取引額の100分の1で、いずれも、額が100万円未満のときは命じられません。違反行為の期間が終了した日から7年を経過すると、課徴金の納付を命ずることはできません。課徴金の計算の基礎となる事実について報告や資料の提出の求めに事業者が応じないときは、公正取引委員会は、その期間の額を、入手した資料などから公正取引委員会規則で定める合理的な方法で推計して、納付を命ずることができます。課徴金の納期限は課徴金納付命令書の謄本を発する日から7か月を経過した日で、納期限までに納付しないときは督促され、政令で定める年14.5%以内の割合で、納期限の翌日からの延滞金が課されることがあります。督促状で指定された期限までにも納付しないときは、公正取引委員会は、課徴金と延滞金を国税滞納処分の例により徴収することができます。(第七条の九第一項, 第七条の九第二項, 第二十条の二第一項, 第二十条の三第一項, 第二十条の四第一項, 第二十条の五第一項, 第二十条の六第一項, 第七条の八第六項, 第二十条の七第一項, 第六十二条第三項, 第六十九条第一項, 第六十九条第二項, 第六十九条第四項, 第七条の二第三項, 第七条の九第三項, 第七条の九第四項)(根拠条文)
- 課徴金の対象となる違反行為をした事業者が合併で消滅すると、その違反行為は、合併後存続する法人や合併で設立された法人がしたものとみなされます(不当な取引制限と私的独占では、受けた命令なども同じです)。違反行為をした法人が、違反行為に係る事業の全部を子会社等に譲渡し、又は分割で承継させて、合併以外の事由で消滅した場合も、その子会社等について同じように扱われます。既になくなった違反行為について排除されたことを確保する措置の命令は、合併や分割で事業を承継した法人や、事業を譲り受けた事業者にもすることができます。(第七条の八第三項, 第七条の八第四項, 第七条の九第三項, 第二十条の七第一項, 第七条第二項)(根拠条文)
- 公正取引委員会は、この法律の主な禁止規定に違反する疑いがある場合に、公正かつ自由な競争の促進を図る上で必要があると認めるときは、意見聴取の通知をする前であれば、その行為をしている者に、行為の概要や違反する疑いのある法令の条項などを書面で通知することができます。通知を受けた者は、疑いの理由となった行為を排除するために必要な措置を自ら策定し、その計画(排除措置計画)を通知の日から60日以内に提出して、認定を申請することができます。第3条、第6条、第8条、第19条に違反する疑いのある行為が既になくなっている場合は、同じように通知を受けて、排除されたことを確保するための計画(排除確保措置計画)を提出し、認定を申請することができます。公正取引委員会が、措置が十分で確実に実施されると見込まれるとして計画を認定したときは、その行為について排除措置命令や課徴金の納付命令はされません。ただし、計画に従って措置が実施されていない場合や、虚偽又は不正の事実に基づいて認定を受けたことが判明した場合は、認定が取り消され、これらの命令ができるようになります。取消しが命令の期限の満了する日の2年前の日以後であれば、取消しの決定の日から2年間は命ずることができます。(第四十八条の二第一項, 第四十八条の三第一項, 第四十八条の三第三項, 第四十八条の四第一項, 第四十八条の五第一項, 第四十八条の五第三項, 第四十八条の五第四項, 第四十八条の六第一項, 第四十八条の七第一項, 第四十八条の七第三項, 第四十八条の八第一項, 第四十八条の九第一項, 第四十八条の九第三項, 第四十八条の九第四項)(根拠条文)
- 独占的状態とは、国内で供給された同種の商品や役務の1年間の合計額が1000億円(政令で別段の定めをすることがあります)を超える事業分野で、1つの事業者の事業分野占拠率が2分の1を超えるか、2つの事業者の合計が4分の3を超え、新規参入を著しく困難にする事情があり、相当の期間、価格の上昇が著しいか低下がわずかで、かつその事業者の利益率や販売費及び一般管理費が標準を著しく超えている状態をいいます。独占的状態があるときは、公正取引委員会は、事業の一部の譲渡など、競争を回復させるために必要な措置を命ずることができます。ただし、その措置によって事業の規模が縮小して供給に要する費用が著しく上昇したり、経理が不健全になったり、国際競争力の維持が困難になったりする場合や、競争を回復するに足りる他の措置が講じられる場合は、命ずることができません。この命令(競争回復措置命令)には3人以上の意見の一致が必要で、事業の主務大臣との協議と公聴会を経なければならず、確定するまで執行できません。(第二条第七項, 第二条第八項, 第八条の四第一項, 第六十四条第三項, 第六十四条第五項, 第六十五条第三項)(根拠条文)
- 裁判所は、緊急の必要があると認めるときは、公正取引委員会の申立てにより、この法律の主な禁止規定に違反する疑いのある行為をしている者に、その行為、議決権の行使、会社の役員の業務の執行を一時停止するよう命ずることができます。命じられた者は、裁判所が定める保証金などを供託して、その執行を免れることができます。この事件は、東京地方裁判所の管轄に専属します。この裁判に違反すると30万円以下の過料に、排除措置命令に違反すると、刑を科すべき場合を除き、50万円以下の過料に処せられます。(第七十条の四第一項, 第七十条の五第一項, 第八十五条第一項, 第九十七条第一項, 第九十八条第一項)(根拠条文)
- 株式の取得、合併、共同新設分割・吸収分割、共同株式移転、事業等の譲受け、再販売価格を維持するための契約の届出や、第9条の報告書や新設会社の届出をしなかったり、虚偽の記載をしたりした者と、30日の待機期間中に株式の取得をしたり、合併などのや事業等の譲受けをしたりした者は、200万円以下の罰金に処せられ、行為者のほか法人にも同じ罰金が科されます。第11条に違反して株式を取得し、又は所有した者は、1年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金に処せられ、法人にも同じ罰金が科されます。届出や待機期間の定めに違反した合併、共同新設分割・吸収分割、共同株式移転については、公正取引委員会がその無効の訴えを起こすことができます。(第九十一条の二第一項, 第九十一条第一項, 第九十五条第一項, 第十八条第一項, 第十八条第二項, 第十八条第三項)(根拠条文)
- 第3条に違反して私的独占や不当な取引制限をした者と、第8条第1号に違反して一定の取引分野における競争を実質的に制限した者は、5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金に処せられ、未遂も罰せられます。不当な取引制限に当たる事項を内容とする国際的協定や国際的契約をした者、事業者の数を制限したり構成事業者の活動を不当に制限したりした事業者団体、確定した排除措置命令や競争回復措置命令に従わない者は、2年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金です。これらの罪では、情状により、拘禁刑と罰金を併せて科すことができます。法人の代表者や、法人や人の代理人、使用人その他の従業者が、その業務に関して違反行為をしたときは、行為者のほか、その法人や人にも罰金刑が科され、第89条の罪では5億円以下、確定した命令に従わない罪では多くの場合3億円以下です。私的独占や不当な取引制限などについて、違反の計画や違反行為を知りながら、防止や是正に必要な措置を講じなかった法人の代表者にも、それぞれの条の罰金刑が科されます。裁判所は、第89条第1項第2号や第90条の刑の言渡しと同時に、十分な理由があれば、事業者団体の解散を宣告することができます。また、第89条や第90条の罪では、情状により、違反行為に使われた犯人の特許権の特許などを取り消すべきことや、判決確定後6か月以上3年以下の期間、政府と契約をすることができないことを宣告することもできます。(第八十九条第一項, 第八十九条第二項, 第九十条第一項, 第九十二条第一項, 第九十五条第一項, 第九十五条第二項, 第九十五条の二第一項, 第九十五条の四第一項, 第九十五条の四第二項, 第百条第一項)(根拠条文)
- 第89条から第91条までの罪は、公正取引委員会の告発を待って論ずるもので、告発は文書で行います。公正取引委員会は、第12章の手続による調査で犯則の心証を得たときや、この法律の規定に違反する犯罪があると考えるときは、検事総長に告発しなければなりません。犯則事件の調査では、公正取引委員会が指定した職員が、犯則嫌疑者や参考人に出頭を求めて質問し、裁判官があらかじめ発する許可状により、臨検、捜索、差押えをすることができます。(第九十六条第一項, 第九十六条第二項, 第七十四条第一項, 第七十四条第二項, 第百一条第一項, 第百二条第一項)(根拠条文)
- 第8条第5号や第19条に違反する行為によって利益を侵害され、又は侵害されるおそれがあり、それによって著しい損害が生じ、又は生ずるおそれがある人は、その事業者や事業者団体に、侵害の停止や予防を請求することができます。この訴えでは、訴えが不正な目的によるものであることを被告が疎明すれば、裁判所は原告に相当の担保を立てるよう命ずることができます。また、裁判所は、侵害行為の立証に必要な書類や電磁的記録の提出を当事者に命ずることができます。ただし、提出を拒むことに正当な理由があるときは別です。第3条、第19条に違反した事業者、第6条に違反した事業者のうち国際的協定や国際的契約で自ら不当な取引制限をし又は不公正な取引方法を用いた事業者、第8条に違反した事業者団体は、被害者に対しての責任を負い、故意や過失がなかったことを証明しても、その責任を免れることはできません。この損害賠償の請求権は、排除措置命令(それがない場合は納付命令。事業者団体の構成事業者に対するものを除きます)が確定した後でなければ裁判で主張できず、確定した日から3年で時効により消滅します。第一審は東京地方裁判所です。(第二十四条第一項, 第七十八条第一項, 第七十八条第二項, 第八十条第一項, 第二十五条第一項, 第二十五条第二項, 第二十六条第一項, 第二十六条第二項, 第八十五条の二第一項)(根拠条文)
他の法令とのつながり
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