特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律
従業員を使用しない個人や、代表者1人だけで従業員のいない法人が事業者から業務委託を受けるときの取引を適正にし、その就業環境を整えるための法律です。取引条件の明示、期日までの報酬の支払、不当な取扱いの禁止、ハラスメントの防止などを定めています。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 26
- 施行前の改正
- 0
この法令の内容
- 特定受託事業者に業務委託をした事業者(業務委託事業者)は、自らが従業員を使用していなくても、直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日その他の公正取引委員会規則で定める事項を、書面または電磁的方法で特定受託事業者に明示しなければなりません。内容を定められないことに正当な理由がある事項は、その内容が定まった後、直ちに明示します。電磁的方法で明示した後に特定受託事業者から書面の交付を求められたときは、特定受託事業者の保護に支障がない場合として公正取引委員会規則で定める場合を除き、遅滞なく書面を交付しなければなりません。(第三条第一項, 第三条第二項, 第二条第五項)(根拠条文)
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- 特定業務委託事業者(従業員を使用する個人、または2人以上の役員がいるか従業員を使用する法人)は、給付の内容について検査をするかどうかにかかわらず、給付を受領した日(役務の提供の場合は、提供を受けた日)から起算して60日以内で、かつ、できる限り短い期間内に報酬の支払期日を定め、その日までに報酬を支払わなければなりません。支払期日を定めなかったときは給付を受領した日が、60日を超える日を定めたときは受領した日から起算して60日を経過する日が、支払期日と定められたものとみなされます。(第四条第一項, 第四条第二項, 第四条第五項, 第二条第六項)(根拠条文)
- 政令で定める期間以上(契約の更新によりその期間以上続くことになる場合を含みます)の業務委託では、特定業務委託事業者は、特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、給付の受領を拒むこと、報酬の額を減ずること、給付を受領した後にその給付に係る物を引き取らせることをしてはなりません。また、同種・類似の給付に通常支払われる対価に比べて著しく低い報酬の額を不当に定めること、給付の内容を均質にし、または改善を図るため必要な場合など正当な理由がある場合を除いて自己の指定する物の購入や役務の利用を強制すること、そして、自己のために金銭や役務その他の経済上の利益を提供させたり、特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに給付の内容を変更させたりやり直させたりして特定受託事業者の利益を不当に害することも、してはなりません。(第五条第一項, 第五条第二項)(根拠条文)
- 特定業務委託事業者は、新聞、雑誌その他の刊行物に掲載する広告、文書の掲出や頒布、その他厚生労働省令で定める方法で、特定受託事業者の募集に関する情報(業務の内容その他の就業に関する事項として政令で定める事項に係るもの)を提供するときは、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、その情報を正確かつ最新の内容に保たなければなりません。(第十二条第一項, 第十二条第二項)(根拠条文)
- 政令で定める期間以上(契約の更新によりその期間以上続くことになる場合を含みます)の業務委託(継続的業務委託)では、特定業務委託事業者は、特定受託事業者から申出があれば、妊娠、出産、育児または介護と両立しながら業務に従事できるよう、その育児介護等の状況に応じた必要な配慮をしなければなりません。それ以外の業務委託では、この配慮をするよう努めなければなりません。特定受託事業者が法人の場合は、その代表者の状況に応じて配慮します。(第十三条第一項, 第十三条第二項)(根拠条文)
- 特定業務委託事業者は、業務委託に関して特定受託業務従事者(特定受託事業者である個人、または特定受託事業者である法人の代表者)に対して行われる性的な言動(その言動への対応によって業務委託の条件に不利益を与えることや、就業環境を害すること)、妊娠・出産に関する事由のうち厚生労働省令で定めるものに関する言動で就業環境を害すること、取引上の優越的な関係を背景とした言動で業務の遂行に必要かつ相当な範囲を超えたものにより就業環境を害することが起きないよう、相談に応じ適切に対応するための体制の整備その他の必要な措置を講じなければなりません。また、相談をしたことや、相談への対応に協力して事実を述べたことを理由に、業務委託に係る契約のその他の不利益な取扱いをしてはなりません。特定受託業務従事者が法人の代表者である場合、業務委託の条件についての不利益や、この不利益な取扱いから守られるのは、その法人です。(第十四条第一項, 第十四条第一項第一号, 第十四条第二項, 第二条第二項)(根拠条文)
- 特定業務委託事業者は、継続的業務委託に係る契約を解除するとき(契約期間の満了後に更新しない場合を含みます)は、厚生労働省令で定めるところにより、少なくとも30日前までに特定受託事業者に予告しなければなりません。ただし、災害その他やむを得ない事由で予告が困難な場合など、厚生労働省令で定める場合は除かれます。予告の日から契約が満了する日までの間に特定受託事業者が解除の理由の開示を請求したときは、第三者の利益を害するおそれがある場合など厚生労働省令で定める場合を除き、遅滞なく開示しなければなりません。(第十六条第一項, 第十六条第二項)(根拠条文)
特定受託事業者取引条件の明示報酬の支払期日禁止行為募集情報の表示育児介護等への配慮ハラスメント対策契約解除の予告
目次
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、施行を待つ改正はありません。改正の履歴は下にあります。変更内容まで収録している改正は、改正のページに条文ごとに日本語と英語で示します。
施行済みの改正 1件
2024年11月1日
このサイトの条文
改正法令名の記載なし
誰に適用されるか
適用される
- この法律が取引の適正化を図る相手である特定受託事業者。業務委託の相手方である事業者のうち、従業員を使用しない個人と、代表者1人のほかに役員がおらず従業員も使用しない法人をいいます。ハラスメント対策の規定が守るのは、その個人、またはその法人の代表者(特定受託業務従事者)で、一部の規定はその法人自体も守ります。(第一条第一項, 第二条第一項, 第二条第二項, 第十四条第一項, 第十四条第二項)(根拠条文)
- 業務委託とは、事業者がその事業のために、他の事業者に物品の製造(加工を含みます)や情報成果物(プログラム、映画・放送番組など影像や音響で構成されるもの、文字・図形・記号などで構成されるもの、これらに類するもので政令で定めるもの)の作成を委託すること、または役務の提供を委託することをいいます。(第二条第三項, 第二条第四項)(根拠条文)
続き
- 特定受託事業者に業務委託をするすべての事業者(業務委託事業者)。従業員を使用しない事業者も含みます。取引条件を書面または電磁的方法で明示し、申出をした特定受託事業者に不利益な取扱いをしてはなりません。(第二条第五項, 第三条第一項, 第六条第三項)(根拠条文)
- 特定業務委託事業者。業務委託事業者のうち、従業員を使用する個人と、2人以上の役員がいるか従業員を使用する法人をいいます。報酬の支払期日、禁止行為、募集情報の表示、育児介護等への配慮、ハラスメント対策、の予告の規定は、特定業務委託事業者に義務を課しています。(第二条第六項, 第四条第一項, 第五条第一項, 第十二条第一項, 第十三条第一項, 第十四条第一項, 第十六条第一項)(根拠条文)
特例と適用除外(3)
- 他の事業者(元委託者)から業務委託を受けた特定業務委託事業者が、その業務を特定受託事業者に再委託し、再委託であること、元委託者の氏名または名称、元委託業務の対価の支払期日(元委託支払期日)などの公正取引委員会規則で定める事項を明示した場合は、報酬の支払期日は、元委託支払期日から起算して30日以内で、かつ、できる限り短い期間内に定めなければなりません。支払期日を定めなかったときは元委託支払期日が、30日を超える日を定めたときはその日から起算して30日を経過する日が、支払期日とみなされます。元委託者から前払金を受けたときは、資材の調達など業務の着手に必要な費用を前払金として特定受託事業者に支払うよう、適切な配慮をしなければなりません。(第四条第三項, 第四条第四項, 第四条第六項)(根拠条文)
- 特定受託事業者の責めに帰すべき事由により支払期日までに報酬を支払えなかったときは、その事由が消滅した日から起算して60日(再委託の場合は30日)以内に支払わなければなりません。(第四条第五項)(根拠条文)
- 役務の提供を委託した場合には、給付の受領を拒むことと、給付に係る物を引き取らせることの禁止は適用されません。(第五条第一項)(根拠条文)
どのように守らせるか(8)
- 取引条件の明示、報酬の支払、禁止行為などを定める第2章の規定に違反する事実がある場合、特定受託事業者は、公正取引委員会または中小企業庁長官に申し出て、適当な措置をとるよう求めることができます。募集情報、育児介護等への配慮、ハラスメント対策、の予告などを定める第3章の規定に違反する事実がある場合は、業務委託を受け、または受けようとする特定受託事業者が、厚生労働大臣に申し出ることができます。申出を受けた側は必要な調査を行い、申出の内容が事実であると認めるときは、この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければなりません。(第六条第一項, 第六条第二項, 第十七条第一項, 第十七条第二項)(根拠条文)
- 事業者は、特定受託事業者が申出をしたことを理由に、取引の数量の削減、取引の停止その他の不利益な取扱いをしてはなりません。(第六条第三項, 第十七条第三項)(根拠条文)
- 中小企業庁長官は、事業者が取引条件の明示、報酬の支払、禁止行為の規定に違反したかどうか、申出を理由とする不利益な取扱いをしているかどうかを調査し、その事実があると認めるときは、公正取引委員会に対し、この法律に従って適当な措置をとるよう求めることができます。(第七条第一項, 第七条第二項)(根拠条文)
- 公正取引委員会は、事業者が取引条件の明示、報酬の支払、禁止行為の規定に違反し、または申出を理由とする不利益な取扱いをしていると認めるときは、速やかに明示をすること、報酬を支払うこと、給付を受領すること、減じた額を支払うこと、報酬の額を引き上げることなど、必要な措置をとるよう勧告することができます。勧告を受けた者が正当な理由なく措置をとらなかったときは、その措置をとるよう命令し、命令をしたことを公表することができます。命令には、第10条により、別の法律である私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)の規定が準用されます。(第八条, 第九条第一項, 第九条第二項, 第十条第一項)(根拠条文)
- 厚生労働大臣は、特定業務委託事業者が募集情報の表示、ハラスメント対策、解除の予告の規定に違反し、または申出を理由とする不利益な取扱いをしていると認めるときは、違反を是正し、または防止するために必要な措置をとるよう勧告することができます。第13条の育児介護等への配慮は、この勧告の対象に含まれていません。勧告を受けた者が正当な理由なく措置をとらなかったときは、措置をとるよう命令し、命令をしたことを公表できますが、ハラスメント対策(第14条)に係る勧告については、従わなかったことを公表できるだけです。厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、一部を都道府県労働局長に委任することができます。(第十八条第一項, 第十九条第一項, 第十九条第二項, 第十九条第三項, 第二十三条第一項)(根拠条文)
- 公正取引委員会、中小企業庁長官、厚生労働大臣は、それぞれの措置に必要な限度で、事業者、特定受託事業者その他の関係者に業務委託に関する報告をさせ、職員に事務所などに立ち入って帳簿書類その他の物件を検査させることができます。立ち入る職員は身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならず、この立入検査の権限は犯罪捜査のために認められたものではありません。ハラスメント対策については、厚生労働大臣は特定業務委託事業者に報告を求めることができるだけです。(第十一条第一項, 第十一条第二項, 第十一条第三項, 第十一条第四項, 第二十条第一項, 第二十条第二項, 第二十条第三項)(根拠条文)
- 公正取引委員会または厚生労働大臣の命令に違反したとき、報告をせず、もしくは虚偽の報告をしたとき、検査を拒み、妨げ、もしくは忌避したときは、違反行為をした者は50万円以下の罰金に処せられ、その法人や人の業務に関して行われた場合は、その法人や人にも罰金刑が科されます。ハラスメント対策に関して厚生労働大臣に報告をせず、または虚偽の報告をした者は、20万円以下の過料に処せられます。(第二十四条第一項, 第二十五条第一項, 第二十六条第一項)(根拠条文)
- 公正取引委員会、中小企業庁長官、厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、業務委託事業者に指導及び助言をすることができます。厚生労働大臣は、募集情報の表示、育児介護等への配慮、ハラスメント対策について、特定業務委託事業者が適切に対処するための指針を公表します。国は、特定受託事業者からの相談に応じ、適切に対応するための体制を整備します。(第二十二条第一項, 第十五条第一項, 第二十一条第一項)(根拠条文)
他の法令とのつながり
収録内の他の法令とは参照し合っていません。
ほかに、収録していない法令を1件、名指しで参照しています。