国民健康保険法
日本国内に住所を有する人のうち、健康保険などの対象となる人など第6条で除かれる人を除いた人が加入する国民健康保険について定める法律です。都道府県と市町村、そして国民健康保険組合が、病気、けが、出産、死亡に関して保険給付を行います。その費用には、世帯主や組合員から徴収する保険料と、国や都道府県の負担などを充てます。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 190
- 施行前の改正
- 9
この法令の内容
- 都道府県は、その都道府県内の市町村(を含みます)とともに、国民健康保険を行います。都道府県は、安定的な財政運営や市町村の国民健康保険事業の効率的な実施の確保などについて中心的な役割を果たし、毎年度、政令で定めるところにより、都道府県ので、市町村から国民健康保険事業費納付金を徴収します。市町村は、被保険者の資格の取得と喪失に関する事務、保険料の徴収、保健事業の実施などを行い、療養の給付などの保険給付も行います。国民健康保険組合も、国民健康保険を行うことができます。(第三条第一項, 第三条第二項, 第四条第二項, 第四条第三項, 第七十五条の七第一項, 第七十五条の七第二項, 第三十六条第一項)(根拠条文)
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- 都道府県等が行う国民健康保険の被保険者の資格は、都道府県の区域内に住所を有するに至った日、または第6条各号のいずれにも該当しなくなった日に取得します。資格を喪失するのは、都道府県の区域内に住所を有しなくなった日の翌日(その日に他の都道府県の区域内に住所を有するに至ったときは、その日)、または第6条各号のいずれかに該当するに至った日の翌日です。ただし、生活保護を受けている世帯に属するに至ったとき(第9号)と、国民健康保険組合の被保険者になったとき(第10号)は、その日に資格を喪失します。2028年3月31日までの定めです。(第七条第一項, 第八条第一項, 第八条第二項)(根拠条文)
- 都道府県等が行う国民健康保険の被保険者の資格は、都道府県の区域内に住所を有するに至った日、または第6条各号のいずれにも該当しなくなった日に取得します。資格を喪失するのは、都道府県の区域内に住所を有しなくなった日の翌日(その日に他の都道府県の区域内に住所を有するに至ったときは、その日)、または第6条第11号(厚生労働省令で定める人)に該当するに至った日の翌日です。第6条第1号から第10号まで(健康保険法の被保険者になったときなど)のいずれかに該当するに至ったときは、その日に資格を喪失します。第1号から第8号までのいずれかに該当するに至った日がこの規定の施行日より前のときは、資格の喪失については従前の例によります。2028年4月1日からの定めです。(第七条第一項, 第八条第一項, 第八条第二項, 附則第二十一条第一項, 附則第一条第一項第五号)(根拠条文)
- 被保険者は、病気やけがについて、自分で選んだ保険医療機関等から、診察、薬剤や治療材料の支給、処置・手術その他の治療、居宅での療養上の管理と看護、病院・診療所への入院と看護という療養の給付を受けます。その際、個人番号カードを使う電子資格確認など、厚生労働省令で定める方法で、被保険者であることの確認を受けます(厚生労働省令で定める場合は、この確認は要りません)。保険医療機関等には、一部負担金として費用の3割を支払います。6歳に達する日以後の最初の3月31日までは2割、70歳に達する日の属する月の翌月以後は2割です。ただし、70歳に達する日の属する月の翌月以後の人でも、その世帯の被保険者(70歳に達する日の属する月の翌月以後の人など)について政令で定めるところにより計算した所得の額が政令で定める額以上のときは3割です。入院中の食事には、食事療養標準負担額を差し引いた入院時食事療養費(療養病床に入院する、65歳に達する日の属する月の翌月以後の人には、生活療養標準負担額を差し引いた入院時生活療養費)が支給されます。訪問看護療養費(一部負担金に相当する額を差し引いた額)と移送費は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村や組合が必要と認める場合に限り支給されます。(第三十六条第一項, 第三十六条第三項, 第四十二条第一項, 第四十二条第一項第一号, 第四十二条第一項第二号, 第四十二条第一項第三号, 第四十二条第一項第四号, 第三十六条第二項第一号, 第五十二条第一項, 第五十二条第二項, 第五十二条の二第一項, 第五十二条の二第二項, 第五十四条の二第一項, 第五十四条の二第二項, 第五十四条の二第四項, 第五十四条の四第一項, 第五十四条の四第二項)(根拠条文)
- 療養の一部負担金などの額が著しく高額であるときは、世帯主または組合員に高額療養費が支給されます。支給の要件や額は、療養に必要な費用の負担が家計、とりわけ長期にわたって継続して療養を受ける人の家計に与える影響などを考慮して、政令で定めます。一部負担金などの額と介護保険の利用者負担額の合計額が著しく高額であるときは、高額介護合算療養費が支給されます。市町村と組合は、または規約の定めるところにより、傷病手当金の支給その他の保険給付を行うこともできます。(第五十七条の二第一項, 第五十七条の二第二項, 第五十七条の三第一項, 第五十八条第二項)(根拠条文)
- 市町村と組合は、被保険者の出産と死亡に関して、条例または規約の定めるところにより、出産育児一時金の支給、または葬祭費の支給か葬祭の給付を行います。ただし、特別の理由があるときは、その全部または一部を行わないことができます。この規定は、政令で定める日(遅くとも2028年6月4日)の前日まで適用され、その日からは、代わりに次の規定が適用されます。施行日(遅くとも2028年6月4日)の前日までの定めです。(第五十八条第一項, 附則第一条第一項第六号)(根拠条文)
- 政令で定める日(遅くとも2028年6月4日)から、被保険者が電子資格確認等により被保険者であることの確認を受け、分娩取扱保険医療機関または指定助産所で分娩の手当を受けたときは、世帯主または組合員に分娩費が支給されます。分娩費の額は、健康保険法の規定による厚生労働大臣の定めの例により計算した分娩の手当の費用の額です。また、分娩取扱保険医療機関または指定助産所で国民健康保険の分娩の手当を受けて出産したときは、世帯主または組合員に、政令で定める基準に従って条例または規約で定める金額の出産時一時金が支給されます。分娩費の支給が難しいときや、それ以外の所での分娩の手当、または確認を受けないで受けた分娩の手当が緊急その他やむを得ない理由によるときは、市町村や組合は分娩費に相当する金額を支給できます。出産時一時金を受けられない場合にやむを得ない事情があると認めるときも、出産時一時金を支給できます。被保険者の死亡に関しては、市町村と組合が、条例または規約の定めるところにより、葬祭費の支給または葬祭の給付を行い、特別の理由があるときはその全部または一部を行わないことができます。その日より前の出産と、当分の間、特例分娩取扱施設での出産については、改正前の規定による出産育児一時金が支給されます。施行日(遅くとも2028年6月4日)からの定めです。(第五十四条の五第一項, 第五十四条の五第二項, 第五十四条の五第九項, 第五十四条の五第十項, 第五十四条の十一第一項, 第五十四条の十一第五項, 第五十八条第一項, 附則第一条第一項第六号, 附則第二十二条第一項, 附則第二十三条第一項)(根拠条文)
- 市町村は、都道府県に納める国民健康保険事業費納付金などの国民健康保険事業に要する費用に充てるため、被保険者の属する世帯の世帯主(その市町村の区域内に住所を有する世帯主に限ります)から保険料を徴収しなければなりません。ただし、別の法律である地方税法の規定により国民健康保険税を課するときは、保険料は徴収しません。組合は、組合員から保険料を徴収します。賦課額、保険料率、納期などは、政令で定める基準に従って条例または規約で定めます。市町村は、政令で定める老齢基礎年金などの年金を受けている被保険者である世帯主(政令で定める人を除きます)については、年金の支払をする者に保険料を徴収させる特別徴収の方法で、それ以外は納入の通知による普通徴収の方法で保険料を徴収します。(第七十六条第一項, 第七十六条第二項, 第八十一条第一項, 第七十六条の三第一項, 第七十六条の三第二項)(根拠条文)
目次
190 886 312 121 286
- 第一章 総則第一条〜第四条(4条)
- 第二章 都道府県及び市町村第五条〜第十二条(8条)
- 第三章 国民健康保険組合第十三条〜第三十五条(43条)
- 第一節 通則第十三条〜第二十二条(10条)
- 第二節 管理第二十三条〜第三十一条(14条)
- 第三節 解散及び合併第三十二条〜第三十四条(18条)
- 第四節 雑則第三十五条
- 第四章 保険給付第三十六条〜第六十八条(39条)
- 第一節 療養の給付等第三十六条〜第五十七条の三(26条)
- 第二節 その他の給付第五十八条
- 第三節 保険給付の制限第五十九条〜第六十三条の二(6条)
- 第四節 雑則第六十四条〜第六十八条(6条)
- 第五章 費用の負担第六十九条〜第八十一条の三(33条)
- 第六章 保健事業第八十二条
- 第六章の二 国民健康保険運営方針等第八十二条の二〜第八十二条の三(2条)
- 第七章 国民健康保険団体連合会第八十三条〜第八十六条(6条)
- 第八章 診療報酬審査委員会第八十七条〜第九十条(4条)
- 第九章 審査請求第九十一条〜第百三条(13条)
- 第九章の二 保健事業等に関する援助等第百四条〜第百五条(2条)
- 第十章 監督第百六条〜第百九条(4条)
- 第十一章 雑則第百十条〜第百二十条(19条)
- 第十二章 罰則第百二十条の二〜第百二十八条(12条)
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、公布済みでまだの改正が9件あります。最近の改正は下にあります。改正のページには、e-Govが記録するすべての改正を載せ、変更内容まで収録している改正は条文ごとに日本語と英語で示します。
2027年3月1日
4か月後
健康保険法等の一部を改正する法律
2027年4月1日
5か月後
医療法等の一部を改正する法律
2027年4月1日
5か月後
社会福祉法等の一部を改正する法律
2027年4月1日
5か月後
健康保険法等の一部を改正する法律
2028年4月1日
17か月後
健康保険法等の一部を改正する法律
2028年6月4日まで
遅くとも2年後
健康保険法等の一部を改正する法律
公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
2028年6月24日まで
遅くとも2年後
社会福祉法等の一部を改正する法律
公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
2028年12月11日まで
遅くとも2年後
医療法等の一部を改正する法律
公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日
2029年6月24日まで
遅くとも3年後
社会福祉法等の一部を改正する法律
公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日
施行済みの改正 42件
2026年10月1日
このサイトの条文
医療法等の一部を改正する法律
2026年8月1日
健康保険法等の一部を改正する法律
2026年6月5日
健康保険法等の一部を改正する法律
2026年4月1日
全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律
2026年4月1日
子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律
2025年12月12日
医療法等の一部を改正する法律
2025年10月1日
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律
2025年6月1日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2025年4月1日
全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律
2024年12月2日
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律
誰に適用されるか
適用される
- 都道府県の区域内に住所を有する人は、第6条で除かれる人を除き、その都道府県が市町村とともに行う国民健康保険の被保険者です。第5条が定める条件は住所だけです。除かれる人は第6条に挙げられ、その第11号は、特別の理由があるそのほかの人を厚生労働省令で定めることにしています。(第五条第一項, 第六条第一項, 第六条第一項第十一号)(根拠条文)
- 世帯主は、厚生労働省令で定めるところにより、世帯に属する被保険者の資格の取得と喪失に関する事項などを市町村に届け出なければなりません。被保険者が資格を喪失したときは、速やかに届け出なければなりません。住民基本台帳法第22条から第25条まで、第30条の46または第30条の47による届出があったとき(届出の書面に同法第28条による付記がされたときに限ります)は、同じ事由によるこの届出があったものとみなされます。世帯主は、保険料を納め、世帯主でない被保険者の一部負担金を支払う義務を負い、世帯の被保険者の療養に関する入院時食事療養費や高額療養費などの支給を受けます。(第九条第一項, 第九条第五項, 第九条第六項, 第七十六条第一項, 第五十七条第一項, 第五十二条第一項, 第五十七条の二第一項)(根拠条文)
続き
- 国民健康保険組合は、同種の事業または業務に従事する人で組合の地区内に住所を有する人を組合員として組織されます。組合を設立するには、15人以上の発起人が規約を作り、組合員となる人300人以上の同意を得て、主たる事務所の所在地の都道府県知事の認可を受けなければなりません。組合員と組合員の世帯に属する人は、その組合が行う国民健康保険の被保険者です。ただし、第6条各号(第10号を除きます)に該当する人と、他の組合の被保険者は除かれます。組合は、規約で、組合員の世帯に属する人をまとめて被保険者としないこともできます。第6条各号(第8号と第10号を除きます)のいずれかに該当する人と、他の組合の被保険者は、組合員になれません。ただし、その人の世帯に、第6条各号(第10号を除きます)のいずれにも該当せず、他の組合の被保険者でもない人がいるときは、組合員になれます。組合に使用される人で、第6条各号(第8号と第10号を除きます)のいずれにも該当せず、他の組合の被保険者でない人は、その組合の組合員になれます。(第十三条第一項, 第十七条第一項, 第十七条第二項, 第十九条第一項, 第十九条第二項, 第十三条第三項, 第十三条第四項)(根拠条文)
- 保険医療機関等と保険医・保険薬剤師は、国民健康保険の療養の給付や診療・調剤を担当するとき、健康保険法の規定による厚生労働省令の例による準則に従います。また、厚生労働大臣または都道府県知事の指導を受けなければならず、患者から一部負担金の支払を受けるべきものとされています。保険医療機関等が善良な管理者と同一の注意をもって支払を受けるよう努めたにもかかわらず、被保険者が一部負担金の全部または一部を支払わないときは、市町村と組合は、保険医療機関等の請求に基づき、この法律による徴収金の例によって処分することができます。(第四十条第一項, 第四十一条第一項, 第四十二条第二項)(根拠条文)
- 労働安全衛生法に規定する事業者など、法令に基づいて健康診断を行う責務を持つ事業者等は、被保険者を使用している(または使用していた)場合に、市町村や組合から求められたときは、保存しているその被保険者の健康診断に関する記録の写しを提供しなければなりません。(第八十二条第二項, 第八十二条第三項)(根拠条文)
- 何人も、業として行う行為に関し、売買、貸借、雇用その他の契約の申込みをしようとする人、申込みをする人や契約をした人に、本人や他人の被保険者記号・番号等を告げるよう求めてはいけません。被保険者記号・番号等を記録した、他に提供する予定のデータベースを業として作ることもできません。どちらも、厚生労働省令で定める場合などは除きます。厚生労働大臣は、繰り返すおそれのある人に中止を勧告し、従わなければ従うよう命令できます。命令に違反すると、1年以下のまたは50万円以下のです。法人や雇い主にも罰金が科されます。(第百十一条の二第三項, 第百十一条の二第四項, 第百十一条の二第五項, 第百十一条の二第六項, 第百二十一条の二第一項, 第百二十三条の二第一項)(根拠条文)
適用されない
- 健康保険法の被保険者と被扶養者(日雇特例被保険者とその被扶養者を除きます)、船員保険法の被保険者と被扶養者、国家公務員共済組合法または地方公務員等共済組合法に基づく共済組合の組合員と被扶養者、私立学校教職員共済制度の加入者。(第六条第一項, 第六条第一項第一号, 第六条第一項第二号, 第六条第一項第三号, 第六条第一項第四号, 第六条第一項第五号, 第六条第一項第六号)(根拠条文)
- 健康保険法第126条により日雇特例被保険者手帳の交付を受け、その手帳に健康保険印紙をはり付ける余白がなくなるまでの間にある人とその被扶養者。ただし、承認を受けて日雇特例被保険者とならない期間内にある人や、手帳を返納した人とその被扶養者は除きます。(第六条第一項第七号)(根拠条文)
続き
- 高齢者の医療の確保に関する法律の被保険者。どのような人が被保険者になるかは、別の法律である高齢者の医療の確保に関する法律が定めています。(第六条第一項第八号)(根拠条文)
- 生活保護法による保護を受けている世帯(保護を停止されている世帯を除きます)に属する人。(第六条第一項第九号)(根拠条文)
- 国民健康保険組合の被保険者。(第六条第一項第十号)(根拠条文)
- その他特別の理由がある人で、厚生労働省令で定める人。(第六条第一項第十一号)(根拠条文)
特例と適用除外(8)
- 市町村と組合は、特別の理由があり、一部負担金を支払うことが困難と認められる被保険者について、一部負担金を減額したり、支払を免除したり、直接徴収することにしてその徴収を猶予したりできます。また、政令で定めるところにより、または規約で一部負担金の割合を減らすこともできます。その場合、市町村や組合が開設者の同意を得て定める保険医療機関等では減らした割合で支払えば足り、それ以外の保険医療機関等で療養の給付を受けたときは差額が支給されます。(第四十四条第一項, 第四十三条第一項, 第四十三条第二項, 第四十三条第三項)(根拠条文)
- 市町村と組合は、条例または規約の定めるところにより、特別の理由がある人について、保険料を減免したり、その徴収を猶予したりできます。(第七十七条第一項)(根拠条文)
- 世帯の被保険者の全部または一部が電子資格確認を受けられない状況にあるときは、世帯主は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村に対し、資格に関する事項を記載した書面の交付、または電磁的方法による提供を求めることができます。被保険者は、その書面などを提示することで、被保険者であることの確認を受けられます。当分の間、市町村や組合は、必要があると認めるときは、求めがなくても職権でこの書面を交付するなどできます。(第九条第二項, 第九条第三項, 附則第十五条第一項, 附則第十五条第二項)(根拠条文)
- 修学のためにある市町村に住所を有する被保険者で、修学していなければ他の市町村に住所を有する人と同じ世帯に属すると認められる人は、この法律の適用については、その他の市町村に住所を有し、その世帯に属するものとみなされます。(第百十六条第一項)(根拠条文)
- 病院や診療所への入院、第116条の2に掲げる施設への入所や入居によって、その場所に住所を変更したと認められる被保険者で、入院等の際に他の市町村に住所を有していたと認められる人は、この法律の適用については、その他の市町村に住所を有するものとみなされます。複数の病院等に続けて入院等をした人には、別の定めがあります。病院等は、関係する市町村に必要な協力をしなければなりません。(第百十六条の二第一項, 第百十六条の二第二項, 第百十六条の二第三項)(根拠条文)
- 病気やけがについて、健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、高齢者の医療の確保に関する法律による医療に関する給付や、介護保険法による相当する給付を受けられるときは、療養の給付などは行われません。労働基準法による療養補償、労働者災害補償保険法による療養補償給付、国家公務員災害補償法や地方公務員災害補償法による療養補償、その他政令で定める法令による医療に関する給付を受けられるとき、またはほかの法令により国や地方公共団体の負担で医療に関する給付が行われたときも、同じです。第三者の行為で給付の原因が生じた場合、市町村や組合は、保険給付を行うと、その価額の限度で、被保険者が第三者に対して持つの請求権を取得します。被保険者が同じ事由について第三者から損害賠償を受けたときは、市町村や組合はその価額の限度で保険給付を行う責任を免れます。(第五十六条第一項, 第六十四条第一項, 第六十四条第二項)(根拠条文)
- 少年院などに収容されたり、刑事施設、労役場などに拘禁されたりしたときは、その期間の療養の給付などは行われません。自分の故意の犯罪行為や故意によって病気になったりけがをしたりしたときも、その病気やけがの療養の給付などは行われません。闘争、泥酔、著しい不行跡による病気やけがについては、その全部または一部を行わないことができ、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、その一部を行わないことができます。(第五十九条第一項, 第六十条第一項, 第六十一条第一項, 第六十二条第一項)(根拠条文)
- 被保険者が電子資格確認等による確認を受けずに保険医療機関等で診療や薬剤の支給を受けた場合、それが緊急その他やむを得ない理由によると市町村や組合が認めるときは、療養の給付などに代えて療養費が支給されます。療養の給付などを行うことが難しいと認めるときや、保険医療機関等以外で診療などを受けたことがやむを得ないと認めるときも、療養費を支給できます。(第五十四条第一項, 第五十四条第二項)(根拠条文)
どのように守らせるか(8)
- 保険料(市町村が保険料に代えて課する国民健康保険税を含みます)を滞納している世帯主または組合員が、納期限から厚生労働省令で定める期間が過ぎるまでに、市町村や組合による納付の勧奨や納付相談の機会の確保などを受けてもなお納付しないときは、災害その他の政令で定める特別の事情がある場合を除き、その世帯の被保険者が療養を受けても療養の給付などは行われず、代わりに世帯主などに特別療養費が支給されます。特別療養費の額は、療養の費用から一部負担金に相当する額を差し引いた額です。市町村や組合は、あらかじめその旨を通知します。この期間が過ぎる前でも、同じ扱いにすることができます。18歳に達する日以後の最初の3月31日までの人と、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律による一般疾病医療費の支給その他厚生労働省令で定める医療に関する給付を受けられる人は、この扱いの対象になりません。滞納している保険料を完納したとき、または滞納額の著しい減少など政令で定める特別の事情があると認められるときは、療養の給付などに戻ります。(第五十四条の三第一項, 第五十四条の三第二項, 第五十四条の三第三項, 第五十四条の三, 第四条第三項)(根拠条文)
- 同じ条件のもとで、市町村と組合は、保険料(国民健康保険税を含みます)を滞納している世帯主や組合員に支払う保険給付の全部または一部の支払を一時差し止めます。厚生労働省令で定める期間が過ぎる前でも、差し止めることができます。特別療養費の扱いを受けていて支払を一時差し止められている世帯主などが、なお滞納している保険料を納付しないときは、あらかじめ通知したうえで、差し止めている保険給付の額から滞納している保険料額を控除することができます。(第六十三条の二第一項, 第六十三条の二第二項, 第六十三条の二第三項, 第四条第三項)(根拠条文)
- 見出しを「滞納処分」とする第79条の2により、市町村が徴収する保険料その他この法律による徴収金は、地方自治法第231条の3第3項に規定する法律で定める歳入とされています。その徴収については、別の法律である地方自治法が定めています。組合は、保険料などを滞納した人に、期限を指定して督促しなければなりません。督促状で指定する期限は、原則として、督促状を発する日から10日以上を経過した日です。組合は、規約の定めるところにより延滞金を徴収でき、期限までに完納されないときは、都道府県知事の認可を受けて自ら処分するか、市町村に処分を請求することができます。保険料などを徴収する権利と保険給付を受ける権利は、行使できる時から2年で時効によって消滅します。ただし、保険料などの徴収の告知や督促があると、時効が更新されます。(第七十九条の二第一項, 第七十九条第一項, 第七十九条第二項, 第七十九条第三項, 第八十条第一項, 第百十条第一項, 第百十条第二項)(根拠条文)
- 市町村と組合は、偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた人から、その給付の価額の全部または一部を徴収できます。保険医療機関等などが偽りその他不正の行為によって費用の支払を受けたときは、支払った額を返還させるほか、その額に100分の40を掛けた額を支払わせることができます。市町村はで、届出をしなかったり虚偽の届出をしたりした人と、正当な理由なしに文書の提出などの命令に従わなかったり、質問に答えなかったり虚偽の答弁をしたりした世帯主(世帯主であった人を含みます)に対しては10万円以下の過料、偽りその他不正の行為で保険料などの徴収を免れた人に対してはその免れた金額の5倍以下の過料を科する規定を設けることができます。組合は、規約で同様の過怠金を定めることができます。(第六十五条第一項, 第六十五条第三項, 第百二十七条第一項, 第百二十七条第二項, 第百二十七条第三項, 第百二十八条第一項)(根拠条文)
- 罰則は第12章にあります。保険者の役員や職員(その職にあった人を含みます)が、正当な理由なしに、国民健康保険事業に関して職務上知った秘密を漏らしたときは、1年以下のまたは100万円以下のです。審査委員会や審査会の委員、国民健康保険団体連合会の役員や職員なども同じです。被保険者(被保険者であった人を含みます)が、受けた診療などについて厚生労働大臣や都道府県知事から報告を命じられ、正当な理由なしに従わなかったり、職員の質問に正当な理由なしに答えなかったり虚偽の答弁をしたりしたときは、30万円以下の罰金です。正当な理由なしに、審査会の処分に違反して出頭せず、陳述や報告をせず、虚偽の陳述や報告をし、または診断や検案をしなかった人も、30万円以下の罰金です(審査請求人や、通知を受けた市町村、組合その他の利害関係人は除きます)。医師、歯科医師、薬剤師、手当を行った人やこれらを使用する人が、厚生労働大臣や都道府県知事から報告や診療録などの提示を命じられ、正当な理由なしに従わなかったり、職員の質問に答えなかったり虚偽の答弁をしたりしたときは、10万円以下の過料です。(第十二章, 第百二十条の二第一項, 第百二十一条第一項, 第百二十三条第一項, 第百十四条第二項, 第百二十二条第一項, 第百一条第一項, 第百十四条第一項, 第百二十四条第一項)(根拠条文)
- 保険給付に関する処分や、保険料その他この法律による徴収金に関する処分に不服がある人は、国民健康保険審査会にをすることができます。審査会は各都道府県に置かれ、審査請求は、処分をした市町村または組合の所在地の都道府県の審査会にします。審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に、文書または口頭でします。ただし、正当な理由によりこの期間内にできなかったことを疎明したときは、この限りではありません。処分の取消しの訴えは、審査請求に対する裁決を経た後でなければ起こせません。(第九十一条第一項, 第九十二条第一項, 第九十八条第一項, 第九十九条第一項, 第百三条第一項)(根拠条文)
- 市町村と組合は、被保険者の資格、保険給付、保険料に関して必要があるときは、世帯主や組合員(これらであった人を含みます)に文書などの提出や提示を命じ、職員に質問させることができます。保険給付に関して必要があるときは、被保険者などに文書などの提出や提示を命じ、職員に質問や診断をさせることもできます。正当な理由なしにこの命令に従わなかったり、答弁や受診を拒んだりしたときは、療養の給付などの全部または一部を行わないことができます。市町村は、被保険者の資格、保険給付、保険料に関して必要があるときは、被保険者や世帯主の資産・収入の状況などについて、官公署に書類の閲覧や資料の提供を求め、銀行、信託会社その他の機関や被保険者の雇用主などに報告を求めることもできます。保険医療機関等は、厚生労働大臣または都道府県知事の指導を受けなければなりません。厚生労働大臣または都道府県知事は、療養の給付に関して必要があるときは、保険医療機関等に報告や帳簿書類の提出を命じ、職員に質問させ、設備や帳簿書類を検査させることができます。(第百十三条第一項, 第六十六条第一項, 第六十三条第一項, 第百十三条の二第一項, 第四十一条第一項, 第四十五条の二第一項)(根拠条文)
- 保険料の賦課決定は、その年度の最初の保険料の納期(納期後に保険料を課することができるようになった場合はその日)の翌日から2年を経過した日以後はできません。ただし、被保険者の責めに帰することのできない事由によって、健康保険法などの医療保険各法との適用関係の調整が必要だとあとでわかった場合に、保険料の額を減らす賦課決定は、2年を過ぎても、調整に必要と認められる期間はできます。(第百十条の二第一項, 第百十条の二第二項)(根拠条文)