著作権法
著作物と、実演・レコード・放送・有線放送について、だれがどのような権利をどれだけの期間もつのか、どのような場合に許諾なしに著作物を利用できるのか、そして権利の侵害をどのように止め、償わせ、罰するのかを定める法律です。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 239
- 施行前の改正
- 3
この法令の内容
- 著作物とは、思想や感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものです。小説・脚本・講演などの言語の著作物、音楽、舞踊、絵画・彫刻などの美術、建築、地図・図面などの図形、映画、写真、プログラムなどがその例です。素材の選択や配列に創作性のある編集物、情報の選択や体系的な構成に創作性のあるデータベースも、著作物として保護されます。事実を伝えるだけの雑報や時事の報道は、言語の著作物にあたりません。憲法その他の法令、国や地方公共団体の機関・独立行政法人・地方独立行政法人が発する告示・訓令・通達など、裁判所の判決・決定・命令・審判と裁判に準ずる手続で行われる行政庁の裁決・決定、そしてこれらの翻訳物や編集物でこうした機関が作成するものは、第2章の権利の目的になりません。(第二条第一項第一号, 第十条第一項, 第十条第二項, 第十二条第一項, 第十二条の二第一項, 第十三条第一項)(根拠条文)
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- 著作者は、著作者人格権と著作権をもちます。著作者人格権は、まだ公表されていない著作物を公衆に提供・提示する権利(公表権)、実名や変名を著作者名として表示するか、表示しないかを決める権利(氏名表示権)、意に反して著作物やその題号を改変されない権利(同一性保持権)です。ただし、建築物の増築・改築・修繕・模様替えによる改変や、プログラムを電子計算機で実行できるようにするために必要な改変など、第20条第2項が掲げる改変には同一性保持権が及びません。著作権は、著作物を複製する権利、公に上演・演奏・上映・口述する権利、公衆送信(送信可能化を含みます)をし、公衆送信される著作物を受信装置で公に伝達する権利、美術の著作物とまだ発行されていない写真の著作物の原作品を公に展示する権利、映画の著作物を複製物で頒布する権利、映画以外の著作物の原作品や複製物を譲渡によって公衆に提供する権利と複製物を貸与によって公衆に提供する権利、翻訳・翻案する権利、そしてその著作物を原著作物とする二次的著作物についての同じ種類の権利を、著作者が専有するものです。譲渡権は、権利者やその許諾を得た人がすでに公衆に譲渡した原作品や複製物には及びません。どちらの権利も、登録などの方式を何も必要としません。著作者人格権は著作者だけのもので、譲渡できません。(第十七条第一項, 第十七条第二項, 第十八条第一項, 第十九条第一項, 第二十条第一項, 第二十条第二項, 第二十一条第一項, 第二十二条第一項, 第二十二条の二第一項, 第二十三条第一項, 第二十三条第二項, 第二十四条第一項, 第二十五条第一項, 第二十六条第一項, 第二十六条の二第一項, 第二十六条の二第二項第一号, 第二十六条の三第一項, 第二十七条第一項, 第二十八条第一項, 第五十九条第一項)(根拠条文)
- 法人その他の使用者の発意に基づき、その業務に従事する人が職務上作成する著作物で、法人等が自分の著作の名義で公表するものは、作成の時の契約や勤務規則などに別段の定めがない限り、法人等が著作者になります。プログラムの著作物は、法人等の名義で公表するかどうかにかかわらず、同じ条件で法人等が著作者になります。それ以外の場合、映画の著作物の著作者は、映画の中で翻案・複製された小説、脚本、音楽などの著作者を除き、制作、監督、演出、撮影、美術などを担当して映画の全体的形成に創作的に寄与した人です。映画の著作物の著作権は、その著作者が映画製作者に対して製作への参加を約束しているときは、映画製作者に帰属します。(第十五条第一項, 第十五条第二項, 第十六条第一項, 第二十九条第一項)(根拠条文)
- 著作権は、著作物を創作した時に始まり、著作者の死後(共同著作物では、最後に死亡した著作者の死後)70年を経過するまで続きます。期間は、死亡した年の翌年から数えます。無名や変名の著作物の著作権は、公表後70年を経過するまで続き、その前に著作者の死後70年を経過していると認められるときは、その時に消滅します。ただし、変名が本人のものとして周知である場合や、期間内に実名の登録があった場合、期間内に著作者が実名や周知の変名を表示して公表した場合は、死後70年の原則によります。法人その他の団体が著作の名義をもつ著作物と映画の著作物の著作権は、公表後70年(創作後70年以内に公表されなかったときは、創作後70年)を経過するまで続き、これらの期間も翌年から数えます。映画の著作物を除くこれらの70年の期間と、実演・レコードの70年の保護期間は、平成28年法律第108号の施行日の前日にそれまでの規定による著作権や著作隣接権がまだ存続していた著作物、実演、レコードに適用されます。その日までにそれまでの50年の保護期間で権利が消滅していたものには、なお従前の例によるため、保護は復活しません。(第五十一条第一項, 第五十一条第二項, 第五十二条第一項, 第五十二条第二項, 第五十三条第一項, 第五十四条第一項, 第五十七条第一項, 第百一条第二項, 附則第七条第一項, 2018年12月29日までの第五十一条第二項, 2018年12月29日までの第五十二条第一項, 2018年12月29日までの第五十三条第一項, 2018年12月29日までの第百一条第二項第一号, 2018年12月29日までの第百一条第二項第二号)(根拠条文)
- 著作権は、その全部または一部を譲渡できます。ただし、譲渡の契約で翻訳・翻案などの権利(第27条)や二次的著作物の利用に関する権利(第28条)が譲渡の目的として特に掲げられていないときは、これらの権利は譲渡した人に留保されたものと推定されます。著作権者は他人に著作物の利用を許諾でき、許諾を得た人は、許諾された利用方法と条件の範囲内で利用できます。この利用権は、後から著作権を取得した人などの第三者にもできます。一方、著作権の移転は、文化庁長官が著作権登録原簿に記載・記録して行う登録をしなければ、第三者に対抗できません。(第六十一条第一項, 第六十一条第二項, 第六十三条第一項, 第六十三条第二項, 第六十三条の二第一項, 第七十七条第一項第一号, 第七十八条第一項)(根拠条文)
- 実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者は、やはり何の方式も必要とせず、著作隣接権をもちます。実演家は、実演を録音・録画する権利、放送・有線放送する権利、送信可能化する権利などをもち、実演家名の表示を決める権利と、名誉や声望を害する改変を受けない権利ももちます。ただし、録音権・録画権は、許諾を得て映画の著作物に録音・録画された実演には及びません(録音物に録音する場合を除きます)。放送権・有線放送権は、放送される実演を有線放送する場合や、許諾を得て録音・録画されている実演を放送・有線放送する場合には及びません。送信可能化権は、許諾を得て録画されている実演には及びません。レコード製作者はレコードを複製する権利と送信可能化する権利を、放送事業者と有線放送事業者は、その放送や有線放送を受信して録音・録画などで複製する権利、再放送・有線放送(有線放送事業者では放送・再有線放送)する権利、送信可能化する権利などをもちます。著作隣接権の保護期間は、実演は実演が行われた年の翌年から、レコードは発行された年の翌年から(音を最初に固定した年の翌年から70年以内に発行されなかったときは固定した年の翌年から)数えて70年、放送と有線放送は行われた年の翌年から数えて50年です。(第八十九条第五項, 第八十九条第六項, 第九十条の二第一項, 第九十条の三第一項, 第九十一条第一項, 第九十一条第二項, 第九十二条第一項, 第九十二条第二項, 第九十二条の二第一項, 第九十二条の二第二項, 第九十六条第一項, 第九十六条の二第一項, 第九十八条第一項, 第九十九条第一項, 第九十九条の二第一項, 第百条の二第一項, 第百条の三第一項, 第百条の四第一項, 第百一条第一項, 第百一条第二項)(根拠条文)
目次
239 868 429 67 284
- 第一章 総則第一条〜第九条の二(11条)
- 第一節 通則第一条〜第五条(6条)
- 第二節 適用範囲第六条〜第九条の二(5条)
- 第二章 著作者の権利第十条〜第七十八条の二(94条)
- 第一節 著作物第十条〜第十三条(5条)
- 第二節 著作者第十四条〜第十六条(3条)
- 第三節 権利の内容第十七条〜第五十条(53条)
- 第一款 総則第十七条
- 第二款 著作者人格権第十八条〜第二十条(3条)
- 第三款 著作権に含まれる権利の種類第二十一条〜第二十八条(11条)
- 第四款 映画の著作物の著作権の帰属第二十九条
- 第五款 著作権の制限第三十条〜第五十条(37条)
- 第四節 保護期間第五十一条〜第五十八条(8条)
- 第五節 著作者人格権の一身専属性等第五十九条〜第六十条(2条)
- 第六節 著作権の譲渡及び消滅第六十一条〜第六十二条(2条)
- 第七節 権利の行使第六十三条〜第六十六条(5条)
- 第八節 裁定による著作物の利用第六十七条〜第七十条(6条)
- 第九節 補償金等第七十一条〜第七十四条(4条)
- 第十節 登録第七十五条〜第七十八条の二(6条)
- 第三章 出版権第七十九条〜第八十八条(10条)
- 第四章 著作隣接権第八十九条〜第百四条(37条)
- 第一節 総則第八十九条〜第九十条(2条)
- 第二節 実演家の権利第九十条の二〜第九十五条の三(14条)
- 第三節 レコード製作者の権利第九十六条〜第九十七条の三(6条)
- 第四節 放送事業者の権利第九十八条〜第百条(4条)
- 第五節 有線放送事業者の権利第百条の二〜第百条の五(4条)
- 第六節 保護期間第百一条
- 第七節 実演家人格権の一身専属性等第百一条の二〜第百一条の三(2条)
- 第八節 権利の制限、譲渡及び行使等並びに登録第百二条〜第百四条(4条)
- 第五章 著作権等の制限による利用に係る補償金第百四条の二〜第百四条の十七(23条)
- 第一節 私的録音録画補償金第百四条の二〜第百四条の十(9条)
- 第二節 図書館等公衆送信補償金第百四条の十の二〜第百四条の十の八(7条)
- 第三節 授業目的公衆送信補償金第百四条の十一〜第百四条の十七(7条)
- 第六章 裁定による利用に係る指定補償金管理機関及び登録確認機関第百四条の十八〜第百四条の四十七(30条)
- 第一節 指定補償金管理機関第百四条の十八〜第百四条の三十二(15条)
- 第二節 登録確認機関第百四条の三十三〜第百四条の四十七(15条)
- 第七章 紛争処理第百五条〜第百十一条(7条)
- 第八章 権利侵害第百十二条〜第百十八条(15条)
- 第九章 罰則第百十九条〜第百二十五条(12条)
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、公布済みでまだの改正が3件あります。最近の改正は下にあります。改正のページには、e-Govが記録するすべての改正を載せ、変更内容まで収録している改正は条文ごとに日本語と英語で示します。
2027年4月1日
5か月後
学校教育法等の一部を改正する法律
2028年6月13日まで
遅くとも2年後
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日
2029年6月23日まで
遅くとも3年後
著作権法の一部を改正する法律
公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日
施行済みの改正 37件
2026年6月24日
このサイトの条文
著作権法の一部を改正する法律
2026年6月17日
学校教育法等の一部を改正する法律
2026年5月21日
民事訴訟法等の一部を改正する法律
2026年5月21日
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2026年4月1日
著作権法の一部を改正する法律
2025年10月1日
電波法及び放送法の一部を改正する法律
2025年10月1日
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2025年6月1日
著作権法の一部を改正する法律
2025年6月1日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2024年7月19日
障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律の一部を改正する法律
誰に適用されるか
適用される
- この法律が保護する著作物の著作者。保護されるのは、日本国民(日本の法令に基づいて設立された法人と、国内に主たる事務所がある法人を含みます)の著作物、最初に国内で発行された著作物(最初に国外で発行され、その日から30日以内に国内で発行されたものを含みます)、条約によって日本が保護の義務を負う著作物です。ベルヌ条約の同盟国、著作権に関する世界知的所有権機関条約の締約国、世界貿易機関の加盟国である外国を本国とする著作物(日本国民の著作物を除きます)で、本国で定める保護期間がこの法律より短いものは、本国の保護期間によります。(第六条第一項, 第五十八条第一項)(根拠条文)
- 複製、上演・演奏、公衆送信など、著作権の対象となる方法で他人の著作物を利用しようとする人。これらの権利は著作権者が専有し、著作権者は利用方法と条件を定めて利用を許諾できます。第30条から第50条までの著作権の制限の規定により、一定の利用は許諾なしにできますが、これらの規定は著作者人格権に影響を及ぼしません。(第二十一条第一項, 第二十二条第一項, 第二十三条第一項, 第六十三条第一項, 第六十三条第二項, 第三十条第一項, 第五十条第一項)(根拠条文)
続き
- この法律が保護する実演、レコード、放送、有線放送についての実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者。保護されるのは主に、国内で行われる実演、日本国民がレコード製作者であるレコードや音が最初に国内で固定されたレコード、日本国民である放送事業者の放送や国内の放送設備から行われる放送、日本国民である有線放送事業者の有線放送や国内の有線放送設備から行われる有線放送、そして第7条から第9条までが掲げる条約により保護されるものです。(第七条第一項, 第八条第一項, 第九条第一項, 第九条の二第一項)(根拠条文)
- 複製権や公衆送信権をもつ人(複製権等保有者)から出版権の設定を受けた出版者。出版権は、著作物を文書や図画として出版すること(電子計算機の映像面に表示される方式で記録媒体に記録して頒布することを含みます)や、その方式で記録した複製物を使って公衆送信することを引き受ける人に設定されます。出版権者は、設定行為に別段の定めがない限り、原稿などの引渡しや電磁的記録の提供を受けてから6か月以内に出版行為や公衆送信行為を行い、慣行に従って継続して行わなければなりません。6か月以内に行わないときは、複製権等保有者は通知によって出版権を消滅させることができます。継続して行わないときは、3か月以上の期間を定めて催告しても行われなければ、同じように消滅させることができます。設定行為に存続期間の定めがないときは、出版権は、設定後最初の出版行為等があった日から3年を経過した日に消滅します。(第七十九条第一項, 第八十条第一項, 第八十一条第一項, 第八十三条第二項, 第八十四条第一項, 第八十四条第二項)(根拠条文)
- 商業用レコードを用いて放送や有線放送を行った放送事業者と有線放送事業者は、許諾を得て商業用レコードに録音されている実演の実演家と、そのレコードのレコード製作者に、二次使用料を支払わなければなりません。ただし、営利を目的とせず、聴衆や観衆から料金を受けずに、放送を受信して同時に有線放送を行った場合は除かれます。対象は、第7条第1号から第6号までの実演と第8条第1号から第4号までのレコードで、著作隣接権の存続期間内のものに限られます。世界貿易機関の加盟国、視聴覚的実演に関する北京条約、レコード保護条約によってだけ保護されるものは含まれず、第95条第2項から第4項までにより一部の条約締約国についてはさらに制限されます。文化庁長官が指定する団体があるときは、二次使用料を受ける権利はその団体だけが行使します。施行日(遅くとも2029年6月23日)の前日までの定めです。(第九十五条第一項, 第九十五条第二項, 第九十五条第四項, 第九十五条第五項, 第九十七条第一項, 第九十七条第二項, 第九十七条第三項)(根拠条文)
- 政令で定める日(遅くとも2029年6月23日)から、商業用レコードを用いて放送や有線放送を行った放送事業者と有線放送事業者に加えて、商業用レコードを用いて公に再生した人や、公衆送信される商業用レコードを受信装置で公に伝達した人も、実演家とレコード製作者に二次使用料を支払わなければなりません。対象は、第7条第1号から第6号までの実演と第8条第1号から第4号までのレコードで、著作隣接権の存続期間内のものに限られ、一部の条約締約国についてはさらに制限されます。ただし、再生では、営利を目的とせず、聴衆や観衆から料金を受けない場合は除かれます。伝達では、放送などをそのように伝達した場合や、通常の家庭用受信装置で伝達した場合は除かれます。各条が掲げる著作隣接権の制限の規定による場合も除かれます。文化庁長官が指定する団体があるときは、二次使用料を受ける権利はその団体だけが行使します。公の再生と伝達の二次使用料については、その団体は二次使用料規程を定め、案を公示して利用者代表が協議を求められるようにしたうえで文化庁長官に届け出なければならず、規程に定める額を超えて請求できません。公の再生と伝達についての新しい二次使用料は、昭和61年法律第64号と平成元年法律第43号の附則の経過措置で著作隣接権の規定が適用されない実演やレコードには及びません。施行日(遅くとも2029年6月23日)からの定めです。(第九十五条第一項, 第九十五条第二項, 第九十五条第四項, 第九十五条第五項, 第九十五条の二第一項, 第九十五条の二第二項, 第九十五条の二第三項, 第九十五条の三第一項, 第九十五条の三第二項, 第九十五条の三第三項, 第九十七条第一項, 第九十七条第三項, 第九十七条の二第一項, 第九十七条の二第二項, 第九十七条の二第三項, 第九十七条の三第一項, 第九十七条の三第二項, 第九十七条の三第三項, 第百三条の二第一項, 第百三条の二第三項, 第百三条の三第一項, 第百三条の五第一項, 第百三条の五第三項, 第百三条の七第一項, 附則第一条第一項, 附則第二条第一項, 附則第三項, 附則第二項, 附則第四項)(根拠条文)
- 商業用レコードの公衆への貸与を営業として行う人(貸レコード業者)。最初に販売された日から1か月以上12か月以内で政令で定める期間が過ぎるまでは、商業用レコードの貸与には、実演家とレコード製作者の許諾が必要です。期間が過ぎた商業用レコード(期間経過商業用レコード)を貸与したときは、著作隣接権の存続期間内の実演やレコードについて、実演家とレコード製作者に相当な額の報酬を支払わなければなりません。文化庁長官が指定する団体があるときは、その団体だけが報酬を受ける権利を行使します。施行日(遅くとも2029年6月23日)の前日までの定めです。(第九十五条の三第一項, 第九十五条の三第二項, 第九十五条の三第三項, 第九十五条の三第四項, 第九十五条第五項, 第九十七条の三第一項, 第九十七条の三第二項, 第九十七条の三第三項, 第九十七条の三第四項, 第九十七条第三項)(根拠条文)
- 政令で定める日(遅くとも2029年6月23日)から、同じ定めが第95条の5と第97条の5に置かれます。商業用レコードの公衆への貸与を営業として行う人(貸レコード業者)。最初に販売された日から1か月以上12か月以内で政令で定める期間が過ぎるまでは、商業用レコードの貸与には、実演家とレコード製作者の許諾が必要です。期間が過ぎた商業用レコード(期間経過商業用レコード)を貸与したときは、著作隣接権の存続期間内の実演やレコードについて、実演家とレコード製作者に相当な額の報酬を支払わなければなりません。文化庁長官が指定する団体があるときは、その団体だけが報酬を受ける権利を行使します。施行日(遅くとも2029年6月23日)からの定めです。(第九十五条の五第一項, 第九十五条の五第二項, 第九十五条の五第三項, 第九十五条の五第四項, 第九十五条第五項, 第九十七条の五第一項, 第九十七条の五第二項, 第九十七条の五第三項, 第九十七条の五第四項, 第九十七条第三項, 附則第一条第一項)(根拠条文)
特例と適用除外(9)
- 著作権の目的となっている著作物は、個人的に、または家庭内やこれに準ずる限られた範囲内で使うこと(私的使用)を目的とするときは、使う人自身が複製することができます。ただし、公衆の使用のために設置された自動複製機器を使う場合や、技術的保護手段の回避によって可能になった複製をその事実を知りながら行う場合はできません。著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われ、国内で行われたなら侵害となるものを含みます)を受信して行うデジタル方式の録音・録画を、そうと知りながら行う場合もできません。同じような送信を受信して行うそのほかのデジタル方式の複製も、そうと知りながら行う場合はできません。ただし、複製する部分が軽微なときや、著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情があるときは別です。重大な過失によって知らなかった場合は、これらに含まれません。(第三十条第一項, 第三十条第二項)(根拠条文)
- 写真の撮影、録音、録画、放送など、事物の影像や音を複製・伝達する行為をするときに、その対象に付随して写り込むなどした著作物で、軽微な構成部分となるもの(付随対象著作物)は、利益を得る目的の有無、分離の困難性の程度、果たす役割などに照らして正当な範囲内で、その行為に伴って利用することができます。作成された写真や映像などの利用に伴って利用することもできます。ただし、著作権者の利益を不当に害することになる場合はできません。(第三十条の二第一項, 第三十条の二第二項)(根拠条文)
- 著作物は、そこに表現された思想や感情を自分で享受したり他人に享受させたりすることを目的としない場合には、必要と認められる限度で、どのような方法でも利用することができます。たとえば、録音や録画など著作物の利用に関する技術の開発や実用化のための試験に使う場合、情報解析(多数の著作物などの大量の情報から、言語、音、影像などの要素の情報を抽出し、比較、分類などの解析をすること)に使う場合、人が表現を知覚して認識することなく電子計算機による情報処理などに使う場合です。ただし、著作物の種類や用途、利用の態様に照らして著作権者の利益を不当に害することになる場合は、この限りではありません。(第三十条の四第一項)(根拠条文)
- 公表された著作物は、引用して利用することができます。その引用は、公正な慣行に合致し、報道、批評、研究など引用の目的上正当な範囲内で行わなければなりません。引用によって著作物を複製するときは、複製の態様に応じて合理的と認められる方法と程度で、その出所を明示しなければなりません。その際、出所の明示によって著作者名が明らかになる場合や無名の著作物である場合を除き、著作物に表示されている著作者名を示す必要があります。複製以外の方法で引用して利用するときも、出所を明示する慣行があれば明示しなければなりません。出所の明示の義務に違反した人は、50万円以下のに処せられます。(第三十二条第一項, 第四十八条第一項第一号, 第四十八条第一項第三号, 第四十八条第二項, 第百二十二条第一項)(根拠条文)
- 営利を目的として設置されたものを除く学校その他の教育機関で、教育を担任する人と授業を受ける人は、授業の過程で利用するために必要と認められる限度で、公表された著作物を複製し、公衆送信(送信可能化を含みます)し、公衆送信される著作物を受信装置で公に伝達することができます。ただし、著作物の種類や用途、複製の部数、複製・公衆送信・伝達の態様に照らして、著作権者の利益を不当に害することになる場合はできません。公衆送信をするときは、教育機関を設置する人が著作権者に相当な額の補償金を支払わなければならず、文化庁長官が指定する団体があるときは、その団体だけがこの補償金を受ける権利を行使します。授業の場で著作物を原作品や複製物で提供・提示したり、第38条第1項により上演・演奏・上映・口述したりしている場合に、別の場所で同時に授業を受ける人に公衆送信するときは、補償金はいりません。(第三十五条第一項, 第三十五条第二項, 第三十五条第三項, 第百四条の十一第一項, 第三十八条第一項)(根拠条文)
- 公表された著作物は、営利を目的とせず、聴衆や観衆から料金を受けない場合には、公に上演、演奏、上映、口述することができます。ただし、実演家や口述をする人に報酬が支払われる場合はできません。映画以外の公表された著作物は、営利を目的とせず、借りる人から料金を受けない場合には、その複製物を貸与して公衆に提供することができます。(第三十八条第一項, 第三十八条第四項)(根拠条文)
- 美術の著作物で、原作品が街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所や、建造物の外壁など一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に設置されているものと、建築の著作物は、どのような方法でも利用することができます。ただし、彫刻を増製し、またはその増製物を譲渡によって公衆に提供すること、建築の著作物を建築によって複製し、またはその複製物を譲渡によって公衆に提供すること、こうした屋外の場所に恒常的に設置するために複製すること、もっぱら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、またはその複製物を販売することはできません。(第四十六条第一項, 第四十五条第二項)(根拠条文)
- 国立国会図書館と、政令で定める図書館などは、営利を目的としない事業として、図書館の資料を使って著作物を複製することができます。できるのは、利用者の求めに応じて、その調査研究のために、公表された著作物の一部分(国や地方公共団体の機関などが一般に周知させる目的で作成し、その名義で公表する広報資料・調査統計資料・報告書などその他の著作物で、政令で定めるものは全部)の複製物を1人につき1部提供する場合、資料の保存のために必要な場合、絶版などで一般に入手することが困難な資料の複製物を他の図書館などの求めに応じて提供する場合です。法律の要件を満たす特定図書館等は、あらかじめ登録した利用者の調査研究のために、公表された著作物の一部分を公衆送信することもできます。ただし、著作物の種類や用途、公衆送信の態様に照らして著作権者の利益を不当に害することになる場合はできません。公衆送信をするときは、特定図書館等を設置する人が著作権者に相当な額の補償金を支払わなければなりません。(第三十一条第一項, 第三十一条第二項, 第三十一条第三項, 第三十一条第五項)(根拠条文)
- 公表された著作物(相当期間にわたり公衆に提供・提示されていることが明らかな著作物を含みます)を利用したい人は、文化庁長官が定める措置で著作権者の連絡先などを探し、保有するすべての情報に基づいて連絡を試みても著作権者と連絡がとれず、著作者がその著作物の出版などの利用をやめようとしていることが明らかでないときは、文化庁長官の裁定を受け、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、裁定の定めるところにより利用できます。指定補償金管理機関が補償金管理業務を行うときは、供託ではなく、その機関に補償金を支払います。また、著作権等管理事業者が管理しておらず、利用の可否についての著作権者の意思を確認するための情報も公表されていない著作物は、文化庁長官が定める措置をとっても著作権者の意思が確認できないときは、裁定を受け、補償金を供託して、3年を限度に利用できます。著作権者が協議の求めを受け付けるための措置を講じたときは、文化庁長官は、著作権者の請求により、その裁定を取り消すことができます。(第六十七条第一項, 第六十七条の三第一項, 第六十七条の三第二項, 第六十七条の三第五項, 第六十七条の三第七項, 第百四条の二十一第二項)(根拠条文)
どのように守らせるか(8)
- 著作者、著作権者、出版権者、実演家、著作隣接権者は、自分の権利を侵害する人や侵害するおそれがある人に対し、侵害の停止や予防を請求できます。あわせて、侵害の行為を組成した物や侵害によって作成された物、もっぱら侵害に使われた機械や器具の廃棄など、侵害の停止や予防に必要な措置も請求できます。この法律は、一定の行為を侵害とみなします。たとえば、国内で作成したなら侵害となる行為で作成された物を国内で頒布する目的で輸入すること、侵害によって作成された物を、そうと知りながら頒布し、頒布の目的で所持し、頒布の申出をし、業として輸出することや、著作者の名誉や声望を害する方法で著作物を利用することです。(第百十二条第一項, 第百十二条第二項, 第百十三条第一項第一号, 第百十三条第一項第二号, 第百十三条第十一項)(根拠条文)
- 著作権者、出版権者、著作隣接権者が、故意または過失によって権利を侵害した人に損害賠償を請求するときは、侵害した人がその侵害で得た利益の額が損害の額と推定されます。権利の行使について受けるべき金銭の額(使用料に相当する額)を損害の額として請求することもできます。侵害した人が譲渡した物や行った公衆送信の数量に、権利者の1単位あたりの利益の額を掛けるなどして計算した額を損害の額とすることもできます。損害が生じたことは認められるものの、損害額を立証するために必要な事実の立証が極めて困難なときは、裁判所が相当な損害額を認定できます。裁判所は、当事者の申立てにより、侵害の立証や損害の計算に必要な書類の提出を命じることができます(提出を拒む正当な理由があるときを除きます)。(第百十四条第一項, 第百十四条第二項, 第百十四条第三項, 第百十四条の五第一項, 第百十四条の三第一項)(根拠条文)
- 著作者や実演家は、故意または過失によって著作者人格権や実演家人格権を侵害した人に対し、損害賠償に代えて、または損害賠償とともに、著作者や実演家であることを確保し、訂正するなど、名誉や声望を回復するために適当な措置を請求できます。著作物や実演を公衆に提供・提示する人は、著作者や実演家が亡くなった後も、生きていれば人格権の侵害となる行為をしてはなりません。ただし、行為の性質や程度、社会的事情の変動などから、その人の意を害しないと認められる場合は別です。亡くなった人の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹は、この定めに違反する人に対し、侵害の停止や名誉回復の措置を請求できます。この定めに違反した人は、500万円以下のに処せられます。(第百十五条第一項, 第六十条第一項, 第百一条の三第一項, 第百十六条第一項, 第百二十条第一項)(根拠条文)
- 著作権、出版権、著作隣接権を侵害した人は、10年以下のもしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方に処せられます。ただし、私的使用の目的で自分で複製した人や、第113条により侵害とみなされる行為をした人は、これに含まれません。侵害とみなされる行為は、第119条第2項や第120条の2が罰則を定めているときに、それによって罰せられます。著作者人格権や実演家人格権を侵害した人、第113条第1項により侵害とみなされる輸入や頒布をした人、海賊版のプログラムをそうと知って取得し業務上使用した人、営利を目的として公衆用の自動複製機器を侵害となる複製に使わせた人、侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等を公衆に提示した人や侵害著作物等利用容易化プログラムを公衆に提供した人(相当数のウェブサイト等を包括するウェブサイト等で単に機会を提供したに過ぎない人を除きます)は、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその両方です。技術的保護手段や技術的利用制限手段の回避を機能とする装置やプログラムを公衆に譲渡・貸与し、そのために製造・輸入・所持し、公衆送信した人、業として公衆の求めに応じて回避を行った人、侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等やプログラムで侵害著作物等へのリンクなどを提供した人、回避を機能とする指令符号を提供した人、営利を目的として権利管理情報を偽ったり除去したりした人や第113条第10項の還流レコードを輸入・頒布した人は、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方です。(第百十九条第一項, 第百十三条第一項, 第百十三条第五項, 第百十九条第二項第一号, 第百十九条第二項第二号, 第百十九条第二項第三号, 第百十九条第二項第四号, 第百十九条第二項第五号, 第百十九条第二項第六号, 第百十三条第二項, 第百二十条の二第一項第一号, 第百二十条の二第一項第二号, 第百二十条の二第一項第三号, 第百二十条の二第一項第四号, 第百二十条の二第一項第五号, 第百二十条の二第一項第六号)(根拠条文)
- 私的使用の目的であっても、有償で公衆に提供・提示されている録音・録画された著作物や実演等について、著作権や著作隣接権を侵害する送信を受信してデジタル方式で録音・録画することを、そうと知りながら行って権利を侵害した人は、2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、またはその両方に処せられます。有償で公衆に提供・提示されている著作物について、著作権を侵害する自動公衆送信を受信してそのほかのデジタル方式の複製を、そうと知りながら継続的にまたは反復して行った人も同じです。ただし、複製する部分が軽微なものや、著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合は除かれます。重大な過失によって知らなかった人は、どちらにも含まれません。(第百十九条第三項第一号, 第百十九条第三項第二号, 第百十九条第四項, 第百十九条第五項)(根拠条文)
- 第119条第1項から第3項まで、第120条の2第3号から第6号まで、第121条の2、第122条の3第1項の罪は、がなければ公訴を提起できません。ただし、第119条第1項の罪のうち、対価として財産上の利益を受ける目的や、有償著作物等の提供・提示によって権利者が得られるはずの利益を害する目的で、有償著作物等を原作のまま複製した複製物を公衆に譲渡し、原作のまま公衆送信し、またはそのために複製することによって犯したものは、告訴がなくても公訴を提起できます。これは、権利者が得られるはずの利益が不当に害されることになる場合に限られます。(第百二十三条第一項, 第百二十三条第二項, 第百二十三条第三項)(根拠条文)
- 法人の代表者や、法人または人の代理人、使用人その他の従業者が、その業務に関して第119条第1項、第119条第2項第3号から第6号まで、または第122条の3第1項(秘密保持命令違反)の罪を犯したときは、行為者が罰せられるほか、法人には3億円以下の罰金刑が科されます。これらの罪について人(個人の事業主)には、また第124条が掲げるそのほかの罪について法人や人には、それぞれの条文の罰金刑が科されます。(第百二十四条第一項第一号, 第百二十四条第一項第二号)(根拠条文)
- この法律に規定する権利について紛争が生じたときは、当事者は、政令で定める手数料を納めて、文化庁長官にあっせんを申請できます。双方が申請したとき、または一方の申請に他方が同意したときは、文化庁長官は著作権紛争解決あっせん委員によるあっせんに付します。ただし、事件がその性質上あっせんに適さないと認めるときや、当事者が不当な目的でみだりに申請したと認めるときは、付さないことができます。(第百五条第一項, 第百六条第一項, 第百七条第一項, 第百八条第一項, 第百八条第二項)(根拠条文)
他の法令とのつながり
- 行政機関の保有する情報の公開に関する法律013
- 民事訴訟法03
- 行政手続法02
- 学校教育法02
- 出入国管理及び難民認定法施行規則10
- 消費税法10
- 不正競争防止法01
- 民法01
- 個人情報の保護に関する法律01
- 租税特別措置法10
- 住民基本台帳法10
- 民事執行法01
ほかに、収録していない法令を36件、名指しで参照しています。