遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。
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第七章 遺言(第九百六十条から第九百七十六条の二まで)
民法等の一部を改正する法律(令和八年法律第四十五号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。
本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。
第七章 遺言
第一節 総則
第九百六十条
第九百六十一条
十五歳に達した者は、遺言をすることができる。
第九百六十二条
この条に改正1か所第五条、第九条、第十三条及び第十七条の規定は、遺言については、適用しない。
第九百六十三条
遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。
第九百六十四条
遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。
第九百六十五条
第八百八十六条及び第八百九十一条の規定は、受遺者について準用する。
未成年被後見人が、未成年後見の計算の終了前に、未成年後見人又はその配偶者若しくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは、その遺言は、無効とする。
前第十条第一項の規定は、直系血族、による審判を受けた者が、補助の計算の終了前に、特定補助人又はその配偶者又は兄弟姉妹が後見人である場合には、適用しない若しくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは、その遺言は、無効とする。
前二項の規定は、直系血族、配偶者又は兄弟姉妹が未成年後見人又は特定補助人である場合には、適用しない。
第二節 遺言の方式
第一款 普通の方式
第九百六十七条
遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。
第九百六十八条
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書しなければならない。
前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名しなければならない。
自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名しなければ、その効力を生じない。
公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
証人二人以上の立会いがあること。
遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
前項の公正証書は、公証人法(明治四十一年法律第五十三号)の定めるところにより作成するものとする。
第一項第一号の証人については、公証人法第三十条に規定する証人とみなして、同法の規定(同法第三十五条第三項の規定を除く。)を適用する。
第九百六十九条の二
口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第一項第二号の口授に代えなければならない。
公証人は、前項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に記載し、又は記録しなければならない。
第九百七十条
秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
遺言者が、その証書に署名すること。
遺言者が、その証書に封をすること。
遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、これに印を押し、遺言者及び証人とともにこれに署名すること。
第九百六十八条第三項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。
第九百七十一条
秘密証書による遺言は、前条に定める方式に欠けるものがあっても、第九百六十八条に定める方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。
第九百七十二条
口がきけない者が秘密証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、その証書は自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を通訳人の通訳により申述し、又は封紙に自書して、第九百七十条第一項第三号の申述に代えなければならない。
前項の場合において、遺言者が通訳人の通訳により申述したときは、公証人は、その旨を封紙に記載しなければならない。
第一項の場合において、遺言者が封紙に自書したときは、公証人は、その旨を封紙に記載して、第九百七十条第一項第四号に規定する申述の記載に代えなければならない。
成年被後見人第十条第一項の規定による審判を受けた者が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。
遺言(保管証書又は秘密証書によるものを除く。)に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の理由により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に記載し、又は記録して、これに署名し、又は法務省令で定める署名に代わる措置を講じなければならない。
保管証書による遺言に立ち会った医師は、前項に規定する旨を遺言書保管官に申述しなければならない。
秘密証書による遺言に立ち会った医師は、その封紙に第二項に規定する旨の記載をし、署名しなければならない。
第九百七十四条
次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
未成年者
推定相続人並びにその配偶者及び直系血族
受遺者(推定相続人である者を除く。)並びにその配偶者、直系血族及び被用者(受遺者が法人である場合にあっては、その被用者及び役員)
公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び被用者
第九百七十五条
遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。
第二款 特別の方式
第九百七十六条
疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名しなければならない。
口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。
第一項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。
前三項の規定によりした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。
第九百七十六条の二
前条第一項の規定にかかわらず、次の各号に規定する状況を録音及び録画を同時に行う方法により記録するときは、同項に規定する死亡の危急に迫った者は、証人一人以上の立会いをもって、遺言をすることができる。
証人の一人に遺言の趣旨を口授すること。
前号の口授を受けた証人が、遺言の趣旨及び証人の氏名を書面に記載し、又は電磁的記録に記録すること。
前号の証人が、同号の書面又は同号の電磁的記録に記録された情報の内容を表示したものを、遺言者に読み聞かせ、又は閲覧させ、遺言者がその記載又は記録の正確なことを承認すること。
前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、遺言者及び証人が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、証人を立ち会わせることができる。
口がきけない者が第一項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項第一号の口授に代えなければならない。
耳が聞こえない者が第一項の規定により遺言をする場合には、遺言の趣旨の口授(前項の規定による申述を含む。)を受けた者は、第一項第二号の書面に記載された内容又は同号の電磁的記録に記録された情報の内容を通訳人の通訳により遺言者に伝えて、同項第三号の読み聞かせに代えることができる。
前二項の規定により通訳人に通訳をさせるときは、遺言者は、遺言者及び証人が通訳人との間で映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、通訳人に通訳をさせることができる。
前条第四項及び第五項の規定は、前各項の規定による遺言について準用する。