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民法(みんぽう)

第三章 所有権(第二百二十八条から第二百五十二条まで)

民法等の一部を改正する法律(令和八年法律第四十五号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

第二百二十八条

(囲障の設置等に関する慣習)
第一項

前三条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

第二百二十九条

(境界標等の共有の推定)
第一項

境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。

第二百三十条

第一項

一棟の建物の一部を構成する境界線上の障壁については、前条の規定は、適用しない。

第二項

高さの異なる二棟の隣接する建物を隔てる障壁の高さが、低い建物の高さを超えるときは、その障壁のうち低い建物を超える部分についても、前項と同様とする。ただし、防火障壁については、この限りでない。

第二百三十一条

(共有の障壁の高さを増す工事)
第一項

相隣者の一人は、共有の障壁の高さを増すことができる。ただし、その障壁がその工事に耐えないときは、自己の費用で、必要な工作を加え、又はその障壁を改築しなければならない。

第二項

前項の規定により障壁の高さを増したときは、その高さを増した部分は、その工事をした者の単独の所有に属する。

第二百三十二条

第一項

前条の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。

第二百三十三条

(竹木の枝の切除及び根の切取り)
第一項

土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。

第二項

前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。

第三項

第一項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。

一

竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。

二

竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。

三

急迫の事情があるとき。

第四項

隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

第二百三十四条

(境界線付近の建築の制限)
第一項

建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。

第二項

前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から一年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。

第二百三十五条

第一項

境界線から一メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。

第二項

前項の距離は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する。

第二百三十六条

(境界線付近の建築に関する慣習)
第一項

前二条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

第二百三十七条

(境界線付近の掘削の制限)
第一項

井戸、用水だめ、下水だめ又は肥料だめを掘るには境界線から二メートル以上、池、穴蔵又はし尿だめを掘るには境界線から一メートル以上の距離を保たなければならない。

第二項

導水管を埋め、又は溝若しくは堀を掘るには、境界線からその深さの二分の一以上の距離を保たなければならない。ただし、一メートルを超えることを要しない。

第二百三十八条

(境界線付近の掘削に関する注意義務)
第一項

境界線の付近において前条の工事をするときは、土砂の崩壊又は水若しくは汚液の漏出を防ぐため必要な注意をしなければならない。

第二節 所有権の取得

第二百三十九条

(無主物の帰属)
第一項

所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。

第二項

所有者のない不動産は、国庫に帰属する。

第二百四十条

(遺失物の拾得)
第一項

遺失物は、遺失物法(平成十八年法律第七十三号)の定めるところに従い公告をした後三箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する。

第二百四十一条

(埋蔵物の発見)
第一項

埋蔵物は、遺失物法の定めるところに従い公告をした後六箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを発見した者がその所有権を取得する。ただし、他人の所有する物の中から発見された埋蔵物については、これを発見した者及びその他人が等しい割合でその所有権を取得する。

第二百四十二条

(不動産の付合)
第一項

不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。

第二百四十三条

(動産の付合)
第一項

所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。

第二百四十四条

第一項

付合した動産について主従の区別をすることができないときは、各動産の所有者は、その付合の時における価格の割合に応じてその合成物を共有する。

第二百四十五条

(混和)
第一項

前二条の規定は、所有者を異にする物が混和して識別することができなくなった場合について準用する。

第二百四十六条

(加工)
第一項

他人の動産に工作を加えた者(以下この条において「加工者」という。)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する。

第二項

前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。

第二百四十七条

(付合、混和又は加工の効果)
第一項

第二百四十二条から前条までの規定により物の所有権が消滅したときは、その物について存する他の権利も、消滅する。

第二項

前項に規定する場合において、物の所有者が、合成物、混和物又は加工物(以下この項において「合成物等」という。)の単独所有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その合成物等について存し、物の所有者が合成物等の共有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その持分について存する。

第二百四十八条

(付合、混和又は加工に伴う償金の請求)
第一項

第二百四十二条から前条までの規定の適用によって損失を受けた者は、第七百三条及び第七百四条の規定に従い、その償金を請求することができる。

第三節 共有

第二百四十九条

(共有物の使用)
第一項

各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

第二項

共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。

第三項

共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をしなければならない。

第二百五十条

(共有持分の割合の推定)
第一項

各共有者の持分は、相等しいものと推定する。

第二百五十一条

(共有物の変更)
第一項

各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。

第二項

共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。

第二百五十二条

(共有物の管理)
第一項

共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。

第二項

裁判所は、次の各号に掲げるときは、当該各号に規定する他の共有者以外の共有者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる。

一

共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。

二

共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合において、当該他の共有者がその期間内に賛否を明らかにしないとき。

第三項

前二項の規定による決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

第四項

共有者は、前三項の規定により、共有物に、次の各号に掲げる賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(以下この項において「賃借権等」という。)であって、当該各号に定める期間を超えないものを設定することができる。

一

樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃借権等 十年

二

前号に掲げる賃借権等以外の土地の賃借権等 五年

三

建物の賃借権等 三年

四

動産の賃借権等 六箇月

第五項

各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。