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民法(みんぽう)

第一章 総則(第五百六条から第五百二十条の二十まで)

民法等の一部を改正する法律(令和八年法律第四十五号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

第五百六条

(相殺の方法及び効力)
第一項

相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。

第二項

前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。

第五百七条

(履行地の異なる債務の相殺)
第一項

相殺は、双方の債務の履行地が異なるときであっても、することができる。この場合において、相殺をする当事者は、相手方に対し、これによって生じた損害を賠償しなければならない。

第五百八条

(時効により消滅した債権を自働債権とする相殺)
第一項

時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。

第五百九条

(不法行為等により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止)
第一項

次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。ただし、その債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときは、この限りでない。

一

悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務

二

人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務(前号に掲げるものを除く。)

第五百十条

(差押禁止債権を受働債権とする相殺の禁止)
第一項

債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。

第五百十一条

(差押えを受けた債権を受働債権とする相殺の禁止)
第一項

差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。

第二項

前項の規定にかかわらず、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは、その第三債務者は、その債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。ただし、第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。

第五百十二条

(相殺の充当)
第一項

債権者が債務者に対して有する一個又は数個の債権と、債権者が債務者に対して負担する一個又は数個の債務について、債権者が相殺の意思表示をした場合において、当事者が別段の合意をしなかったときは、債権者の有する債権とその負担する債務は、相殺に適するようになった時期の順序に従って、その対当額について相殺によって消滅する。

第二項

前項の場合において、相殺をする債権者の有する債権がその負担する債務の全部を消滅させるのに足りないときであって、当事者が別段の合意をしなかったときは、次に掲げるところによる。

一

債権者が数個の債務を負担するとき(次号に規定する場合を除く。)は、第四百八十八条第四項第二号から第四号までの規定を準用する。

二

債権者が負担する一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべきときは、第四百八十九条の規定を準用する。この場合において、同条第二項中「前条」とあるのは、「前条第四項第二号から第四号まで」と読み替えるものとする。

第三項

第一項の場合において、相殺をする債権者の負担する債務がその有する債権の全部を消滅させるのに足りないときは、前項の規定を準用する。

第五百十二条の二

第一項

債権者が債務者に対して有する債権に、一個の債権の弁済として数個の給付をすべきものがある場合における相殺については、前条の規定を準用する。債権者が債務者に対して負担する債務に、一個の債務の弁済として数個の給付をすべきものがある場合における相殺についても、同様とする。

第三款 更改

第五百十三条

(更改)
第一項

当事者が従前の債務に代えて、新たな債務であって次に掲げるものを発生させる契約をしたときは、従前の債務は、更改によって消滅する。

一

従前の給付の内容について重要な変更をするもの

二

従前の債務者が第三者と交替するもの

三

従前の債権者が第三者と交替するもの

第五百十四条

(債務者の交替による更改)
第一項

債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。この場合において、更改は、債権者が更改前の債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。

第二項

債務者の交替による更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得しない。

第五百十五条

(債権者の交替による更改)
第一項

債権者の交替による更改は、更改前の債権者、更改後に債権者となる者及び債務者の契約によってすることができる。

第二項

債権者の交替による更改は、確定日付のある証書によってしなければ、第三者に対抗することができない。

第五百十六条から第五百十七条まで

第一項

削除

第五百十八条

(更改後の債務への担保の移転)
第一項

債権者(債権者の交替による更改にあっては、更改前の債権者)は、更改前の債務の目的の限度において、その債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができる。ただし、第三者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。

第二項

前項の質権又は抵当権の移転は、あらかじめ又は同時に更改の相手方(債権者の交替による更改にあっては、債務者)に対してする意思表示によってしなければならない。

第四款 免除

第五百十九条

第一項

債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。

第五款 混同

第五百二十条

第一項

債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。

第七節 有価証券

第一款 指図証券

第五百二十条の二

(指図証券の譲渡)
第一項

指図証券の譲渡は、その証券に譲渡の裏書をして譲受人に交付しなければ、その効力を生じない。

第五百二十条の三

(指図証券の裏書の方式)
第一項

指図証券の譲渡については、その指図証券の性質に応じ、手形法(昭和七年法律第二十号)中裏書の方式に関する規定を準用する。

第五百二十条の四

(指図証券の所持人の権利の推定)
第一項

指図証券の所持人が裏書の連続によりその権利を証明するときは、その所持人は、証券上の権利を適法に有するものと推定する。

第五百二十条の五

(指図証券の善意取得)
第一項

何らかの事由により指図証券の占有を失った者がある場合において、その所持人が前条の規定によりその権利を証明するときは、その所持人は、その証券を返還する義務を負わない。ただし、その所持人が悪意又は重大な過失によりその証券を取得したときは、この限りでない。

第五百二十条の六

(指図証券の譲渡における債務者の抗弁の制限)
第一項

指図証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、その証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。

第五百二十条の七

(指図証券の質入れ)
第一項

第五百二十条の二から前条までの規定は、指図証券を目的とする質権の設定について準用する。

第五百二十条の八

(指図証券の弁済の場所)
第一項

指図証券の弁済は、債務者の現在の住所においてしなければならない。

第五百二十条の九

(指図証券の提示と履行遅滞)
第一項

指図証券の債務者は、その債務の履行について期限の定めがあるときであっても、その期限が到来した後に所持人がその証券を提示してその履行の請求をした時から遅滞の責任を負う。

第五百二十条の十

(指図証券の債務者の調査の権利等)
第一項

指図証券の債務者は、その証券の所持人並びにその署名及び押印の真偽を調査する権利を有するが、その義務を負わない。ただし、債務者に悪意又は重大な過失があるときは、その弁済は、無効とする。

第五百二十条の十一

(指図証券の喪失)
第一項

指図証券は、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。

第五百二十条の十二

(指図証券喪失の場合の権利行使方法)
第一項

金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする指図証券の所持人がその指図証券を喪失した場合において、非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをしたときは、その債務者に、その債務の目的物を供託させ、又は相当の担保を供してその指図証券の趣旨に従い履行をさせることができる。

第二款 記名式所持人払証券

第五百二十条の十三

(記名式所持人払証券の譲渡)
第一項

記名式所持人払証券(債権者を指名する記載がされている証券であって、その所持人に弁済をすべき旨が付記されているものをいう。以下同じ。)の譲渡は、その証券を交付しなければ、その効力を生じない。

第五百二十条の十四

(記名式所持人払証券の所持人の権利の推定)
第一項

記名式所持人払証券の所持人は、証券上の権利を適法に有するものと推定する。

第五百二十条の十五

(記名式所持人払証券の善意取得)
第一項

何らかの事由により記名式所持人払証券の占有を失った者がある場合において、その所持人が前条の規定によりその権利を証明するときは、その所持人は、その証券を返還する義務を負わない。ただし、その所持人が悪意又は重大な過失によりその証券を取得したときは、この限りでない。

第五百二十条の十六

(記名式所持人払証券の譲渡における債務者の抗弁の制限)
第一項

記名式所持人払証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、その証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。

第五百二十条の十七

(記名式所持人払証券の質入れ)
第一項

第五百二十条の十三から前条までの規定は、記名式所持人払証券を目的とする質権の設定について準用する。

第五百二十条の十八

(指図証券の規定の準用)
第一項

第五百二十条の八から第五百二十条の十二までの規定は、記名式所持人払証券について準用する。

第三款 その他の記名証券

第五百二十条の十九

第一項

債権者を指名する記載がされている証券であって指図証券及び記名式所持人払証券以外のものは、債権の譲渡又はこれを目的とする質権の設定に関する方式に従い、かつ、その効力をもってのみ、譲渡し、又は質権の目的とすることができる。

第二項

第五百二十条の十一及び第五百二十条の十二の規定は、前項の証券について準用する。

第四款 無記名証券

第五百二十条の二十

第一項

第二款(記名式所持人払証券)の規定は、無記名証券について準用する。