借地借家法
建物の所有を目的とすると土地の(借地)、そして建物の(借家)について、存続期間、契約の更新、効力などの特別の定めを置き、借地条件の変更などの裁判手続を定める法律です。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 61
- 施行前の改正
- 1
この法令の内容
- 期間の定めがある建物ので、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に、相手方に更新をしない旨の通知、または条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同じ条件で契約を更新したものとみなされます。ただし、更新後の期間は定めがないものになります。この通知をした場合でも、期間の満了後に建物のが使用を続け、建物のが遅滞なく異議を述べなかったときは、同じように更新したものとみなされます。建物がされているときは、の使用の継続が賃借人の使用の継続とみなされます。期間を1年未満とする建物の賃貸借は期間の定めがないものとみなされます。また、民法第604条の規定は、建物の賃貸借には適用されません。(第二十六条第一項, 第二十六条第二項, 第二十六条第三項, 第二十九条第一項, 第二十九条第二項)(根拠条文)
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- 建物のは、正当の事由があると認められる場合でなければ、更新をしない旨の通知や解約の申入れをすることができません。正当の事由があるかどうかは、賃貸人と(を含みます)がそれぞれ建物の使用を必要とする事情のほか、建物のに関する従前の経過、建物の利用状況と現況、そして賃貸人が明渡しの条件として、または明渡しと引換えに財産上の給付をする旨の申出をした場合はその申出を考慮して判断されます。賃貸人が解約の申入れをしたときは、建物の賃貸借は申入れの日から6月を経過することで終了します。ただし、その後も賃借人が建物の使用を続け、賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときは、契約を更新したものとみなされます。これらの更新と終了の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、です。(第二十八条第一項, 第二十七条第一項, 第二十七条第二項, 第三十条第一項)(根拠条文)
- 期間の定めがある建物の賃貸借では、による等書面(またはその内容を記録した電磁的記録)によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができます(定期建物賃貸借)。この場合、期間を1年未満としても、期間の定めがないものとはみなされません。建物の賃貸人は、あらかじめ、更新がなく期間の満了によって賃貸借が終了することを記載した書面を賃借人に交付して説明しなければなりません。書面の交付に代えて、政令で定めるところにより賃借人の承諾を得て、その内容を電磁的方法で提供することもできますが、説明は必要です。説明をしなかったときは、更新がないこととする定めは無効です。期間が1年以上の場合、賃貸人は期間の満了の1年前から6月前までの間に、期間の満了により賃貸借が終了する旨を賃借人に通知しなければ、その終了を賃借人にできません。この期間の後に通知したときは、通知の日から6月を経過した後は対抗できます。(第三十八条第一項, 第三十八条第二項, 第三十八条第三項, 第三十八条第四項, 第三十八条第五項, 第三十八条第六項)(根拠条文)
- 居住の用に供する建物の定期建物賃貸借で、床面積(建物の一部分を借りている場合はその部分の床面積)が200平方メートル未満のものについては、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、賃借人が建物を自分の生活の本拠として使用することが困難になったとき、賃借人は解約の申入れをすることができます。この場合、賃貸借は解約の申入れの日から1月を経過することで終了します。この規定と、賃貸人が終了を通知する義務の規定に反する特約で賃借人に不利なものは、無効です。(第三十八条第七項, 第三十八条第八項)(根拠条文)
- 地代や建物の借賃が、土地や建物に対する租税その他の負担の増減、土地や建物の価格の上昇・低下その他の経済事情の変動、または近くの似た土地・建物の地代や借賃との比較によって不相当になったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は将来に向かって額の増減を請求できます。ただし、一定の期間増額しない旨の特約があるときは、その特約に従います。協議が調わないとき、増額を請求された者は、増額を正当とする裁判が確定するまで、自分が相当と認める額を支払えば足ります。減額を請求された者は、減額を正当とする裁判が確定するまで、自分が相当と認める額の支払を請求できます。裁判が確定して不足や超過があるときは、その額に年1割の割合による利息を付けて支払い、または返還しなければなりません。(第三十二条第一項, 第三十二条第二項, 第三十二条第三項, 第十一条第一項, 第十一条第二項, 第十一条第三項)(根拠条文)
- 建物の賃貸借は、がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対して効力を生じます。借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、第三者に対抗することができます。建物が滅失しても、借地権者がその建物を特定するために必要な事項、滅失があった日、建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は引き続き対抗力を持ちます。ただし、滅失があった日から2年を経過した後は、その前に建物を新たに築造し、その建物について登記した場合に限ります。これらの規定に反する特約で建物の賃借人や借地権者に不利なものは、無効です。(第三十一条第一項, 第三十七条第一項, 第十条第一項, 第十条第二項, 第十六条第一項)(根拠条文)
- 借地権の存続期間は30年です。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間です。借地契約を更新した場合の期間は、最初の更新では更新の日から20年、2回目以降は10年です。当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間です。借地権の存続期間が満了する場合に建物があるときは、借地権者が更新を請求するか土地の使用を続ければ、従前の契約と同じ条件で更新したものとみなされます。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは更新されません。この異議は、借地権設定者と借地権者(転借地権者を含みます)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過、土地の利用状況、借地権設定者が土地の明渡しの条件として、または明渡しと引換えに財産上の給付をする申出をしたときはその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ述べることができません。これらの規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効です。この法律の施行前に設定された借地権の契約の更新については、この法律が廃止した借地法(大正10年法律第49号)による従前の例によります。(第三条第一項, 第四条第一項, 第五条第一項, 第五条第二項, 第六条第一項, 第九条第一項, 附則第二条第一項第二号, 附則第六条第一項)(根拠条文)
- 建物の転貸借がされている場合に、建物の賃貸借が期間の満了または解約の申入れによって終了するときは、建物の賃貸人は、転借人にその旨の通知をしなければ、その終了を転借人に対抗できません。通知をしたときは、転貸借は通知の日から6月を経過することで終了します。借地上の建物を借りている人が、借地権の存続期間の満了によって土地を明け渡さなければならないときは、その満了を1年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、その賃借人の請求により、満了を知った日から1年を超えない範囲で、明渡しに相当の期限を与えることができます。その場合、建物の賃貸借はその期限が来たときに終了します。これらの規定に反する特約で建物の賃借人や転借人に不利なものは、無効です。(第三十四条第一項, 第三十四条第二項, 第三十五条第一項, 第三十五条第二項, 第三十七条第一項)(根拠条文)
建物賃貸借の更新正当事由定期建物賃貸借借賃の増減請求建物賃貸借の対抗力借地権の存続期間定期借地権借地権の譲渡・
目次
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、公布済みでまだの改正が1件あります。改正の履歴は下にあります。変更内容まで収録している改正は、改正のページに条文ごとに日本語と英語で示します。
2028年6月13日まで
遅くとも2年後
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日
施行済みの改正 9件
2026年5月21日
このサイトの条文
民事訴訟法等の一部を改正する法律
2023年6月14日
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2023年2月20日
民事訴訟法等の一部を改正する法律
2022年5月25日
民事訴訟法等の一部を改正する法律
2022年5月18日
デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律
2021年5月19日
デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律
2020年4月1日
民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
2017年6月2日
民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
2013年1月1日
改正法令名の記載なし
誰に適用されるか
適用される
特例と適用除外(8)
- この法律の施行前に設定された借地権については、契約の更新、建物の滅失後の建物の築造による借地権の期間の延長、建物の朽廃による借地権の消滅に関して、この法律が廃止した借地法(大正10年法律第49号)による従前の例によります。このような借地権には第8条、第13条第2項、第18条の規定は適用されず、施行前に設定された転借地権には第13条第3項の規定は適用されません。この法律の規定は、附則に特別の定めがある場合を除き、施行前に生じた事項にも適用されますが、廃止された建物保護に関する法律(明治42年法律第40号)、借地法、借家法(大正10年法律第50号)の規定によって生じた効力は妨げられません。(附則第二条第一項, 附則第二条第一項第一号, 附則第二条第一項第二号, 附則第二条第一項第三号, 附則第四条第一項, 附則第五条第一項, 附則第六条第一項, 附則第七条第一項, 附則第七条第二項, 附則第九条第一項, 附則第九条第二項, 附則第十一条第一項)(根拠条文)
- 存続期間を50年以上とする借地権では、第9条と第16条にかかわらず、契約の更新と建物の築造による存続期間の延長がなく、建物の買取りの請求をしないこととする旨を定めることができます(定期借地権)。この特約は、による等書面、またはその内容を記録した電磁的記録でしなければなりません。(第二十二条第一項, 第二十二条第二項)(根拠条文)
- 専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除きます)の所有を目的とする場合、存続期間を30年以上50年未満とする借地権では、契約の更新と建物の築造による存続期間の延長がなく、建物の買取りの請求をしないこととする旨を定めることができます。存続期間を10年以上30年未満とする借地権には、第3条から第8条まで、第13条、第18条の規定は適用されません。これらの借地権を設定する契約は、公正証書でしなければなりません。平成20年1月1日より前に設定された借地権(転借地権を含みます)については、同日に施行された平成19年法律第132号による改正前の規定による従前の例によります。改正前に事業用借地権を定めていたのは、改正前の第24条です。(第二十三条第一項, 第二十三条第二項, 第二十三条第三項, 附則第一条第一項, 附則第二条第一項)(根拠条文)
- 借地権を設定するときは、借地権を消滅させるため、設定後30年以上を経過した日に借地上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができます(専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、存続期間を10年以上30年未満とする借地権の場合を除きます)。この特約で借地権が消滅した後も建物の使用を続けている借地権者や建物のが請求したときは、借地権設定者との間で期間の定めのない建物の(借地権者が請求し、借地権の残存期間があるときは、その残存期間を存続期間とする賃貸借)がされたものとみなされ、建物の借賃は当事者の請求により裁判所が定めます。ただし、その建物について借地権設定者と第38条の定期建物賃貸借の契約をしたときは、その契約に従います。(第二十四条第一項, 第二十四条第二項, 第二十四条第三項)(根拠条文)
- 臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、第3条から第8条まで、第13条、第17条、第18条、第22条から第24条までの規定は適用されません。一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、第3章(借家)の規定は適用されません。(第二十五条第一項, 第四十条第一項)(根拠条文)
- 法令や契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合、その建物の賃貸借では、第30条にかかわらず、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることができます。この特約は、建物を取り壊すべき事由を記載した書面(またはそれを記録した電磁的記録)でしなければなりません。(第三十九条第一項, 第三十九条第二項, 第三十九条第三項)(根拠条文)
- 定期建物賃貸借で、借賃の改定に関する特約がある場合には、借賃の増減請求を定める第32条は適用されません。(第三十八条第九項)(根拠条文)
- 平成12年3月1日より前にされた居住用の建物の賃貸借の当事者が、その賃貸借を合意で終了させ、引き続き同じ建物について新たに賃貸借をする場合には、当分の間、第38条(定期建物賃貸借)の規定は適用されません。ただし、もとの賃貸借が、同日の改正前の第38条第1項による賃貸借だったときは、この制限はありません。これは、建物のが転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情で一定の期間その建物を自分の生活の本拠として使うことが難しく、その期間の後は本拠として使うことが明らかな場合に、その期間を賃貸借の期間と定めて、書面で契約の更新がないこととした賃貸借です。(附則第三条第一項, 附則第一条第一項, 附則第二条第二項)(根拠条文)
どのように守らせるか(7)
- この法律には罰則がなく、この法律を執行する行政機関の定めもありません。当事者の間でどうなるかを定めることで働きます。たとえば、契約を更新したものとみなされること、正当の事由がなければ更新を拒めないこと、借地権者や建物のに不利な特約はになることです。借地条件の変更などの争いは、以下のとおり裁判所が扱います。(第五条第一項, 第二十六条第一項, 第二十八条第一項, 第九条第一項, 第十六条第一項, 第二十一条第一項, 第三十条第一項, 第三十七条第一項, 第三十八条第八項, 第四十一条第一項)(根拠条文)
- 借地条件の変更、借地権設定者の承諾に代わる増改築・再築の許可、借地権設定者が承諾しないの譲渡・の許可などの申立ては、借地権の目的である土地の所在地を管轄する地方裁判所が扱います。当事者の合意があるときは、その所在地を管轄する簡易裁判所が扱うこともできます。裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければなりません。(第四十一条第一項, 第十七条第六項, 第十八条第三項, 第十九条第六項)(根拠条文)
- 建物の種類、構造、規模、用途を制限する借地条件がある場合に、法令による土地利用の規制の変更や付近の土地の利用状況の変化などの事情の変更により、別の建物にすることが相当になったのに協議が調わないときは、裁判所は当事者の申立てにより借地条件を変更できます。増改築を制限する借地条件がある場合に、土地の通常の利用上相当な増改築について協議が調わないときは、裁判所は借地権者の申立てにより借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができます。契約の更新の後、借地権者が残存期間を超えて存続する建物を新たに築造するやむを得ない事情があるのに借地権設定者が承諾しないときも、借地権設定者がの消滅の請求や解約の申入れをすることができない旨を定めた場合を除き、裁判所は承諾に代わる許可を与え、延長する借地権の期間を別に定めることができます(この法律の施行前に設定された借地権には適用されません)。いずれの場合も、裁判所は一切の事情を考慮し、当事者間の利益の衡平を図るため、他の借地条件の変更や財産上の給付を命じることなどができます。(第十七条第一項, 第十七条第二項, 第十七条第三項, 第十七条第四項, 第十八条第一項, 第十八条第二項, 附則第十一条第一項)(根拠条文)
- 借地権者が借地上の建物を第三者に譲渡しようとする場合に、その第三者が賃借権を取得し、または転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないのに、借地権設定者が賃借権の譲渡や転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができます。その際、借地条件の変更を命じたり、許可を財産上の給付にかからせたりできます。競売や公売で建物を取得した第三者も、建物の代金を支払った後2月以内に限り、同じように申立てができます。これらの申立てがあったとき、借地権設定者は、裁判所が定める期間内に、自ら建物の譲渡と賃借権の譲渡・転貸を受ける旨の申立てをすることができ、裁判所は相当の対価と転貸の条件を定めてこれを命じることができます。(第十九条第一項, 第十九条第三項, 第二十条第一項, 第二十条第二項, 第二十条第三項)(根拠条文)
- 施行日(遅くとも2028年6月13日)の前日まで:これらの申立てについての裁判があったときは、その裁判書が当事者に送達され、裁判は確定しなければ効力を生じません。給付を命じる裁判は、強制執行については裁判上の和解と同じ効力を持ちます。賃借権の譲渡や転貸を許可する裁判は、効力を生じた後6月以内に借地権者が建物を譲渡しないときは、効力を失います。ただし、この期間は裁判で伸ばしたり縮めたりできます。(第五十五条第一項, 第五十五条第二項, 第五十八条第一項, 第五十九条第一項)(根拠条文)
- 施行日(遅くとも2028年6月13日)から:これらの申立てについての裁判があったときは、ファイルに記録された電子裁判書が当事者に送達され、裁判は確定しなければ効力を生じません。給付を命じる裁判は、強制執行については裁判上の和解と同じ効力を持ちます。賃借権の譲渡や転貸を許可する裁判は、効力を生じた後6月以内に借地権者が建物を譲渡しないときは、効力を失います。ただし、この期間は裁判で伸ばしたり縮めたりできます。(第五十八条第一項, 第五十八条第二項, 第六十一条第一項, 第六十二条第一項)(根拠条文)
- 借地権の存続期間が満了し、契約の更新がないときは、借地権者は借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るよう請求できます。借地上の建物などを取得した第三者も、借地権設定者が賃借権の譲渡や転貸を承諾しないときは、同じように時価での買取りを請求できます。建物のが期間の満了や解約の申入れによって終了するとき、建物の賃借人は、の同意を得て付加した畳、建具その他の造作や、賃貸人から買い受けた造作を、時価で買い取るよう請求できます。この造作買取請求の規定は、賃借人に不利な特約を無効とする第37条には挙げられていません。(第十三条第一項, 第十四条第一項, 第十六条第一項, 第三十三条第一項, 第三十七条第一項)(根拠条文)
他の法令とのつながり
収録内の他の法令とは参照し合っていません。
ほかに、収録していない法令を10件、名指しで参照しています。