民事調停法
民事に関する紛争について、裁判官と民事調停委員が関わる裁判所の調停で、当事者が互いに譲り合い、条理にかない実情に即した解決を図るための法律です。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 58
- 施行前の改正
- 1
この法令の内容
- 民事に関して紛争が生じたときは、当事者は、裁判所に調停の申立てをすることができます。調停は、当事者が互いに譲り合い、条理にかない実情に即した解決を図ることを目的としています。申立ては申立書を裁判所に提出して行い、申立書には、当事者と法定代理人、申立ての趣旨、紛争の要点を記載します。(第一条第一項, 第二条第一項, 第四条の二第一項, 第四条の二第二項)(根拠条文)
続きを読む
- 調停事件は、特別の定めがある場合を除き、相手方の住所、居所、営業所または事務所の所在地を管轄するか、当事者が合意で定める地方裁判所または簡易裁判所が扱います。相手方に日本国内の住所と居所がないか、知れないときは、最後の住所地を管轄する簡易裁判所が扱います。相手方が法人その他の社団・財団で、日本国内に事務所や営業所がない(外国の社団・財団でなければ、その所在地が知れないときも同じです)ときは、代表者その他の主たる業務担当者(外国の社団・財団では、日本における代表者など)の住所地を管轄する簡易裁判所が扱います。裁判所は、調停事件が管轄に属しないと認めるときは、申立てによりまたは職権で、管轄権のある地方裁判所または簡易裁判所に移送しなければなりません。ただし、事件の処理に特に必要があると認めるときは、ほかの管轄裁判所に移送したり、自ら処理したりすることができます。また、管轄に属する調停事件でも、事件の処理のために適当であると認めるときは、職権で、ほかの管轄裁判所に移送することができます。(第三条第一項, 第三条第二項, 第三条第三項, 第三条第四項, 第四条第一項, 第四条第三項)(根拠条文)
- 施行日(遅くとも2028年6月13日)の前日まで:調停で当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとされ、その記載はと同一の効力を持ちます。この規定は、政令で定める日(遅くとも2028年6月13日)の前日まで適用され、その日からは、合意を電子調書に記録する規定に代わります。(第十六条第一項, 附則第一項)(根拠条文)
- 施行日(遅くとも2028年6月13日)から:政令で定める日(遅くとも2028年6月13日)から、調停で当事者間に合意が成立した場合に、その合意について電子調書を作成し、ファイルに記録したときは、調停が成立したものとされ、その記録は裁判上の和解と同一の効力を持ちます。ファイルに記録された電子調書は、当事者に送付しなければなりません。(第十六条第一項, 第十六条第二項, 第十二条の五第一項, 第十二条の五第二項, 附則第一項)(根拠条文)
- 裁判所は、調停委員会の調停が成立する見込みがない場合に相当と認めるときは、その調停委員会の民事調停委員の意見を聴き、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のために必要な決定(調停に代わる決定)をすることができます。この決定では、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命じることができます。当事者または利害関係人は、当事者が決定の告知を受けた日から2週間以内に異議の申立てができ、適法な異議の申立てがあると、決定は効力を失います。期間内に異議の申立てがなければ、決定は裁判上の和解と同一の効力を持ちます。(第十七条第一項, 第十八条第一項, 第十八条第四項, 第十八条第五項)(根拠条文)
- 当事者間に合意が成立する見込みがない場合や、成立した合意が相当でないと調停委員会が認める場合で、裁判所が調停に代わる決定をしないときは、調停委員会は、調停が成立しないものとして事件を終了させることができます。申立人が、そのように事件が終了したこと、または異議の申立てにより調停に代わる決定が効力を失ったことの通知を受けた日から2週間以内に、調停の目的となった請求について訴えを提起したときは、調停の申立ての時にその訴えの提起があったものとみなされます。(第十四条第一項, 第十五条第一項, 第十八条第四項, 第十九条第一項)(根拠条文)
- 調停の申立ては、調停事件が終了するまで、その全部または一部を取り下げることができます。ただし、調停に代わる決定がされた後は、相手方の同意を得なければ、取下げの効力は生じません。(第十九条の二第一項)(根拠条文)
- 調停が成立した場合に、調停手続の費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は各自が負担します。裁判所が訴訟事件や非訟事件を調停に付し、その調停が成立した場合も、訴訟費用や非訟事件の手続の費用の負担について特別の定めをしなかったときは、各自が負担します。(第二十条の二第一項, 第二十条の二第二項, 第二十条第一項, 第二十条第四項, 第二十四条の二第二項)(根拠条文)
調停の申立て調停の管轄調停委員会調停の成立調停に代わる決定調停不成立後の訴えの提起地代・家賃の増減調停前の措置
目次
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、公布済みでまだの改正が1件あります。改正の履歴は下にあります。変更内容まで収録している改正は、改正のページに条文ごとに日本語と英語で示します。
2028年6月13日まで
遅くとも2年後
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日
施行済みの改正 11件
2026年5月21日
このサイトの条文
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2026年5月21日
民事訴訟法等の一部を改正する法律
2025年10月1日
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2025年6月1日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2023年11月15日
刑事訴訟法等の一部を改正する法律
2023年6月14日
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2023年6月6日
刑事訴訟法等の一部を改正する法律
2023年2月20日
民事訴訟法等の一部を改正する法律
2022年6月17日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2022年5月25日
民事訴訟法等の一部を改正する法律
2013年1月1日
改正法令名の記載なし
誰に適用されるか
適用される
特例と適用除外(9)
- 宅地や建物の貸借その他の利用関係の紛争に関する調停事件は、紛争の目的である宅地や建物の所在地を管轄するか、当事者が合意で定める、その所在地を管轄する地方裁判所が扱います。(第二十四条第一項)(根拠条文)
- 借地借家法第11条の地代や土地の借賃の増減の請求、または同法第32条の建物の借賃の増減の請求に関する事件について訴えを提起しようとする人は、まず調停の申立てをしなければなりません。調停の申立てをせずに訴えを提起した場合は、受訴裁判所は、事件を調停に付することが適当でないと認めるときを除き、その事件を調停に付さなければなりません。(第二十四条の二第一項, 第二十四条の二第二項, 借地借家法 第十一条第一項, 借地借家法 第三十二条第一項)(根拠条文)
- 施行日(遅くとも2028年6月13日)の前日まで:地代や借賃の増減の請求に関する調停事件と、商事の紛争や鉱害の賠償の紛争に関する調停事件では、当事者間に合意が成立する見込みがない場合や、成立した合意が相当でないと認める場合に、当事者間に調停委員会の定める調停条項に服する旨の書面による合意(調停の申立ての後にされたものに限ります)があるときは、調停委員会は、申立てにより、事件の解決のために適当な調停条項を定めることができます。その調停条項を調書に記載したときは、調停が成立したものとみなされ、その記載はと同一の効力を持ちます。この規定は、政令で定める日(遅くとも2028年6月13日)の前日まで適用され、その日からは、調停条項を電子調書に記録する規定に代わります。(第二十四条の三第一項, 第二十四条の三第二項, 第三十一条第一項, 第三十三条第一項, 附則第一項)(根拠条文)
- 施行日(遅くとも2028年6月13日)から:政令で定める日(遅くとも2028年6月13日)から、地代や借賃の増減の請求に関する調停事件と、商事の紛争や鉱害の賠償の紛争に関する調停事件では、当事者間に合意が成立する見込みがない場合や、成立した合意が相当でないと認める場合に、当事者間に調停委員会の定める調停条項に服する旨の合意(調停の申立ての後にされたものに限ります)があるときは、調停委員会は、申立てにより、事件の解決のために適当な調停条項を定めることができます。その合意は書面ですることも、内容を記録した電磁的記録ですることもでき、電磁的記録による合意は書面によるものとみなされます。その調停条項について電子調書を作成し、ファイルに記録したときは、調停が成立したものとみなされ、その記録は裁判上の和解と同一の効力を持ちます。(第二十四条の三第一項, 第二十四条の三第二項, 第二十四条の三第三項, 第三十一条第一項, 第三十三条第一項, 附則第一項)(根拠条文)
- 農地や農業経営に付随する土地、建物その他の農業用資産(農地等)の貸借その他の利用関係の紛争に関する調停事件は、農地等の所在地を管轄する地方裁判所か、当事者が合意で定める、その所在地を管轄する簡易裁判所が扱います。小作官または小作主事は調停委員会に意見を述べることができ、調停委員会は、調停をしようとするときは、小作官または小作主事の意見を聴かなければなりません。裁判官だけで調停を行う場合も同じです。裁判所が、第4条第1項ただし書または第3項により事件を移送し、または自ら処理しようとするときや、調停に代わる決定をしようとするときも、小作官または小作主事の意見を聴かなければなりません。(第二十五条第一項, 第二十六条第一項, 第二十七条第一項, 第二十八条第一項, 第二十九条第一項, 第三十条第一項, 第四条第一項, 第四条第三項)(根拠条文)
- 鉱業法に定める鉱害の賠償の紛争に関する調停事件は、損害の発生地を管轄する地方裁判所が扱います。この調停では、農事調停の小作官・小作主事に代わって、経済産業局長が調停委員会に意見を述べることができます。調停委員会(裁判官だけで調停を行う場合は裁判官)が調停をしようとするときや、裁判所が第4条第1項ただし書または第3項により事件を移送し、または自ら処理しようとするとき、調停に代わる決定をしようとするときは、経済産業局長の意見を聴かなければなりません。(第三十二条第一項, 第三十三条第一項, 第二十七条第一項, 第二十八条第一項, 第二十九条第一項, 第三十条第一項, 第四条第一項, 第四条第三項)(根拠条文)
- 自動車の運行によって人の生命または身体が害された場合の損害賠償の紛争に関する調停事件は、第3条の裁判所のほか、損害賠償を請求する人の住所または居所の所在地を管轄する簡易裁判所も扱います。公害や、日照、通風などの生活上の利益の侵害により生ずる被害に関する紛争の調停事件は、第3条の裁判所のほか、損害の発生地または損害が発生するおそれのある地を管轄する簡易裁判所も扱います。(第三十三条の二第一項, 第三十三条の三第一項)(根拠条文)
- 知的財産の紛争に関する調停事件は、第3条の裁判所のほか、同条の規定(当事者が合意で定める管轄の部分を除きます)により、東京・名古屋・仙台・札幌の各高等裁判所の管轄区域内の簡易裁判所が管轄権を持つときは東京地方裁判所も、大阪・広島・福岡・高松の各高等裁判所の管轄区域内の簡易裁判所が管轄権を持つときは大阪地方裁判所も扱います。(第三十三条の四第一項, 第三十三条の四第一項第一号, 第三十三条の四第一項第二号)(根拠条文)
- 裁判所は、調停事件が管轄に属しないと認める場合で、その事件が家事事件手続法(別の法律です)第244条により家庭裁判所が調停を行うことができる事件であるときは、職権で、管轄権のある家庭裁判所に移送しなければなりません。事件の処理に特に必要があると認めるときは、ほかの家庭裁判所に移送することもできます。(第四条第二項)(根拠条文)
どのように守らせるか(11)
- 裁判所は、調停委員会で調停を行います。調停委員会は、地方裁判所が裁判官の中から指定する調停主任1人と、裁判所が事件ごとに指定する民事調停委員2人以上で組織されます。受訴裁判所が事件を調停に付して自ら処理する場合は、調停主任は、受訴裁判所がその裁判官の中から指定します。裁判所が相当と認めるときは裁判官だけで調停を行うこともできますが、当事者の申立てがあるときは、調停委員会で調停を行わなければなりません。(第五条第一項, 第五条第二項, 第六条第一項, 第七条第一項, 第七条第二項, 第二十条第三項)(根拠条文)
- 民事調停官は、弁護士で5年以上その職にある人の中からが任命する非常勤の職で、任期は2年で、再任されることができます。民事調停官は、裁判所の指定を受けて調停事件を取り扱い、この法律で裁判官が行うとされている民事調停の権限(調停主任の権限を含みます)と、裁判所が行うとされている権限の一部を、独立して行います。(第二十三条の二第一項, 第二十三条の二第三項, 第二十三条の二第四項, 第二十三条の三第一項, 第二十三条の三第二項, 第二十三条の三第三項)(根拠条文)
- 調停委員会での調停手続は、調停主任が指揮します。調停委員会は、調停手続の期日を定めて事件の関係人を呼び出し、事件の実情を考慮して、裁判所の外の適当な場所で調停を行うこともできます。また、職権で事実の調査をし、申立てによりまたは職権で、必要と認める証拠調べをすることができます。(第十二条の二第一項, 第十二条の三第一項, 第十二条の四第一項, 第十二条の七第一項)(根拠条文)
- 調停委員会(裁判官だけで調停を行う場合は裁判官)は、事件が性質上調停をするのに適当でないと認めるときや、当事者が不当な目的でみだりに調停の申立てをしたと認めるときは、調停をしないものとして事件を終了させることができます。(第十三条第一項, 第十五条第一項)(根拠条文)
- 調停委員会は、調停のために特に必要があると認めるときは、当事者の申立てにより、調停前の措置として、相手方その他の事件の関係人に対し、現状の変更や物の処分の禁止その他、調停の内容となる事項の実現を不能にし、または著しく困難にする行為の排除を命じることができます。この措置は執行力を持ちませんが、当事者または参加人が正当な事由なく従わないときは、第35条により、裁判所は10万円以下の過料に処します。(第十二条第一項, 第十二条第二項, 第十五条第一項, 第三十五条第一項)(根拠条文)
- 第34条により、裁判所または調停委員会の呼出しを受けた事件の関係人が、正当な事由なく出頭しないときは、裁判所は5万円以下の過料に処します。過料の決定は裁判官の命令で執行され、その命令は執行力のある債務名義と同一の効力を持ちます。(第三十四条第一項, 第三十六条第一項)(根拠条文)
- 訴えを受けた裁判所(受訴裁判所)は、適当であると認めるときは、職権で事件を調停に付し、管轄裁判所に処理させるか、自ら処理することができます。ただし、争点及び証拠の整理が完了した後は、当事者の合意がなければできません。調停に付した事件で調停が成立するか、調停に代わる決定が確定したときは、訴えの取下げがあったものとみなされます。受訴裁判所は、調停の申立てがあった事件や調停に付した事件について、調停事件が終了するまで訴訟手続を中止することができます。ただし、争点及び証拠の整理が完了した後は、当事者の合意がなければ中止できません。(第二十条第一項, 第二十条第二項, 第二十条の三第一項)(根拠条文)
- 第3章(罰則)は、民事調停委員や民事調停委員であった人による漏えいも罰しています。正当な事由なく、評議の経過や、調停主任・民事調停委員の意見、その多少の数を漏らしたときは、30万円以下の罰金です。正当な事由なく、職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。(第三十七条第一項, 第三十八条第一項)(根拠条文)
- 施行日(遅くとも2028年6月13日)の前日まで:当事者と、利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、調停事件の記録の閲覧や謄写、その正本・謄本・抄本の交付、調停事件に関する証明書の交付を請求することができます。この記録には、第12条の6第2項により、民事訴訟法(別の法律です)第91条第4項と第5項の規定も当てはめられます。この規定は、政令で定める日(遅くとも2028年6月13日)の前日まで適用され、その日からは、電子の記録も含めて定める規定に代わります。(第十二条の六第一項, 第十二条の六第二項, 附則第一項)(根拠条文)
- 施行日(遅くとも2028年6月13日)から:政令で定める日(遅くとも2028年6月13日)から、当事者と、利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、非電磁的事件記録(記録のうちファイルに記録された部分以外)の閲覧や謄写、その正本・謄本・抄本の交付を請求することができます。ファイルに記録された電磁的事件記録については、最高裁判所規則で定めるところにより、その閲覧、複写、内容が同一であることを証明した書面の交付や電磁的記録の提供を請求することができます。調停事件に関する事項を証明した書面の交付や電磁的記録の提供も請求できます。非電磁的事件記録には民事訴訟法(別の法律です)第91条第4項と第5項が(第12条の6第2項)、電磁的事件記録の閲覧と複写の請求には同法第91条第5項が(第12条の7第4項)当てはめられます。また、「秘密保護のための閲覧等の制限」として、同法第92条が、どちらの記録の閲覧や謄写、写しの交付などにも当てはめられます(第12条の9)。(第十二条の六第一項, 第十二条の六第二項, 第十二条の七第一項, 第十二条の七第二項, 第十二条の七第三項, 第十二条の七第四項, 第十二条の八第一項, 第十二条の九第一項, 附則第一項)(根拠条文)
- 調停手続での申立てなどには、当事者に対する住所、氏名等の秘匿(住所や氏名などを相手方に知られないようにすること)について定める民事訴訟法(別の法律です)第1編第8章の規定が、必要な言葉を置き換えたうえで当てはめられます。調停手続に参加した人(参加人)も、当事者と同じようにこの規定を使えます。(第二十一条の二第一項)(根拠条文)
他の法令とのつながり
相手からの参照法令この法令からの参照
- 借地借家法12
ほかに、収録していない法令を22件、名指しで参照しています。