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刑事訴訟法(けいじそしょうほう)

第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留(第九十条から第九十七条まで)

民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(令和八年法律第四十六号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

変更の示し方

下線は加わる字句、縦線は字句が削られる箇所です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。

第九十条

第一項

裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。

第九十一条

第一項

勾留による拘禁が不当に長くなつたときは、裁判所は、第八十八条に規定する者の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。

第二項

第八十二条第三項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。

第九十二条

第一項

裁判所は、保釈を許す決定又は保釈の請求を却下する決定をするには、検察官の意見を聴かなければならない。

第二項

検察官の請求による場合を除いて、勾留を取り消す決定をするときも、前項と同様である。但し、急速を要する場合は、この限りでない。

第九十三条

第一項

保釈を許す場合には、保証金額を定めなければならない。

第二項

保証金額は、犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。

第三項

保釈を許す場合には、被告人の住居を制限し、その他適当と認める条件を付することができる。

第四項

裁判所は、前項の規定により被告人の住居を制限する場合において、必要と認めるときは、裁判所の許可を受けないでその指定する期間を超えて当該住居を離れてはならない旨の条件を付することができる。

第五項

前項の期間は、被告人の生活の状況その他の事情を考慮して指定する。

第六項

第四項の許可をする場合には、同項の住居を離れることを必要とする理由その他の事情を考慮して、当該住居を離れることができる期間を指定しなければならない。

第七項

裁判所は、必要と認めるときは、前項の期間を延長することができる。

第八項

裁判所は、第四項の許可を受けた被告人について、同項の住居を離れることができる期間として指定された期間の終期まで当該住居を離れる必要がなくなつたと認めるときは、当該期間を短縮することができる。

第九十四条

第一項

保釈を許す決定は、保証金の納付があつた後でなければ、これを執行することができない。

第二項

裁判所は、保釈請求者でない者に保証金を納めることを許すことができる。

第三項

裁判所は、有価証券又は裁判所の適当と認める被告人以外の者の提出した保証書(電磁的記録を含む。)をもつて保証金に代えることを許すことができる。

第九十五条

第一項

裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる。この場合においては、適当と認める条件を付することができる。

第二項

前項前段の決定をする場合には、勾留の執行停止をする期間を指定することができる。

第三項

前項の期間を指定するに当たつては、その終期を日時をもつて指定するとともに、当該日時に出頭すべき場所を指定しなければならない。

第四項

裁判所は、必要と認めるときは、第二項の期間を延長することができる。この場合においては、前項の規定を準用する。

第五項

裁判所は、期間を指定されて勾留の執行停止をされた被告人について、当該期間の終期として指定された日時まで勾留の執行停止を継続する必要がなくなつたと認めるときは、当該期間を短縮することができる。この場合においては、第三項の規定を準用する。

第六項

第九十三条第四項から第八項までの規定は、第一項前段の規定により被告人の住居を制限する場合について準用する。

第九十五条の二

第一項

期間を指定されて勾留の執行停止をされた被告人が、正当な理由がなく、当該期間の終期として指定された日時に、出頭すべき場所として指定された場所に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。

第九十五条の三

第一項

裁判所の許可を受けないで指定された期間を超えて制限された住居を離れてはならない旨の条件を付されて保釈又は勾留の執行停止をされた被告人が、当該条件に係る住居を離れ、当該許可を受けないで、正当な理由がなく、当該期間を超えて当該住居に帰着しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。

第二項

前項の被告人が、裁判所の許可を受けて同項の住居を離れ、正当な理由がなく、当該住居を離れることができる期間として指定された期間を超えて当該住居に帰着しないときも、同項と同様とする。

第九十五条の四

第一項

裁判所は、被告人の逃亡を防止し、又は公判期日への出頭を確保するため必要があると認めるときは、保釈を許す決定又は第九十五条第一項前段の決定を受けた被告人に対し、その住居、労働又は通学の状況、身分関係その他のその変更が被告人が逃亡すると疑うに足りる相当な理由の有無の判断に影響を及ぼす生活上又は身分上の事項として裁判所の定めるものについて、次に掲げるところに従つて報告をすることを命ずることができる。

一

裁判所の指定する時期に、当該時期における当該事項について報告をすること。

二

当該事項に変更が生じたときは、速やかに、その変更の内容について報告をすること。

第二項

裁判所は、前項の場合において、必要と認めるときは、同項の被告人に対し、同項の規定による報告を裁判所の指定する日時及び場所に出頭してすることを命ずることができる。

第三項

裁判所は、第一項の規定による報告があつたときはその旨及びその報告の内容を、同項(第一号に係る部分に限る。)の規定による報告がなかつたとき又は同項(第二号に係る部分に限る。)の規定による報告がなかつたことを知つたときはその旨及びその状況を、それぞれ速やかに検察官に通知しなければならない。

第九十六条

第一項

裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、検察官の請求により、又は職権で、決定で、保釈又は勾留の執行停止を取り消すことができる。

一

被告人が、召喚を受け正当な理由がなく出頭しないとき。

二

被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

三

被告人が罪証を隠滅し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

四

被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくは加えようとし、又はこれらの者を畏怖させる行為をしたとき。

五

被告人が、正当な理由がなく前条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

六

被告人が住居の制限その他裁判所の定めた条件に違反したとき。

第二項

前項の規定により保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で、保証金の全部又は一部を没取することができる。

第三項

保釈を取り消された者が、第九十八条の二の規定による命令を受け正当な理由がなく出頭しないとき、又は逃亡したときも、前項と同様とする。

第四項

拘禁刑以上の刑に処する判決(拘禁刑の全部の執行猶予の言渡しをしないものに限る。以下同じ。)の宣告を受けた後、保釈又は勾留の執行停止をされている被告人が逃亡したときは、裁判所は、検察官の請求により、又は職権で、決定で、保釈又は勾留の執行停止を取り消さなければならない。

第五項

前項の規定により保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で、保証金の全部又は一部を没取しなければならない。

第六項

保釈を取り消された者が、第九十八条の二の規定による命令を受け正当な理由がなく出頭しない場合又は逃亡した場合において、その者が拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者であるときは、裁判所は、決定で、保証金の全部又は一部を没取しなければならない。ただし、第四項の規定により保釈を取り消された者が逃亡したときは、この限りでない。

第七項

保釈された者が、拘禁刑以上の刑に処する判決又は拘留に処する判決の宣告を受けた後、第三百四十三条の二(第四百四条(第四百十四条において準用する場合を含む。第九十八条の十七第一項第二号及び第四号において同じ。)において準用する場合を含む。)の規定による命令を受け正当な理由がなく出頭しないとき又は逃亡したとき(保釈されている場合及び保釈を取り消された後、逃亡した場合を除く。)は検察官の請求により又は職権で、刑の執行のため呼出しを受け正当な理由がなく出頭しないときは検察官の請求により、決定で、保証金の全部又は一部を没取しなければならない。

第九十七条

第一項

上訴の提起期間内の事件でまだ上訴の提起がないものについて、勾留の期間を更新し、勾留を取り消し、又は保釈若しくは勾留の執行停止をし、若しくはこれを取り消すべき場合には、原裁判所が、その決定をしなければならない。

第二項

上訴中の事件で訴訟記録が上訴裁判所に到達していないものについて前項の決定をすべき裁判所は、裁判所の規則の定めるところによる。

第三項

前二項の規定は、勾留の理由の開示をすべき場合にこれを準用する。