被告が日本の裁判所が管轄権を有しない旨の抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、裁判所は、管轄権を有する。
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第二章 裁判所(第三条の八から第十条の二まで)
民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(令和八年法律第四十六号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。
本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。
第三条の八
第三条の九
裁判所は、訴えについて日本の裁判所が管轄権を有することとなる場合(日本の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意に基づき訴えが提起された場合を除く。)においても、事案の性質、応訴による被告の負担の程度、証拠の所在地その他の事情を考慮して、日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を害し、又は適正かつ迅速な審理の実現を妨げることとなる特別の事情があると認めるときは、その訴えの全部又は一部を却下することができる。
第三条の十
第三条の二から第三条の四まで及び第三条の六から前条までの規定は、訴えについて法令に日本の裁判所の管轄権の専属に関する定めがある場合には、適用しない。
第三条の十一
裁判所は、日本の裁判所の管轄権に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。
第三条の十二
日本の裁判所の管轄権は、訴えの提起の時を標準として定める。
第二節 管轄
第四条
訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。
人の普通裁判籍は、住所により、日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所により、日本国内に居所がないとき又は居所が知れないときは最後の住所により定まる。
大使、公使その他外国に在ってその国の裁判権からの免除を享有する日本人が前項の規定により普通裁判籍を有しないときは、その者の普通裁判籍は、最高裁判所規則で定める地にあるものとする。
法人その他の社団又は財団の普通裁判籍は、その主たる事務所又は営業所により、事務所又は営業所がないときは代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。
外国の社団又は財団の普通裁判籍は、前項の規定にかかわらず、日本における主たる事務所又は営業所により、日本国内に事務所又は営業所がないときは日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。
国の普通裁判籍は、訴訟について国を代表する官庁の所在地により定まる。
第五条
次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。
| 一 財産権上の訴え | 義務履行地 | |
| 二 手形又は小切手による金銭の支払の請求を目的とする訴え | 手形又は小切手の支払地 | |
| 三 船員に対する財産権上の訴え | 船舶の船籍の所在地 | |
| 四 日本国内に住所(法人にあっては、事務所又は営業所。以下この号において同じ。)がない者又は住所が知れない者に対する財産権上の訴え | 請求若しくはその担保の目的又は差し押さえることができる被告の財産の所在地 | |
| 五 事務所又は営業所を有する者に対する訴えでその事務所又は営業所における業務に関するもの | 当該事務所又は営業所の所在地 | |
| 六 船舶所有者その他船舶を利用する者に対する船舶又は航海に関する訴え | 船舶の船籍の所在地 | |
| 七 船舶債権その他船舶を担保とする債権に基づく訴え | 船舶の所在地 | |
| 八 会社その他の社団又は財団に関する訴えで次に掲げるもの イ 会社その他の社団からの社員若しくは社員であった者に対する訴え、社員からの社員若しくは社員であった者に対する訴え又は社員であった者からの社員に対する訴えで、社員としての資格に基づくもの ロ 社団又は財団からの役員又は役員であった者に対する訴えで役員としての資格に基づくもの ハ 会社からの発起人若しくは発起人であった者又は検査役若しくは検査役であった者に対する訴えで発起人又は検査役としての資格に基づくもの ニ 会社その他の社団の債権者からの社員又は社員であった者に対する訴えで社員としての資格に基づくもの | 社団又は財団の普通裁判籍の所在地 | |
| 九 不法行為に関する訴え | 不法行為があった地 | |
| 十 船舶の衝突その他海上の事故に基づく損害賠償の訴え | 損害を受けた船舶が最初に到達した地 | |
| 十一 海難救助に関する訴え | 海難救助があった地又は救助された船舶が最初に到達した地 | |
| 十二 不動産に関する訴え | 不動産の所在地 | |
| 十三 登記又は登録に関する訴え | 登記又は登録をすべき地 | |
| 十四 相続権若しくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴え | 相続開始の時における被相続人の普通裁判籍の所在地 | |
| 十五 相続債権その他相続財産の負担に関する訴えで前号に掲げる訴えに該当しないもの | 同号に定める地 |
第六条
特許権、実用新案権、回路配置利用権又はプログラムの著作物についての著作者の権利に関する訴え(以下「特許権等に関する訴え」という。)について、前二条の規定によれば次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有すべき場合には、その訴えは、それぞれ当該各号に定める裁判所の管轄に専属する。
東京高等裁判所、名古屋高等裁判所、仙台高等裁判所又は札幌高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所 東京地方裁判所
大阪高等裁判所、広島高等裁判所、福岡高等裁判所又は高松高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所 大阪地方裁判所
特許権等に関する訴えについて、前二条の規定により前項各号に掲げる裁判所の管轄区域内に所在する簡易裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。
第一項第二号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴は、東京高等裁判所の管轄に専属する。ただし、第二十条の二第一項の規定により移送された訴訟に係る訴えについての終局判決に対する控訴については、この限りでない。
第六条の二
意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第一項に規定する不正競争又は家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律(令和二年法律第二十二号)第二条第三項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えについて、第四条又は第五条の規定により次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。
前条第一項第一号に掲げる裁判所(東京地方裁判所を除く。) 東京地方裁判所
前条第一項第二号に掲げる裁判所(大阪地方裁判所を除く。) 大阪地方裁判所
第七条
一の訴えで数個の請求をする場合には、第四条から前条まで(第六条第三項を除く。)の規定により一の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、第三十八条前段に定める場合に限る。
第八条
裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)の規定により管轄が訴訟の目的の価額により定まるときは、その価額は、訴えで主張する利益によって算定する。
前項の価額を算定することができないとき、又は極めて困難であるときは、その価額は百四十万円を超えるものとみなす。
第九条
一の訴えで数個の請求をする場合には、その価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする。ただし、その訴えで主張する利益が各請求について共通である場合におけるその各請求については、この限りでない。
果実、損害賠償、違約金又は費用の請求が訴訟の附帯の目的であるときは、その価額は、訴訟の目的の価額に算入しない。
第十条
管轄裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときは、その裁判所の直近上級の裁判所は、申立てにより、決定で、管轄裁判所を定める。
裁判所の管轄区域が明確でないため管轄裁判所が定まらないときは、関係のある裁判所に共通する直近上級の裁判所は、申立てにより、決定で、管轄裁判所を定める。
前二項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
第十条の二
前節の規定により日本の裁判所が管轄権を有する訴えについて、この法律の他の規定又は他の法令の規定により管轄裁判所が定まらないときは、その訴えは、最高裁判所規則で定める地を管轄する裁判所の管轄に属する。