入国警備官は、次の各号のいずれかに該当するときは、退去強制令書の発付を受けた者の意向の聴取その他の方法により、その者を直ちに本邦外に送還することができない原因となつている事情を把握した上で、退去のための計画を定めなければならない。
退去強制令書の発付を受けた者を第五十二条第九項の規定により収容したとき。
前項の規定による提出及び報告を受けた主任審査官は、第五十二条の二第五項の決定をしたにもかかわらず保証金が納付されていないため退去強制を受ける者を放免していないときを除き、同項の決定の要否を検討しなければならない。この場合において、主任審査官は、同項の決定をしないときは、その旨及び理由を出入国在留管理庁長官に報告しなければならない。
前項の報告を受けた出入国在留管理庁長官は、その者を放免して監理措置に付することが相当と認めるときは、第五十二条の二第五項の決定をすべきことを主任審査官に命じなければならない。
退去強制を受ける者は、その者の国籍又は市民権の属する国に送還されるものとする。
前項の国に送還することができないときは、本人の希望により、左に掲げる国のいずれかに送還されるものとする。
本邦に入国する直前に居住していた国
本邦に入国する前に居住していたことのある国
本邦に向けて船舶等に乗つた港の属する国
出生地の属する国
出生時にその出生地の属していた国
その他の国
前二項の国には、次に掲げる国を含まないものとする。
難民条約第三十三条第一項に規定する領域の属する国その他その者が迫害を受けるおそれのある領域の属する国(法務大臣が日本国の利益又は公安を著しく害すると認める場合を除く。)
拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約第三条第一項に規定する国
強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約第十六条第一項に規定する国
第五節 仮放免
入国者収容所長又は主任審査官は、仮放免された者が逃亡し、逃亡すると疑うに足りる相当の理由があり、正当な理由がなくて呼出しに応ぜず、その他仮放免に付された条件に違反したときは、仮放免を取り消すことができる。
入国警備官は、仮放免取消書及び収容令書又は退去強制令書を所持しない場合でも、急速を要するときは、仮放免を取り消された者に対しその旨を告げて、その者を収容することができる。ただし、仮放免取消書及び収容令書又は退去強制令書は、できるだけ速やかに示さなければならない。
前二項の規定は、仮放免の期間が満了した者がある場合について準用する。この場合において、これらの規定中「仮放免取消書」とあるのは、「仮放免許可書の謄本」と読み替えるものとする。
第六節 退去の命令
その者が自ら本邦を退去する意思がない旨を表明している場合において、その者の第五十三条に規定する送還先が退去強制令書の円滑な執行に協力しない国以外の国として法務大臣が告示で定める国に含まれていないこと。
その者が偽計又は威力を用いて送還を妨害したことがあり、再び送還に際して同様の行為に及ぶおそれがあること。
前項の規定による命令を受けた者が次の各号に掲げる事由のいずれかに該当するに至つたときは、当該事由に該当しなくなるまでの間、当該命令は、効力を停止するものとする。
第六十一条の二の九第三項の規定により送還が停止されたこと。
退去強制の処分の効力に関する訴訟が係属し、かつ、行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)の規定による執行停止の決定がされたこと。
出国の制限を受けたこと。
第一項の規定による命令により本邦から退去させられた者は、この法律の規定の適用については、退去強制令書により退去を強制されたものとみなす。