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家事事件手続法(かじじけんてつづきほう)

第一節 成年後見に関する審判事件(第百二十三条から第百二十七条まで)

民法等の一部を改正する法律(令和八年法律第四十五号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

変更の示し方

下線は加わる字句、縦線は字句が削られる箇所です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。

第百二十三条

(即時抗告)
第一項

次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者(第一号にあっては、申立人を除く。)は、即時抗告をすることができる。

一

後見開始の審判 民法第七条及び任意後見契約法第十条第二項に規定する者

二

後見開始の申立てを却下する審判 申立人

三

後見開始の審判の取消しの申立てを却下する審判 民法第十条に規定する者

四

成年後見人の解任の審判 成年後見人

五

成年後見人の解任の申立てを却下する審判 申立人、成年後見監督人並びに成年被後見人及びその親族

六

成年後見監督人の解任の審判 成年後見監督人

七

成年後見監督人の解任の申立てを却下する審判 申立人並びに成年被後見人及びその親族

八

成年被後見人に宛てた郵便物等の配達の嘱託の審判 成年被後見人及びその親族

九

成年被後見人に宛てた郵便物等の配達の嘱託の取消し又は変更の審判 成年後見人

十

成年被後見人に宛てた郵便物等の配達の嘱託及びその嘱託の取消し又は変更の申立てを却下する審判 申立人

十一

成年被後見人の死亡後の死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為についての許可の申立てを却下する審判 申立人

第二項

審判の告知を受ける者でない者による後見開始の審判に対する即時抗告の期間は、民法第八百四十三条第一項の規定により成年後見人に選任される者が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。

第百二十三条の二

(陳述の聴取の例外)
第一項

成年被後見人に宛てた郵便物等の配達の嘱託等の審判事件においては、第八十九条第一項の規定(第九十六条第一項及び第九十八条第一項において準用する場合を含む。)にかかわらず、抗告裁判所は、信書の送達の事業を行う者の陳述を聴くことを要しない。

第百二十四条

(成年後見の事務の監督)
第一項

家庭裁判所は、適当な者に、成年後見の事務若しくは成年被後見人の財産の状況を調査させ、又は臨時に財産の管理をさせることができる。

第二項

家庭裁判所は、前項の規定により調査又は管理をした者に対し、成年被後見人の財産の中から、相当な報酬を与えることができる。

第三項

家庭裁判所は、家庭裁判所調査官に第一項の規定による調査をさせることができる。

第四項

民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第一項の規定により財産を管理する者について準用する。

第百二十五条

(管理者の改任等)
第一項

家庭裁判所は、いつでも、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。

第二項

家庭裁判所は、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者(前項の規定により改任された管理者を含む。以下この条において「財産の管理者」という。)に対し、財産の状況の報告及び管理の計算を命ずることができる。

第三項

前項の報告及び計算に要する費用は、成年被後見人の財産の中から支弁する。

第四項

家庭裁判所は、財産の管理者に対し、その提供した担保の増減、変更又は免除を命ずることができる。

第五項

財産の管理者の不動産又は船舶の上に抵当権の設定を命ずる審判が効力を生じたときは、裁判所書記官は、その設定の登記を嘱託しなければならない。設定した抵当権の変更又は消滅の登記についても、同様とする。

第六項

民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、財産の管理者について準用する。

第七項

家庭裁判所は、成年被後見人が財産を管理することができるようになったとき、管理すべき財産がなくなったときその他財産の管理を継続することが相当でなくなったときは、成年被後見人、財産の管理者若しくは利害関係人の申立てにより又は職権で、財産の管理者の選任その他の財産の管理に関する処分の取消しの審判をしなければならない。

第百二十六条

(後見開始の審判事件を本案とする保全処分)
第一項

家庭裁判所(第百五条第二項の場合にあっては、高等裁判所。以下この条及び次条において同じ。)は、後見開始の申立てがあった場合において、成年被後見人となるべき者の生活、療養看護又は財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てさせないで、後見開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、財産の管理者を選任し、又は事件の関係人に対し、成年被後見人となるべき者の生活、療養看護若しくは財産の管理に関する事項を指示することができる。

第二項

家庭裁判所は、後見開始の申立てがあった場合において、成年被後見人となるべき者の財産の保全のため特に必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、後見開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、成年被後見人となるべき者の財産上の行為(民法第九条ただし書に規定する行為を除く。第七項において同じ。)につき、前項の財産の管理者の後見を受けることを命ずることができる。

第三項

家庭裁判所は、成年被後見人となるべき者の心身の障害によりその者の陳述を聴くことができないときは、第百七条の規定にかかわらず、その者の陳述を聴く手続を経ずに、前項の規定による審判(次項から第七項までにおいて「後見命令の審判」という。)をすることができる。

第四項

後見命令の審判は、第一項の財産の管理者(数人あるときは、そのうちの一人)に告知することによって、その効力を生ずる。

第五項

後見命令の審判は、成年被後見人となるべき者に通知しなければならない。この場合においては、成年被後見人となるべき者については、第七十四条第一項の規定は、適用しない。

第六項

審判の告知を受ける者でない者による後見命令の審判に対する即時抗告の期間は、第一項の財産の管理者が第四項の規定による告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。

第七項

後見命令の審判があったときは、成年被後見人となるべき者及び第一項の財産の管理者は、成年被後見人となるべき者がした財産上の行為を取り消すことができる。この場合においては、制限行為能力者の行為の取消しに関する民法の規定を準用する。

第八項

前条第一項から第六項までの規定及び民法第二十七条から第二十九条まで(同法第二十七条第二項を除く。)の規定は、第一項の財産の管理者について準用する。この場合において、前条第三項中「成年被後見人」とあるのは、「成年被後見人となるべき者」と読み替えるものとする。

第百二十七条

(成年後見人の解任の審判事件等を本案とする保全処分)
第一項

家庭裁判所は、成年後見人の解任の審判事件が係属している場合において、成年被後見人の利益のため必要があるときは、成年後見人の解任の申立てをした者の申立てにより又は職権で、成年後見人の解任についての審判が効力を生ずるまでの間、成年後見人の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任することができる。

第二項

前項の規定による成年後見人の職務の執行を停止する審判は、職務の執行を停止される成年後見人、他の成年後見人又は同項の規定により選任した職務代行者に告知することによって、その効力を生ずる。

第三項

家庭裁判所は、いつでも、第一項の規定により選任した職務代行者を改任することができる。

第四項

家庭裁判所は、第一項の規定により選任し、又は前項の規定により改任した職務代行者に対し、成年被後見人の財産の中から、相当な報酬を与えることができる。

第五項

前各項の規定は、成年後見監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。