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家事事件手続法(かじじけんてつづきほう)

第十三節 遺産の分割に関する審判事件

民法等の一部を改正する法律(令和八年法律第四十五号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

変更の示し方

下線は加わる字句、縦線は字句が削られる箇所です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。

第十三節 遺産の分割に関する審判事件

第百九十一条

(管轄)
第一項

遺産の分割に関する審判事件は、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

第二項

前項の規定にかかわらず、遺産の分割の審判事件(別表第二の十二の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)が係属している場合における寄与分を定める処分の審判事件(同表の十四の項の事項についての審判事件をいう。次条において同じ。)は、当該遺産の分割の審判事件が係属している裁判所の管轄に属する。

第百九十二条

(手続の併合等)
第一項

遺産の分割の審判事件及び寄与分を定める処分の審判事件が係属するときは、これらの審判の手続及び審判は、併合してしなければならない。数人からの寄与分を定める処分の審判事件が係属するときも、同様とする。

第百九十三条

(寄与分を定める処分の審判の申立ての期間の指定)
第一項

家庭裁判所は、遺産の分割の審判の手続において、一月を下らない範囲内で、当事者が寄与分を定める処分の審判の申立てをすべき期間を定めることができる。

第二項

家庭裁判所は、寄与分を定める処分の審判の申立てが前項の期間を経過した後にされたときは、当該申立てを却下することができる。

第三項

家庭裁判所は、第一項の期間を定めなかった場合においても、当事者が時機に後れて寄与分を定める処分の申立てをしたことにつき、申立人の責めに帰すべき事由があり、かつ、申立てに係る寄与分を定める処分の審判の手続を併合することにより、遺産の分割の審判の手続が著しく遅滞することとなるときは、その申立てを却下することができる。

第百九十四条

(遺産の換価を命ずる裁判)
第一項

家庭裁判所は、遺産の分割の審判をするため必要があると認めるときは、相続人に対し、遺産の全部又は一部を競売して換価することを命ずることができる。

第二項

家庭裁判所は、遺産の分割の審判をするため必要があり、かつ、相当と認めるときは、相続人の意見を聴き、相続人に対し、遺産の全部又は一部について任意に売却して換価することを命ずることができる。ただし、共同相続人中に競売によるべき旨の意思を表示した者があるときは、この限りでない。

第三項

前二項の規定による裁判(以下この条において「換価を命ずる裁判」という。)が確定した後に、その換価を命ずる裁判の理由の消滅その他の事情の変更があるときは、家庭裁判所は、相続人の申立てにより又は職権で、これを取り消すことができる。

第四項

換価を命ずる裁判は、第八十一条第一項において準用する第七十四条第一項に規定する者のほか、遺産の分割の審判事件の当事者に告知しなければならない。

第五項

相続人は、換価を命ずる裁判に対し、即時抗告をすることができる。

第六項

家庭裁判所は、換価を命ずる裁判をする場合において、第二百条第一項の財産の管理者が選任されていないときは、これを選任しなければならない。

第七項

家庭裁判所は、換価を命ずる裁判により換価を命じられた相続人に対し、遺産の中から、相当な報酬を与えることができる。

第八項

第百二十五条の規定及び民法第二十七条から第二十九条まで(同法第二十七条第二項を除く。)の規定は、第六項の規定により選任した財産の管理者について準用する。この場合において、第百二十五条第三項中「成年被後見人の財産」とあるのは、「遺産」と読み替えるものとする。

第百九十五条

(債務を負担させる方法による遺産の分割)
第一項

家庭裁判所は、遺産の分割の審判をする場合において、特別の事情があると認めるときは、遺産の分割の方法として、共同相続人の一人又は数人に他の共同相続人に対する債務を負担させて、現物の分割に代えることができる。

第百九十六条

(給付命令)
第一項

家庭裁判所は、遺産の分割の審判において、当事者に対し、金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずることができる。

第百九十七条

(遺産の分割の禁止の審判の取消し及び変更)
第一項

家庭裁判所は、事情の変更があるときは、相続人の申立てにより、いつでも、遺産の分割の禁止の審判を取り消し、又は変更する審判をすることができる。この申立てに係る審判事件は、別表第二に掲げる事項についての審判事件とみなす。

第百九十八条

(即時抗告)
第一項

次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

一

遺産の分割の審判及びその申立てを却下する審判 相続人

二

遺産の分割の禁止の審判 相続人

三

遺産の分割の禁止の審判を取り消し、又は変更する審判 相続人

四

寄与分を定める処分の審判 相続人

五

寄与分を定める処分の申立てを却下する審判 申立人

第二項

第百九十二条前段の規定により審判が併合してされたときは、寄与分を定める処分の審判又はその申立てを却下する審判に対しては、独立して即時抗告をすることができない。

第三項

第百九十二条後段の規定により審判が併合してされたときは、申立人の一人がした即時抗告は、申立人の全員に対してその効力を生ずる。

第百九十九条

(申立ての取下げの制限)
第一項

第百五十三条の規定は、遺産の分割の審判の申立ての取下げについて準用する。

第二項

第八十二条第二項の規定にかかわらず、遺産の分割の審判の申立ての取下げは、相続開始の時から十年を経過した後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。

第二百条

(遺産の分割の審判事件を本案とする保全処分)
第一項

家庭裁判所(第百五条第二項の場合にあっては、高等裁判所。次項及び第三項において同じ。)は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てさせないで、遺産の分割の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、財産の管理者を選任し、又は事件の関係人に対し、財産の管理に関する事項を指示することができる。

第二項

家庭裁判所は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、強制執行を保全し、又は事件の関係人の急迫の危険を防止するため必要があるときは、当該申立てをした者又は相手方の申立てにより、遺産の分割の審判を本案とする仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

第三項

前項に規定するもののほか、家庭裁判所は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁その他の事情により遺産に属する預貯金債権(民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権をいう。以下この項において同じ。)を当該申立てをした者又は相手方が行使する必要があると認めるときは、その申立てにより、遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部をその者に仮に取得させることができる。ただし、他の共同相続人の利益を害するときは、この限りでない。

第四項

第百二十五条第一項から第六項までの規定及び民法第二十七条から第二十九条まで(同法第二十七条第二項を除く。)の規定は、第一項の財産の管理者について準用する。この場合において、第百二十五条第三項中「成年被後見人の財産」とあるのは、「遺産」と読み替えるものとする。