第二章 上告
上告は、高等裁判所が第二審又は第一審としてした終局判決に対しては最高裁判所に、地方裁判所が第二審としてした終局判決に対しては高等裁判所にすることができる。
第二百八十一条第一項ただし書の場合には、地方裁判所の判決に対しては最高裁判所に、簡易裁判所の判決に対しては高等裁判所に、直ちに上告をすることができる。
上告は、判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、することができる。
法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと。
法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
口頭弁論の公開の規定に違反したこと。
判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること。
高等裁判所にする上告は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときも、することができる。
前章の規定は、特別の定めがある場合を除き、上告及び上告審の訴訟手続について準用する。
上告の提起は、上告状を原裁判所に提出してしなければならない。
前条において準用する第二百八十八条及び第二百八十九条第二項の規定による裁判長の職権は、原裁判所の裁判長が行う。
上告状に上告の理由の記載がないときは、上告人は、最高裁判所規則で定める期間内に、上告理由書を原裁判所に提出しなければならない。
上告の理由は、最高裁判所規則で定める方式により記載しなければならない。
上告をすべき裁判所が最高裁判所である場合には、最高裁判所は、原判決に最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある事件その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件について、申立てにより、決定で、上告審として事件を受理することができる。
第三百十三条から第三百十五条まで及び第三百十六条第一項の規定は、上告受理の申立てについて準用する。
上告裁判所は、上告状、上告理由書、答弁書その他の書類により、上告を理由がないと認めるときは、口頭弁論を経ないで、判決で、上告を棄却することができる。
上告裁判所は、上告の理由に基づき、不服の申立てがあった限度においてのみ調査をする。
原判決において適法に確定した事実は、上告裁判所を拘束する。
第三百十一条第二項の規定による上告があった場合には、上告裁判所は、原判決における事実の確定が法律に違反したことを理由として、その判決を破棄することができない。
前二条の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。
上告裁判所は、原判決について不服の申立てがない部分に限り、申立てにより、決定で、仮執行の宣言をすることができる。
上告裁判所である高等裁判所は、最高裁判所規則で定める事由があるときは、決定で、事件を最高裁判所に移送しなければならない。
次に掲げる場合には、上告裁判所は、事件について裁判をしなければならない。
確定した事実について憲法その他の法令の適用を誤ったことを理由として判決を破棄する場合において、事件がその事実に基づき裁判をするのに熟するとき。
事件が裁判所の権限に属しないことを理由として判決を破棄するとき。
高等裁判所が上告審としてした終局判決に対しては、その判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに限り、最高裁判所に更に上告をすることができる。
前項の上告及びその上告審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。この場合において、第三百二十一条第一項中「原判決」とあるのは、「地方裁判所が第二審としてした終局判決(第三百十一条第二項の規定による上告があった場合にあっては、簡易裁判所の終局判決)」と読み替えるものとする。