労働関係調整法
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第一章 総則
労働関係の当事者は、互に労働関係を適正化するやうに、労働協約中に、常に労働関係の調整を図るための正規の機関の設置及びその運営に関する事項を定めるやうに、且つ労働争議が発生したときは、誠意をもつて自主的にこれを解決するやうに、特に努力しなければならない。
この法律は、労働関係の当事者が、直接の協議又は団体交渉によつて、労働条件その他労働関係に関する事項を定め、又は労働関係に関する主張の不一致を調整することを妨げるものでないとともに、又、労働関係の当事者が、かかる努力をする責務を免除するものではない。
この法律によつて労働関係の調整をなす場合には、当事者及び労働委員会その他の関係機関は、できるだけ適宜の方法を講じて、事件の迅速な処理を図らなければならない。
この法律において争議行為とは、同盟罷業、怠業、作業所閉鎖その他労働関係の当事者が、その主張を貫徹することを目的として行ふ行為及びこれに対抗する行為であつて、業務の正常な運営を阻害するものをいふ。
中央労働委員会及び都道府県労働委員会に、その行う労働争議の調停又は仲裁に参与させるため、中央労働委員会にあつては厚生労働大臣が、都道府県労働委員会にあつては都道府県知事がそれぞれ特別調整委員を置くことができる。
中央労働委員会に置かれる特別調整委員は、厚生労働大臣が、都道府県労働委員会に置かれる特別調整委員は、都道府県知事が任命する。
特別調整委員は、使用者を代表する者、労働者を代表する者及び公益を代表する者とする。
特別調整委員は、政令で定めるところにより、その職務を行ふために要する費用の弁償を受けることができる。
特別調整委員に関する事項は、この法律に定めるものの外、政令でこれを定める。
中央労働委員会が第十条のあつせん員候補者の委嘱及びその名簿の作成、第十二条第一項ただし書の労働委員会の同意、第十八条第四号の労働委員会の決議その他政令で定める事務を処理する場合には、これらの事務の処理には、使用者を代表する委員のうち行政執行法人担当使用者委員以外の委員(第二十一条第一項において「一般企業担当使用者委員」という。)、労働者を代表する委員のうち行政執行法人担当労働者委員以外の委員(第二十一条第一項において「一般企業担当労働者委員」という。)並びに公益を代表する委員のうち会長があらかじめ指名する十人の委員及び会長(第二十一条第一項及び第三十一条の二において「一般企業担当公益委員」という。)のみが参与する。この場合において、中央労働委員会の事務の処理に関し必要な事項は、政令で定める。
第二章 斡旋
労働委員会は、斡旋員候補者を委嘱し、その名簿を作製して置かなければならない。
労働争議が発生したときは、労働委員会の会長は、関係当事者の双方若しくは一方の申請又は職権に基いて、斡旋員名簿に記されてゐる者の中から、斡旋員を指名しなければならない。但し、労働委員会の同意を得れば、斡旋員名簿に記されてゐない者を臨時の斡旋員に委嘱することもできる。
労働組合法第十九条の十第一項に規定する地方において中央労働委員会が処理すべき事件として政令で定めるものについては、中央労働委員会の会長は、前項の規定にかかわらず、関係当事者の双方若しくは一方の申請又は職権に基づいて、同条第一項に規定する地方調整委員のうちから、あつせん員を指名する。ただし、中央労働委員会の会長が当該地方調整委員のうちからあつせん員を指名することが適当でないと認める場合は、この限りでない。
斡旋員は、関係当事者間を斡旋し、双方の主張の要点を確め、事件が解決されるやうに努めなければならない。
斡旋員は、自分の手では事件が解決される見込がないときは、その事件から手を引き、事件の要点を労働委員会に報告しなければならない。
斡旋員は、政令で定めるところにより、その職務を行ふために要する費用の弁償を受けることができる。
斡旋員候補者に関する事項は、この章に定めるものの外命令でこれを定める。
第三章 調停
労働委員会は、次の各号のいずれかに該当する場合に、調停を行う。
関係当事者の双方から、労働委員会に対して、調停の申請がなされたとき。
関係当事者の双方又は一方から、労働協約の定めに基づいて、労働委員会に対して調停の申請がなされたとき。
公益事業に関する事件につき、関係当事者の一方から、労働委員会に対して、調停の申請がなされたとき。
公益事業に関する事件につき、労働委員会が職権に基づいて、調停を行う必要があると決議したとき。
公益事業に関する事件又はその事件が規模が大きいため若しくは特別の性質の事業に関するものであるために公益に著しい障害を及ぼす事件につき、厚生労働大臣又は都道府県知事から、労働委員会に対して、調停の請求がなされたとき。
調停委員会の、使用者を代表する調停委員と労働者を代表する調停委員とは、同数でなければならない。
使用者を代表する調停委員は労働委員会の使用者を代表する委員(中央労働委員会にあつては、一般企業担当使用者委員)又は特別調整委員のうちから、労働者を代表する調停委員は労働委員会の労働者を代表する委員(中央労働委員会にあつては、一般企業担当労働者委員)又は特別調整委員のうちから、公益を代表する調停委員は労働委員会の公益を代表する委員(中央労働委員会にあつては、一般企業担当公益委員)又は特別調整委員のうちから労働委員会の会長がこれを指名する。
労働組合法第十九条の十第一項に規定する地方において中央労働委員会が処理すべき事件として政令で定めるものについては、中央労働委員会の会長は、前項の規定にかかわらず、同条第一項に規定する地方調整委員のうちから、調停委員を指名する。ただし、中央労働委員会の会長が当該地方調整委員のうちから調停委員を指名することが適当でないと認める場合は、この限りでない。
調停委員会に、委員長を置く。委員長は、調停委員会で、公益を代表する調停委員の中から、これを選挙する。
調停委員会は、委員長がこれを招集し、その議事は、出席者の過半数でこれを決する。
調停委員会は、使用者を代表する調停委員及び労働者を代表する調停委員が出席しなければ、会議を開くことはできない。
調停委員会は、期日を定めて、関係当事者の出頭を求め、その意見を徴さなければならない。
調停をなす場合には、調停委員会は、関係当事者及び参考人以外の者の出席を禁止することができる。
調停委員会は、調停案を作成して、これを関係当事者に示し、その受諾を勧告するとともに、その調停案は理由を附してこれを公表することができる。この場合必要があるときは、新聞又はラヂオによる協力を請求することができる。
前項の調停案が関係当事者の双方により受諾された後、その調停案の解釈又は履行について意見の不一致が生じたときは、関係当事者は、その調停案を提示した調停委員会にその解釈又は履行に関する見解を明らかにすることを申請しなければならない。
第四章 仲裁
労働委員会は、左の各号の一に該当する場合に、仲裁を行ふ。
関係当事者の双方から、労働委員会に対して、仲裁の申請がなされたとき。
労働協約に、労働委員会による仲裁の申請をなさなければならない旨の定がある場合に、その定に基いて、関係当事者の双方又は一方から、労働委員会に対して、仲裁の申請がなされたとき。
仲裁委員は、労働委員会の公益を代表する委員又は特別調整委員のうちから、関係当事者が合意により選定した者につき、労働委員会の会長が指名する。ただし、関係当事者の合意による選定がされなかつたときは、労働委員会の会長が、関係当事者の意見を聴いて、労働委員会の公益を代表する委員(中央労働委員会にあつては、一般企業担当公益委員)又は特別調整委員のうちから指名する。
仲裁委員会に、委員長を置く。委員長は、仲裁委員が互選する。
仲裁委員会は、委員長が招集する。
仲裁委員会は、仲裁委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決することができない。
仲裁委員会の議事は、仲裁委員の過半数でこれを決する。
関係当事者のそれぞれが指名した労働委員会の使用者を代表する委員又は特別調整委員及び労働者を代表する委員又は特別調整委員は、仲裁委員会の同意を得て、その会議に出席し、意見を述べることができる。
仲裁をなす場合には、仲裁委員会は、関係当事者及び参考人以外の者の出席を禁止することができる。
仲裁裁定は、書面に作成してこれを行ふ。その書面には効力発生の期日も記さなければならない。
仲裁裁定は、労働協約と同一の効力を有する。
第四章の二 緊急調整
中央労働委員会は、緊急調整の決定に係る事件については、他のすべての事件に優先してこれを処理しなければならない。
第五章 争議行為の制限禁止等
第三十八条の規定の違反があつた場合においては、その違反行為について責任のある使用者若しくはその団体、労働者の団体又はその他の者若しくはその団体は、これを二十万円以下の罰金に処する。
前条第二項から第四項までの規定は、前項の場合に準用する。この場合において同条第三項中「十万円」とあるのは、「二十万円」と読み替へるものとする。
削除
調停又は仲裁をなす場合において、その公正な進行を妨げる者に対しては、調停委員会の委員長又は仲裁委員会の委員長は、これに退場を命ずることができる。