配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律
配偶者や生活の本拠を共にする交際相手から暴力を受けた人のために、での相談や一時保護、警察による援助などの体制を整え、地方裁判所が加害者に接近の禁止や住居からの退去を命じる保護命令の制度を定める法律です。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 44
- 施行前の改正
- 2
この法令の内容
- 「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃で、生命や身体に危害を及ぼすもの)と、これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいいます。暴力を受けた後に離婚し、または婚姻が取り消された場合に、元の配偶者から引き続き受ける暴力も含まれます。(第一条第一項, 第一条第二項)(根拠条文)
続きを読む
- 都道府県は、自ら設置するその他の適切な施設が、としての機能を果たすようにします。市町村も、自ら設置する適切な施設がその機能を果たすよう努めます。センターは、相談への対応、心身の健康を回復させるための指導、被害者と同伴する家族の緊急時の安全の確保と一時保護を行います。また、就業や住宅の確保などの制度の利用、保護命令の制度の利用、被害者を居住させ保護する施設の利用について援助を行います。一時保護は、女性相談支援センターが自ら行うか、厚生労働大臣が定める基準を満たす者に委託して行います。(第三条第一項, 第三条第二項, 第三条第三項, 第三条第四項)(根拠条文)
- 配偶者または配偶者であった者からの身体に対する暴力を受けている人を見つけた人は、配偶者暴力相談支援センターまたは警察官に通報するよう努めなければなりません。医師その他の医療関係者は、業務の中で、その暴力によって負傷し、または病気にかかったと認められる人を見つけたときは、通報することができます。そのときは本人の意思を尊重するよう努めます。また、その人に配偶者暴力相談支援センターなどの利用について情報を提供するよう努めなければなりません。(第六条第一項, 第六条第二項, 第六条第四項)(根拠条文)
- 警察官は、通報などにより配偶者または配偶者であった者からの身体に対する暴力が行われていると認めるときは、警察法、警察官職務執行法その他の法令に従い、暴力の制止、被害者の保護その他の被害を防ぐために必要な措置を講ずるよう努めなければなりません。暴力を受けている人は、警視総監、道府県警察本部長(北海道の一部の地域では)またはに、被害を自ら防ぐための援助を申し出ることができます。申出が相当と認められるときは、国家公安委員会規則に従い、被害を自ら防ぐための措置の教示その他の援助が行われます。(第六条第一項, 第八条第一項, 第八条の二第一項)(根拠条文)
- 配偶者から身体に対する暴力、または生命、身体、自由、名誉もしくは財産に害を加えると告げる脅迫を受けた被害者が、さらに暴力や脅迫を受けて生命や心身に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、被害者の申立てにより、配偶者(暴力などを受けた後に離婚し、または婚姻が取り消されたときは元の配偶者)に対し、1年間、被害者の身辺につきまとったり、住居(配偶者と共に生活の本拠としている住居を除きます)、勤務先など被害者が通常いる場所の付近をはいかいしたりしてはならないことを命じます。これが接近禁止命令です。接近禁止命令を出す裁判所は、被害者の申立てにより、同じ期間、面会の要求、連続した電話やメッセージ、緊急やむを得ない場合を除く午後10時から午前6時までの電話やメッセージ、汚物や性的羞恥心を害する物の送付、承諾を得ないで位置情報記録・送信装置などにより位置情報を取得することなどをしてはならないことも命じます。被害者が子や親族などのことで配偶者と面会することを余儀なくされるのを防ぐ必要があるときは、被害者と同居する成年に達しない子にも命令を広げ、その子に対するこれらの行為の多くも禁止します(子が15歳以上の場合はその同意が必要です)。配偶者と同居していない被害者の親族なども対象にできます(本人の同意、15歳未満などの場合は法定代理人の同意が必要です)。(第十条第一項, 第十条第二項, 第十条第三項, 第十条第四項, 第十条第五項)(根拠条文)
- 配偶者から身体に対する暴力、または生命や身体に害を加えると告げる脅迫を受けた被害者が、さらに身体に対する暴力を受けて生命や身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、被害者の申立てにより、配偶者(暴力などの後に離婚し、または婚姻が取り消された場合は元の配偶者)に対し、共に生活の本拠としている住居から2か月間退去し、その付近をはいかいしないよう命じます。住居の所有者または賃借人が被害者だけで、被害者が申し立てたときは、期間は6か月間です。これが退去等命令で、申立ての時に被害者と相手が生活の本拠を共にしている場合に限られます。同じ事実を理由とする再度の申立てでは、被害者が自分の責任ではない理由で期間内に転居を終えられないなど、再び命令を出す必要がある事情があるときに限って命令が出されます。ただし、相手の生活に特に著しい支障が生じるときは、出さないこともできます。(第十条の二第一項, 第十八条第一項)(根拠条文)
目次
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、公布済みでまだの改正が2件あります。最近の改正は下にあります。改正のページには、e-Govが記録するすべての改正を載せ、変更内容まで収録している改正は条文ごとに日本語と英語で示します。
2028年6月13日まで
遅くとも2年後
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日
日付未定
施行日は未確定
民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
民法等の一部を改正する法律(令和八年法律第四十五号)の施行の日
施行済みの改正 14件
2026年6月24日
このサイトの条文
民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
2025年12月30日
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律
2025年10月1日
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2025年6月1日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2024年4月1日
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律
2024年4月1日
困難な問題を抱える女性への支援に関する法律
2024年3月1日
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律
2023年6月14日
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
2023年5月19日
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律
2022年6月17日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
誰に適用されるか
適用される
- 配偶者から暴力を受けた被害者と、その配偶者。配偶者には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある人も含まれます。離婚や婚姻の取消しの後も元の配偶者から引き続き受ける暴力も対象です。届出をしていない夫婦関係が事実上解消された場合も、離婚に含まれます。(第一条第一項, 第一条第二項, 第一条第三項)(根拠条文)
- 生活の本拠を共にする交際をする関係にある相手(婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいない場合を除きます)からの暴力と、その暴力を受けた人にも、第2条と第1章の2から第5章までの規定が準用されます。関係を解消した後に引き続き受ける暴力も含まれます。準用される規定では、この相手を「特定関係者」と呼びます。(第二十八条の二第一項)(根拠条文)
続き
- 国と地方公共団体。配偶者からの暴力を防止し、被害者の保護(自立の支援を含みます)を図る責務があります。、、法務大臣、厚生労働大臣が基本方針を定めます。都道府県はこれに即して都道府県基本計画を定めなければならず、市町村は市町村基本計画を定めるよう努めなければなりません。(第二条第一項, 第二条の二第一項, 第二条の三第一項, 第二条の三第三項)(根拠条文)
- 配偶者または配偶者であった者からの身体に対する暴力を受けている人を見つけた人(通報するよう努めなければなりません)と、業務の中でその暴力によって負傷し、または病気にかかったと認められる人を見つけた医師その他の医療関係者(通報することができます)。(第六条第一項, 第六条第二項)(根拠条文)
- 一時保護の委託を受けた者とその役員・職員、協議会の事務に従事する人。その立場を離れた後も秘密を守る義務を負います。(第三条第五項, 第五条の三第一項)(根拠条文)
特例と適用除外(3)
- 刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、第6条による通報を妨げるものと解釈してはなりません。(第六条第三項)(根拠条文)
- 保護命令の手続の当事者は、事件の記録の閲覧や謄写などを請求できます。ただし、相手方は、口頭弁論や相手方を呼び出す審尋の期日が指定されるか、保護命令が送達されるまでは、請求できません。この規定は、政令で定める日(遅くとも2028年6月13日)まで適用されます。施行日(遅くとも2028年6月13日)の前日までの定めです。(第十九条第一項)(根拠条文)
- 政令で定める日(遅くとも2028年6月13日)から、保護命令の手続の当事者は、紙の記録(非電磁的事件記録)と電子の記録(電磁的事件記録)のどちらについても閲覧や謄写などを請求でき、事件に関する事項の証明も請求できます。ただし、相手方は、口頭弁論や相手方を呼び出す審尋の期日が指定されるか、保護命令が送達されるまでは、これらの請求をすることができません。施行日(遅くとも2028年6月13日)からの定めです。(第十九条第一項, 第十九条第三項, 第十九条の二第一項, 第十九条の二第四項, 第十九条の三第一項)(根拠条文)
どのように守らせるか(10)
- 保護命令の申立ては、相手方の住所地を管轄する地方裁判所のほか、申立人の住所・居所の地や、暴力・脅迫が行われた地を管轄する地方裁判所にもできます。申立ては書面で行い、受けた暴力の状況、危害を受けるおそれが大きいと認められる事情、や警察に相談したり援助を求めたりした事実の有無と、その内容などを記載します。相談などの事実の記載がないときは、申立人の供述を記載した書面などで公証人の認証を受けたものを添付しなければなりません。(第十一条第一項, 第十一条第二項, 第十一条第三項, 第十二条第一項, 第十二条第二項, 第十二条第三項)(根拠条文)
- 裁判所は、保護命令の申立てについて速やかに裁判をします。保護命令は、口頭弁論または相手方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ出せません。ただし、その期日を経ると申立ての目的を達することができない事情があるときは別です。申立書に配偶者暴力相談支援センターや警察への相談などの事実が書かれているときは、裁判所はその相談の状況と執られた措置の内容を記載したものの提出を求めます。(第十三条第一項, 第十四条第一項, 第十四条第二項)(根拠条文)
- 保護命令は、相手方への送達、または相手方が出頭した口頭弁論や審尋の期日での言渡しによって効力を生じます。保護命令が出されると、裁判所書記官は申立人の住所を管轄する警視総監または道府県警察本部長にその内容を通知します。申立書に相談した配偶者暴力相談支援センターが書かれているときは、そのセンター(複数あるときは最も遅く相談したセンター)の長にも通知します。保護命令は執行力を有しません。(第十五条第二項, 第十五条第三項, 第十五条第四項, 第十五条第五項)(根拠条文)
- 保護命令の申立てについての裁判には、即時抗告ができます。ただし、即時抗告をしても保護命令の効力は止まりません。保護命令の取消しの原因となることが明らかな事情について疎明があったときに限って、裁判所は効力の停止を命じることができます。接近禁止命令の効力が停止され、または抗告審で取り消されるときは、あわせて出された第10条第2項から第4項までの命令も停止され、または取り消されます。(第十六条第一項, 第十六条第二項, 第十六条第三項, 第十六条第四項, 第十六条第六項)(根拠条文)
- 保護命令を出した裁判所は、申立てをした人から取消しの申立てがあれば、保護命令を取り消さなければなりません。命令を受けた人も、接近禁止命令などは効力が生じてから3か月を経過した日以後、退去等命令は2週間を経過した日以後に取消しを申し立てることができます。申立てをした人に異議がないことを裁判所が確認すれば、命令は取り消されます。接近禁止命令を取り消すときは、あわせて出された第10条第2項から第4項までの命令も取り消されます。(第十七条第一項, 第十七条第二項)(根拠条文)
- 被害者と同居する子への接近などを禁止する命令を受けた人は、接近禁止命令の効力が生じてから6か月を経過した日か、その命令の効力が生じてから3か月を経過した日のいずれか遅い日以後に、要件を欠くに至ったことを理由として、その命令の取消しを申し立てることができます。裁判所は、取り消す前に、その命令を申し立てた人の意見を聴かなければなりません。この裁判には即時抗告ができ、取消しは確定しなければ効力を生じません。(第十七条第三項, 第十七条第四項, 第十七条第五項, 第十七条第六項)(根拠条文)
- 保護命令(第28条の2により、生活の本拠を共にする交際相手からの暴力について出されたものを含みます)に違反した人は、2年以下のまたは200万円以下のに処せられます。(第二十九条第一項)(根拠条文)
- 一時保護の委託を受けた者やその役員・職員、協議会の事務に従事する人は、これらの立場を離れた後も、正当な理由なく業務で知った秘密を漏らしてはなりません。違反すると、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処せられます。(第三条第五項, 第五条の三第一項, 第三十条第一項)(根拠条文)
- 記載すべき事項について虚偽の記載のある申立書で保護命令を申し立てた人は、10万円以下の過料に処せられます。(第三十一条第一項)(根拠条文)
- 配偶者からの暴力に関する被害者の保護、捜査、裁判などに職務上関係のある人は、被害者の心身の状況や置かれている環境などを踏まえ、国籍や障害の有無などを問わずその人権を尊重し、その安全の確保と秘密の保持に十分配慮しなければなりません。(第二十三条第一項)(根拠条文)
他の法令とのつながり
ほかに、収録していない法令を16件、名指しで参照しています。