保護命令の申立てについての決定には、理由を付さなければならない。ただし、口頭弁論を経ないで決定をする場合には、理由の要旨を示せば足りる。
保護命令は、相手方に対する決定書の送達又は相手方が出頭した口頭弁論若しくは審尋の期日における言渡しによって、その効力を生ずる。
保護命令を発したときは、裁判所書記官は、速やかにその旨及びその内容を申立人の住所又は居所を管轄する警視総監又は道府県警察本部長に通知するものとする。
保護命令を発した場合において、申立人が配偶者暴力相談支援センターの職員に対し相談し、又は援助若しくは保護を求めた事実があり、かつ、申立書に当該事実に係る第十二条第一項第五号イからニまで又は同条第二項第三号イからニまでに掲げる事項の記載があるときは、裁判所書記官は、速やかに、保護命令を発した旨及びその内容を、当該申立書に名称が記載された配偶者暴力相談支援センター(当該申立書に名称が記載された配偶者暴力相談支援センターが二以上ある場合にあっては、申立人がその職員に対し相談し、又は援助若しくは保護を求めた日時が最も遅い配偶者暴力相談支援センター)の長に通知するものとする。
保護命令は、執行力を有しない。
保護命令の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
即時抗告があった場合において、保護命令の取消しの原因となることが明らかな事情があることにつき疎明があったときに限り、抗告裁判所は、申立てにより、即時抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間、保護命令の効力の停止を命ずることができる。事件の記録が原裁判所に存する間は、原裁判所も、この処分を命ずることができる。
前項の規定により接近禁止命令の効力の停止を命ずる場合において、第十条第二項から第四項までの規定による命令が発せられているときは、裁判所は、当該命令の効力の停止をも命じなければならない。
前二項の規定による裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
抗告裁判所が接近禁止命令を取り消す場合において、第十条第二項から第四項までの規定による命令が発せられているときは、抗告裁判所は、当該命令をも取り消さなければならない。
保護命令を発した裁判所は、当該保護命令の申立てをした者の申立てがあった場合には、当該保護命令を取り消さなければならない。接近禁止命令又は第十条第二項から第四項までの規定による命令にあっては接近禁止命令が効力を生じた日から起算して三月を経過した日以後において、退去等命令にあっては当該退去等命令が効力を生じた日から起算して二週間を経過した日以後において、これらの命令を受けた者が申し立て、当該裁判所がこれらの命令の申立てをした者に異議がないことを確認したときも、同様とする。
第三項の取消しの申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
第三項の取消しの裁判は、確定しなければその効力を生じない。
第十五条第三項及び前条第七項の規定は、第一項から第三項までの場合について準用する。
退去等命令が発せられた後に当該発せられた退去等命令の申立ての理由となった身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫と同一の事実を理由とする退去等命令の再度の申立てがあったときは、裁判所は、配偶者と共に生活の本拠としている住居から転居しようとする被害者がその責めに帰することのできない事由により当該発せられた命令の期間までに当該住居からの転居を完了することができないことその他の退去等命令を再度発する必要があると認めるべき事情があるときに限り、退去等命令を発するものとする。ただし、当該退去等命令を発することにより当該配偶者の生活に特に著しい支障を生ずると認めるときは、当該退去等命令を発しないことができる。
保護命令に関する手続について、当事者は、裁判所書記官に対し、事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。ただし、相手方にあっては、保護命令の申立てに関し口頭弁論若しくは相手方を呼び出す審尋の期日の指定があり、又は相手方に対する保護命令の送達があるまでの間は、この限りでない。
削除
この法律に特別の定めがある場合を除き、保護命令に関する手続に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第一編から第四編までの規定(同法第七十一条第二項、第九十一条の二、第九十二条第九項及び第十項、第九十二条の二第二項、第九十四条、第百条第二項、第一編第五章第四節第三款、第百十一条、第一編第七章、第百三十三条の二第五項及び第六項、第百三十三条の三第二項、第百五十一条第三項、第百六十条第二項、第百八十五条第三項、第二百五条第二項、第二百十五条第二項、第二百二十七条第二項並びに第二百三十二条の二の規定を除く。)を準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
| 第百十二条第一項本文 | 前条の規定による措置を開始した | 裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨の裁判所の掲示場への掲示を始めた |
| 第百十二条第一項ただし書 | 前条の規定による措置を開始した | 当該掲示を始めた |
| 第百十三条 | 書類又は電磁的記録 | 書類 |
| 記載又は記録 | 記載 | |
| 第百十一条の規定による措置を開始した | 裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨の裁判所の掲示場への掲示を始めた | |
| 第百三十三条の三第一項 | 記載され、又は記録された書面又は電磁的記録 | 記載された書面 |
| 当該書面又は電磁的記録 | 当該書面 | |
| 又は電磁的記録その他これに類する書面又は電磁的記録 | その他これに類する書面 | |
| 第百五十一条第二項及び第二百三十一条の二第二項 | 方法又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する方法 | 方法 |
| 第百六十条第一項 | 最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書(期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をするためにこの法律その他の法令の規定により裁判所書記官が作成する電磁的記録をいう。以下同じ。) | 調書 |
| 第百六十条第三項 | 前項の規定によりファイルに記録された電子調書の内容に | 調書の記載について |
| 第百六十条第四項 | 第二項の規定によりファイルに記録された電子調書 | 調書 |
| 当該電子調書 | 当該調書 | |
| 第百六十条の二第一項 | 前条第二項の規定によりファイルに記録された電子調書の内容 | 調書の記載 |
| 第百六十条の二第二項 | その旨をファイルに記録して | 調書を作成して |
| 第二百五条第三項 | 事項又は前項の規定によりファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された事項 | 事項 |
| 第二百十五条第四項 | 事項又は第二項の規定によりファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された事項 | 事項 |
| 第二百三十一条の三第二項 | 若しくは送付し、又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する | 又は送付する |
| 第二百六十一条第四項 | 電子調書 | 調書 |
| 記録しなければ | 記載しなければ |
この法律に定めるもののほか、保護命令に関する手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。