労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律
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第一章 総則
この法律は、国が、少子高齢化による人口構造の変化等の経済社会情勢の変化に対応して、労働に関し、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講ずることにより、労働市場の機能が適切に発揮され、労働者の多様な事情に応じた雇用の安定及び職業生活の充実並びに労働生産性の向上を促進して、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、これを通じて、労働者の職業の安定と経済的社会的地位の向上とを図るとともに、経済及び社会の発展並びに完全雇用の達成に資することを目的とする。
この法律の運用に当たつては、労働者の職業選択の自由及び事業主の雇用の管理についての自主性を尊重しなければならず、また、職業能力の開発及び向上を図り、職業を通じて自立しようとする労働者の意欲を高め、かつ、労働者の職業を安定させるための事業主の努力を助長するように努めなければならない。
この法律において「職業紹介機関」とは、公共職業安定所(職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)の規定により公共職業安定所の業務の一部を分担する学校の長を含む。)、同法の規定により無料の職業紹介事業を行う地方公共団体及び同法の規定により許可を受けて、又は届出をして職業紹介事業を行う者をいう。
労働者は、その職業生活の設計が適切に行われ、並びにその設計に即した能力の開発及び向上並びに転職に当たつての円滑な再就職の促進その他の措置が効果的に実施されることにより、職業生活の全期間を通じて、その職業の安定が図られるように配慮されるものとする。
労働者は、職務の内容及び職務に必要な能力、経験その他の職務遂行上必要な事項(以下この項において「能力等」という。)の内容が明らかにされ、並びにこれらに即した評価方法により能力等を公正に評価され、当該評価に基づく処遇を受けることその他の適切な処遇を確保するための措置が効果的に実施されることにより、その職業の安定が図られるように配慮されるものとする。
各人が生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業することを促進するため、労働時間の短縮その他の労働条件の改善、多様な就業形態の普及及び雇用形態又は就業形態の異なる労働者の間の均衡のとれた待遇の確保に関する施策を充実すること。
各人がその有する能力に適合する職業に就くことをあつせんするため、及び産業の必要とする労働力を充足するため、職業指導及び職業紹介に関する施策を充実すること。
各人がその有する能力に適し、かつ、技術の進歩、産業構造の変動等に即応した技能及びこれに関する知識を習得し、これらにふさわしい評価を受けることを促進するため、職業訓練及び職業能力検定に関する施策を充実すること。
就職が困難な者の就職を容易にし、かつ、労働力の需給の不均衡を是正するため、労働者の職業の転換、地域間の移動、職場への適応等を援助するために必要な施策を充実すること。
事業規模の縮小等(事業規模若しくは事業活動の縮小又は事業の転換若しくは廃止をいう。以下同じ。)の際に、失業を予防するとともに、離職を余儀なくされる労働者の円滑な再就職を促進するために必要な施策を充実すること。
労働者の職業選択に資するよう、雇用管理若しくは採用の状況その他の職場に関する事項又は職業に関する事項の情報の提供のために必要な施策を充実すること。
女性の職業及び子の養育又は家族の介護を行う者の職業の安定を図るため、雇用の継続、円滑な再就職の促進、母子家庭の母及び父子家庭の父並びに寡婦の雇用の促進その他のこれらの者の就業を促進するために必要な施策を充実すること。
青少年の職業の安定を図るため、職業についての青少年の関心と理解を深めるとともに、雇用管理の改善の促進、実践的な職業能力の開発及び向上の促進その他の青少年の雇用を促進するために必要な施策を充実すること。
高年齢者の職業の安定を図るため、高年齢者雇用確保措置等の円滑な実施の促進、再就職の促進、多様な就業機会の確保その他の高年齢者がその年齢にかかわりなくその意欲及び能力に応じて就業することができるようにするために必要な施策を充実すること。
疾病、負傷その他の理由により治療を受ける者の職業の安定を図るため、雇用の継続、離職を余儀なくされる労働者の円滑な再就職の促進その他の治療の状況に応じた就業を促進するために必要な施策を充実すること。
障害者の職業の安定を図るため、雇用の促進、職業リハビリテーションの推進その他の障害者がその職業生活において自立することを促進するために必要な施策を充実すること。
不安定な雇用状態の是正を図るため、雇用形態及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実すること。
高度の専門的な知識又は技術を有する外国人(日本の国籍を有しない者をいう。以下この条において同じ。)の我が国における就業を促進するとともに、労働に従事することを目的として在留する外国人について、適切な雇用機会の確保が図られるようにするため、雇用管理の改善の促進及び離職した場合の再就職の促進を図るために必要な施策を充実すること。
地域的な雇用構造の改善を図るため、雇用機会が不足している地域における労働者の雇用を促進するために必要な施策を充実すること。
職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実すること。
前各号に掲げるもののほか、職業の安定、産業の必要とする労働力の確保等に資する雇用管理の改善の促進その他労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするために必要な施策を充実すること。
国は、前項各号に掲げる施策及びこれに関連する施策の充実に取り組むに際しては、国民経済の健全な発展、それに即応する企業経営の基盤の改善、地域振興等の諸施策と相まつて、雇用機会の着実な増大及び地域間における就業機会等の不均衡の是正を図るとともに、労働者がその有する能力を有効に発揮することの妨げとなつている雇用慣行の是正を期するように配慮しなければならない。
国は、第一項第十三号に規定する施策の充実に取り組むに際しては、外国人の入国及び在留の管理に関する施策と相まつて、外国人の不法就労活動(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二十四条第三号の四イに規定する不法就労活動をいう。)を防止し、労働力の不適正な供給が行われないようにすることにより、労働市場を通じた需給調整の機能が適切に発揮されるよう努めなければならない。
国は、第一項第十五号に規定する施策の充実に取り組むに際しては、何人も職場における労働者の就業環境を害する言動を行つてはならないことに鑑み、当該言動が行われることのない就業環境の形成に関する規範意識の醸成がなされるよう、必要な啓発活動を積極的に行わなければならない。
地方公共団体は、国の施策と相まつて、当該地域の実情に応じ、労働に関する必要な施策を講ずるように努めなければならない。
事業主は、その雇用する労働者の労働時間の短縮その他の労働条件の改善その他の労働者が生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業することができる環境の整備に努めなければならない。
事業主は、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者について、当該労働者が行う求職活動に対する援助その他の再就職の援助を行うことにより、その職業の安定を図るように努めなければならない。
事業主は、外国人(日本の国籍を有しない者をいい、厚生労働省令で定める者を除く。以下同じ。)が我が国の雇用慣行に関する知識及び求職活動に必要な雇用に関する情報を十分に有していないこと等にかんがみ、その雇用する外国人がその有する能力を有効に発揮できるよう、職業に適応することを容易にするための措置の実施その他の雇用管理の改善に努めるとともに、その雇用する外国人が解雇(自己の責めに帰すべき理由によるものを除く。)その他の厚生労働省令で定める理由により離職する場合において、当該外国人が再就職を希望するときは、求人の開拓その他当該外国人の再就職の援助に関し必要な措置を講ずるように努めなければならない。
事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
第二章 基本方針
国は、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするために必要な労働に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
基本方針に定める事項は、次のとおりとする。
労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにすることの意義に関する事項
第四条第一項各号に掲げる事項について講ずる施策に関する基本的事項
前二号に掲げるもののほか、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにすることに関する重要事項
厚生労働大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
厚生労働大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事の意見を求めるとともに、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。
厚生労働大臣は、基本方針の案を作成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。
国は、労働に関する施策をめぐる経済社会情勢の変化を勘案し、基本方針に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更しなければならない。
第三項から第六項までの規定は、基本方針の変更について準用する。
厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、基本方針において定められた施策で、関係行政機関の所管に係るものの実施について、必要な要請をすることができる。
国は、労働時間の短縮その他の労働条件の改善、多様な就業形態の普及、雇用形態又は就業形態の異なる労働者の間の均衡のとれた待遇の確保その他の基本方針において定められた施策の実施に関し、中小企業における取組が円滑に進むよう、地方公共団体、中小企業者を構成員とする団体その他の事業主団体、労働者団体その他の関係者により構成される協議会の設置その他のこれらの者の間の連携体制の整備に必要な施策を講ずるように努めるものとする。
第三章 求職者及び求人者に対する指導等
厚生労働大臣は、求人と求職との迅速かつ適正な結合に資するため、労働力の需給の状況、求人及び求職の条件その他必要な雇用に関する情報(以下「雇用情報」という。)を収集し、及び整理しなければならない。
厚生労働大臣は、雇用情報の収集、整理及び活用並びに利用のための提供が迅速かつ効果的に行われるために必要な組織を維持し、及び整備しなければならない。
職業紹介機関は、求職者に対して、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を提供し、かつ、これに基づき職種、就職地その他の求職の内容、必要な技能等について指導することにより、求職者がその適性、能力、経験、技能の程度等にふさわしい職業を選択することを促進し、もつて職業選択の自由が積極的に生かされるように努めなければならない。
職業紹介機関は、求人者に対して、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を提供し、かつ、これに基づき求人の内容について指導することにより、求人者が当該作業又は職務に適合する労働者を雇い入れることを促進するように努めなければならない。
職業安定機関及び公共職業能力開発施設は、労働者の雇入れ又は配置、適性検査、職業訓練その他の雇用に関する事項について事業主、労働組合その他の関係者から援助を求められたときは、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を活用してその者に対して必要な助言その他の措置を行わなければならない。
第四章 職業訓練等の充実
国は、職業訓練施設の整備、職業訓練の内容の充実及び方法の研究開発、職業訓練指導員の養成確保及び資質の向上等職業訓練を充実するために必要な施策を積極的に講ずるものとする。
国は、労働者の職業能力の開発及び向上が効果的に図られるようにするため、公共職業能力開発施設が行う職業訓練と事業主又はその団体が行う職業訓練とが相互に密接な関連の下で行われるように努めなければならない。
国は、技術の進歩の状況、円滑な再就職のために必要な職業能力の水準その他の事情を考慮して、事業主団体その他の関係者の協力の下に、職業能力の評価のための適正な基準を設定し、これに準拠して労働者の有する職業能力の程度を検定する制度を確立し、及びその充実を図ることにより、労働者の職業能力の開発及び向上、職業の安定並びに経済的社会的地位の向上を図るように努めるものとする。
第五章 職業転換給付金
国及び都道府県は、他の法令の規定に基づき支給するものを除くほか、労働者がその有する能力に適合する職業に就くことを容易にし、及び促進するため、求職者その他の労働者又は事業主に対して、政令で定める区分に従い、次に掲げる給付金(以下「職業転換給付金」という。)を支給することができる。
求職者の求職活動の促進とその生活の安定とを図るための給付金
求職者の知識及び技能の習得を容易にするための給付金
広範囲の地域にわたる求職活動又は求職活動を容易にするための役務の利用に要する費用に充てるための給付金
就職又は知識若しくは技能の習得をするための移転に要する費用に充てるための給付金
求職者を作業環境に適応させる訓練を行うことを促進するための給付金
前各号に掲げるもののほか、政令で定める給付金
国は、政令で定めるところにより、都道府県が支給する職業転換給付金に要する費用の一部を負担する。
職業転換給付金の支給を受けることとなつた者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、事業主に係る当該権利については、国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
租税その他の公課は、職業転換給付金(事業主に対して支給するものを除く。)を標準として、課することができない。
都道府県労働局、公共職業安定所、都道府県及び独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構は、職業転換給付金の支給が円滑かつ効果的に行われるように相互に緊密に連絡し、及び協力しなければならない。
第六章 事業主による再就職の援助を促進するための措置等
事業主は、その実施に伴い一の事業所において相当数の労働者が離職を余儀なくされることが見込まれる事業規模の縮小等であつて厚生労働省令で定めるものを行おうとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該離職を余儀なくされる労働者の再就職の援助のための措置に関する計画(以下「再就職援助計画」という。)を作成しなければならない。
政府は、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者(以下この条において「援助対象労働者」という。)の円滑な再就職を促進するため、雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第六十二条の雇用安定事業として、第二十四条第三項又は前条第一項の規定による認定を受けた再就職援助計画に基づき、その雇用する援助対象労働者に関し、求職活動をするための休暇(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除く。)の付与その他の再就職の促進に特に資すると認められる措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行うものとする。
事業主は、その事業所における雇用量の変動(事業規模の縮小その他の理由により一定期間内に相当数の離職者が発生することをいう。)であつて、厚生労働省令で定める場合に該当するもの(以下この条において「大量雇用変動」という。)については、当該大量雇用変動の前に、厚生労働省令で定めるところにより、当該離職者の数その他の厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
職業安定機関において、相互に連絡を緊密にしつつ、当該労働者の求めに応じて、その離職前から、当該労働者その他の関係者に対する雇用情報の提供並びに広範囲にわたる求人の開拓及び職業紹介を行うこと。
公共職業能力開発施設において必要な職業訓練を行うこと。
第七章 中途採用に関する情報の公表を促進するための措置等
常時雇用する労働者の数が三百人を超える事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の職業選択に資するよう、雇い入れた通常の労働者及びこれに準ずる者として厚生労働省令で定める者の数に占める中途採用(新規学卒等採用者(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(小学校及び幼稚園を除く。)その他厚生労働省令で定める施設の学生又は生徒であつて卒業することが見込まれる者その他厚生労働省令で定める者であることを条件とした求人により雇い入れられた者をいう。)以外の雇入れをいう。次項において同じ。)により雇い入れられた者の数の割合を定期的に公表しなければならない。
第八章 治療と就業の両立支援
事業主は、疾病、負傷その他の理由により治療を受ける労働者について、就業によつて疾病又は負傷の症状が増悪すること等を防止し、その治療と就業との両立を支援するため、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
厚生労働大臣は、前項に規定する措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針(以下この条において「治療と就業の両立支援指針」という。)を定め、これを公表するものとする。
治療と就業の両立支援指針は、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第七十条の二第一項に規定する指針と調和が保たれたものでなければならない。
厚生労働大臣は、治療と就業の両立支援指針に従い、事業主又はその団体に対し、必要な指導、援助等を行うことができる。
第九章 外国人の雇用管理の改善、再就職の促進等の措置
事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その者の氏名並びに出入国管理及び難民認定法第二条の二第一項に規定する在留資格(以下この項及び次項において「在留資格」という。)及び同条第三項に規定する在留期間(その者が在留資格を有しない者であつて、同法第四十四条の五第一項又は第六十一条の二の七第二項の規定による許可を受けて報酬を受ける活動を行うものである場合にあつては、これらの許可を受けている旨)その他厚生労働省令で定める事項について確認し、当該事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
前項の規定による届出があつたときは、国は、次に掲げる措置を講ずることにより、当該届出に係る外国人の雇用管理の改善の促進又は再就職の促進に努めるものとする。
職業安定機関において、事業主に対して、当該外国人の有する在留資格、知識経験等に応じた適正な雇用管理を行うことについて必要な指導及び助言を行うこと。
職業安定機関において、事業主に対して、その求めに応じて、当該外国人に対する再就職の援助を行うことについて必要な指導及び助言を行うこと。
公共職業能力開発施設において必要な職業訓練を行うこと。
国又は地方公共団体に係る外国人の雇入れ又は離職については、第一項の規定は、適用しない。この場合において、国又は地方公共団体の任命権者は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合には、政令で定めるところにより、厚生労働大臣に通知するものとする。
厚生労働大臣は、法務大臣又は出入国在留管理庁長官から、出入国管理及び難民認定法に定める事務の処理に関し、外国人の在留に関する事項の確認のための求めがあつたときは、前条第一項の規定による届出及び同条第三項の規定による通知に係る情報を提供するものとする。
厚生労働大臣は、労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整等を図るため、法務大臣又は出入国在留管理庁長官に対し、労働に従事することを目的として在留する外国人の出入国に関する必要な連絡又は協力を求めることができる。
法務大臣又は出入国在留管理庁長官は、前項の規定による連絡又は協力を求められたときは、本来の任務の遂行を妨げない範囲において、できるだけその求めに応じなければならない。
第十章 職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して事業主の講ずべき措置等
事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
事業主は、労働者が前項の相談を行つたこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
厚生労働大臣は、前二項の規定に基づき事業主が講ずべき措置等に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(以下この条において「指針」という。)を定めるものとする。
厚生労働大臣は、指針を定めるに当たつては、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴くものとする。
厚生労働大臣は、指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号)第十九条から第二十六条までの規定は、前条第一項の調停の手続について準用する。この場合において、同法第十九条第一項中「前条第一項」とあるのは「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号)第三十条の六第一項」と、同法第二十条中「事業場」とあるのは「事業所」と、同法第二十五条第一項中「第十八条第一項」とあるのは「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第三十条の四」と読み替えるものとする。
前二条に定めるもののほか、調停の手続に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第十一章 国と地方公共団体との連携等
国及び地方公共団体は、国の行う職業指導及び職業紹介の事業等と地方公共団体の講ずる雇用に関する施策について、相互の連携協力の確保に関する協定の締結、同一の施設における一体的な実施その他の措置を講ずることにより、密接な関連の下に円滑かつ効果的に実施されるように相互に連絡し、及び協力するものとする。
地方公共団体の長は、当該地方公共団体の区域内において、多数の離職者が発生し、又はそのおそれがあると認めるときその他労働者の職業の安定のため必要があると認めるときは、厚生労働大臣に対し、労働者の職業の安定に関し必要な措置の実施を要請することができる。
厚生労働大臣は、前項の規定による要請(以下この条において「措置要請」という。)に基づき労働者の職業の安定に関し必要な措置を実施するときはその旨を、当該措置要請に係る措置を実施する必要がないと認めるときはその旨及びその理由を、遅滞なく、当該措置要請をした地方公共団体の長に通知しなければならない。
厚生労働大臣は、措置要請に係る措置を行う必要があるか否かを判断するに当たつては、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、学識経験者その他の厚生労働省令で定める者の意見を聴かなければならない。
前項の規定により意見を求められた者は、その意見を求められた事案に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
第十二章 雑則
この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
前項の規定により都道府県労働局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に委任することができる。
船員に関しては、第三十条の二第三項から第五項まで、第三十三条、第三十六条第一項及び前条第一項中「厚生労働大臣」とあるのは「国土交通大臣」と、第三十条の二第四項中「労働政策審議会」とあるのは「交通政策審議会」と、第三十条の四中「から第三十条の八まで」とあるのは「、第三十条の六及び第三十八条第三項」と、第三十条の五第一項、第三十条の六第一項及び前条第一項中「都道府県労働局長」とあるのは「地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)」と、第三十条の六第一項中「第六条第一項の紛争調整委員会」とあるのは「第二十一条第三項のあつせん員候補者名簿に記載されている者のうちから指名する調停員」と、第三十三条第二項中「第三十五条及び第三十六条第一項」とあるのは「第三十六条第一項」と、前条第一項中「厚生労働省令」とあるのは「国土交通省令」とする。
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第二十条から第二十七条まで並びに第三十一条第三項及び第四項の規定は、前項の規定により読み替えて適用する第三十条の六第一項の規定により指名を受けて調停員が行う調停について準用する。この場合において、同法第二十条から第二十三条まで及び第二十六条中「委員会は」とあるのは「調停員は」と、同法第二十条中「事業場」とあるのは「事業所」と、同法第二十一条中「当該委員会が置かれる都道府県労働局」とあるのは「当該調停員を指名した地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)が置かれる地方運輸局(運輸監理部を含む。)」と、同法第二十五条第一項中「第十八条第一項」とあるのは「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号)第三十条の四」と、同法第二十六条中「当該委員会に係属している」とあるのは「当該調停員が取り扱つている」と、同法第二十七条中「この節」とあるのは「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第三十八条第三項において準用する第二十条から前条まで並びに第三十一条第三項及び第四項」と、「調停」とあるのは「合議体及び調停」と、「厚生労働省令」とあるのは「国土交通省令」と、同法第三十一条第三項中「前項」とあるのは「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第三十条の六第一項」と読み替えるものとする。
第六条から第九条まで、第六章(第二十七条を除く。)、第七章、第三十条の四から第三十条の八まで、第三十三条第一項(第十章の規定の施行に関するものに限る。)及び第二項並びに第三十六条第一項の規定は国家公務員及び地方公務員について、第八章、第三十条の二及び第三十条の三の規定は一般職の国家公務員(行政執行法人の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)第二条第二号の職員を除く。)、裁判所職員臨時措置法(昭和二十六年法律第二百九十九号)の適用を受ける裁判所職員、国会職員法(昭和二十二年法律第八十五号)第一条に規定する国会職員及び自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第二条第五項に規定する隊員については、適用しない。