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会社法(かいしゃほう)

第九章 清算(第五百十六条から第五百二十五条まで)

譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(令和七年法律第五十七号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

変更の示し方

下線は加わる字句、縦線は字句が削られる箇所です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。

第五百十六条

(担保権の実行の手続等の中止命令)
この条に改正3か所
第五百十六条第一項(担保権の実行の手続等の中止命令)改正

裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、債権者の一般の利益に適合し、かつ、担保権の実行の手続等(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続担保権を有する者(次項及び第八百九十一条において「担保権者」という。)、企業担保権の実行の手続の申立人又は清算株式会社の財産に対して既にされている一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行の手続をいう。以下この条において同じ。)の申立人の申立人(同条において「一般先取特権者等」という。)に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、清算人、監査役、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、当該担保権の実行の手続等の中止(債権を目的とする質権の実行の禁止を含む。次項において同じ。)、当該企業担保権の実行の手続の中止又は当該強制執行の手続の中止を命ずることができる。

第五百十六条第二項(担保権の実行の手続等の中止命令)新設

前項の規定による中止の命令(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続の中止に係るものに限る。)は、担保権者に不当な損害を及ぼさないために必要な条件を付して発することができる。

第五百十六条第三項(担保権の実行の手続等の中止命令)新設

債権を目的とする質権の実行を禁止する第一項の規定による中止の命令が発せられたときは、当該質権の被担保債権については、当該命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。

第五百十六条の二

この条に改正3か所
第五百十六条の二第一項新設

裁判所が前条第一項の規定により債権を目的とする質権の実行の手続の中止(実行の禁止を含む。第八百九十一条第一項及び第二項において同じ。)を命じた場合には、第三債務者は、特別清算の関係においては、質権者に対してした弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。ただし、第三債務者が、その行為の当時、その命令があったことを知っていたときに限る。

第五百十六条の二第二項新設

前項本文に規定する場合(債権の目的物が金銭である場合に限る。)には、第三債務者は、債権の全額に相当する金銭を供託して、その債務を免れることができる。

第五百十六条の二第三項新設

前項の規定による供託がされたときは、同項の債権を目的とする質権を有していた質権者は、供託金につき質権者と同一の権利を有する。

第五百十七条

(相殺の禁止)
第一項

協定債権を有する債権者(以下この節において「協定債権者」という。)は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。

一

特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したとき。

二

支払不能(清算株式会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この款において同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら協定債権をもってする相殺に供する目的で清算株式会社の財産の処分を内容とする契約を清算株式会社との間で締結し、又は清算株式会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。

三

支払の停止があった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。

四

特別清算開始の申立てがあった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。

第二項

前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。

一

法定の原因

二

支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを協定債権者が知った時より前に生じた原因

三

特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因

第五百十八条

第一項

清算株式会社に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。

一

特別清算開始後に他人の協定債権を取得したとき。

二

支払不能になった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。

三

支払の停止があった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。

四

特別清算開始の申立てがあった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。

第二項

前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する協定債権の取得が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。

一

法定の原因

二

支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを清算株式会社に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因

三

特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因

四

清算株式会社に対して債務を負担する者と清算株式会社との間の契約

第五百十八条の二

(共助対象外国租税債権者の手続参加)
第一項

協定債権者は、共助対象外国租税の請求権をもって特別清算の手続に参加するには、租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定を得なければならない。

第二款 裁判所による監督及び調査

第五百十九条

(裁判所による監督)
第一項

特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の清算は、裁判所の監督に属する。

第二項

裁判所は、必要があると認めるときは、清算株式会社の業務を監督する官庁に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見の陳述を求め、又は調査を嘱託することができる。

第三項

前項の官庁は、裁判所に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見を述べることができる。

第五百二十条

(裁判所による調査)
第一項

裁判所は、いつでも、清算株式会社に対し、清算事務及び財産の状況の報告を命じ、その他清算の監督上必要な調査をすることができる。

第五百二十一条

(裁判所への財産目録等の提出)
第一項

特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、第四百九十二条第三項の承認があった後遅滞なく、財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出しなければならない。ただし、財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。

第五百二十二条

(調査命令)
第一項

裁判所は、特別清算開始後において、清算株式会社の財産の状況を考慮して必要があると認めるときは、清算人、監査役、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者の債権の総額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者若しくは総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主若しくは発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項について、調査委員による調査を命ずる処分(第五百三十三条において「調査命令」という。)をすることができる。

一

特別清算開始に至った事情

二

清算株式会社の業務及び財産の状況

三

第五百四十条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。

四

第五百四十二条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。

五

第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をする必要があるかどうか。

六

その他特別清算に必要な事項で裁判所の指定するもの

第二項

清算株式会社の財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又はこの法律若しくは商法の規定による留置権に限る。)を有する債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる債権の額は、前項の債権の額に算入しない。

第三項

公開会社でない清算株式会社における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。

第三款 清算人

第五百二十三条

(清算人の公平誠実義務)
第一項

特別清算が開始された場合には、清算人は、債権者、清算株式会社及び株主に対し、公平かつ誠実に清算事務を行う義務を負う。

第五百二十四条

(清算人の解任等)
第一項

裁判所は、清算人が清算事務を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算人を解任することができる。

第二項

清算人が欠けたときは、裁判所は、清算人を選任する。

第三項

清算人がある場合においても、裁判所は、必要があると認めるときは、更に清算人を選任することができる。

第五百二十五条

(清算人代理)
第一項

清算人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は二人以上の清算人代理を選任することができる。

第二項

前項の清算人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。

改正箇所 1 / 6