第六章 地役権
地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。
土地の共有者の一人は、その持分につき、その土地のために又はその土地について存する地役権を消滅させることができない。
土地の分割又はその一部の譲渡の場合には、地役権は、その各部のために又はその各部について存する。ただし、地役権がその性質により土地の一部のみに関するときは、この限りでない。
地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。
土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する。
共有者に対する時効の更新は、地役権を行使する各共有者に対してしなければ、その効力を生じない。
地役権を行使する共有者が数人ある場合には、その一人について時効の完成猶予の事由があっても、時効は、各共有者のために進行する。
設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する。
承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権は、これによって消滅する。
第百六十六条第二項に規定する消滅時効の期間は、継続的でなく行使される地役権については最後の行使の時から起算し、継続的に行使される地役権についてはその行使を妨げる事実が生じた時から起算する。
地役権者がその権利の一部を行使しないときは、その部分のみが時効によって消滅する。
共有の性質を有しない入会権については、各地方の慣習に従うほか、この章の規定を準用する。