居住者が各年において外国所得税(外国の法令により課される所得税に相当する税で政令で定めるものをいう。以下この項及び第九項において同じ。)を納付することとなる場合には、第八十九条から第九十三条まで(税率等)の規定により計算したその年分の所得税の額のうち、その年において生じた国外所得金額(国外源泉所得に係る所得のみについて所得税を課するものとした場合に課税標準となるべき金額に相当するものとして政令で定める金額をいう。)に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この条において「控除限度額」という。)を限度として、その外国所得税の額(居住者の通常行われる取引と認められないものとして政令で定める取引に基因して生じた所得に対して課される外国所得税の額、居住者の所得税に関する法令の規定により所得税が課されないこととなる金額を課税標準として外国所得税に関する法令により課されるものとして政令で定める外国所得税の額その他政令で定める外国所得税の額を除く。以下この条において「控除対象外国所得税の額」という。)をその年分の所得税の額から控除する。
居住者が各年において納付することとなる控除対象外国所得税の額がその年の控除限度額と地方税控除限度額として政令で定める金額との合計額を超える場合において、その年の前年以前三年内の各年(以下この条において「前三年以内の各年」という。)の控除限度額のうちその年に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この条において「繰越控除限度額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、その繰越控除限度額を限度として、その超える部分の金額をその年分の所得税の額から控除する。
居住者が各年において納付することとなる控除対象外国所得税の額がその年の控除限度額に満たない場合において、その前三年以内の各年において納付することとなつた控除対象外国所得税の額のうちその年に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この条において「繰越控除対象外国所得税額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、当該控除限度額からその年において納付することとなる控除対象外国所得税の額を控除した残額を限度として、その繰越控除対象外国所得税額をその年分の所得税の額から控除する。
第一項に規定する国外源泉所得とは、次に掲げるものをいう。
居住者が国外事業所等(国外にある恒久的施設に相当するものその他の政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)を通じて事業を行う場合において、当該国外事業所等が当該居住者から独立して事業を行う事業者であるとしたならば、当該国外事業所等が果たす機能、当該国外事業所等において使用する資産、当該国外事業所等と当該居住者の事業場等(当該居住者の事業に係る事業場その他これに準ずるものとして政令で定めるものであつて当該国外事業所等以外のものをいう。以下この条において同じ。)との間の内部取引その他の状況を勘案して、当該国外事業所等に帰せられるべき所得(当該国外事業所等の譲渡により生ずる所得を含み、第十五号に該当するものを除く。)
国外にある資産の運用又は保有により生ずる所得
国外にある資産の譲渡により生ずる所得として政令で定めるもの
国外において人的役務の提供を主たる内容とする事業で政令で定めるものを行う者が受ける当該人的役務の提供に係る対価
第二十三条第一項(利子所得)に規定する利子等及びこれに相当するもののうち次に掲げるもの
外国の国債若しくは地方債又は外国法人の発行する債券の利子
国外にある営業所に信託された合同運用信託若しくはこれに相当する信託、公社債投資信託又は公募公社債等運用投資信託若しくはこれに相当する信託の収益の分配
第二十四条第一項(配当所得)に規定する配当等及びこれに相当するもののうち次に掲げるもの
国外にある営業所に信託された投資信託(公社債投資信託並びに公募公社債等運用投資信託及びこれに相当する信託を除く。)又は特定受益証券発行信託若しくはこれに相当する信託の収益の分配
国外において業務を行う者に対する貸付金(これに準ずるものを含む。)で当該業務に係るものの利子(債券の買戻又は売戻条件付売買取引として政令で定めるものから生ずる差益として政令で定めるものを含む。)
国外において業務を行う者から受ける次に掲げる使用料又は対価で当該業務に係るもの
工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるものの使用料又はその譲渡による対価
著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずるものを含む。)の使用料又はその譲渡による対価
機械、装置その他政令で定める用具の使用料
次に掲げる給与、報酬又は年金
国外において行う事業の広告宣伝のための賞金として政令で定めるもの
次に掲げる給付補塡金、利息、利益又は差益
国外において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づいて受ける利益の分配
第二条第一項第八号の四ただし書に規定する条約(以下この号及び第六項から第八項までにおいて「租税条約」という。)の規定により当該租税条約の我が国以外の締約国又は締約者(第七項及び第八項において「相手国等」という。)において租税を課することができることとされる所得のうち政令で定めるもの
居住者が納付することとなつた外国所得税の額につき第一項から第三項までの規定の適用を受けた年の翌年以後七年内の各年において当該外国所得税の額が減額された場合におけるその減額されることとなつた日の属する年のこれらの規定の適用については、政令で定めるところによる。
第二項及び第三項の規定は、繰越控除限度額又は繰越控除対象外国所得税額に係る年のうち最も古い年以後の各年分の申告書等に当該各年の控除限度額及び当該各年において納付することとなつた控除対象外国所得税の額を記載した書類の添付があり、かつ、これらの規定の適用を受けようとする年分の申告書等にこれらの規定による控除を受けるべき金額及び繰越控除限度額又は繰越控除対象外国所得税額の計算の基礎となるべき事項を記載した書類その他財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定による控除をされるべき金額の計算の基礎となる当該各年の控除限度額及び当該各年において納付することとなつた控除対象外国所得税の額その他の財務省令で定める金額は、税務署長において特別の事情があると認める場合を除くほか、当該各年分の申告書等にこの項前段の規定により添付された書類に当該計算の基礎となる金額として記載された金額を限度とする。
第一項から第三項までの規定の適用を受ける居住者は、当該居住者が他の者との間で行つた取引のうち、当該居住者のその年の第一項に規定する国外所得金額の計算上、当該取引から生ずる所得が当該居住者の国外事業所等に帰せられるものについては、財務省令で定めるところにより、当該国外事業所等に帰せられる取引に係る明細を記載した書類その他の財務省令で定める書類を作成しなければならない。
第一項から第三項までの規定の適用を受ける居住者は、当該居住者の事業場等と国外事業所等との間の資産の移転、役務の提供その他の事実が第四項第一号に規定する内部取引に該当するときは、財務省令で定めるところにより、当該事実に係る明細を記載した書類その他の財務省令で定める書類を作成しなければならない。
第九十二条第二項前段(配当控除)の規定は、第一項から第三項までの規定による控除をすべき金額について準用する。
第九項から前項までに定めるもののほか、第一項から第八項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第一項から第三項までの規定による控除は、外国税額控除という。