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会社法(かいしゃほう)

第二章 訴訟(第八百四十七条の二から第八百四十七条の四まで)

民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(令和五年法律第五十三号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

変更の示し方

下線は加わる字句、縦線は字句が削られる箇所です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。

第八百四十七条の二

(旧株主による責任追及等の訴え)
第一項

次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き株式会社の株主であった者(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主であった者を除く。以下この条において「旧株主」という。)は、当該株式会社の株主でなくなった場合であっても、当該各号に定めるときは、当該株式会社(第二号に定める場合にあっては、同号の吸収合併後存続する株式会社。以下この節において「株式交換等完全子会社」という。)に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴え(次の各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。以下この条において同じ。)の提起を請求することができる。ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の完全親会社(特定の株式会社の発行済株式の全部を有する株式会社その他これと同等のものとして法務省令で定める株式会社をいう。以下この節において同じ。)に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。

一

当該株式会社の株式交換又は株式移転 当該株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。

二

当該株式会社が吸収合併により消滅する会社となる吸収合併 当該吸収合併により、吸収合併後存続する株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。

第二項

公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き」とあるのは、「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日において」とする。

第三項

旧株主は、第一項各号の完全親会社の株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、株式交換等完全子会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴えの提起を請求することができる。ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の株式を発行している株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。

一

当該完全親会社の株式交換又は株式移転により当該完全親会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。

二

当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。

第四項

前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。

第五項

第三項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。この場合において、第三項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該完全親会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。

第六項

株式交換等完全子会社が第一項又は第三項(前二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求(以下この条において「提訴請求」という。)の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該提訴請求をした旧株主は、株式交換等完全子会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。

第七項

株式交換等完全子会社は、提訴請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該提訴請求をした旧株主又は当該提訴請求に係る責任追及等の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。

第八項

第一項、第三項及び第六項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式交換等完全子会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、提訴請求をすることができる旧株主は、株式交換等完全子会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。

第九項

株式交換等完全子会社に係る適格旧株主(第一項本文又は第三項本文の規定によれば提訴請求をすることができることとなる旧株主をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務を免除するときにおける第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主の全員」とする。

第八百四十七条の三

(最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え)
第一項

六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社の最終完全親会社等(当該株式会社の完全親会社等であって、その完全親会社等がないものをいう。以下この節において同じ。)の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の発行済株式(自己株式を除く。)の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、当該株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、特定責任に係る責任追及等の訴え(以下この節において「特定責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

一

特定責任追及の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社若しくは当該最終完全親会社等に損害を加えることを目的とする場合

二

当該特定責任の原因となった事実によって当該最終完全親会社等に損害が生じていない場合

第二項

前項に規定する「完全親会社等」とは、次に掲げる株式会社をいう。

一

完全親会社

二

株式会社の発行済株式の全部を他の株式会社及びその完全子会社等(株式会社がその株式又は持分の全部を有する法人をいう。以下この条及び第八百四十九条第三項において同じ。)又は他の株式会社の完全子会社等が有する場合における当該他の株式会社(完全親会社を除く。)

第三項

前項第二号の場合において、同号の他の株式会社及びその完全子会社等又は同号の他の株式会社の完全子会社等が他の法人の株式又は持分の全部を有する場合における当該他の法人は、当該他の株式会社の完全子会社等とみなす。

第四項

第一項に規定する「特定責任」とは、当該株式会社の発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等及びその完全子会社等(前項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項及び第八百四十九条第三項において同じ。)における当該株式会社の株式の帳簿価額が当該最終完全親会社等の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超える場合における当該発起人等の責任をいう(第十項及び同条第七項において同じ。)。

第五項

最終完全親会社等が、発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等であった株式会社をその完全子会社等としたものである場合には、前項の規定の適用については、当該最終完全親会社等であった株式会社を同項の最終完全親会社等とみなす。

第六項

公開会社でない最終完全親会社等における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社」とあるのは、「株式会社」とする。

第七項

株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした最終完全親会社等の株主は、株式会社のために、特定責任追及の訴えを提起することができる。

第八項

株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした最終完全親会社等の株主又は当該請求に係る特定責任追及の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、特定責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。

第九項

第一項及び第七項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項に規定する株主は、株式会社のために、直ちに特定責任追及の訴えを提起することができる。ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。

第十項

株式会社に最終完全親会社等がある場合において、特定責任を免除するときにおける第五十五条、第百三条第三項、第百二十条第五項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び株式会社の第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等の総株主」とする。

第八百四十七条の四

(責任追及等の訴えに係る訴訟費用等)
第一項

第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項又は前条第七項若しくは第九項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。

第二項

株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主等に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。

第三項

被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。