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刑事訴訟法(けいじそしょうほう)

第一章 捜査(第二百七条から第二百十七条まで)

刑事訴訟法の一部を改正する法律(令和八年法律第六十七号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

変更の示し方

下線は加わる字句、縦線は字句が削られる箇所です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。

第二百七条

第一項

前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。但し、保釈については、この限りでない。

第二項

前項の裁判官は、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げる際に、被疑者に対し、弁護人を選任することができる旨及び貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨を告げなければならない。ただし、被疑者に弁護人があるときは、この限りでない。

第三項

前項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、勾留された被疑者は弁護士、弁護士法人又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。

第四項

第二項の規定により弁護人の選任を請求することができる旨を告げるに当たつては、弁護人の選任を請求するには資力申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは、あらかじめ、弁護士会(第三十七条の三第二項の規定により第三十一条の二第一項の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。

第五項

裁判官は、第一項の勾留の請求を受けたときは、速やかに勾留状を発しなければならない。ただし、勾留の理由がないと認めるとき、及び前条第二項の規定により勾留状を発することができないときは、勾留状を発しないで、直ちに被疑者の釈放を命じなければならない。

第二百七条の二

第一項

検察官は、第二百一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者の個人特定事項について、必要と認めるときは、前条第一項の勾留の請求と同時に、裁判官に対し、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げるに当たつては当該個人特定事項を明らかにしない方法によること及び勾留状を執行するための措置に用いるものとして当該個人特定事項の記載又は記録がない勾留状の抄本その他の勾留状に代わるものを提供することを請求することができる。

第二項

裁判官は、前項の規定による請求を受けたときは、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げるに当たつては、当該請求に係る個人特定事項を明らかにしない方法によるとともに、前条第五項本文の規定により勾留状を発するときは、これと同時に、勾留状を執行するための措置に用いるものとして、当該個人特定事項を明らかにしない方法により被疑事実の要旨を記載し、又は記録した勾留状の抄本その他の勾留状に代わるものを提供するものとする。ただし、当該請求に係る者が第二百一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者に該当しないことが明らかなときは、この限りでない。

第二百七条の三

第一項

裁判官は、前条第二項の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被疑者又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被疑者に通知する旨の裁判をしなければならない。

一

イ又はロに掲げる個人特定事項の区分に応じ、当該イ又はロに定める場合であるとき。

イ

被害者の個人特定事項 当該措置に係る事件に係る罪が第二百一条の二第一項第一号イ及びロに規定するものに該当せず、かつ、当該措置に係る事件が同号ハに掲げるものに該当しないとき。

ロ

被害者以外の者の個人特定事項 当該措置に係る者が第二百一条の二第一項第二号に掲げる者に該当しないとき。

二

当該措置により被疑者の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるとき。

第二項

裁判官は、前項の請求について裁判をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。

第三項

裁判官は、第一項の裁判(前条第二項の規定による措置に係る個人特定事項の一部を被疑者に通知する旨のものに限る。)をしたときは、速やかに、検察官に対し、第五項(第二号に係る部分に限る。)の規定による措置に用いるものとして、当該個人特定事項(当該裁判により通知することとされたものを除く。)を明らかにしない方法により被疑事実の要旨を記載し、又は記録した勾留状の抄本その他の勾留状に代わるものを提供するものとする。

第四項

第七十条第一項本文及び第二項の規定は、第一項の裁判の執行について準用する。

第五項

第一項の裁判を執行するには、前条第二項の規定による措置に係る個人特定事項の全部について当該裁判があつた場合にあつては勾留状について、当該個人特定事項の一部について当該裁判があつた場合にあつては第三項の勾留状に代わるものについて、被疑者に対し、それぞれ第一号又は第二号に掲げる措置をとらなければならない。

一

勾留状が書面である場合にあつては、これを示し、勾留状が電磁的記録である場合にあつては、裁判所の規則の定めるところにより、勾留状に記録された事項及び勾留状にとられた記名押印に代わる措置に係る裁判官の氏名を電子計算機の映像面、書面その他のものに表示して示すこと。

二

第三項の勾留状に代わるものが書面である場合にあつては、これを示し、同項の勾留状に代わるものが電磁的記録である場合にあつては、裁判所の規則の定めるところにより、同項の勾留状に代わるものに記録された事項を電子計算機の映像面、書面その他のものに表示して示すこと。

第二百八条

第一項

第二百七条の規定により被疑者を勾留した事件につき、勾留の請求をした日から十日以内に公訴を提起しないときは、検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

第二項

裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、前項の期間を延長することができる。この期間の延長は、通じて十日を超えることができない。

第二百八条の二

第一項

裁判官は、刑法第二編第二章乃至第四章又は第八章の罪にあたる事件については、検察官の請求により、前条第二項の規定により延長された期間を更に延長することができる。この期間の延長は、通じて五日を超えることができない。

第二百八条の三

第一項

期間を指定されて勾留の執行停止をされた被疑者が、正当な理由がなく、当該期間の終期として指定された日時に、出頭すべき場所として指定された場所に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。

第二百八条の四

第一項

裁判所の許可を受けないで指定された期間を超えて制限された住居を離れてはならない旨の条件を付されて勾留の執行停止をされた被疑者が、当該条件に係る住居を離れ、当該許可を受けないで、正当な理由がなく、当該期間を超えて当該住居に帰着しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。

第二項

前項の被疑者が、裁判所の許可を受けて同項の住居を離れ、正当な理由がなく、当該住居を離れることができる期間として指定された期間を超えて当該住居に帰着しないときも、同項と同様とする。

第二百八条の五

第一項

勾留の執行停止を取り消され、検察官から出頭を命ぜられた被疑者が、正当な理由がなく、指定された日時及び場所に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。

第二百九条

第一項

第七十四条、第七十五条及び第七十八条の規定は、逮捕状による逮捕についてこれを準用する。

第二百十条

第一項

検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期三年以上の拘禁刑に当たる罪を犯したことを疑うに足りる十分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

第二項

第二百条の規定は、前項の逮捕状についてこれを準用する。

第二百十一条

第一項

前条の規定により被疑者が逮捕された場合には、第百九十九条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。

第二百十二条

第一項

現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。

第二項

左の各号の一にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。

一

犯人として追呼されているとき。

二

贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。

三

身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。

四

誰何されて逃走しようとするとき。

第二百十三条

第一項

現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。

第二百十四条

第一項

検察官、検察事務官及び司法警察職員以外の者は、現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない。

第二百十五条

第一項

司法巡査は、現行犯人を受け取つたときは、速やかにこれを司法警察員に引致しなければならない。

第二項

司法巡査は、犯人を受け取つた場合には、逮捕者の氏名、住居及び逮捕の事由を聴き取らなければならない。必要があるときは、逮捕者に対しともに官公署に行くことを求めることができる。

第二百十六条

第一項

現行犯人が逮捕された場合には、第百九十九条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。

第二百十七条

第一項

三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪の現行犯については、犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合に限り、第二百十三条から前条までの規定を適用する。