寄託先美術館の設置者と特定美術品の寄託契約を締結し、認定保存活用計画に基づき当該特定美術品を当該寄託先美術館の設置者に寄託していた者から相続又は遺贈により当該特定美術品を取得した寄託相続人が、当該特定美術品の当該寄託先美術館の設置者への寄託を継続する場合には、当該寄託相続人が当該相続に係る相続税法第二十七条第一項の規定による期限内申告書(以下この条において「相続税の申告書」という。)の提出により納付すべき相続税の額のうち、当該特定美術品で当該相続税の申告書にこの項の規定の適用を受けようとする旨の記載があるものに係る納税猶予分の相続税額に相当する相続税については、当該相続税の申告書の提出期限までに当該納税猶予分の相続税額に相当する担保を提供した場合に限り、同法第三十三条の規定にかかわらず、当該寄託相続人の死亡の日まで、その納税を猶予する。
この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
特定美術品 認定保存活用計画に記載された次に掲げるものをいう。
文化財保護法第二十七条第一項の規定により重要文化財として指定された絵画、彫刻、工芸品その他の有形の文化的所産である動産
認定保存活用計画 次に掲げるものをいう。
文化財保護法第五十三条の二第三項第三号に掲げる事項が記載されている同法第五十三条の六に規定する認定重要文化財保存活用計画
文化財保護法第六十七条の二第三項第二号に掲げる事項が記載されている同法第六十七条の五に規定する認定登録有形文化財保存活用計画
寄託相続人 相続又は遺贈により特定美術品を取得した個人をいう。
寄託先美術館 博物館法(昭和二十六年法律第二百八十五号)第二条第一項に規定する博物館又は同法第三十一条第二項に規定する指定施設のうち、特定美術品の公開(公衆の観覧に供することをいう。)及び保管を行うものをいう。
納税猶予分の相続税額 イに掲げる金額からロに掲げる金額を控除した金額をいう。
寄託先美術館について、博物館法第十一条の登録が同法第十九条第一項の規定により取り消され、若しくは同法第二十条第二項の規定により抹消された場合又は同法第三十一条第一項の規定による指定が同条第二項の規定により取り消された場合 これらの事由が生じた日
第三項第七号の事由は、生じなかつたものとみなす。
第一項の規定の適用を受けようとする寄託相続人の納税猶予分の相続税額に係る担保の提供については、次に定めるところによる。
担保として提供しようとする特定美術品には、保険が付されなければならない。
納税猶予分の相続税額に相当する相続税並びに当該相続税に係る利子税及び延滞税の徴収を目的とする国の権利の時効については、第十三項第二号の規定により読み替えて適用される国税通則法第七十三条第四項の規定の適用がある場合を除き、前項の届出書の提出があつた時から当該届出書の届出期限までの間は完成せず、当該届出期限の翌日から新たにその進行を始めるものとする。
税務署長は、次に掲げる場合には、納税猶予分の相続税額に相当する相続税に係る第一項の規定による納税の猶予に係る期限を繰り上げることができる。この場合においては、国税通則法第四十九条第二項及び第三項の規定を準用する。
第一項の規定の適用を受ける寄託相続人が同項に規定する担保について国税通則法第五十一条第一項の規定による命令に応じない場合
第一項の規定の適用があつた場合における相続税に係る延滞税については、その相続税の額のうち納税猶予分の相続税額とその他のものとに区分し、更に当該納税猶予分の相続税額を第三号に規定する納税の猶予に係る期限が異なるものごとに区分して、それぞれの税額ごとに国税通則法の延滞税に関する規定を適用する。
第一項の規定による納税の猶予を受けた相続税については、国税通則法第六十四条第一項及び第七十三条第四項中「延納」とあるのは、「延納(租税特別措置法第七十条の六の七第一項(特定の美術品についての相続税の納税猶予及び免除)の規定による納税の猶予を含む。)」とする。
相続又は遺贈により取得をした財産のうちに特定美術品に該当するものがある者の当該財産に係る相続税の額で納税猶予分の相続税額以外のものについては、当該特定美術品の価額は、当該特定美術品の価額に百分の二十を乗じて計算した価額であるものとして、相続税法第三十八条第一項(同法第四十四条第二項において準用する場合を含む。)、第四十七条第五項、第五十二条第一項又は第五十三条第四項第二号ロの規定を適用する。
特定美術品について第一項の規定の適用があつた場合における相続税法第四十八条の二第六項において準用する同法第四十一条第二項の規定の適用については、同項中「財産を除く」とあるのは、「財産及び租税特別措置法第七十条の六の七第一項(特定の美術品についての相続税の納税猶予及び免除)の規定の適用に係る同条第二項第一号に規定する特定美術品を除く」とする。
第一項の規定の適用を受けた寄託相続人は、次の各号のいずれかに掲げる場合に該当する場合には、納税猶予分の相続税額を基礎とし、当該各号の相続税に係る相続税の申告書の提出期限の翌日から当該各号に定める納税の猶予に係る期限までの期間に応じ、年三・六パーセントの割合を乗じて計算した金額に相当する利子税を、当該納税猶予分の相続税額に係る相続税に併せて納付しなければならない。