遺失物法
遺失物などの占有を離れた物を拾った人がしなければならないこと、や施設占有者が遺失者に返還する手続、費用と、物件の所有権がだれのものになるかを定める法律です。
- 現在の条文の施行日
- 制定(公布)
- 本則の条数
- 44
- 施行前の改正
- 0
この法令の内容
- 拾得者は、速やかに、拾った物件を遺失者に返還するか、に提出しなければなりません。法令で所持が禁止されている物や、犯罪の犯人が占有していたと認められる物は、速やかに警察署長に提出しなければなりません。(第四条第一項)(根拠条文)
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- 施設の中で物件(埋蔵物を除きます)を拾った人(その施設の施設占有者を除きます)は、その施設の施設占有者に、速やかに物件を交付しなければなりません。施設とは、建築物などの施設(車両、船舶、航空機などの移動施設を含みます)で、管理に当たる人が常駐するものをいいます。交付を受けた施設占有者は、速やかに、物件を遺失者に返還するか、に提出しなければならず、それまでは善良な管理者の注意をもって取り扱わなければなりません。ただし、法令で所持が禁止されている物や、犯罪の犯人が占有していたと認められる物は、速やかに警察署長に提出しなければなりません。拾得者から請求があれば、施設占有者は、物件の種類と特徴、交付を受けた日時、施設の名称と所在地、施設占有者の氏名を書いた書面を交付しなければなりません。(第四条第二項, 第二条第五項, 第二条第六項, 第十三条第一項, 第十五条第一項, 第十四条第一項)(根拠条文)
- 拾った日から1週間以内に警察署長に提出しなかった拾得者と、施設で拾ってから24時間以内に施設占有者に交付しなかった拾得者は、費用とを請求する権利と、所有権を取得する権利を失います。拾った物件や交付を受けた物件を横領したことで処罰された人も、同じ権利を失います。交付を受けた日または自分で拾った日から1週間以内に警察署長に提出しなかった施設占有者も同じです。特例施設占有者の場合は2週間以内です(法令で所持が禁止されている物、犯罪の犯人が占有していたと認められる物、政令で定める高額な物件は1週間以内)。ただし、特例施設占有者が警察署長に届け出て提出しないことができる場合は除きます。(第三十四条第一項, 第三十四条第一項第一号, 第三十四条第一項第二号, 第三十四条第一項第三号, 第三十四条第一項第四号, 第三十四条第一項第五号)(根拠条文)
- 物件の返還を受ける遺失者は、物件の価格(売却された物件は売却代金の額)の100分の5以上100分の20以下の報労金を、拾得者に支払わなければなりません。物件の交付を受けた施設占有者がいるときは、拾得者と施設占有者に、それぞれその額の2分の1の報労金を支払います。報労金は、物件が遺失者に返還されてから1か月を過ぎると請求できません。(第二十八条第一項, 第二十八条第二項, 第二十九条第一項)(根拠条文)
- 物件の提出、交付、保管にかかった費用は、物件の返還を受ける遺失者か、所有権を取得して物件を引き取る人が負担します。この費用も、物件が遺失者に返還されてから1か月を過ぎると請求できません。この費用には、別の法律である民法の第295条から第302条までが適用されます。拾得者は、あらかじめ警察署長(施設で拾った場合は施設占有者)に申し出て物件についての一切の権利を放棄すれば、この費用を償還する義務を免れます。(第二十七条第一項, 第二十七条第二項, 第二十九条第一項, 第三十条第一項)(根拠条文)
- 遺失物や埋蔵物の拾得者が所有権を取得する場合は、別の法律である民法の第240条と第241条が定めています。準遺失物にも、民法第240条が準用されます。この法律では、すべての遺失者が物件についての権利を放棄したときも、拾得者が所有権を取得します(民法第241条ただし書の埋蔵物は、そのただし書の例によります)。どちらの場合も、所有権を取得した人が、取得の日から2か月以内に警察署長または特例施設占有者から物件を引き取らないと、所有権を失います。公告の後3か月以内(埋蔵物は6か月以内)に遺失者が判明しないか、すべての遺失者が権利を放棄した場合で、所有権を取得する人がいないとき(取得した人がすべて所有権を失ったときを含みます)は、物件は、警察署長が保管するものはその警察署のある都道府県(法令で所持が禁止されている物は国)のものに、特例施設占有者が保管するものはその特例施設占有者のものになります。(第三条第一項, 第二十七条第一項, 第三十二条第一項, 第三十六条第一項, 第三十七条第一項)(根拠条文)
拾得物の提出施設における拾得遺失物の公告特例施設占有者費用の負担費用請求権等の喪失物件の帰属
目次
改正
法令は、別の法令によってされます。この法令には、施行を待つ改正はありません。最近の改正は下にあります。改正のページには、e-Govが記録するすべての改正を載せ、変更内容まで収録している改正は条文ごとに日本語と英語で示します。
施行済みの改正 6件
2025年6月1日
このサイトの条文
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2022年6月17日
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律
2022年4月1日
デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律
2021年5月19日
デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律
2017年5月30日
個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律
2013年9月1日
改正法令名の記載なし
誰に適用されるか
適用される
- 拾得者。遺失物、埋蔵物、準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物、逸走した家畜)の拾得をした人です。拾得とは物件の占有を始めることですが、埋蔵物と他人の置き去った物については、発見することをいいます。(第二条第一項, 第二条第二項, 第二条第三項)(根拠条文)
- 遺失者。物件を占有していた人で、ほかに所有者など物件の回復を請求できる人がいるときは、その人も含みます。物件の返還を受けるときは、費用とを負担します。(第二条第四項, 第二十七条第一項, 第二十八条第一項)(根拠条文)
続き
- 施設占有者。建築物などの施設(車両、船舶、航空機などの移動施設を含みます)で、管理に当たる人が常駐するものの占有者です。不特定かつ多数の人が利用する施設の施設占有者は、交付を受けた物件や自分で拾った物件について、利用者の見やすい場所に掲示するか、書面を備え付けて関係者がいつでも閲覧できるようにしなければなりません。(第二条第五項, 第二条第六項, 第十三条第一項, 第十六条第一項, 第十六条第二項)(根拠条文)
- 特例施設占有者。不特定かつ多数の人が利用する施設の施設占有者のうち、交付を受けたり自分で拾ったりする物件が多数にのぼり、適切に保管できる者として政令で定める者です。保管している物件について帳簿を備えて記載し、保存しなければなりません。保管している物件は、遺失者であることを確認して受領書と引換えに返還します。拾得者が同意した場合に限り、遺失者の求めに応じて拾得者の氏名と住所を知らせることができ、同意した拾得者の求めに応じて遺失者の氏名と住所を知らせることができます。(第十七条第一項, 第二十三条第一項, 第二十二条第一項, 第二十二条第二項, 第二十二条第三項)(根拠条文)
- 特例施設占有者が保管していた物件を提出しなければならない人。特例施設占有者でなくなった特例施設占有者本人と、特例施設占有者が死亡した場合の同居の親族や法定代理人、法人が解散した場合の清算人や破産管財人、合併で消滅した場合の合併後の法人の代表者です(合併後の法人が引き続き特例施設占有者である場合を除きます)。遅滞なく、帳簿の写しを添えて、に提出しなければなりません。(第二十四条第一項, 第二十四条第二項)(根拠条文)
- 特例施設占有者は、保管している物件が滅失や毀損のおそれがあるときや、保管に過大な費用や手数がかかるときは、売却することができます。政令で定める日常生活で使われる物や保管に不相当な費用がかかる物は、公告の日から2週間以内に遺失者が判明しないとき、売却することができます。第35条の物件は、どちらでも売却できません。売却したときは、売却代金から費用を差し引いた残額が物件とみなされます。売却できる場合に当たるのに買受人がないとき、売却代金の見込額が売却の費用に満たないとき、売却できないときなどは、廃棄その他の処分をすることができます。売却をしようとするとき、また買受人がないための処分以外の処分をしようとするときは、あらかじめ警察署長に届け出なければなりません。(第二十条第一項, 第二十条第二項, 第二十条第三項, 第二十条第五項, 第二十一条第一項, 第二十一条第二項)(根拠条文)
特例と適用除外(7)
- 別の法律である動物の愛護及び管理に関する法律の第35条第3項の犬や猫について、同項による引取りを求めた拾得者には、遺失者への返還、への提出、施設占有者への交付の義務は適用されません。(第四条第三項)(根拠条文)
- 特例施設占有者は、物件を遺失者に返還できない場合、交付を受けた日または拾った日から2週間以内に物件のことを警察署長に届け出れば、提出しないことができます。このとき特例施設占有者は、善良な管理者の注意をもって物件を保管し、警察署長が公告をします。政令で定める高額な物件には、この扱いはありません。法令で所持が禁止されている物や、犯罪の犯人が占有していたと認められる物も同じで、警察署長に提出しなければなりません。(第十七条第一項, 第十八条第一項, 第十三条第一項, 第四条第一項)(根拠条文)
- 国、地方公共団体、独立行政法人、地方独立行政法人その他の公法人は、を請求できません。(第二十八条第三項)(根拠条文)
- 誤って占有した他人の物については、報労金は支払われません。また、誤って他人の物を占有した人がかけた費用は、遺失者などが負担する費用に含まれません。(第二十八条第一項, 第二十七条第一項)(根拠条文)
- 次の物件は、別の法律である民法の第240条や第241条、この法律の第32条第1項によっても所有権を取得できません。法令で所持が禁止されている物(許可などで所持できる物で政令で定めるものを除きます)、個人の身分や地位、一身に専属する権利を証する文書、図画や電磁的記録、個人の秘密が記録された文書、図画や電磁的記録、遺失者やその関係者の住所や連絡先が記録された文書、図画や電磁的記録、個人情報データベース等が記録された文書、図画や電磁的記録(広く一般に流通しているものを除きます)です。これらの文書、図画や電磁的記録は、都道府県のものにも特例施設占有者のものにもならず、すべての遺失者が権利を放棄したときや公告の後3か月以内に遺失者が判明しないときは、警察署長や特例施設占有者が速やかに廃棄しなければなりません。(第三十五条第一項, 第三十七条第一項, 第三十七条第二項, 第三十七条第三項)(根拠条文)
- 遺失者は、物件についての権利を放棄して、費用を償還する義務と報労金を支払う義務を免れることができます。その結果として所有権を取得する拾得者も、その権利を放棄して費用を償還する義務を免れることができます。(第三十一条第一項, 第三十二条第二項)(根拠条文)
- 施設占有者に物件を交付した拾得者が権利を放棄したときや、拾ってから24時間以内に交付しなかったために権利を失ったときは、交付を受けた施設占有者が拾得者とみなされます。施設占有者は、別の法律である民法の第240条や、すべての遺失者の権利放棄によって所有権を取得でき、権利を放棄して費用を償還する義務を免れることもできます。(第三十三条第一項)(根拠条文)
どのように守らせるか(7)
- は、物件の提出を受けたときは、提出を受けたことを証する書面を拾得者に交付します。物件を遺失者に返還するときは、その人が遺失者であることを確認し、受領書と引換えに返還します。警察署長は、拾得者が同意した場合に限り、遺失者の求めに応じて拾得者の氏名と住所を知らせることができ、同意した拾得者の求めに応じて遺失者の氏名と住所を知らせることができます。施設占有者から提出を受けたときは、書面は施設占有者に交付し、氏名などは、同意した拾得者や施設占有者のものに限って知らせることができます。(第五条第一項, 第六条第一項, 第十一条第一項, 第十一条第二項, 第十一条第三項, 第十三条第二項)(根拠条文)
- 警察署長は、提出を受けた物件の遺失者やその所在がわからないときは、物件の種類と特徴、拾得の日時と場所を公告します。公告は警察署の掲示場に掲示するか、それらを書いた書面を警察署に備え付けて、関係者がいつでも閲覧できるようにして行います。遺失者が判明した場合を除き、公告の日から3か月間(埋蔵物は6か月間)続けます。警視総監と道府県警察本部長は、公告した物件などの情報をインターネットなどで公表し、国家公安委員会規則で定める貴重な物件については、ほかの警察本部長に通報します。(第七条第一項, 第七条第二項, 第七条第三項, 第七条第四項, 第八条第一項, 第八条第二項)(根拠条文)
- 警察署長は、提出を受けた物件が滅失や毀損のおそれがあるときや、保管に過大な費用や手数がかかるときは、売却することができます。また、傘、衣類、自転車など日常生活で使われ広く販売されている物で政令で定めるものや、保管に不相当な費用や手数がかかる物として政令で定めるものは、公告の日から2週間以内に遺失者が判明しないとき、売却することができます。売却したときは、売却代金から費用を差し引いた残額が物件とみなされます。売却できる場合に当たるのに買受人がないとき、売却代金の見込額が売却の費用に満たないとき、売却できないときなどは、廃棄その他の処分をすることができます。所有権を取得できない第35条の物件は売却できず、2週間での売却は埋蔵物にはできません。(第九条第一項, 第九条第二項, 第九条第四項, 第十条第一項)(根拠条文)
- は、この法律の施行に必要な限度で、施設占有者に、交付を受けた物件や自分で拾った物件について報告や資料の提出を求めることができ、特例施設占有者には、保管物件の報告、資料の提出、提示を求めることができます。施設占有者や特例施設占有者、その従業者などが、物件の返還や提出、返還時の確認、帳簿、文書などの廃棄、売却や処分についての義務に違反し(売却や処分は、しようとした場合を含みます)、遺失者や拾得者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、公安委員会は、その利益を守るために必要な指示を施設占有者や特例施設占有者にすることができます。(第二十五条第一項, 第二十五条第二項, 第二十六条第一項, 第二十六条第二項)(根拠条文)
- 公安委員会の指示に違反した人は、6か月以下の拘禁刑または50万円以下のに処せられます。(第四十一条第一項)(根拠条文)
- 施設占有者が拾得者に書面を交付しないか虚偽の書面を交付したとき、公安委員会の求めに報告や資料の提出をしないか虚偽の報告や資料の提出をしたときは、30万円以下の罰金に処せられます。特例施設占有者が、届出をせずにまたは虚偽の届出をして売却や処分をしたとき、帳簿を備えず、記載せず、虚偽の記載をし、または保存しなかったとき、特例施設占有者でなくなったのに保管物件を提出しなかったとき、保管物件について報告や資料の提出をしないか虚偽の報告や資料の提出をしたとき、保管物件の提示を拒み、妨げ、または避けたとき、文書などを廃棄しなかったときも同じです。従業者などが業務に関してこれらの違反や指示違反をしたときは、その法人や人にも罰金が科されます。特例施設占有者が死亡、解散、合併による消滅をしたときに保管物件を提出しなければならない人が提出しなかったときは、20万円以下の過料に処せられます。(第四十二条第一項, 第四十三条第一項, 第四十四条第一項)(根拠条文)
- この法律の罰則(第41条から第44条)には、物件を提出しなかったこと自体を罰する規定はありません。提出しなかった拾得者は、この法律により、費用とを請求する権利と、所有権を取得する権利を失います(第34条)。一方、遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した人は、別の法律である刑法の第254条(遺失物等横領)により、1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金もしくは科料に処せられます。拾った物件や交付を受けた物件を横領したことで処罰された人も、この法律で同じ権利を失います。(第四十一条第一項, 第四十二条第一項, 第四十三条第一項, 第四十四条第一項, 第三十四条第一項, 第三十四条第一項第一号, 刑法 第二百五十四条第一項)(根拠条文)
他の法令とのつながり
相手からの参照法令この法令からの参照
- 民法011
- 個人情報の保護に関する法律01
ほかに、収録していない法令を5件、名指しで参照しています。