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民事執行法(みんじしっこうほう)

第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行(第百十条から第百二十四条まで)

民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(令和五年法律第五十三号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

第百十条

(弁済による強制管理の手続の取消し)
第一項

各債権者が配当等によりその債権及び執行費用の全部の弁済を受けたときは、執行裁判所は、強制管理の手続を取り消さなければならない。

第百十一条

(強制競売の規定の準用)
この条に改正1か所
第百十一条第一項(強制競売の規定の準用)改正

第四十六条第一項、第四十七条第二項、第六項本文及び第七項、第四十八条、第五十三条、第五十四条、第八十四条第三四項及び第四五項、第八十七条第二項及び第三項並びに第八十八条の規定は強制管理について、第八十四条第一項及び第二項から第三項まで、第八十五条から第八十六条まで及び第八十九条から第九十二条までの規定は第百九条の規定により執行裁判所が実施する配当等の手続について準用する。この場合において、第八十四条第三四項及び第四五項中「代金の納付後」とあるのは、「第百七条第一項の期間の経過後」と読み替えるものとする。

第二款 船舶に対する強制執行

第百十二条

(船舶執行の方法)
第一項

総トン数二十トン以上の船舶(端舟その他ろかい又は主としてろかいをもつて運転する舟を除く。以下この節及び次章において「船舶」という。)に対する強制執行(以下「船舶執行」という。)は、強制競売の方法により行う。

第百十三条

(執行裁判所)
第一項

船舶執行については、強制競売の開始決定の時の船舶の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。

第百十四条

(開始決定等)
第一項

執行裁判所は、強制競売の手続を開始するには、強制競売の開始決定をし、かつ、執行官に対し、船舶の国籍を証する文書その他の船舶の航行のために必要な文書(以下「船舶国籍証書等」という。)を取り上げて執行裁判所に提出すべきことを命じなければならない。ただし、その開始決定前にされた開始決定により船舶国籍証書等が取り上げられているときは、執行官に対する命令を要しない。

第二項

強制競売の開始決定においては、債権者のために船舶を差し押さえる旨を宣言し、かつ、債務者に対し船舶の出航を禁止しなければならない。

第三項

強制競売の開始決定の送達又は差押えの登記前に執行官が船舶国籍証書等を取り上げたときは、差押えの効力は、その取上げの時に生ずる。

第百十五条

(船舶執行の申立て前の船舶国籍証書等の引渡命令)
この条に改正1か所
第百十五条第一項(船舶執行の申立て前の船舶国籍証書等の引渡命令)

船舶執行の申立て前に船舶国籍証書等を取り上げなければ船舶執行が著しく困難となるおそれがあるときは、その船舶の船籍の所在地(船籍のない船舶にあつては、最高裁判所の指定する地)を管轄する地方裁判所は、申立てにより、債務者に対し、船舶国籍証書等を執行官に引き渡すべき旨を命ずることができる。急迫の事情があるときは、船舶の所在地を管轄する地方裁判所も、この命令を発することができる。

第百十五条第二項(船舶執行の申立て前の船舶国籍証書等の引渡命令)

前項の規定による裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。

第百十五条第三項(船舶執行の申立て前の船舶国籍証書等の引渡命令)

第一項の申立てをするには、執行力のある債務名義の正本を提示し、かつ、同項に規定する事由を疎明しなければならない。

第百十五条第四項(船舶執行の申立て前の船舶国籍証書等の引渡命令)改正

執行官は、船舶国籍証書等の引渡しを受けた日から五日以内に債権者が船舶執行の申立てをしたことを証する文書又は電磁的記録を提出しないときは、その船舶国籍証書等を債務者に返還しなければならない。

第百十五条第五項(船舶執行の申立て前の船舶国籍証書等の引渡命令)

第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

第百十五条第六項(船舶執行の申立て前の船舶国籍証書等の引渡命令)

前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

第百十五条第七項(船舶執行の申立て前の船舶国籍証書等の引渡命令)

第五十五条第八項から第十項までの規定は、第一項の規定による決定について準用する。

第百十六条

(保管人の選任等)
第一項

執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、必要があると認めるときは、強制競売の開始決定がされた船舶について保管人を選任することができる。

第二項

前項の保管人が船舶の保管のために要した費用(第四項において準用する第百一条第一項の報酬を含む。)は、手続費用とする。

第三項

第一項の申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。

第四項

第九十四条第二項、第九十六条及び第九十九条から第百三条までの規定は、第一項の保管人について準用する。

第百十七条

(保証の提供による強制競売の手続の取消し)
この条に改正2か所
第百十七条第一項(保証の提供による強制競売の手続の取消し)改正

差押債権者の債権について、第三十九条第一項第七号又は第八号に掲げる文書又は電磁的記録が提出されている場合において、債務者が差押債権者及び保証の提供の時(配当要求の終期後にあつては、その終期)までに配当要求をした債権者の債権及び執行費用の総額に相当する保証を買受けの申出前に提供したときは、執行裁判所は、申立てにより、配当等の手続を除き、強制競売の手続を取り消さなければならない。

第百十七条第二項(保証の提供による強制競売の手続の取消し)改正

前項に規定する文書又は電磁的記録の提出による執行停止がその効力を失つたときは、執行裁判所は、同項の規定により提供された保証について、同項の債権者のために配当等を実施しなければならない。この場合において、執行裁判所は、保証の提供として供託された有価証券を取り戻すことができる。

第百十七条第三項(保証の提供による強制競売の手続の取消し)

第一項の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

第百十七条第四項(保証の提供による強制競売の手続の取消し)

第十二条の規定は、第一項の規定による決定については適用しない。

第百十七条第五項(保証の提供による強制競売の手続の取消し)

第十五条の規定は第一項の保証の提供について、第七十八条第三項の規定は第一項の保証が金銭の供託以外の方法で提供されている場合の換価について準用する。

第百十八条

(航行許可)
第一項

執行裁判所は、営業上の必要その他相当の事由があると認める場合において、各債権者並びに最高価買受申出人又は買受人及び次順位買受申出人の同意があるときは、債務者の申立てにより、船舶の航行を許可することができる。

第二項

前項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

第三項

第一項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。

第百十九条

(事件の移送)
第一項

執行裁判所は、強制競売の開始決定がされた船舶が管轄区域外の地に所在することとなつた場合には、船舶の所在地を管轄する地方裁判所に事件を移送することができる。

第二項

前項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。

第百二十条

(船舶国籍証書等の取上げができない場合の強制競売の手続の取消し)
第一項

執行官が強制競売の開始決定の発せられた日から二週間以内に船舶国籍証書等を取り上げることができないときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消さなければならない。

第百二十一条

(不動産に対する強制競売の規定の準用)
この条に改正1か所
第百二十一条第一項(不動産に対する強制競売の規定の準用)改正

前款第二目(第四十五条第一項、第四十六条第二項、第四十八条、第五十四条、第五十五条第一項第二号、第五十六条、第六十四条の二、第六十五条の二、第六十八条の四、第七十一条第五号、第八十一条及び第八十二条を除く。)の規定は船舶執行について、第四十八条、第五十四条及び第八十二条の規定は船舶法(明治三十二年法律第四十六号)第一条に規定する日本船舶に対する強制執行について、それぞれ準用する。この場合において、第五十一条第一項中「第百八十一条第一項各第二号に掲げる文書」とあるのは「文書」と、「により一般の先取特権」とあるのは「により先取特権」と読み替えるものとする。

第三款 動産に対する強制執行

第百二十二条

(動産執行の開始等)
第一項

動産(登記することができない土地の定着物、土地から分離する前の天然果実で一月以内に収穫することが確実であるもの及び裏書の禁止されている有価証券以外の有価証券を含む。以下この節、次章及び第四章において同じ。)に対する強制執行(以下「動産執行」という。)は、執行官の目的物に対する差押えにより開始する。

第二項

動産執行においては、執行官は、差押債権者のためにその債権及び執行費用の弁済を受領することができる。

第百二十三条

(債務者の占有する動産の差押え)
第一項

債務者の占有する動産の差押えは、執行官がその動産を占有して行う。

第二項

執行官は、前項の差押えをするに際し、債務者の住居その他債務者の占有する場所に立ち入り、その場所において、又は債務者の占有する金庫その他の容器について目的物を捜索することができる。この場合において、必要があるときは、閉鎖した戸及び金庫その他の容器を開くため必要な処分をすることができる。

第三項

執行官は、相当であると認めるときは、債務者に差し押さえた動産(以下「差押物」という。)を保管させることができる。この場合においては、差押えは、差押物について封印その他の方法で差押えの表示をしたときに限り、その効力を有する。

第四項

執行官は、前項の規定により債務者に差押物を保管させる場合において、相当であると認めるときは、その使用を許可することができる。

第五項

執行官は、必要があると認めるときは、第三項の規定により債務者に保管させた差押物を自ら保管し、又は前項の規定による許可を取り消すことができる。

第六項

執行官は、第一項の差押えをしたときは、遅滞なく、動産執行の申立ての時に債務者を譲渡人又は留保買主等(譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律(令和七年法律第五十六号)第二条第二十号に規定する留保買主等をいう。)とする動産譲渡登記(動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(平成十年法律第百四号。以下この項及び次項において「特例法」という。)第三条第二項に規定する動産譲渡登記をいう。)又は所有権留保登記(特例法第十三条の二第一項に規定する所有権留保登記をいう。)において動産譲渡担保権者(譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律第二条第九号に規定する動産譲渡担保権者をいう。)又は留保売主等(同条第十九号に規定する留保売主等をいう。)として登記されている全ての者(特例法第十条の二第一項第一号に規定する転譲渡担保権者又は特例法第十三条の二第一項において読み替えて準用する特例法第十条の二第一項に規定する留保所有権を目的とする譲渡担保権の設定を受けた者が登記されている場合にあつては、当該転譲渡担保権者又は当該留保所有権を目的とする譲渡担保権の設定を受けた者を含む。)に対し、その旨を通知しなければならない。

第七項

前項の規定による通知は、通知を受ける者の動産譲渡登記ファイル(特例法第七条第一項に規定する動産譲渡登記ファイルをいう。)上の住所又は事務所に宛てて発すれば足りる。

第百二十四条

(債務者以外の者の占有する動産の差押え)
第一項

前条第一項及び第三項から第七項までの規定は、債権者又は提出を拒まない第三者の占有する動産の差押えについて準用する。

改正箇所 1 / 5