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国税徴収法(こくぜいちょうしゅうほう)

第二章 国税と他の債権との調整(第十六条から第二十二条まで)

所得税法等の一部を改正する法律(令和八年法律第十二号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

変更の示し方

下線は加わる字句、縦線は字句が削られる箇所です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。

第十六条

(法定納期限等以前に設定された抵当権の優先)
第一項

納税者が国税の法定納期限等以前にその財産上に抵当権を設定しているときは、その国税は、その換価代金につき、その抵当権により担保される債権に次いで徴収する。

第十七条

(譲受前に設定された質権又は抵当権の優先)
第一項

納税者が質権又は抵当権の設定されている財産を譲り受けたときは、国税は、その換価代金につき、その質権又は抵当権により担保される債権に次いで徴収する。

第二項

前項の規定は、登記をすることができる質権以外の質権については、その質権者が、強制換価手続において、その執行機関に対し、同項の譲受前にその質権が設定されている事実を証明した場合に限り適用する。この場合においては、第十五条第二項後段及び第三項(優先質権の証明)の規定を準用する。

第十八条

(質権及び抵当権の優先額の限度等)
第一項

前三条の規定に基き国税に先だつ質権又は抵当権により担保される債権の元本の金額は、その質権者又は抵当権者がその国税に係る差押又は交付要求の通知を受けた時における債権額を限度とする。ただし、その国税に優先する他の債権を有する者の権利を害することとなるときは、この限りでない。

第二項

質権又は抵当権により担保される債権額又は極度額を増加する登記がされた場合には、その登記がされた時において、その増加した債権額又は極度額につき新たに質権又は抵当権が設定されたものとみなして、前三条の規定を適用する。

第十八条の二

(法定納期限等以前に設定された企業価値担保権の優先等)
第一項

納税者が国税の法定納期限等以前にその財産上に企業価値担保権を設定しているときは、その国税は、その換価代金につき、その企業価値担保権により担保される債権に次いで徴収する。

第二項

前項の規定に基づき国税に先立つ企業価値担保権により担保される事業性融資の推進等に関する法律(令和六年法律第五十二号)第六条第四項(定義)に規定する特定被担保債権の元本の金額は、その企業価値担保権者がその国税に係る差押え又は交付要求の通知を受けた時における債権額を限度とする。ただし、その国税に優先する他の債権を有する者の権利を害することとなるときは、この限りでない。

第十九条

(不動産保存の先取特権等の優先)
第一項

次に掲げる先取特権が納税者の財産上にあるときは、国税は、その換価代金につき、その先取特権により担保される債権に次いで徴収する。

一

不動産保存の先取特権

二

不動産工事の先取特権

三

立木の先取特権に関する法律(明治四十三年法律第五十六号)第一項(立木の先取特権)の先取特権

四

商法(明治三十二年法律第四十八号)第八百二条(積荷等についての先取特権)若しくは第八百四十二条(船舶先取特権)、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)第九十五条第一項(船舶先取特権)又は船舶油濁等損害賠償保障法(昭和五十年法律第九十五号)第五十五条第一項(船舶先取特権)の先取特権

五

国税に優先する債権のため又は国税のために動産を保存した者の先取特権

第二項

前項第三号から第五号まで(同項第三号に掲げる先取特権で登記をしたものを除く。)の規定は、その先取特権者が、強制換価手続において、その執行機関に対しその先取特権がある事実を証明した場合に限り適用する。

第二十条

(法定納期限等以前にある不動産賃貸の先取特権等の優先)
第一項

次に掲げる先取特権が納税者の財産上に国税の法定納期限等以前からあるとき、又は納税者がその先取特権のある財産を譲り受けたときは、その国税は、その換価代金につき、その先取特権により担保される債権に次いで徴収する。

一

不動産賃貸の先取特権その他質権と同一の順位又はこれらに優先する順位の動産に関する特別の先取特権(前条第一項第三号から第五号までに掲げる先取特権を除く。)

二

不動産売買の先取特権

三

借地借家法(平成三年法律第九十号)第十二条(借地権設定者の先取特権)又は接収不動産に関する借地借家臨時処理法(昭和三十一年法律第百三十八号)第七条(賃貸人等の先取特権)に規定する先取特権

四

登記をした一般の先取特権

第二項

前条第二項の規定は、前項第一号に掲げる先取特権について準用する。

第二十一条

(留置権の優先)
第一項

留置権が納税者の財産上にある場合において、その財産を滞納処分により換価したときは、その国税は、その換価代金につき、その留置権により担保されていた債権に次いで徴収する。この場合において、その債権は、質権、抵当権、先取特権又は第二十三条第一項(法定納期限等以前にされた仮登記により担保される債権の優先)に規定する担保のための仮登記により担保される債権に先立つて配当するものとする。

第二項

前項の規定は、その留置権者が、滞納処分の手続において、その行政機関等に対し、その留置権がある事実を証明した場合に限り適用する。

第二十二条

(担保権付財産が譲渡された場合の国税の徴収)
第一項

納税者が他に国税に充てるべき十分な財産がない場合において、その者がその国税の法定納期限等後に登記した質権又は抵当権を設定した財産を譲渡したときは、納税者の財産につき滞納処分を執行してもなおその国税に不足すると認められるときに限り、その国税は、その質権者又は抵当権者から、これらの者がその譲渡に係る財産の強制換価手続において、その質権又は抵当権によつて担保される債権につき配当を受けるべき金額のうちから徴収することができる。

第二項

前項の規定により徴収することができる金額は、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した額をこえることができない。

一

前項の譲渡に係る財産の換価代金から同項に規定する債権が配当を受けるべき金額

二

前号の財産を納税者の財産とみなし、その財産の換価代金につき前項の国税の交付要求があつたものとした場合に同項の債権が配当を受けるべき金額

第三項

税務署長は、第一項の規定により国税を徴収するため、同項の質権者又は抵当権者に代位してその質権又は抵当権を実行することができる。

第四項

税務署長は、第一項の規定により国税を徴収しようとするときは、その旨を質権者又は抵当権者に通知しなければならない。

第五項

税務署長は、第一項の譲渡に係る財産につき強制換価手続が行われた場合には、同項の規定により徴収することができる金額の国税につき、執行機関に対し、交付要求をすることができる。