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国税徴収法(こくぜいちょうしゅうほう)

第五章 滞納処分(第八十二条から第八十九条の三まで)

所得税法等の一部を改正する法律(令和八年法律第十二号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

変更の示し方

下線は加わる字句、縦線は字句が削られる箇所です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。

第二節 交付要求

第八十二条

(交付要求の手続)
第一項

滞納者の財産につき強制換価手続が行われた場合には、税務署長は、執行機関(破産法(平成十六年法律第七十五号)第百十四条第一号(租税等の請求権の届出)に掲げる請求権に係る国税の交付要求を行う場合には、その交付要求に係る破産事件を取り扱う裁判所。第八十四条第二項(交付要求の解除)において同じ。)に対し、滞納に係る国税につき、交付要求書により交付要求をしなければならない。

第二項

税務署長は、交付要求をしたときは、その旨を滞納者に通知しなければならない。

第三項

第五十五条(質権者等に対する差押の通知)の規定は、交付要求をした場合について準用する。

第八十三条

(交付要求の制限)
第一項

税務署長は、滞納者が他に換価の容易な財産で第三者の権利の目的となつていないものを有しており、かつ、その財産によりその国税の全額を徴収することができると認められるときは、交付要求をしないものとする。

第八十四条

(交付要求の解除)
第一項

税務署長は、納付、充当、更正の取消その他の理由により交付要求に係る国税が消滅したときは、その交付要求を解除しなければならない。

第二項

交付要求の解除は、その旨をその交付要求に係る執行機関に通知することによつて行う。

第三項

第五十五条(質権者等に対する差押の通知)及び第八十二条第二項(交付要求の通知)の規定は、交付要求を解除した場合について準用する。

第八十五条

(交付要求の解除の請求)
第一項

強制換価手続により配当を受けることができる債権者は、交付要求があつたときは、税務署長に対し、次の各号のいずれにも該当することを理由として、その交付要求を解除すべきことを請求することができる。

一

その交付要求により自己の債権の全部又は一部の弁済を受けることができないこと。

二

滞納者が他に換価の容易な財産で第三者の権利の目的となつていないものを有しており、かつ、その財産によりその交付要求に係る国税の全額を徴収することができること。

第二項

税務署長は、前項の請求があつた場合において、その請求を相当と認めるときは、交付要求を解除しなければならないものとし、その請求を相当と認めないときは、その旨をその請求をした者に通知しなければならない。

第八十六条

(参加差押えの手続)
第一項

税務署長は、第四十七条(差押えの要件)の規定により差押えをすることができる場合において、滞納者の財産で次に掲げるものにつき既に滞納処分による差押えがされているときは、当該財産についての交付要求は、第八十二条第一項(交付要求の手続)の交付要求書に代えて参加差押書を滞納処分をした行政機関等に交付してすることができる。

一

動産及び有価証券

二

不動産、船舶、航空機、自動車、建設機械及び小型船舶

三

電話加入権

第二項

税務署長は、前項の交付要求(以下「参加差押え」という。)をしたときは、参加差押通知書により滞納者に通知しなければならない。この場合において、参加差押えをした財産が電話加入権であるときは、あわせて第三債務者にその旨を通知しなければならない。

第三項

税務署長は、第一項第二号に掲げる財産につき参加差押えをしたときは、参加差押えの登記を関係機関に嘱託しなければならない。

第四項

第五十五条(質権者等に対する差押えの通知)の規定は、参加差押えをした場合について準用する。

第八十七条

(参加差押えの効力)
第一項

参加差押えをした場合において、その参加差押えに係る財産につきされていた滞納処分による差押えが解除されたときは、その参加差押え(前条第一項第二号に掲げる財産について二以上の参加差押えがあるときは、そのうち最も先に登記されたものとし、その他の財産について二以上の参加差押えがあるときは、そのうち最も先にされたものとする。)は、次の各号に掲げる財産の区分に応じ、当該各号に定める時に遡つて差押えの効力を生ずる。

一

動産及び有価証券 参加差押書が滞納処分による差押えをした行政機関等に交付された時

二

不動産(次号に掲げる財産を除く。)、船舶、航空機、自動車、建設機械及び小型船舶 参加差押通知書が滞納者に送達された時(参加差押えの登記がその送達前にされた場合には、その登記がされた時)

三

鉱業権 参加差押えの登録がされた時

四

電話加入権 参加差押通知書が第三債務者に送達された時

第二項

税務署長は、差し押さえた動産又は有価証券につき参加差押書の交付を受けた場合において、その動産又は有価証券の差押えを解除すべきときは、その動産又は有価証券を前項の規定により差押えの効力を生ずべき参加差押えをした行政機関等に引き渡さなければならない。差し押さえた自動車、建設機械又は小型船舶で第七十一条第三項(自動車、建設機械又は小型船舶の差押え)の規定により徴収職員が占有しているものについても、同様とする。

第三項

参加差押えをした税務署長は、その参加差押えに係る滞納処分による差押財産が相当期間内に換価に付されないときは、速やかにその換価をすべきことをその滞納処分をした行政機関等に催告することができる。

第八十八条

(参加差押えの制限、解除等)
第一項

第八十三条から第八十五条まで(交付要求の制限、解除等)の規定は、参加差押えについて準用する。

第二項

税務署長は、参加差押えの登記をした財産の参加差押えを解除したときは、その登記の抹消を関係機関に嘱託しなければならない。

第三項

税務署長は、電話加入権の参加差押えを解除したときは、その旨を第三債務者に通知しなければならない。

第四項

前二条及び前三項に定めるもののほか、参加差押えに関する手続について必要な事項は、政令で定める。

第三節 財産の換価

第一款 通則

第八十九条

(換価する財産の範囲等)
第一項

差押財産(金銭、債権及び第五十七条(有価証券に係る債権の取立て)の規定により債権の取立てをする有価証券を除く。)又は次条第四項に規定する特定参加差押不動産(以下この節において「差押財産等」という。)は、この節の定めるところにより換価しなければならない。

第二項

差し押さえた債権のうち、その全部又は一部の弁済期限が取立てをしようとする時から六月以内に到来しないもの及び取立てをすることが著しく困難であると認められるものは、この節の定めるところにより換価することができる。

第三項

税務署長は、相互の利用上差押財産等を他の差押財産等(滞納者を異にするものを含む。)と一括して同一の買受人に買い受けさせることが相当であると認めるときは、これらの差押財産等を一括して公売に付し、又は随意契約により売却することができる。

第八十九条の二

(参加差押えをした税務署長による換価)
第一項

参加差押えをした税務署長は、その参加差押えに係る不動産(以下「参加差押不動産」という。)が第八十七条第三項(参加差押えの効力)の規定による催告をしてもなお換価に付されないときは、同項の滞納処分をした行政機関等の同意を得て、参加差押不動産につき換価の執行をする旨の決定(以下「換価執行決定」という。)をすることができる。ただし、参加差押不動産につき強制執行若しくは担保権の実行としての競売が開始されているとき、又は国税に関する法律の規定で換価をすることができないこととするものの適用があるときは、この限りでない。

第二項

前項の滞納処分をした行政機関等は、同項の参加差押えをした税務署長による換価の執行に係る同意の求めがあつた場合において、その換価の執行を相当と認めるときは、これに同意するものとする。ただし、同項の滞納処分による差押えに係る不動産につき既に他の参加差押えをした行政機関等による換価の執行に係る同意をしているときは、この限りでない。

第三項

換価執行決定は、第一項の参加差押えをした税務署長による換価の執行に係る同意をした行政機関等(以下「換価同意行政機関等」という。)に告知することによつてその効力を生ずる。

第四項

換価執行決定をした税務署長(次条において「換価執行税務署長」という。)は、速やかに、その旨を滞納者及び参加差押不動産(換価執行決定をしたものに限る。以下「特定参加差押不動産」という。)につき交付要求をした者に通知しなければならない。

第八十九条の三

(換価執行決定の取消し)
第一項

換価執行税務署長は、次の各号のいずれかに該当するときは、換価執行決定を取り消さなければならない。

一

換価執行決定に係る参加差押え(以下「特定参加差押え」という。)を解除したとき。

二

換価同意行政機関等の滞納処分による差押え(政令で定めるものを除く。次条において「特定差押え」という。)が解除されたとき。

三

特定参加差押不動産の価額が特定参加差押えに係る滞納処分費及び特定参加差押えに係る国税に先立つ他の国税、地方税その他の債権の合計額を超える見込みがなくなつたとき。

四

前三号に準ずるものとして政令で定めるとき。

第二項

換価執行税務署長は、次の各号のいずれかに該当するときは、換価執行決定を取り消すことができる。

一

特定参加差押えに係る国税の一部の納付、充当、更正の一部の取消し、特定参加差押不動産の価額の増加その他の理由により、その価額が特定参加差押えに係る国税及びこれに先立つ他の国税、地方税その他の債権の合計額を著しく超過すると認められるに至つたとき。

二

滞納者が他に差し押さえることができる適当な財産を提供した場合において、その財産を差し押さえたとき。

三

特定参加差押不動産について、三回公売に付しても入札等がなかつた場合において、その特定参加差押不動産の形状、用途、法令による利用の規制その他の事情を考慮して、更に公売に付しても買受人がないと認められ、かつ、随意契約による売却の見込みがないと認められるとき。

四

前三号に準ずるものとして政令で定めるとき。

第三項

前二項の規定により換価執行決定を取り消した税務署長は、速やかに、その旨を滞納者、換価同意行政機関等及び特定参加差押不動産につき交付要求をした者(第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定による換価執行決定の取消しにあつては、滞納者及び特定参加差押不動産につき交付要求をした者)に通知しなければならない。

第四項

特定参加差押不動産については、換価同意行政機関等が行う公売その他滞納処分による売却のための手続は、第一項又は第二項の規定により換価執行決定が取り消された後でなければ、することができない。