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金融商品取引法(きんゆうしょうひんとりひきほう)

第四節の三 顧客財産管理人による管理

金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和八年法律第六十四号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

第四節の三 顧客財産管理人による管理

第五十七条の二十八

(業務及び財産の管理を命ずる処分)
第一項

内閣総理大臣は、第五十条の二第八項(第五十六条第一項及び第五十七条の九において準用する場合を含む。第五十七条の三十第一項において同じ。)の規定の適用がある場合において、金融商品取引業者の業務の運営が著しく不適切であることによつて当該規定による顧客取引の結了及び顧客財産の返還又は移転に支障があると認めるときは、当該金融商品取引業者に対し、顧客財産管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分(以下この節及び第二百七条の五第二項第一号において「管理を命ずる処分」という。)をすることができる。

第二項

内閣総理大臣は、管理を命ずる処分をしたときは、官報により、これを公告しなければならない。

第五十七条の二十九

(管理を命ずる処分の取消し)
第一項

内閣総理大臣は、管理を命ずる処分について、その必要がなくなつたと認めるときは、当該管理を命ずる処分を取り消さなければならない。

第二項

前条第二項の規定は、前項の場合について準用する。

第五十七条の三十

(顧客財産管理人の選任等)
第一項

管理を命ずる処分があつたときは、当該管理を命ずる処分を受けた金融商品取引業者(以下「被管理金融商品取引業者」という。)を代表し、業務の執行並びに財産の管理及び処分を行う権利(第五十条の二第八項の規定による顧客取引の結了及び顧客財産の返還又は移転に必要な範囲に限る。)は、顧客財産管理人に専属する。

第二項

内閣総理大臣は、管理を命ずる処分と同時に、一人又は数人の顧客財産管理人を選任しなければならない。

第三項

内閣総理大臣は、顧客財産管理人に対し、その職務に係る被管理金融商品取引業者の業務及び財産の管理に関し必要な措置を命ずることができる。

第四項

内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、第二項の規定により顧客財産管理人を選任した後においても、更に顧客財産管理人を選任し、又は顧客財産管理人が被管理金融商品取引業者の業務及び財産の管理を適切に行つていないと認めるときは、顧客財産管理人を解任することができる。

第五項

内閣総理大臣は、第二項若しくは前項の規定により顧客財産管理人を選任したとき又は同項の規定により顧客財産管理人を解任したときは、被管理金融商品取引業者にその旨を通知するとともに、官報により、これを公告しなければならない。

第六項

会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第六十九条、第七十条、第八十条並びに第八十一条第一項及び第五項の規定は顧客財産管理人について、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第七十八条の規定は被管理金融商品取引業者について、それぞれ準用する。この場合において、会社更生法第六十九条第一項ただし書中「裁判所の許可」とあるのは「内閣総理大臣の承認」と、同法第七十条中「管財人代理」とあるのは「顧客財産管理人代理」と、同条第二項中「裁判所の許可」とあるのは「内閣総理大臣の承認」と、同法第八十一条第一項中「裁判所」とあるのは「内閣総理大臣」と、同条第五項中「管財人代理」とあるのは「顧客財産管理人代理」と、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第七十八条中「代表理事その他の代表者」とあるのは「顧客財産管理人」と読み替えるものとする。

第五十七条の三十一

第一項

法人は、顧客財産管理人又は顧客財産管理人代理となることができる。

第二項

金融商品取引業者及び協会(認可金融商品取引業協会又は第七十八条第二項に規定する認定金融商品取引業協会をいう。次項及び第二百七条の五第一項において同じ。)は、この法律又は他の法令の規定にかかわらず、顧客財産管理人又は顧客財産管理人代理となり、その業務を行うことができる。

第三項

金融商品取引業者及び協会は、内閣総理大臣から顧客財産管理人となることを求められた場合には、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。

第五十七条の三十二

(通知及び登記)
第一項

内閣総理大臣は、管理を命ずる処分をしたときは、直ちに、被管理金融商品取引業者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所にその旨を通知し、かつ、嘱託書に当該命令書の謄本を添付して、被管理金融商品取引業者の本店又は主たる事務所の所在地の登記所に、その登記を嘱託しなければならない。

第二項

前項の登記には、顧客財産管理人の氏名又は名称及び住所をも登記しなければならない。

第三項

第一項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合及び管理を命ずる処分を取り消した場合について準用する。

第五十七条の三十三

(報告又は資料の提出)
第一項

内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、顧客財産管理人に対し、その職務に係る被管理金融商品取引業者の業務及び財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。

第五十七条の三十四

(顧客財産管理人の調査等)
第一項

顧客財産管理人は、その職務を行うため必要があるときは、被管理金融商品取引業者の役員(役員が法人であるときは、その職務を行うべき者を含む。)及び会計監査人(会計監査人が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)並びに使用人並びにこれらの者であつた者に対し、被管理金融商品取引業者の業務及び財産の状況(これらの者であつた者については、その者が当該被管理金融商品取引業者の業務に従事していた期間内に知ることのできた事項に係るものに限る。)につき報告を求め、又は被管理金融商品取引業者の帳簿、書類その他の物件を検査することができる。

第二項

顧客財産管理人は、その職務を行うため必要があるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。

第五十七条の三十五

(顧客財産管理人等の秘密保持義務)
第一項

顧客財産管理人及び顧客財産管理人代理(以下この条において「顧客財産管理人等」という。)は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。顧客財産管理人等がその職を退いた後も、同様とする。

第二項

顧客財産管理人等が法人であるときは、顧客財産管理人等の職務に従事するその役員及び職員は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その役員又は職員が顧客財産管理人等の職務に従事しなくなつた後においても、同様とする。

第五十七条の三十六

(被管理金融商品取引業者の役員等の責任を明確にするための措置)
第一項

顧客財産管理人は、その職務を行うため必要があるときは、被管理金融商品取引業者の役員若しくは会計監査人又はこれらの者であつた者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起その他の必要な措置をとらなければならない。

第二項

顧客財産管理人は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発に向けて所要の措置をとらなければならない。

第五十七条の三十七

(顧客財産管理人と被管理金融商品取引業者との取引)
第一項

顧客財産管理人は、自己又は第三者のために被管理金融商品取引業者と取引をするときは、内閣総理大臣の承認を得なければならない。この場合においては、民法第百八条の規定は、適用しない。

第二項

前項の承認を得ないでした行為は、無効とする。ただし、善意の第三者に対抗することができない。

第五十七条の三十八

(株主総会等の決議に代わる許可)
第一項

顧客財産管理人は、株式会社である被管理金融商品取引業者の取締役(監査等委員会設置会社にあつては、監査等委員である取締役以外の取締役。以下この項から第三項までにおいて同じ。)又は執行役が顧客財産管理人の職務の遂行を妨げ、又は妨げようとする行為をしたときその他その職務を行うため必要があるときは、会社法第三百三十九条第一項(同法第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び第四百三条第一項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、株式会社である被管理金融商品取引業者の取締役又は執行役を解任することができる。

第二項

前項の規定により被管理金融商品取引業者の取締役又は執行役を解任しようとする場合において、解任により法律又は定款に定めた取締役又は執行役の員数を欠くこととなるときは、顧客財産管理人は、会社法第三百二十九条第一項及び第四百二条第二項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、被管理金融商品取引業者の取締役又は執行役を選任することができる。

第三項

前項の規定により選任された被管理金融商品取引業者の取締役又は執行役は、当該被管理金融商品取引業者に係る顧客財産管理人による管理の終了の後最初に招集される定時株主総会の終結の時又は当該定時株主総会が終結した後最初に開催される取締役会の終結の時に、それぞれ退任する。

第四項

第一項又は第二項に規定する許可(以下この条及び次条において「代替許可」という。)があつたときは、当該代替許可に係る事項について株主総会若しくは種類株主総会又は取締役会の決議があつたものとみなす。

第五項

代替許可に係る事件は、当該被管理金融商品取引業者の本店の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。

第六項

裁判所は、代替許可の決定をしたときは、その電子裁判書(非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第五十七条第一項に規定する電子裁判書(同条第三項の規定によりファイルに記録されたものに限る。)をいう。次条において同じ。)を被管理金融商品取引業者に送達するとともに、その決定の要旨を公告しなければならない。

第七項

前項の規定によつてする公告は、官報に掲載してする。

第八項

代替許可の決定は、第六項の規定による被管理金融商品取引業者に対する送達がされた時から、効力を生ずる。

第九項

代替許可の決定に対しては、株主は、第六項の公告のあつた日から二週間の不変期間内に、即時抗告をすることができる。

第十項

非訟事件手続法第五条、第六条、第七条第二項、第四十条、第四十一条、第五十六条第二項並びに第六十六条第一項及び第二項の規定は、代替許可に係る事件については、適用しない。

第五十七条の三十九

(代替許可に係る登記の特例)
第一項

代替許可があつた場合においては、当該代替許可に係る事項に係る登記の申請書には、当該代替許可の決定書の謄本若しくは抄本又は電子裁判書に記録されている事項を記載した書面であつて裁判所書記官が当該書面の内容が当該電子裁判書に記録されている事項と同一であることを証明したものを添付しなければならない。

第五十七条の四十

(課税の特例)
第一項

第五十七条の三十二の規定による登記については、登録免許税を課さない。