第四章 押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等
第一節 通則
この章において「対象電磁的記録」とは、次に掲げるものをいう。
第二条第一項第一号から第三号までに掲げる行為により生成された電磁的記録に係る対象性的姿態等
第五条第一項第一号から第三号までに掲げる行為により影像送信をされた影像を記録する行為により生成された電磁的記録に係る対象性的姿態等
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第三条の二に規定する電磁的記録
この章において「撮影対象者等」とは、次の各号に掲げるものの区分に応じ、当該各号に定める者又はその法定代理人をいう。
この章において「対象姿態等」とは、次に掲げるものをいう。
第二条第一項第一号から第三号までに掲げる行為の対象とされた対象性的姿態等、第五条第一項第一号から第三号までに掲げる行為により影像送信をされた影像の内容である対象性的姿態等、第二条第一項第四号に掲げる行為の対象とされた性的姿態等又は第五条第一項第四号に掲げる行為により影像送信をされた影像の内容である性的姿態等
私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律第二条第一項に規定する画像に撮影された同項各号に掲げる人の姿態
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第二条第三項各号に掲げる児童の姿態
第二節 消去等の措置
当該複写の対象とされた対象電磁的記録
検察官は、保管電磁的記録(刑事訴訟法第二百十八条第一項又は第五百九条第一項の規定による電磁的記録提供命令(同法第百二条の二第一項第一号ロに掲げる方法(電磁的記録を記録媒体に移転させるものに限る。)による提供を命ずるものに限る。以下この条及び第十七条第一項第四号において単に「電磁的記録提供命令」という。)により検察官、検察事務官又は司法警察職員の管理に係る記録媒体に移転された電磁的記録であって検察官が保管しているものをいう。以下この条及び第十二条の二において同じ。)が第一号に掲げる電磁的記録に該当するときは、次節に定める手続に従い、第二号に掲げる措置をとることができる。
次に掲げる電磁的記録
次に掲げる電磁的記録について、刑事訴訟法第二百二十二条第一項又は第五百十三条第六項において準用する同法第百二十三条の二第一項の規定にかかわらず、同項の規定による複写を許さないこととする決定をすること。
当該保管電磁的記録
第三節 消去等の手続
刑事訴訟法第九十九条第一項の規定により差し押さえた物であって、その差押えの時まで検察官により保管されていたもの
刑事訴訟法第九十九条第三項の規定により提出を受けた物であって、その提出を受ける時まで検察官により保管されていたもの
刑事訴訟法第百一条の規定により領置した物であって、検察官が同法第三百十条の規定により裁判所に提出したもの
少年法第十五条第二項において準用する刑事訴訟法第九十九条第一項の規定により差し押さえた物であって、その差押えの時まで検察官により保管されていたもの
少年法第十五条第二項において準用する刑事訴訟法第九十九条第三項の規定により提出を受けた物であって、その提出を受ける時まで検察官により保管されていたもの
少年法第十五条第二項において準用する刑事訴訟法第百一条の規定により領置した物であって、少年の保護事件の処理に関する法令の規定により検察官が家庭裁判所に送付したもの
検察官は、消去等決定、消去命令又は複写不許可決定をするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
前項の規定による聴聞を行う場合における行政手続法第十五条第四項及び第二十二条第三項の規定の適用については、同法第十五条第四項中「(以下この項において「公示事項」という。)を総務省令で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置くとともに、公示事項が記載された書面を当該行政庁の事務所の掲示場に掲示し、又は公示事項を当該事務所に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置く措置をとる」とあるのは「を当該行政庁の事務所の掲示場に掲示する」と、同項及び同法第二十二条第三項中「当該措置を開始した」とあるのは「掲示を始めた」とする。
第二項の規定による聴聞を行う場合において、行政手続法第十八条第一項に規定する当事者等は、同項に規定する資料中対象姿態等が記録された部分については謄写を求めることができない。
技術的理由その他の事由により、複写をすることが困難であると認められるとき。
技術的理由その他の事由により、複写をすることが困難であると認められるとき。
検察官は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者に前項の書面の謄本を送達しなければならない。
電磁的記録を消去する措置をとる旨の消去等決定をした場合 第十七条第一項第一号に定める者
対象領置物件を廃棄する措置をとる旨の消去等決定をした場合 第十七条第一項第二号に定める者
消去命令をした場合 第十七条第一項第三号に定める者
複写不許可決定又は第十二条の二の規定による決定をした場合 第十七条第一項第四号に定める者
検察官は、第十七条第一項第一号又は第二号に定める者を知ることができないため、消去等決定をすることができないときは、その旨及び六月が経過してもこれらの者が判明しないときは消去等措置を実施することを政令で定める方法によって公告しなければならない。
第四節 消去等の実施等
消去等措置は、検察官が実施しなければならない。
消去等措置は、次の各号のいずれかに掲げる場合でなければ、実施することができない。
当該消去等措置に係る消去等決定の取消しの訴え及び当該消去等決定に係る第二十九条第一項第一号から第三号までに定める裁決の取消しの訴えの提起がなくてこれらの取消しの訴えを提起することができる期間を経過したとき。
前号に規定する取消しの訴えに係る請求を棄却する判決が確定したとき。
第十七条第一項第一号又は第二号に定める者が判明することなく第二十一条の規定による公告をした日から六月が経過したとき。
検察官は、次の各号のいずれかに該当するときは、対象領置物件を還付しなければならない。
消去等決定の取消しの訴え又は消去等決定に係る第二十九条第一項第二号に定める裁決の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。
検察官は、対象領置物件の還付を受けるべき者の住所若しくは居所が分からないため、又はその他の事由により、これを還付することができない場合には、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。
前項の規定は、民事訴訟の手続に従い、利害関係人がその権利を主張することを妨げない。
第五節 不服申立て等
次の各号に掲げる処分その他の行為(以下「処分等」という。)に不服がある者は、当該各号に定める日から起算して三十日以内に、当該処分等をした検察官が所属する検察庁の長(当該検察官が区検察庁の検察官である場合については、その庁の対応する裁判所の所在地を管轄する地方裁判所に対応する地方検察庁の検事正。以下同じ。)に対し、審査の申立てをすることができる。
前二号に掲げるもののほか、この章の規定に基づく手続に係る検察官の行為であって法務省令で定めるもの 法務省令で定める日
検察官が誤って法定の期間よりも長い期間を審査の申立てをすることができる期間として教示した場合において、その教示された期間内に審査の申立てがされたときは、その審査の申立ては、法定の期間内にされたものとみなす。
審査の申立ての審理は、書面による。
検察庁の長は、第二十六条の規定による審査の申立てについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める裁決をしなければならない。
当該審査の申立てが第二十六条第一項に規定する審査の申立てをすることができる期間が経過した後にされたものである場合その他不適法である場合 当該審査の申立てを却下する裁決
当該審査の申立てに理由がない場合 当該審査の申立てを棄却する裁決
当該審査の申立てに係る処分等が事実上の行為以外のものである場合において、当該審査の申立てに理由があるとき 当該審査の申立てに係る処分等の全部又は一部を取り消し、又は変更する裁決
当該審査の申立てに係る処分等が検察官のした事実上の行為である場合において、当該審査の申立てに理由があるとき 当該事実上の行為の全部又は一部が違法である旨を宣言するとともに、当該事実上の行為をした検察官に対し、当該事実上の行為の全部又は一部を撤廃し、又は変更すべき旨を命ずる裁決(当該事実上の行為が検察庁の長のしたものである場合にあっては、当該事実上の行為の全部又は一部が違法である旨を宣言するとともに、当該事実上の行為の全部又は一部を撤廃し、又は変更する裁決)
行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十条から第十五条まで、第十八条第三項、第二十一条、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第四項から第七項まで、第二十六条から第二十八条まで、第三十条第二項及び第三項、第三十二条から第三十六条まで、第三十八条第一項から第五項まで、第三十九条、第五十一条第四項、第五十二条第一項並びに第五十三条の規定は、第二十六条の規定による審査の申立てについて準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
| 読み替える行政不服審査法の規定 | 読み替えられる字句 | 読み替える字句 |
| 第十一条第二項 | 第九条第一項の規定により指名された者(以下「審理員」という。) | 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律第二十六条第一項の規定による審査の申立てがされた検察庁の長(以下「審査庁」という。) |
| 第十三条第一項及び第二項、第二十八条、第三十条第二項及び第三項、第三十二条第三項、第三十三条から第三十六条まで、第三十八条第一項から第三項まで及び第五項並びに第三十九条 | 審理員 | 審査庁 |
| 第十四条 | 第十九条に規定する審査請求書又は第二十一条第二項に規定する審査請求録取書 | 審査申立書 |
| 第十八条第三項 | 次条に規定する審査請求書 | 審査申立書 |
| 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) | 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律第二十六条第一項に規定する期間 | |
| 第二十一条第一項 | 審査請求書を提出し、又は処分庁等に対し第十九条第二項から第五項までに規定する事項を陳述する | 審査申立書を提出する |
| 第二十一条第二項 | 審査請求書又は審査請求録取書(前条後段の規定により陳述の内容を録取した書面をいう。第二十九条第一項及び第五十五条において同じ。) | 審査申立書 |
| 第二十一条第三項 | 審査請求書を提出し、又は処分庁に対し当該事項を陳述した | 審査申立書を提出した |
| 第二十二条第一項 | 審査請求書を処分庁又は審査庁 | 審査申立書を審査庁 |
| 第二十二条第五項 | 審査請求書又は再調査の請求書若しくは再調査の請求録取書 | 審査申立書 |
| 第二十三条(見出しを含む。) | 審査請求書 | 審査申立書 |
| 第二十三条 | 第十九条 | 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律第二十七条 |
| 第二十五条第二項 | 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁 | 審査庁 |
| 第二十五条第七項 | あったとき、又は審理員から第四十条に規定する執行停止をすべき旨の意見書が提出された | あった |
| 第三十条第二項 | 第四十条及び第四十二条第一項を除き、以下 | 以下 |
| 第三十条第三項 | 審査請求人から反論書の提出があったときはこれを参加人及び処分庁等に、参加人 | 参加人 |
| これを審査請求人及び処分庁等に、それぞれ | 、これを審査申立人に | |
| 第三十八条第一項 | 参加人は、第四十一条第一項又は第二項の規定により審理手続が終結するまでの間 | 参加人は |
| 第二十九条第四項各号に掲げる書面又は第三十二条第一項若しくは第二項若しくは | 第三十二条第一項若しくは第二項又は | |
| 当該書面若しくは当該書類 | 当該書類 | |
| 第五十一条第四項 | 参加人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。) | 参加人 |
前項において読み替えて準用する行政不服審査法(以下この項において「準用行政不服審査法」という。)第三十八条第一項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定めるものについて交付を求めることができない。
第六節 消去等に係る裁判手続の特例
第二十六条第一項各号に掲げる処分等の取消しの訴え又は当該処分等に係る第二十九条第一項各号に定める裁決の取消しの訴えの提起があった場合において、当該処分等の対象である対象領置物件又は対象電磁的記録に係る撮影対象者等の住所、居所その他当該撮影対象者等の通常所在する場所(以下この項において「住所等」という。)の全部又は一部が明らかにされることによって当該撮影対象者等が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあることにつき疎明があったときは、裁判所は、被告の申立てにより、決定で、住所等の全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。撮影対象者等の氏名その他当該撮影対象者等を特定するに足りる事項についても、同様とする。
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百三十三条第二項の規定は前項の申立てをする場合について、同条第三項及び第四項の規定は前項の申立てがあった場合について、同条第五項の規定は前項の決定をする場合について、同法第百三十三条の二及び第百三十三条の四の規定は同項の決定があった場合について、それぞれ準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
| 読み替える民事訴訟法の規定 | 読み替えられる字句 | 読み替える字句 |
| 第百三十三条第二項 | 前項 | 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律第三十五条第一項 |
| 申立て等をする者又はその法定代理人(以下この章において「秘匿対象者」という。)の住所等又は氏名等 | 撮影対象者等(同法第九条第二項に規定する撮影対象者等をいう。以下同じ。)の住所、居所その他当該撮影対象者等の通常所在する場所又は氏名その他当該撮影対象者等を特定するに足りる事項 | |
| 第百三十三条第三項 | 当該申立てに係る秘匿対象者 | 被告及び当該申立てに係る撮影対象者等 |
| 第百三十三条第五項 | 秘匿対象者 | 撮影対象者等 |
| この章において「秘匿決定 | 「秘匿決定 | |
| 反訴、参加、強制執行、仮差押え及び仮処分 | 参加、強制執行、仮差押え及び執行停止 | |
| 第百三十三条の二第一項、第二項及び第三項 | 当該秘匿決定に係る秘匿対象者 | 被告及び当該秘匿決定に係る撮影対象者等 |
| 第百三十三条の二第二項 | 申立て | 被告の申立て |
| 第百三十三条の四第一項 | 秘匿決定、第百三十三条の二第二項の決定又は前条第一項 | 被告並びに秘匿決定及び第百三十三条の二第二項 |
| 第百三十三条の四第二項 | 秘匿決定等に係る者以外の当事者 | 原告 |
| 若しくは第二項又は前条第一項 | 又は第二項 | |
| 第百三十三条の四第四項 | 次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める者 | 被告 |
| 第百三十三条の四第七項 | 当事者 | 原告 |
第二十六条第一項各号に掲げる処分等の取消しの訴え又は当該処分等に係る第二十九条第一項各号に定める裁決の取消しの訴えの提起があった場合において、対象領置物件若しくは対象領置物件を複写した記録媒体又は対象電磁的記録若しくは対象電磁的記録を複写し若しくは印刷した記録媒体について証拠の申出があったときは、裁判所は、被告の申立てにより、決定で、訴訟記録等(民事訴訟法第百三十三条第三項に規定する訴訟記録等をいう。以下この項及び第三項において同じ。)中当該対象領置物件若しくは当該対象領置物件を複写した記録媒体又は当該対象電磁的記録若しくは当該対象電磁的記録を複写し若しくは印刷した記録媒体に係る部分であって対象姿態等が記録された部分(第三項において「対象姿態等該当部分」という。)について、訴訟記録等の閲覧の請求をすることができる者を原告、被告及び当該対象領置物件又は対象電磁的記録に係る撮影対象者等に限るとともに、訴訟記録等の閲覧等(同法第百三十三条第三項に規定する訴訟記録等の閲覧等をいう。第三項において同じ。)の請求のうち閲覧の請求以外の請求をすることができる者を被告及び当該対象領置物件又は対象電磁的記録に係る撮影対象者等に限ることができる。
前項の決定は、疎明に基づいてする。
第一項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
この節に定めるもののほか、前三条の規定の実施に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第七節 雑則
検察官及び検察事務官は、この節の規定による調査のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。
第十七条第一項各号に定める者その他の関係人に対して、報告、文書その他の物件の提出若しくは出頭を命じ、又は公務所若しくは公私の団体に照会して、必要な事項の報告を求めること。
検察官は、消去命令に従って対象電磁的記録の消去がされたかどうかを確かめるため必要があると認めるときは、第十七条第一項第三号に定める者その他の関係人に対して、報告、文書その他の物件の提出若しくは出頭を命じ、又は公務所若しくは公私の団体に照会して、必要な事項の報告を求めることができる。
検察官は、検察事務官に前二項の規定による調査をさせることができる。
この章に定めるもののほか、この章の規定を実施するための手続その他必要な事項は、法務省令で定める。