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刑事訴訟法(けいじそしょうほう)

第五節 公判の裁判(第三百二十九条から第三百四十二条の七まで)

刑事訴訟法等の一部を改正する法律(令和五年法律第二十八号)による改正後の条文です。変わる言葉に印をつけています。

本則は章ごとのページで読みます。長い章は、さらに条のまとまりごとに分けています。本則の全条文と、この改正が変える附則・別表を示します。この改正が触れていない附則や別表は、いま施行されている条文のページでご覧ください。

変更の示し方

下線は加わる字句、縦線は字句が削られる箇所です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。下線は加わる字句、取消線は削られる字句です。

第五節 公判の裁判

第三百二十九条

第一項

被告事件が裁判所の管轄に属しないときは、判決で管轄違の言渡をしなければならない。但し、第二百六十六条第二号の規定により地方裁判所の審判に付された事件については、管轄違の言渡をすることはできない。

第三百三十条

第一項

高等裁判所は、その特別権限に属する事件として公訴の提起があつた場合において、その事件が下級の裁判所の管轄に属するものと認めるときは、前条の規定にかかわらず、決定で管轄裁判所にこれを移送しなければならない。

第三百三十一条

第一項

裁判所は、被告人の申立がなければ、土地管轄について、管轄違の言渡をすることができない。

第二項

管轄違の申立は、被告事件につき証拠調を開始した後は、これをすることができない。

第三百三十二条

第一項

簡易裁判所は、地方裁判所において審判するのを相当と認めるときは、決定で管轄地方裁判所にこれを移送しなければならない。

第三百三十三条

第一項

被告事件について犯罪の証明があつたときは、第三百三十四条の場合を除いては、判決で刑の言渡をしなければならない。

第二項

刑の執行猶予は、刑の言渡しと同時に、判決でその言渡しをしなければならない。猶予の期間中保護観察に付する場合も、同様とする。

第三百三十四条

第一項

被告事件について刑を免除するときは、判決でその旨の言渡をしなければならない。

第三百三十五条

第一項

有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。

第二項

法律上犯罪の成立を妨げる理由又は刑の加重減免の理由となる事実が主張されたときは、これに対する判断を示さなければならない。

第三百三十六条

第一項

被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。

第三百三十七条

第一項

左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。

一

確定判決を経たとき。

二

犯罪後の法令により刑が廃止されたとき。

三

大赦があつたとき。

四

時効が完成したとき。

第三百三十八条

第一項

左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。

一

被告人に対して裁判権を有しないとき。

二

第三百四十条の規定に違反して公訴が提起されたとき。

三

公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。

四

公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき。

第三百三十九条

第一項

左の場合には、決定で公訴を棄却しなければならない。

一

第二百七十一条第二項の規定により公訴の提起がその効力を失つたとき。

二

起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき。

三

公訴が取り消されたとき。

四

被告人が死亡し、又は被告人たる法人が存続しなくなつたとき。

五

第十条又は第十一条の規定により審判してはならないとき。

第二項

前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

第三百四十条

第一項

公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。

第三百四十一条

第一項

被告人が陳述をせず、許可を受けないで退廷し、又は秩序維持のため裁判長から退廷を命ぜられたときは、その陳述を聴かないで判決をすることができる。

第三百四十二条

第一項

判決は、公判廷において、宣告によりこれを告知する。

第三百四十二条の二

第一項

拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。

第三百四十二条の三

第一項

拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、前条の許可の請求をすることができる。

第三百四十二条の四

第一項

裁判所は、前条の請求があつた場合において、本邦から出国することを許すべき特別の事情があると認めるときは、決定で、国外にいることができる期間を指定して、第三百四十二条の二の許可をすることができる。ただし、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第四十条(入管法第四十四条の四第四項において準用する場合を含む。)に規定する収容令書若しくは入管法第五十一条に規定する退去強制令書の発付を受けている者又は入管法第四十四条の二第七項に規定する被監理者については、この限りでない。

第二項

裁判所は、前項本文に規定する特別の事情の有無を判断するに当たつては、第三百四十二条の二の許可がされた場合に拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者が同項の規定により指定する期間内に本邦に帰国せず又は上陸しないこととなるおそれの程度のほか、本邦から出国することができないことによりその者が受ける不利益の程度その他の事情を考慮するものとする。

第三項

裁判所は、前条の請求について決定をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。

第四項

裁判所は、必要と認めるときは、第一項本文の期間を延長することができる。

第五項

裁判所は、第三百四十二条の二の許可を受けた者について、国外にいることができる期間として指定された期間(以下「指定期間」という。)の終期まで国外にいる必要がなくなつたと認めるときは、当該指定期間を短縮することができる。

第三百四十二条の五

第一項

裁判所は、第三百四十二条の二の許可をする場合には、帰国等保証金額を定めなければならない。ただし、保釈を許す決定を受けた被告人について、同条の許可をするときは、この限りでない。

第二項

帰国等保証金額は、宣告された判決に係る刑名及び刑期、当該判決の宣告を受けた者の性格、生活の本拠及び資産、その者が外国人である場合にあつてはその在留資格(入管法第二条の二第一項に規定する在留資格をいう。)の内容その他の事情を考慮して、その者が前条第一項の規定により指定される期間内に本邦に帰国し又は上陸することを保証するに足りる相当な金額でなければならない。

第三項

裁判所は、第三百四十二条の二の許可をする場合には、その許可を受ける者の渡航先を制限し、その他適当と認める条件を付することができる。

第三百四十二条の六

第一項

第三百四十二条の二の許可は、帰国等保証金額が定められたときは、帰国等保証金の納付があつた時にその効力を生ずる。

第二項

第九十四条第二項及び第三項の規定は、帰国等保証金の納付について準用する。この場合において、同条第二項中「保釈請求者」とあるのは「第三百四十二条の三の請求をした者」と、同条第三項中「被告人」とあるのは「拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者」と読み替えるものとする。

第三百四十二条の七

第一項

裁判所は、第三百四十二条の二の許可を受けた者が、入管法第四十条に規定する収容令書若しくは入管法第五十一条に規定する退去強制令書の発付又は入管法第四十四条の二第七項に規定する監理措置決定を受けたときは、決定で、当該許可を取り消さなければならない。

第二項

裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、決定で、第三百四十二条の二の許可を取り消すことができる。

一

第三百四十二条の二の許可を受けた者が、正当な理由がなく、指定期間内に本邦に帰国せず又は上陸しないと疑うに足りる相当な理由があるとき。

二

第三百四十二条の二の許可を受けた者が渡航先の制限その他裁判所の定めた条件に違反したとき。

第三項

前項の規定により第三百四十二条の二の許可を取り消す場合には、裁判所は、決定で、帰国等保証金(第九十四条第一項の保証金が納付されている場合にあつては、当該保証金。次項において同じ。)の全部又は一部を没取することができる。

第四項

第三百四十二条の二の許可を受けた者が、正当な理由がなく、指定期間内に本邦に帰国せず又は上陸しなかつたときは、裁判所は、検察官の請求により、又は職権で、決定で、帰国等保証金の全部又は一部を没取することができる。